【バレーボール】〈4年生卒業企画②〉松本喜輝選手 ~挑み続けるVリーガー~

バレー企画

4年生卒業企画第二弾は、バレーボールから松本喜輝選手(環4・九州産業)を取り上げる。(前回の島田航希選手のインタビューはこちらから)

松本選手は大学1年時からエースとして躍動し、チームを勝利に導いてきた。大学バレー引退後は、富士通カワサキレッドスピリッツの内定選手として2023-24シーズン途中、12月からチームに合流し、試合に出場。力強いサーブとスパイクはV.LEAGUE(ブイリーグ)の舞台でも引けを取らず通用し、活躍を見せている。

松本選手、島田選手は互いに4年間支え合い、喜びや悔しさを共有した仲であるが、Vリーグを目指した背景には違いがある。今回は、そのような両者の違いが多く感じられるインタビューとなった。島田選手のインタビューと合わせてご覧ください!

松本は1年生から試合に出場し活躍してきた

――大学卒業後もバレーボールを続ける選択をした理由は

松本:せっかく大学までバレーボールをやってきたからには、やれるところまでやりたいなと思ったのがひとつあります。

 

――元々、バレーボール選手になりたかったんですか

松本:いや、全くですね(笑)。

 

――意外です。Vリーガーの道を本格的に考え始めたのはいつですか

松本:大学3年の夏とかですかね。周りが真剣に将来のことを考え始めて就活モードになって、ちょうど1個上の先輩たちも就活終わったくらいだったので、先輩ともそういう話をして。自分の将来について親とも相談しながら考えて、「自分のやりたいことしたらいいよ」って言ってもらえたので、ここまできたらやれるところまではやろうかなと思いました。

 

――V1のチームからも声が掛かる中で、富士通に入ることを決めた理由は何かありますか

松本:セカンドキャリアがしっかりしていることです。働きながらバレーボールをするので、現役中はすごく忙しいと思うんですけど、引退したあとを考えると安定した生活ができるのかなと思いました。意外と、現実主義かもしれないです(笑)。

 

――Vリーグに入ることが決まって、周りの反応はいかがでしたか

松本:家族は自分の人生なんだから好きなようにしなっていうスタンスだったので、決まったことを報告したら「あ~良かったね!」っていう普通の反応でした(笑)。バレー関係の友達とかチームメイトからは「なんでV1行かなかったの?」ってめちゃくちゃ言われましたね。

 

――富士通のチームの雰囲気はいかがですか

松本:エンターテイナーの集まりというか、お祭り集団というか(笑)。常にチームメイトとファンの皆さんを笑わせてやろうみたいな感じです。VOM(V-leaguer Of the Match,試合で最も活躍した選手を指す)のインタビューの時も、ちゃんと答えようというよりもいかにして横でダウンしているチームメイトを笑わせようかで頭を悩ませています。笑いのセンスが鍛えられました。

 

――松本選手自身は、チーム内ではどういうキャラですか

松本:高校や大学のときはけっこうクールな感じの人だと思われていたらしいんですけど、実際は全然クールじゃなくて(笑)。エピソードで言うと、先輩から「喜輝って喋らずバレーだけしてればモテそうだよね。喋ると残念。」って言われたことがあります。自分で言うのもあれなんですけどね。全然クールじゃないってことを知って欲しいです(笑)。

 

――富士通と慶應のカラーの違いはありますか

松本:慶應も富士通もバレーボールを楽しんでやろうというのがコンセプトにあるので根本は変わらないですね。違うところで言うと、慶應の時は楽しむことで自分たちのコンディションや雰囲気を上げようというのが強かったんですけど、富士通はその面はもちろんありつつも来てくださったファンの方々を楽しませて、また来たいと思ってもらいたいという意識が全員にあります。なので、来ていただいたことがある方は分かると思うんですけど、ああいう雰囲気の中で楽しくやってます(笑)。

 

――練習面での違いは何かありますか

松本:富士通はフルタイムで働いて時には残業もしてからの練習なので、集まれる人数が少なくてやれる練習が限られてきます。総合練習の時も人が足りないので、コーチが代わりに入ってくださったり、セッターも1人しかいないってなった時は片方のチームは二段トスだけって感じです。片方のチームからずっとサーブを打ってもらってもう一方のチームがサイドアウトの練習、サーブ側はブレイクの練習で二段トス打ち切るって感じでやってます。限られた中でも、少しでもどうしたら良い練習ができるかをみんな考えてやっていますね。

 

――そのような限られた練習の中でもしっかり試合で結果を残していますよね

松本:実は自分たちでも何で勝てるのか分かっていなくて(笑)。数値で見ても、サーブレシーブ返球率も低いですし、その他の数値も平均以下なんですよね。でもひとつあるとすると、チームの雰囲気のところで数値が跳ね上がっていると思うので、そこでカバーしているんだと思います。

 

――総合的な力があるということですね

松本:そういうことにしておいてください(笑)。

 

――仲良い選手はいますか

松本:太さん(高橋太選手)です!

 

――仲良しエピソードは何かあったりしますか

松本:たくさんありますよ(笑)。ひとつ話せそうなやつでいくと、太さんが来たら目の前まで行って、「おはようございますッ!」ってちゃんと挨拶するっていう2人の中でのノリがあるんですけど。太さんが残業とかで平日の練習遅れてくることがあって、自分は練習中だったから目の前まで行って挨拶できないじゃないですか。だから普通にそのまま練習してたんですけど、練習終わりに太さんのところ行って「お疲れ様ですッ!」って言ったら、太さんに「来るの遅くない?」って言われて。「いや、練習してたじゃないですか!」って言ったら、太さんが「じゃあ監督が来た時も練習優先して挨拶来ないんか」って言い始めて(笑)。それがあってからは練習中であろうと太さんの目の前に行って「おはようございますッ!」ってやるようになりました。そうなんですけど、あの人朝とかにやるとめんどくさがってくるんですよ。自分がやれって言ったのに(笑)。太、許せない!(笑)

途中出場する松本(右)

――内定選手として試合に出場して活躍されていますが、率直にいかがですか

松本:そうですね。試合に出ていると言っても、大学の時とは全然役割が違います。大学の時はエースとして背負ってやっていたんですけど、今自分は控えオポジットという立場で、エースのサイドの先輩もいて、試合に出るときはオポジットの先輩が調子悪かった時や2枚替えする時とかなので、雰囲気を変える役割があると思っています。控えとしてアップがあまりできていない状態で試合に出るというところで役割が変わった分、最初はめちゃくちゃ難しかったです。3カ月チームに帯同した今では自分の中でやり方が分かってはきているつもりです。

 

――自分の強みや、期待されていることをどう捉えていますか

松本:やっぱり1番期待されているのはサーブだと思います。オポの先輩の代わりや2枚替えで出ることもあるんですけど、ピンチサーバーとして出ることもあるので。2枚替えの時もサーブを打ってから交代することがあるので頑張りたいと思っています。

 

――サーブの手応えはいかがですか

松本:正直、だいぶあります。サーブ効果率も数字として出ていますし、手応えは大きいです。

 

――何か意識していることはあるんですか

松本:アナリストの先輩やコーチに、トスが低くなって慌てて打ってしまうときにミスが多いと言われたので、意識的にトスを高めに上げて空中で余裕を持って打てるようにしています。

 

――もっと頑張りたいところはありますか

松本:サーブの調子が良くて走っているときは、やっぱり自分の気持ちも上がって調子が良くなるので、もっとサーブを安定して攻めていけるようになりたいなと思います。

Vリーグの舞台でも強いサーブとスパイクは健在

――試合に出るときは緊張はしますか

松本:今はしないですね。前はピンサーで出るとき少し緊張していたんですけど、結局ピンサーって攻めた結果のミスであれば気にしなくていいと思うので、自分のできる100%のサーブを打てばいいだけって思うようになってからはそこまで緊張しないです。大学のときは自分の控えがいないから絶対にこけられないって思っていたんですけど、今オポとして出るときはオポの先輩がすごく頼りがいがあるので、最悪自分が調子悪くてもその先輩が出てチームが勝つっていう展開もあるので気楽にのびのびとできています。

 

――VOMも多く受賞されていましたね

松本:自分の強みであるサーブの調子が良かったり、サービスエースを量産できたときにVOMに選んでいただくことが多くて、けっこうサーブの手応えがあった試合は自分的にも調子が良いのかなと思っています。

 

――インタビューは慣れましたか

松本:慣れたというよりプレッシャーが大きくて、チームメイトからの(笑)。いかに観客の方々と富士通メンバーを笑わせられるかっていうところで、その圧がひしひしとベンチからくるので気まずさもあります。ホームだともう皆さん富士通がどんなチームか分かってくださっているからいいんですけど、アウェイで(VOMを)取ったときは、会場の雰囲気的には真面目にいったほうがいいんだろうなと思いつつも、富士通からの圧もあるので板挟みになったことがありました(笑)。

大学4年時の松本(左)と島田

――今年は慶大バレー部からVリーガーが2人誕生しましたが、島田航希選手(大分三好ヴァイセアドラー所属)はライバルとして意識されますか

松本:ライバルではないです(笑)。いつかはネットを挟んでマッチアップしてバチバチな試合をしたいなとは思います。

 

――先日の試合では島田選手との慶應対決が実現しましたが、いかがでしたか

松本:やっぱり雰囲気的にサーブで航希を狙わないといけないかなと思ったので、サーブ狙ったらなんか崩れてて面白かったです(笑)。

 

――慶大バレー部の同期の皆さんも試合を見に来ていましたね

松本:ありがたいですし、うれしかったです!でも、うちわは少し恥ずかしかったです(笑)。あんまりそっちの方を見ないように意識的にしていました。見たら負け、見たらいけない気がしちゃって(笑)。

 

――慶大バレー部の同期の皆さんはどういう存在ですか

松本:高校は3年間ですけど大学は4年間で1年長くなったというのと、どうしてもチームのことについて考えて話す時間も多かったので、そういう意味だと深い関係を築けたと思っています。自分はそう思っているけど、みんなはどうかな(笑)。あと、もし今後試合を見に来てくれることがあったら、控えめにお願いしたいです。この前の試合の時もファンの方から「慶應の同期の人来てましたね!」って言われて、自分たちより目立ってるじゃん!って恥ずかしくなりました。

 

――応援しているファンの方々へメッセージ

松本:いつも応援してくださりありがとうございます。遠征してまで応援してくださる方もいて、本当にうれしいです!どうしてもVリーグはファンの方がいないと成り立たないものだと思うので、そういう点でもありがたいですし、もっとチームを好きになって試合を楽しんでもらえたらなと思います。プレーで魅せるのはもちろん、それ以外の面でも楽しんでいただけるように頑張るのでこれからも応援宜しくお願いします。

 

――今後の目標、意気込み

松本:プレー面では、サーブ賞を獲れるくらいにサーブをきわめたいと思います。プレー以外では、富士通は他のVリーグのチームと違ってフルタイムでしっかり仕事をしながらバレーボールをするので、自分のできる範囲の100%をどっちも出しながら仕事とバレーの両立をしていきたいなと思います。

 

――ありがとうございました!

(取材:田中瑠莉佳)

★次回の4年生卒業企画もお楽しみに!

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