【男子ラクロス】接戦もあと一歩及ばず、因縁の相手に惜敗/東大戦

先制点を奪った永島主将

リーグ戦開幕から3試合、順調に勝ち星を重ねてきた慶大。そして迎えた第4戦は、昨年敗北しFINAL4進出を逃すこととなった因縁の相手・東京大学との対戦。日本一へ向けての大一番の勝負だったが、「東大の手堅いディフェンスに対して慶應が効果的なオフェンスが出来ず」(長島・商4)、接戦を制することができなかった。

第23回関東学生リーグ・第4戦

 2011/9/19(月・祝)14:30F・O @大井第二球技場

チーム 1Q 2Q 3Q 4Q
慶應義塾大 2 1 1 3 7
東京大 2 2 2 2 8
 

本来のプレーが出せなかった加藤亮

集客試合ということもあり球技場全体が熱気に包まれる中、グループ1位を争う2校の注目の一戦が始まった。試合序盤から積極的に東大ゴールを狙う慶大。2分にはMF永島主将(政4)が自ら切り込んで先制。しかし、その後はクリース付近で東大にボールをキープされる。先発のG末弘(政3)が体を張った好セーブを見せるも、7分に1点を返されると、10分にはゴール裏から走りこまれ逆転を許してしまう。慶大もゴールには向かうものの相手DFの堅い守りに阻まれ、パスミスも重なり相手にボールを奪われる時間が続く。このまま流れをつかめないまま終わるかと思われた17分、MF梅澤(政3)が相手DFを突破し同点弾を決め、2-2で1Qを終えた。

2Qは開始直後から東大に攻め込まれ、1分、2分と立て続けに失点。6分にはMF藤澤(経3)のパスを受けたMF田中(政3)が冷静に決め1点を返すが、「東大が(ボール)キープに走っていて、慶大がアクションを取れない」(DF岡本・経2)もどかしい時間が続く。相手のミスを拾いチャンスを作り出すもののシュートの決定率を欠き、なかなか得点できない。それでも2Q終盤の東大の猛攻をしのぎ、1点ビハインドで前半を終える。

ナイスセーブでチームを鼓舞した中井

後半、流れを取り戻したい慶大は、藤澤が3Q開始のF・Oを取り自ら攻めるが惜しくも枠を捉えられず。しかしこれで勢いに乗った慶大は攻め続け、3分にゴール前の混乱の中、相手が投げたボールをAT平子(政4)が押し込む。再び同点に追いついた慶大だが、その後はまたしても東大にボールを保持される展開に。ゴール周りで回され11分に失点すると、その直後の12分にはF・Oからそのまま突破され連続失点。相手にゲームを支配され、ほとんど東大ゴールを狙えないまま、なんとか2失点に抑えて3Qが終了。

2点差をつけられ追い込まれた慶大。4Qも東大にF・Oから主導権を握られる。3分には永島がDFを交わしミドルシュートを決め、守りの面でもG中井(商4)がスーパーセーブを見せるなど奮闘するも、その後は「負けていて焦っていた」(長島)ためか、ボールを奪っても「小さなミスで相手にやられる」(永島)場面が目立つ。10分にはゴール裏から回られ失点し再び差を広げられるが、11分F・Oを奪った藤澤からのボールを受けた永島が走り込み得点。ところが12分に再び失点。点差がなかなか縮まらないまま、白熱した攻防が続く。そんな中、ここにきて攻撃の形を取り戻してきた慶大は最後の猛攻を見せる。15分、ゴール前で田中がキープしていたボールを、DFの隙をついて走りこんできたMT粟田(経3)が決め、1点を返す。しかし残り時間わずかになっても諦めず攻め続けた慶大だったが、あと一歩及ばず試合終了。宿敵・東大へのリベンジを果たすことはできなかった。

目標スコアが20-10というように「失点数は予定通り」(梅澤)だったが、「東大にスカウティングされていろいろ対策されてしまった」(AT加藤亮・経4)ためか、本来の慶大らしいオフェンスが見られず、流れを作り出すことができなかった。FINAL4進出、そして日本一に向けて、もう決して負けは許されない。「気を引き締めて、絶対に勝つ」(永島)。本当の戦いはこれからだ。

By Yuki Morioka

コメント

末弘

(振り返って)プレスのディフェンス、結果的にはセーブできていたんですが、結構ゴーリーワンマンとかが多くて、危ないシーンも多くて、東大はスカウティングしてきているなということで変えなきゃいけないなと思いつつも、試合中にはあまりディフェンスの悪い面を改善できなくて、こういう結果になってしまったと思います。(ディフェンスの悪さがオフェンスにも影響してしまったか)クリアとかも改善できなくて、良い感じの流れになったのに小さなミスで相手にやられるというのが多くて、結局最後までうちの流れに持っていけなかった。(この大一番の一戦に向けて意識したことは)僕がプレスして、中井さんがインターセプトというのが強みとしてあるので、僕は走り切ろうというのを意識していました。(勝利するにはどの点が足りなかったか)一応ディフェンスは得点としては20-10で勝とうという目標だったので、スコア的に見ると悪くはなかったんですが、オフェンスにうまくつなげられなかったので、プレスをするのは前で奪ってオフェンスが簡単に点を取るということでプレスをやっているが、そういう点が出来なくて、奪うとしても自陣深くだったので、オフェンスに優位な状況を作れなかったことはディフェンスとしては反省点です。(ボールも多く支配されてしまったが)たぶん東大がすごくスカウティングしていて、うちらのやりたいことが全然できなかったことが理由だと思います。(逆に慶大も東大のスカウティングをしていたと思うが生かせたか)あまりうまく生かせられなかったですね。相手も結構変わっていて、やられました。(次戦・横国大戦に向けて)横国は一応格下のチームなので、余裕をもって見ているんですが、さすがに負けたらもう終わりなので、そこは気を引き締めて、絶対に勝ってFINAL4に行きたいです。

長島

(試合を振り返って)東大の手堅いディフェンスに対して慶應が効果的なオフェンスが出来ず、なかなか点を入れられなかったのが敗因かな、と。ディフェンスに関しては10点以下に抑えられたのでそれは良かったんですけど、得点不足でした。(東大にボールを支配される時間が長かったですが)フェイスオフに関しては東大が強い、というのはわかっていて、実際かなり取られてしまってリズムを向こうに持っていかれてしまいました。あと、自分たちがボールを奪ってからも中盤でうまくクリアが出来なくて、そこでも慶應にリズムを持ってこられなかったので、そこは結構苦戦しました。(東大に対して今回のように苦戦することは予想していましたか)ある程度はそうですね。フェイスオフが強いこともわかっていたし、クリアも苦戦するだろうなと思っていたので、そこははまってしまったな、という感じです。それと、ハーフフィールドディフェンスに持ち込んでからもMFの1on1で勝ててなかったりとか、そういうところですね。対策はしていたんですが。(ご自身のプレーに関して)3Qくらいまで外の球回しに徹していて、あまり勝負しなかったというのが反省点です。4Qは結構負けていて焦っていたので、1on1とか行ったんですけど、そこでもシュートが入らなかったりしたので。(次戦の横国戦、今後に向けて)慶應のやりたいオフェンスでしっかり点を取って、20-10を達成する、というのが目標ですね。本当に、自分たちのやってきたオフェンスで点を取るというところを徹底していきたいです。

井本

(振り返って)東大はすごく慶應の対策をしてきていて、ディフェンス含めオフェンスも自分たちのオフェンスができなかったというもどかしさはありました。(東大に対しての対策は)セットプレー対策とか結構していたんですが、自分たちの戦術で自分たちのリズムでやろうと話をしていた。(追い詰めながらも突き放される展開が続いたが)やっぱり自分たちより東大の方が前節とかもすごく接戦してきて、きわどい試合に慣れていて、自分たちは圧勝してきて、そういう試合慣れの部分かなと思います。(ボールを支配される時間が多くなったが)結構相手が広がって奪えなかったので、もう一回ここからやり直していきたいです。(ディフェンス面での課題は)結構回されてしまって、守れてはいたんですが、自分たちのボールにポジションを変えられなかったのは痛かった。(この大一番の一戦に向けて意識したことは)去年も負けていて、去年は東大戦で4年生が引退してしまったので、その分も勝ちたいと意気込んでいました。(次戦に向けて)次も勝って、その先のファイナル4もあるので、しっかり勝って次につなげたいです。

中井

(試合を振り返って反省点や良かった点)反省点で言えば今まで格下相手に楽に試合を進めてきたので今日の試合は勝負しきれなかったところですね。逆に良かった点では接戦の中で自分たちのプレーを貫いていけたところや修正ができたところだと思います。(今日の試合を終えての感想)自分はディフェンスなので、そこからの目線で言えば、ミスが目立ったと思いました。今日みたいな接戦はものにして立て直していきたいです。(次の試合に向けての意気込み)横国は格下の相手ですが、いけると思うのではなくて、後がないと考えて個人としてもチームとしても立て直していきたいです。

加藤亮

(試合を振り返って)目標が20-10で勝つということだったんですけど、それに届かない結果となってしまって。東大にスカウティングされていろいろ対策されてしまったので、次からは戦術をもっと詰めていって、対策されてもどんどんプレスして落とせるようなラクロスをしていきたいですね。(ボールを支配される時間が長かったですが、このような展開になることは予想していましたか)いや、全然していなかったです。プレッシャーをかけてボールを奪う、というラクロスをずっとやってきているので、こんなにボールを保持されるというのはちょっと考えていなかったです。やはりここまでボールを保持されてしまったというのは敗因の1つだと思います。(追い詰めながらも突き放される展開が続いたが焦りなどは)焦りはそこまでなかったと思います。点を決める、という強い気持ちを持ってプレー出来ていたと思います。(今日のご自身のプレーについて)僕はチームに迷惑をかけてしかいないですね。最初のファールだったり、キーパーのいない無人のゴールへのシュートを外したり悪いプレーが目立ってしまったので申し訳ないです。(横国戦、今後に向けて意気込みをお願いします)もういったん負けてしまったので、0からやり直して、もちろん今までやってきたことは積み上げていって気持ちは切り替えて、これからは全勝で日本一になりたいと思います。

田中

(フォーカスしていた点は)ゴールに向かうことを意識していまし た。(試合を振り返って)ミスが多くてなかなか自分たちの思ったようなプレーが出来ませんでした。それが技術的な範囲につながって、1点差ですけれどもその1点の差がとても大きかった試合になってしまいました。自分たちがボールをキープすることの出来た時間が少なく、焦ってしまったところもありました。自分たちの一番良い選択が焦ったせいで出来ず、どんどん悪い方向に行ってしまったりしました。(東大との差はどんな点にあったと感じたか)東大は戦術が徹底できていました。それが一番東大の良かったところだったと思います。(相手のボールキープの時間が長かったが)オフェ ンスが焦って点数を取れなかったので、影響を受けてしまいました。(今日見つかった課題とは)シュートの決定率だと思いました。少ないオフェンスの時間でも、例えば1本しかシュート が打てないのであれば、その1本を確実に決める、といったように、シュート決定率をもっと上げていかなくてはならないと思います。(次戦に向けて)横国大戦で勝てばFINAL4進出が決まります。今日の敗戦を生かして、次戦は今までのように圧勝していきたいと思います。

梅澤

(試合を振り返って)ディフェンスとかは東大にやりたいことをそんなにさせていなくて、でもグラウンドボールを80%取ろうっていう目標があったんですけどそれが達成できなくて。奪いどころで奪わないといけなかったと思うし、俺とか他のMFも点を取るべきところで取らなければいけなかったと思います。点が取れなくて負けた、という試合だったと思います。失点数は予定通りだったので。(勿体ないところでのミスも目立ちました)集客試合ということでみんな少し舞い上がってしまって、ミスをしてしまったんだと思います。今年は俺も含めて集客試合が初めての人や1年生も多かったのもあって、うまくいかなかったのかな、と。(ご自身の得点もありましたが、今回の試合で良かった点は)試合前に一人一人がゴールを狙うことを意識していて、俺も1対1で勝負しても勝てたし、そういうところは良かったと思います。個では全然負けていなかったんですけど、チームとしてはあまりうまくいかなかった。(個人としての反省点は)グラウンドボールをすくいきれなかったのと、DFが下で小さく守っていたのでもっとMFの俺たちで切り込んでシュートとかが出来れば良かったと思います。(1対複数になったときパスせず突破しようとした理由は)東大がボールから始まるディフェンスをすごく徹底していて、1人がもらったらすぐに3、4人で来るようにしていて。俺もボールをもらうことに集中しすぎてしまってあとの展開がうまくいかなかったので、それも敗因の1つだと思います。(今後に向けて意気込みをお願いします)FINAL4は一橋が来ると思うんですけど、もう二度と負けられないし、とにかく勝つしかない。これからは結果が全てなので、内容とかよりも結果を求めていきたいと思います。

藤澤

(試合を振り返って)疲れましたね。あとはやっぱり接戦の時は最後に出てくる人は絶対決まっているので、そういうときにミスをせずにやらないといけないと感じました。(反省点や良かった点は)接戦の試合が出来たというのが負けたとしても良かったです。でも、接戦できたのに最後は気合いで負けてしまったのが反省点です。あとは僕がシュートを入れれば良かったのではないかと。(次戦への意気込みをお願いします)そうですね、シュートを決めるということと、暑くても走ります。

岡本

(今日の試合でフォーカスしていた点は)目標を20-10 で勝つ、と決めていました。そのために重要なことはボールに寄ることでした。それを意識し、フォーカスしていきました。(実際に試合での出来は)前半はボールに寄ることが出来ていたんですけど、東大も同じ点にフォーカスしてやってきていたので、そこで慶大の技術が足りなくて、勝ったとは言えない展開になりました。その結果が点数の差に表れたのかな、と思います。(試合を振り返って)ディフェンスでボールを奪わなければならないのに、停滞した時間が長かったです。それが目標の点数に満たなかった要因の1つでもあると思います。あとはディフェンスの積極性が足りなかったですし、オフェンスもやりきれていなかったと思います。(チームのコンディションとしては)ディフェンス視点から言うと、ディフェンスはそこまで悪くはなかったです。むしろボールは一応奪えていると言えば奪えていたので。そこは悪くなかったとは思っています。ディフェンスからすると、オフェンスにももっと頑張って欲しかったです。ですがクリアのところでディフェンスのミスが多かったので、その点は今後修正していかないといけないと感じました。(相手にボールキープされる時間が長かったが)東大には時間を上手く使われました。ディフェンスで僕や相川選手がしびれを切らして勝手に追いかけ回したりしてしまったので、そこはコミュニケーションをとってやればもっと簡単にボールを奪えたかと思います。ですがいずれにしても東大が(ボール)キープに走っていて、慶大がアクションを取れなかったのは、慶大側のディフェンスのシステムのミスだな、と思いました。今後修正していくつもりです。(次戦に向けて)横国大戦は通過点という位置づけですね。横国大戦を通して、早大や東大にそれこそリベンジできるように頑張っていきたいと思います。

 

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