【バレーボール】大歓声の中30点台までもつれ込む熱戦を見せるもあと一歩及ばず/第88回早慶バレーボール定期戦・男子

バレー戦評

10年ぶりの勝利を誓い臨んだ伝統の一戦。第1セットは幸先良い立ち上がりを見せるも中盤で逆転され、その後も攻めの姿勢でサービスエースなどを決めたが20―25で逃げ切られた。第2セットは一進一退の攻防がつづく中で粘り強くボールをつなぐレシーブとトスワークが光ったが、ここでもリードを許した場面で一気に引き離され19―25でセットを落とす。第3セットは序盤から点差をつけられるも4年生の活躍とそれに刺激を受けた下級生の息の合ったプレーで点差を詰めデュースに持ち込むもあと1点が遠く、惜しくもこのセットも落とし3―0でストレート負けを喫した。

 

2024年6月8日

第88回早慶バレーボール定期戦

慶大×早大

@早稲田アリーナ 16:00-

 

得点

慶大

セット

早大

20

25

19

25

30

32

 

出場選手

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

OH

清水悠斗(総1・習志野)

OH

12

内田克弥(環4・松江工業)

MB

芳賀祐介(環4・札幌北)

OH

山口快人(経2・慶應)

OH

渡邊大昭(商4・慶應)

MB

22

稲井正太郎(法1・慶應)

L

山元康生(法3・慶應)

L

緒方哲平(環1・日向学院)

途中出場

 

 

L

15

今田匠海(政1・慶應)

S

21

久保田健介(商3・慶應湘南藤沢)

OP

11

入来 晃徳(環3・佐世保南)

 

第1セット、主将・渡邊大昭(商4・慶應)の力強いジャンプサーブから早慶戦が幕を開ける。開始直後から冷静なライン判断、内田克弥(環4・松江工業)のダイレクトスパイクが決まったことで2連続得点を奪取し、良い立ち上がりをみせる。2点差以上がつかない両者譲らぬ攻防が続き、迎えた11ー12。サーブミス、レセプションでダイレクトスパイクを誘い、初めて3点差をつけられたところで慶大は1回目のタイムアウトを取る。その後プッシュやブロックアウトなど様々な攻撃で点数を取ろうとするも相手の勢いは止まらず、計7点連取され11ー18と大きく点差が開く。止まらない慶應コールに押されながら、清水悠斗(総1・習志野)がサービスエースを決めると大歓声が沸き、そのまま流れを引き戻そうとリベロ・山元康生(法3・慶應)を中心に必死にボールを繋ぐも最後はサーブミスで慶大は20ー25で第1セットを落とした。

力強いジャンプサーブで観客を沸かす渡邊

 

流れを変えたい第2セット。芳賀祐介(環4・札幌北)のミドルが決まり、1点目を奪う。清水の完璧な位置取りで相手スパイクを丁寧にあげると、それを内田が豪快に決め切る。相手の鋭い角度のインナースパイクやディグでつながれた長いラリーのあと、稲井正太郎(法1・慶應)が速攻を決め切る。負けじと相手のスパイクが連続で決まり、5ー5と同点になると渡邊が強烈なスパイクを連続で決め仲間の士気を高める。一進一退の攻防が続く中、リベロ・緒方哲平(環1・日向学院)がファインプレーを見せ、歓声を誘った。ここまでアウトサイドもミドルも上手く采配し順調に得点を重ねたセッター・山口快人(経2・慶應)は、相手ブロッカーがアタッカーに注意を向けていたところで、意表を突くツーアタックを見事に決める。1、2点差優位で第2セットを進めてきた慶大は、ミスが続き18ー18と追いつかれたところで、1回目のタイムアウトを取る。タイムアウト明け、内田がスパイクを打ち切るも、サービスエース、ワンタッチをとられ19ー22として2回目のタイムアウトへ。その後も慶大の二段トスがネットを超え、さらに再びサービスエースを許すなどペースを崩され7連続得点を許し、19ー25で第2セットを終えた。

多彩なトスワークで活躍した山口

あとがない第3セット。序盤優勢だった第2セットとは裏腹に、ミスが続き相手を追う展開となる。7ー9で相手の素早いバックアタックが決まった後、好調だった渡邊のバックアタックがシャットアウトされ、再びバックアタックを決められるという好ましくない流れの7ー12で慶大は1回目のタイムアウトを取る。タイムアウト明け、渡邊の強烈なスパイクが決まり流れに乗りたい慶大だが、厚い壁が立ちはだかった。シャットアウト、ブロックの間を抜かれるスパイク、ブロックアウトなど早大の勢いが増し、これ以上点差を離されてはならない、12ー17で慶大2回目のタイムアウト。早大の強さがひしひしと感じられる中、内田のサーブから相手スパイクを渡邊がシャットアウトし、内田がサービスエースを決め2連続得点。その後も渡邊がスパイク、芳賀がブロックを決め、4年生の力強さが慶大に勢いをもたらす。相手のサーブミスで迎えた20−23、本日幾度となく観客を唸らせた渡邊のサーブのローテーション。力強いサーブは相手を飛ばし、チャンスボールをセッター山口がダイレクトで決め21ー23。続いて、清水のナイスレシーブから内田が決め切り、22ー23。なんと7点ビハインドから1点差に迫り、本日一番の歓声が沸き起こる。続く渡邊サーブで相手を崩し、内田がブロックアウトをかけ、三五おtな同点に追いつき慶大の底力をみせる。両チームの声援が止まない中、早大がバックアタックを決め23−24となり、慶大応援席から悲鳴が沸き起こる。すると今度は内田がレフトからスパイクを決め、またも同点に。その後も両者一歩も譲らない展開で、慶大は渡邊、内田を中心に攻撃を展開し30−30に。応援がさらに盛り上がる中、慶大は瀬戸際で拾ったボールがつながらず30ー31。そして最後は3枚ブロックを抜かれ、慶大コートの中心にボールが落ち、長いデュースの末惜しくも第3セットを取ることはできなかった。

記事:重吉咲弥、写真:長掛真依、ウジョンハ、雨ノ宮乙葉、河合亜采子、五関優太)

 

以下、選手コメント

渡邊大昭選手

――今日の試合を振り返って

こういう環境で大応援団とたくさんの観客の皆さんが来てくださったことにまず感謝というのと、こういう環境でバレーボールができたというのは多分一生ないものだと思うので宝物だなと感じています。

攻めのバレーができていたと思いますが、その点についてはいかがですか
攻めにいっいてた部分は良かったんですけど、やはりそこでミスが出ちゃうのが慶應の弱さなのかなと思うので、東日本と秋リーグが待ってるので、そういったところで修正していこうかなと思います。

――3セット目のデュースでは1球1球に観客が沸いていました
一球一球点数を取れるたびに観客の皆さんが応援してくださったりとか声で後押ししてくださったりというか、そういう環境でできたことがすごく嬉しかったなと思います。逆にあの状況で勝ちきれないのが自分たちの弱さなのかなと思うので、勝ち切る強さというのをもっとつけていこうかなと思い。

――東日本に向けて一つ強化したいことは
やはりサーブキャッチが返らなくてコンビが組めてないという状況があったので、まずはサーブカットを徹底して練習していこうかなと思います。強みであるサーブアンドブロックはすごく機能していたので、抜けた先のリーグであったりとか2段トスというところも精度高くやっていこうかなと思います。

 

内田克弥選手

――スパイクもレシーブも物凄い活躍でしたが、最後の早慶戦はどのような思い出になりましたか

悔しい思い出になりました。最後のセットを取りきれなかったので、終わった瞬間悔しいという思いが浮かびました。ですが、試合中は楽しくプレーができたのでよかったかなと思います。

 

――第3セットのデュースはどのような心境でしたか。歓声はいかがでしたか

歓声を物凄く感じました。最後はレフトに来ると思っていたので、決め切るぞという気持ちで助走を開いて待っていました。

 

――東日本インカレへの意気込みをお願いします

インカレでは、まず1部昇格を果たして、1部の立場から日本一を目指して、日本一にふさわしい練習をして、日本一にふさわしい選手になってインカレに臨みたいと思います。

 

稲井正太郎選手(法1・慶應)

――大学バレーデビューが初めての早慶戦となりましたが、たくさんの観客で盛り上がる中での試合はいかがでしたか

最高と感謝の2つですね。緊張もしていましたけど、途中試合に慣れて来てからは周りの人とかベンチの人がすごい目に入って、応援してくださっているのを実感してとても嬉しかったです。

 

――ご自身のプレーを振り返ってみていかがでしたか

初めてにしては良かったとも思うけれど、悔しいところもありました。サーブとかはとくにあまり良いところを見せられなかったので、自分のベストは出せたと思いますけど、新しい課題も見つかったなと思います。

――目指す選手像を教えてください

小野寺選手(男子日本代表・サントリーサンバーズ)です

 

――インカレでは2回戦で早稲田大学と当たる組み合わせになっています。インカレに向けて意気込みをお願いします

先輩たちに必死に喰らついて、早稲田の1年生にも負けたくないし、とにかく先輩をお膳立てできるように頑張りたいです。

 

写真で振り返る早慶戦

試合前

 

第1セット

 

第2セット

 

第3セット

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