【野球】早慶対談第1弾 外丸東眞投手×伊藤樹投手(後半) 

野球対談

慶應スポーツでは、早稲田スポーツと合同で対談企画を行いました!

第1弾は、1年次からリーグ戦で大車輪の活躍を見せた新2年生の外丸東眞投手(新環2・前橋育英)と伊藤樹投手(新スポ2・仙台育英)です!

前半の記事は早稲田スポーツ新聞会の方でご覧いただけます。

 

――ご自身の強みや武器について教えてください

伊藤樹 僕はやっぱりストレートには自信持っていますし、この1年を通してすごく自信を持てたので、結局はストレートが一番の武器なのかなというふうに思っています。

外丸 僕の武器はやっぱコントロールですかね。低めに集めて打たせて取るというのが1年間意識してやってきたことなので、そこが武器となっていると思います。

 

――ピッチャーとしてマウンド上ではどんなことを意識していますか

伊藤樹 僕は抑えを春からやらせてもらって、今までそういう経験がなくて。その抑えの時に出ていく気持ちと、先発で出ていくこの雰囲気とか気持ちっていうのがすごく違うものなんだなというふうに感じています。抑えの時は結構興奮状態っていうか、「いくぞいくぞ!」みたいな感じの盛り上がりの中ブルペンで結構投げてから(マウンドに)上がるみたいな意識をしていて、先発の時は正直緩めに入ってるっていうのもあるんですけど、まあ気持ちはしっかり作りながらちょっと落ち着いて周りを見ながらっていうふうにやらないとバッターと接した時に余裕がなくなってしまうので、そこは気持ちとか考え方の違いはありますね。自分の中の落ち着きとか余裕っていうのは結構気にしてやってます。

外丸 僕はとにかく一球一球全力で投げるというか、それしか意識していなくて。先発だと結構長いイニングを投げないといけないので、先のことを考えながら投げるのも必要なんですけど、1年生という立場でチームを勢いづけるという意味でも、先のことは考えず一球一球全力で投げるということを意識しています。

 

――試合のときのルーティンはありますか

伊藤樹 ルーティンは作っていなくて、なんかいつもの日常と変わらないぐらいの感じで臨みたいっていうのが自分の中であります。前ルーティンを作ってやってみたこともあったんですけど、それをしないといけないっていうことに縛られるのがすごく嫌でやめました。治療を多めにとかそういうのはしますけど、特にルーティンは作らないようにやってます。

外丸 僕はめちゃくちゃ逆で、ルーティンをやらないと気が済まないタイプです。朝起きてから何して、球場で投げる前は何して、試合前はこれやってみたいな。結構多いんですけど、一番大事にしているルーティンは、寮の掃除をしてから球場に向かうっていうのかなって思います。他にもいろいろあるんですけど、それこそもう引退してしまいましたけど、橋本達弥さん(R5環卒=横浜DeNAベイスターズ)とかと一緒に掃除とかやってました。

 

――お互いに「この部分は勝てないな」というところはありますか

伊藤樹 コントロールじゃないですかねやっぱり。あれだけ丁寧に丁寧に投げられるっていうのは性格も多分込みだと思うんですよね。僕も丁寧に丁寧にやりたいんですけど、性格が伴わなくて多分できないのでそこはうらやましいなと思います。

外丸 僕はやっぱまっすぐですね、球のスピードには勝てないなあって思います。いずれは並んで2人で競い合えればいいなと思いますけど。あとはメンタル的に勝負強いっていうか、ピンチでも動じないピッチングっていうのはすごい印象にあって。ピンチになるとめっちゃ燃えるタイプだと思うんですけど、そこは僕には真似できないかなって思います。

伊藤は150キロ前後のストレートが魅力だ

 

――目指している選手や選手像はありますか

伊藤樹 目標としている選手がいないんですけど、僕がいつも言うのは、キャラクターのパラメータとか出すときって結構五角形とかにしてやるじゃないですか。そういうのが突出するんじゃなくて完璧になりたいっていうのがピッチャー的にはあります。これもできてあれもできてっていうのが自分の中でしたいことなんですけど、プロのピッチャーとかでこういう人を尊敬してるっていうのはあんまりいないです。

外丸 参考にしてる選手はもちろんいますけど、なんか目標っていうほどでもなくて。選手像としてはやっぱチームを勝たせられるピッチャーになりたいっていうのがあります。内容はどうであっても最終的にはチームが勝ってるっていう状況を作れるピッチャーを目指しています。

 

――対戦して嫌だった打者はいますか

伊藤樹 僕は明治の村松さん(村松開人、R5情コミ卒=中日ドラゴンズ)がダントツで嫌でした。見送り方とか、ストライクしか振ってこない感じとかっていうのはすごく嫌でした。

外丸 僕は同じ明治の上田希由翔さん(新国日4・愛産大三河)ですね。やっぱ一発が怖いっていうのがすごいあって、丁寧に丁寧にいってカウント悪くして結局打たれるみたいなことが多かったんで、上田希由翔さんが一番怖かったです。

 

――意識している選手はいますか

伊藤樹 村松さんは春からいなくなるんですけど明治は宗山さん(宗山塁、新商3・広陵)とか上田さんとか残っていて、慶應も廣瀬さん(廣瀬隆太、新商4・慶應)とかに合宿(12月に行われた日本代表候補合宿)のときに打たれたりしてたので、抑えられるようにしないといけないなって思ってます。

外丸 僕も明治の上田希由翔さん、宗山さんとか、その他の大学もすごいレベルの高いバッターがいるので、どの大学でもどのバッターでも通用できるように成長していかないといけないなって思います。

 

――新チームが始動して3ヵ月ほどになりますが、投手陣の雰囲気はどうですか

伊藤樹 うちは結構主力で投げていたメンバーが残ってるのであんまり雰囲気として変わりはないんですけど、結構競争意識が高まっています。もちろん春秋メンバーに入っていない選手でも能力がある選手はいっぱいいるので、そういう中で一枠を勝ち取るところの競争はすごく激しくなってきてるなって思います。

外丸 うちは4年生が抜けて結構ピッチャー陣が少なくなっているので、危機感を持ってやってるなっていう印象ですね。やっぱりトレーニングもそうですし、ピッチング練習とかも緊張感を持ってやれていると思います。

 

――お二人は新チームではチームの中心になっていくと思いますが、意識的な部分などで変わったところはありますか

伊藤樹 僕は先発も抑えもどっちもやったっていうのがあって、前日とか1週間前からスタートするメニューが変わるので調整方法が全然違うんですよね。基本的には先発に合わせながら抑えに移行していたんですけど、それがとにかくこの1年は難しかったです。今は先発で投げられるようにすることを第一優先にやっているんですけど、先発と最終回だけを投げるところの違いをこの1年間ですごく学びました。チームとしても選手にいろいろ聞いたりしてやっていますし、自分が意見を求められたときには答えているので、そういう意見交換はできる立ち位置になったのかなって思います。

外丸 僕は何か変わったというよりは、変わらず自分のやることをやるだけかなと思っています。1年生から経験させてもらった立場として、練習に取り組む姿勢で、背中で見せるというか、そういうのが必要になってくるんじゃないかなと思います。

外丸は先輩としての自覚も芽生える

――推薦で入学する選手も少しずつ発表されていますが、後輩が入るということはどうですか

伊藤樹 ピッチャーが3人スポーツ推薦で入るので面倒見ないといけないなって思うんですけど、3人もいるのでそこは頑張らないといけないなって(笑)。もちろん能力的なところでも先輩に憧れて、加藤さん(加藤孝太郎、新人科4・下妻一)とかの背中を見てこの1年間頑張らせてもらったので、そういうふうになれるようにやっていきたいなと思います。

外丸 期待の新人が入ってくるということで、僕も負けないように頑張りたいなと思います。

 

――新チームの投手陣の強みはどのようなところだと思いますか

伊藤樹 やっぱり主力として投げていたメンバーがずっと残っているっていうのは一番の強みかなって思います。あとある程度全員が計算できるピッチャーたちで、失点してもこのぐらいしか荒れないだろうっていう計算が立つので、チームとしてやりやすくなるのかなって思います。

外丸 主力で投げていた4年生たちが結構抜けて、今はあまりリーグ戦に出れていなかった人たちが多いっていう状況です。これからは下級生を中心に成長したピッチャーが出てきて、それがチームを勢いづけられるのかなって思います。

 

――来季の目標をお願いします

伊藤樹 僕の中では先発したいっていう気持ちはずっとあるので、来シーズンどうなるかわからないですけど、勝ち星をあげたいなっていうのがひとつです。あとは規定投球回に乗ることはすごく2年目として大事なのかなって思います。身近で加藤さんが最優秀防御率を取って、タイトルを取ることってチームの勝敗に関わることでもあるので、最優秀防御率ってところも目指しながら、細かくステップを踏んでいけたらいいのかなって思います。

外丸 僕はまだどういう使われ方をするかわからないですけど、5勝以上っていうのを目標にしたいです。それができなければ優勝できないぐらいの気持ちで今やっているので、僕の立場として5勝以上っていうのはやらなきゃいけないなって思います。それで最優秀防御率が取れればチームは優勝に近づくと思いますし、1年間経験させてもらった立場としてそこは責任感を持ってやりたいなと思います。

 

――目標を具体的な数字にするといかがですか

伊藤樹 防御率は、やっぱり0点台かなと思います。

外丸 僕も0点台…1点台…いや0点台(笑)。試合の中ではそんな数字的なことは意識しないですけど、最終的にそれぐらいいい成績が残せればいいかなって思います。

 

――お互いに質問したいことはありますか

伊藤樹 どうぞ(笑)

外丸 いつ予定空いてますか(笑)

伊藤樹 えー2月中旬までかなあ(笑)。オフの日が違うからね。

外丸 「リーグ戦後オフあるから~」とか言って結局会わずにこうやっていっつも延ばし延ばしになってるんですけど、今年こそは行けるように調整します(笑)。

 

――最後に来季への意気込みをお願いします

伊藤樹 明治に勝っていれば優勝できた2位という位置に春の5位から上がって、チームとして優勝に対して頑張っていった結果が2位だったのでそれを超えないといけないですし、1年生から経験した分2年生からは結構難しいって言われているんですけど、そういうのを払拭するように活躍できればなと思います。

外丸 チームとして優勝を目指してきた中で春秋とも優勝できなくて、個人的にも特に秋は早慶戦とかでも自分の力を発揮できなくて、経験はできましたけど悔しい1年になりました。今年はもっと成長した自分を見せられるように、さっき樹も2年目は難しいって言ってましたけど、他の大学の予想を超えていけるようにリーグ戦まで練習頑張ります。

 

お忙しい中ありがとうございました!

◆外丸東眞(そとまる・あづま)

2004年2月22日生まれ。前橋育英高を経て、環境情報学部新2年の投手。1年春のリーグ戦から先発として出場し、通算2勝4敗、防御率3.50。2023シーズンからは慶大のエースとしての活躍に期待がかかる。173センチ、75キロ。右投げ右打ち。

伊藤樹(いとう・たつき)

2003年8月24日生まれ。仙台育英高を経て、スポーツ科学部新2年の投手。1年春からリーグ戦に先発・抑えとして出場し、通算防御率は1.80を記録。150キロ付近のストレートで打者を圧倒する。176センチ、78キロ。右投げ右打ち。

※取材は1月25日にオンラインで行われました。

第2弾、第3弾もお楽しみに!

取材:橋本聖(早稲田スポーツ)、愛宕百華(慶應スポーツ)

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