【ソッカー(男子)】早慶クラシコ直前特集第3弾!茅野優希×堀溝大貴〜夢の大舞台とラストイヤーへの覚悟〜

ソッカー男子

8月25日(日)、国立競技場にて第75回早慶サッカー定期戦(早慶クラシコ)が行われる。早慶クラシコ開催にあたり、ソッカー部の選手たちを取材した。第3弾は茅野優希(政4・慶應)と堀溝大貴(総4・暁星)の4年生コンビ。夢の舞台だという早慶戦や、ソッカー部人生ラストイヤーへの心境を伺った。

 

 

ーー他己紹介をお願いします

茅野堀溝

堀溝大貴くんで、暁星生まれ暁星育ちのお坊ちゃんです。小学校から結構サッカーエリートで、満を持して暁星中に行ってそして全国に出て10番を背負ってめっちゃ球際とか走れる選手として活躍して、大学に入ってきた感じです。大学でも、キャプテンマーク巻いたりとか、1試合3アシストしたりとか、そういったところでめっちゃ活躍しててサッカーも調子よくて、めっちゃいい感じの人です。

堀溝茅野

茅野優希くんで、幼少期に神奈川で「神奈川の宝石」というふうに呼ばれていまして、現在でもガビを彷彿とさせるようなプレースタイルで縦横無尽にピッチを駆け回っていて、チームを救う10番という形です。チームを引っ張っていってくれてる素晴らしい副将です。

茅野:お互いに文武両道繋がりで共鳴し合っているみたいな(笑)。

 

ーー今シーズンを個人として振り返っていかがですか?

茅野:これまでもトップチームとしての責任というのはあったんですけど、今シーズンは4年生としてというところで、また新たな感覚というものが加わっていて、優勝という今年の目標を叶えるために1試合1試合やるというのはすごい緊張感を持ちながらできたのかなという感じです。

堀溝:自分は結構茅野とかとの交代出場が多くて、中々まとまった出場時間が得られてないんですけど悔しさがあると同時に、チームは首位ということで嬉しさと悔しさが混じった複雑な感じです。個人としてはまたこっからよりチームがどう勝つかというのを念頭において自分自身今後もやっていきたいと思っています。

 

ーーより具体的に、課題または良かった点を教えてください。

茅野:個人的には球際声切り替えハードワークというのは自分がやらなきゃいけないと思っていて、そこはとにかく取り組んできて、成果として出た部分もあれば、10番をもらっているからには結果を出さなきゃいけないという課題はめっちゃ感じていて、今シーズンは公式戦だったら3ゴールしか決めれていないので、アシストも含めて数字的なところは課題かなと思います。自分の周りに個人の能力が強い選手が多いので、そういった選手たちを引き立てるという役割はこの半年間で自分なりのやり方みたいなのを見つけて、そこを頑張っています。

 

ーー10番を背負っていることに対して何か思うことはありますか?

茅野:めっちゃ嬉しくて、元々自分が活躍したり目立つのが大好きで、サッカーをする中で常に10番とキャプテンを狙っているのはずっと言ってて、そこで塩貝健人(政2・國學院久我山)が今年9番を着たいという話をして、なんちゃって10番みたいな(笑)。なんかラッキーだなと思いながらもすごい嬉しいし、そういった重みや責任を持って戦うのは自分は好きなので、ある意味自分にとっての原動力になってます。

 

 

ーー塩貝選手のその話の後どのように背番号が決まったんですか?

茅野:グラマネの2人が背番号を決めていて、自分に(10番を)くれました。その2人からもらったっていうのもすごい意味があって、それが自分の力になっています。

堀溝:自分としての課題は、短い出場時間でも結果を残さないと途中交代した意味がないと僕は思っていて、そこが自分自身上手くできていないというところがあります。良いところとしては仲町さんに「計算できるプレーヤーとして今はすごく助かっている」と言っていただいて、交代でもチームの流れを乱さないようなプレーができることが今の自分の強みにはなっているのかなと思います。

 

ーー前期を振り返って、印象に残っている試合はありますか?

堀溝:自分が印象に残っているのは、アミノバイタルカップの城西大学戦です。関東リーグの2日後ということでチームの4年生がスタメンで出るという形で初めてやった試合だったんですけど、前半に0-3になってしまったんですけど茅野がPKを決めてくれて1-3に戻して、後半にも失点して残り30分で1-4という状況で、中々チームの状況としては難しかったんですけど、交代出場の香山達明(経4・慶應志木)とか村井亮友(商3・桐生)の力など、本当にチーム一丸となって追いついて結局PKで勝利したという、チーム力を試されてそれを発揮できた試合でもあるし、えぐい脳汁が出ました(笑)。そんな試合でした。

 

ーーそのような難しい状況下でマインドセットはどうしていましたか?

堀溝:茅野が1回、4年生をハーフタイムに集めてくれて「俺らの4年間を1回戦でこのまま終わらせるわけにはいかないだろ」と檄を入れてくれたっていうのは4年生が自分をしっかり持とうという気持ちが芽生えた一戦でもありました。

 

ーーそういう声がけはいつも茅野さんが?

堀溝:自分たちも本来やらなければならないんですけど、茅野が今はやってくれていて、茅野は本当にこういった行動を起こせる天性のリーダーです。

茅野:自分は早慶戦を挙げます。あの試合は、自分の中ではあくまでもリーグ戦のうちの一つと捉えて臨もうとはしたんですけど、それ以上に高まる気持ちがあって、早稲田という相手もそうだし、自分が早慶戦に憧れていたというのもあって、去年メンバー外になって悔しい思いをしたという背景もあったので、よりその1試合に対する思いが強まった中で、自分たちが1年の時以来の勝ちというのを体現できたというのはめっちゃ印象的だし、その中で自分がプレーできたというのも自分にとって嬉しい試合でした。

 

ーー個人的な昨年との変化はなにか感じていますか?

茅野:2年生までは自分が活躍したりとかを求めてしまっていた面がある一方で、3年生からはまわりの選手をどうやって活かして、逆に自分がどうやって活かしてもらうかというところを考えるようになってきました。そこが3年生の間で形になったものが4年生になってより出せるようになってきたというのがあって、そこはマインド的にもプレー的にも変わった面かなと思います。

堀溝:今までは、大学生になってプライベートの部分の充実からサッカーに出資しきれていない部分もあったんですけど、4年目のラストシーズン、競技サッカー人生の集大成というとこで自分自身気持ちが入っていて、初めてここまで「勝ちたい、試合に出て活躍したい」と思えたチームかなというふうに思ってます。

 

ーープレーの武器は

茅野:理想を言えば、安定した技術とクリエイティビティなんですけど、まあ少し(自分のプレースタイルとは)違うかなと最近思っていて、自分はハードワークするところが武器かなと思ってます。攻撃だったら前に走る、前の攻撃に関わる、とか迫力みたいなとこが武器かなと思っていて、守備に関しては戻るとこであったり、球際で根性、泥臭さを見せるのが武器だと思っています。慶應スポーツの方には、俺の武器は圧倒的なフィジカルだって書いてもらったのがすごく嬉しいです。身長が小さいのに、そういう風に形容していただいたのがめっちゃ嬉しくて。関東の中でもトップクラスで小さいけど、それでもフィジカルで通用しているみたいなのを客観的に見て表現していただいたのがありがたかったです。

圧巻のスピードでピッチを駆ける茅野から目が離せない

 

ーー身長が小さいからこそ意識していることは何かありますか?

茅野:小さいってネガティブなポイントだと思うんですけど、それをなんとかポジティブに変えようと思って身体的なところも取り組んでるし、どうやってそれを活かそうかなと考えてます。

堀溝:自分は一発のシュートで(決めきるところが武器)。前監督からも、「お前のシュートでチームを救え、お前はそれが武器なんだから」といっていただいて、自分自身もなんか入るなぁというシュートは入れている印象があるかなと思っています。あと最近仲町さんに言われているのが、自分ではあまり気がつかなかったけど、プレー面において意外と気が利くみたいな。そういうところは言われてから自分の武器なのかなと感じました。

 

ーー自分の具体的な理想像はいますか?

茅野:自分は結構ルーティンが多くて、複数の選手を理想として掲げていて、本当にこれになりたい!というのはエデン・アザール。けど自分とかけ離れすぎているので、自分のプレーに参考にしようとして見ているのはメイソン・マウントという選手と、コナー・ギャラガーという選手です。でもやっぱり一番身近にいる中町公祐さんが総合的に理想だと今は思っています。前に挙げた3選手は技術力とクリエイティビティというところでマッチしていると思うんですけど、今年体現したいのは中町さんのようなプレーなのかなと思っています。

堀溝:そんなに参考にしている選手とかはいないんですけど、4-3-3になってからは3のインサイドハーフの選手は見るようにしていて、自分とは似ていないが参考にするべき選手としてはガビ(パブロ・パエス・ガビラ)とか、ペドリ(ペドロ・ゴンザレス・ロペス)とかそういうクリエイティビティ溢れる選手とか、フリアン・アルバレスという点も取れるインサイドハーフ、あたりを参考にしています。

 

ーーお二人それぞれのプレーに対してどんな印象を持っていますか?

茅野堀溝

堀溝は、ちょっと軽い言葉で言うと”ラッキーボーイ”だと思うんですよ。ラッキーボーイというのは、何か良いものを引き寄せてモノにする力があって、結果が求められた試合で3アシストした時があったり、「それ決めるの?!」みたいなシュートを決めたり、それはすごい武器だなと思います。

堀溝茅野

堀溝:茅野は、見たらわかるんですけど、誰よりも走るし誰よりも声出すし、誰よりも諦めない。小手先のうまさとかではなく、本当にチームで頼れる大黒柱みたいな感じで、責任感があります。チームが今首位を走っているのは、彼のプレーのおかげだとみんな感じているし、そこが彼の強みだと思います。

茅野は3年生までは、どっちかというと足元とか球際とかそういった技術面がフォーカスされていたんですが、今はそれに加えてハードワークとか守備とかがチームの中で群を抜いているという印象があります。

 

ーー2人はピッチ外ではどのような会話をしますか?

茅野:前提として、自分たちはビジネスマンとして日本を変えたいと思っていて、その中ではこれからグリーンビジネスとかが大事かなと思って、それに関わるような新規事業やプロジェクトというのを2人で話してます。

堀溝:2人とも読書家なので、培ったナレッジをシェアして、お互いに高め合っている部分はあります。(茅野は)法学部だけどSFCの授業も取っていて、1時間電車で2人で新規事業の話をしたりしてます。

 

ーーサッカーの話をするよりも?

茅野:本当にしたことない!(笑)

堀溝:ふざけた話か、茅野のキャリアプランとかですね。

 

ーーリフレッシュの仕方や趣味は何かありますか?

堀溝:滝行!滝とか結構自然界隈のは多いかなと。

茅野:俺はサーフィンとかです。堀溝は私服も全身カーキの時ありました。

堀溝:服も自然寄りになるくらい、自然が好きです(笑)。

 

ーーラストイヤーとしてどのような心境ですか

堀溝:自分は競技サッカー人生ラストと考えているので、チームはプレシーズンに掲げた関東2部優勝や、早慶戦での勝利、全国大会優勝、最後の幕引きとしてすべて勝ち取って「良いサッカー人生だったな」と思えるような一年にしたいと思ってます。

茅野:自分は、チームが掲げた「2部優勝・1部昇格」をなんとしてでも実現できるように、副将としてもだし、トップチームの選手として、すべてをソッカー部に捧げたいと思っています。その中の一つとして早慶戦というのも間違いなく大きいものとしてあるし、ある意味自分の自己実現の一つでもあるので、自分が組織に残せるものを残していきたいです。

サッカー人生ラストへの気合は十分だ

 

ーー大学サッカーの中での挫折経験などはありますか?

茅野:2年生の時に結構試合に出させてもらって、その中で3部に降格して、「来年こそは俺がチーム救って2部にあげてやるんだ」と思ってたんですけど、実際はスタメンでもないしベンチから外れることもあって、そこでの自分の理想と現実のギャップみたいなのはすごく苦しかった時期です。去年はそこで自分との向き合い方とかチームの貢献の仕方みたいなのを見つけれて、新しい自分を見つけてできたのかなと思います。

堀溝:1年の終わりくらいからトップチームの練習に参加させてもらったりとかしていて、自分自身そこに残って活躍できていればよかったんですけど、その後は中々結果を残せず、トップに定着しきれないというのが悔しかった経験です。

 

ーー大学4年間で成長できたことを教えてください

堀溝:プレー面では守備、ピッチ外での面はサッカー以外もやらなければならない点。今でも完璧な人間かと言われたらそうでもないですけど、組織のために自分が何かをしているというところだと思います。

茅野:プレー面では、成長してる、俺?(笑)

堀溝:してるよ!元からだけどボール取られなくない?

茅野:そうだね。ハードワークというのは高校の時から自分の武器として掲げてきてて、(大学に入って)前監督に守備の話とか、攻撃の出て行くタイミングとかを教わって、その辺がより磨きがかかって、今自分が自信を持てるようになったことは成長なのかなと感じています。ピッチ外に関しては、組織をマネージメントするというところはすごく副将としても向き合って行く中で「組織を良くするためになにをすればいいんだろう」という中で、自分がやらなきゃいけないことを考えて、それをしっかり伝えていくというのは高校時代の主将経験に比べて、成長できたと思います。

 

ーー就活をしながら、と伺ったのですが、サッカーとの両立で大変だった点はありますか?

茅野:自分たちの代としては、ソッカーを優先しながらも就活をすると決めた中で、やり切るというのは難しかったです。そこはサッカー選手としてコンディションの管理をしながら就活も絶対やるということで、マネージメントだったりとか同期との関係性だったりとの両立というのは難しい面だったし大変でした。

堀溝:ほんとこれに尽きるなという感じです。

 

ーー慶應の〇〇選手のここがすごい!という部分を教えてください

堀溝:俺は村上健(政4・國學院久我山)を挙げます。彼は元々フィールドだったんですけど、中学校でキーパーをしてその経験もあって、今のチームに攻撃のスタートは彼らで、彼が(ボールを)持つと取られないみたいなのがあるから、みんなそういう考えを持ってプレーできる。

茅野:僕は香山だと思っていて、ある意味自分のサッカー観を壊された。彼は中学生のときバスケもしてて、他大学のスポーツ推薦で入学した一流の選手と戦う中でも、ドリブルとかフィジカル面で相手を圧倒して、関東でも屈指のオフェンスの選手になっているというところが、自分の中でも尊敬しているしチームを助けているし、マルチスポーツのいいところを感じていて、彼から学ばせてもらってます。同期としても大きい存在だなと思います。

 

ーーお2人にとって早慶戦とは

茅野:「夢の舞台」だと思ってます。高校の時に早慶戦の舞台で塾高の先輩が活躍しているのを観た瞬間にここに出たいって強く思ったし、2年生の時に少し出れたんですけど、全然満足できなくて、もう一回なんとしてでも立ちたいというのはすごい思っていて、組織の目標達成が第一なんですけど、自己実現においては本当にまさに「夢の舞台」だと思います。

堀溝:「渇望している舞台」かなと思っていて、自分は一回も早慶戦に出れていなくて最後のチャンスというところで、なんとしてでも出て、チームの勝利に貢献したいです。

 

ーー早慶戦への意気込みや、応援している人に向けてメッセージをお願いします

茅野:みんなのサッカーの早慶戦においての、早稲田が強いし早稲田が勝つというバイアスをぶち壊したい。もちろん早稲田の100周年というのはおめでたいし早慶戦は早慶の両校で創り上げる舞台というのはもちろん前提としてあるけど、今年の慶應のサッカーで観客の方々を魅了して、自分たちの強さを証明して、そのバイアスを壊せるような1試合にしたいなと思います。

堀溝:まわりに今まで迷惑をかけてきて、でも仲良くしてくれた友達とか家族とかのために戦いたいなというのが正直あって。点を取ってチームの勝利に貢献できたら、それ以上に大きいことはないのでそこを目指して頑張っていきたいと思います。

 

ーーインタビューは以上です。堀溝さんは早慶クラシコ翌日がお誕生日ですよね!

堀溝:はい、勝ったらケーキで!(笑)

 

ーーお忙しい中、ありがとうございました!

取材:島森沙奈美

【試合情報】

第75回早慶サッカー定期戦−早慶クラシコ− presented by アミノバイタル®︎

2024年8月25日(日)18:00KO @国立競技場

チケット販売サイトはこちら

タイトルとURLをコピーしました