【ソッカー(女子)】 早慶スポーツコラボ企画 早慶女子クラシコ直前主将対談 田頭花菜×岩瀬絢弥

ソッカー女子

8月24日の第23回早慶女子サッカー定期戦ー早慶女子クラシコーに合わせ、ケイスポ・早スポ合同でお届けする早慶主将対談。早大・田頭花菜(スポ4・十文字)と慶大・岩瀬絢弥(商4・浦和第一女子)に早慶戦に向けた意気込みなど貴重なお話を伺いました!

 

ーー改めて、お二人が今季主将を務められることになった経緯を教えてください

 

田頭:自分は立候補させてもらって。3年間早稲田でプレーしてきて、自分自身の想いをちゃんと(チームに)還元したいと思っていました。立候補してからは、学年で話し合って決まったというようなかたちです。

 

岩瀬:慶應も早稲田さんと同じで、学生、特に同期での話し合いの中で決定するという流れでした。私が立候補したきっかけとしては、私たちが1年生のときにリーグ1部から2部に降格して、私たちがいる間に1部昇格を果たしたいという思いがまず一つあります。もう一つは、自分自身怪我が多かったので4年間で約2年間プレーしていなくて。でもその中でたくさんチームに助けられましたし、支えられたからこそここまでこられたので、自分がチームに対して恩返しをしたいという思いで、主将に立候補させていただきました。

 

ーーお二人が主将として迎えたシーズンも前半戦が終わりました。主将という立場での活動に手応えや難しさはありますか

 

田頭:主将はチーム外からもチーム内からも一番見られている存在というか、チームの顔になる存在だと感じます。私自身これまで中学校、高校と(主将を)やってこなかったので、そこへの不安もすごくあったのですが、やってみて一番難しいと感じるのは、自分自身の思いを言語化してちゃんと全員に伝えるというところです。言葉にして伝えなければいけない機会が多い中で、言葉だけでは伝わらない部分もやっぱりありますし。自分自身の気持ちを伝えることにはこれまで苦手意識はあまりなかったのですが、どこまで伝わっているのか、というところへの不安を感じることもあります。あとはチーム全体を見ようとしているけれど、結局ここまでやってきた中で見えなかった部分は多かったなと。周りを頼ることの難しさも、主将をやってみてこれまでより強く感じている部分ですね。

 

岩瀬:今年は特に、結果が出ていた時期と出なかった時期というのがすごく明確に分かれていて。その中でも前期を通して主将として難しかったのは、全員の目線を合わせて戦うというところです。慶應の選手たちはバックグラウンドも経歴も様々ですが、その中でも同じリーグを戦っていく上ではやはり全員が同じ方向を向いていないといけないと思っています。ケガをしている選手やベンチの選手も含めて20人全員が同じ目標に向けて、同じ基準で行動できているかという部分を統率することに関して、伝えるということがすごく自分自身としては課題であり、難しい部分だなと感じていました。

 

ーーこれまでの3年間で見てきた、歴代のチームの主将から何か影響を受けたことはありますか

 

田頭:自分自身が1年生の時の4年生の存在が結構大きくて。当時主将だったのんさん(加藤希、令4スポ卒・アンジュヴィオレ広島)は、早稲田ということへの誇りやプライドみたいなものを全員が持たなきゃいけない、ということを年間通して伝えていたんです。伝えることの軸に全くブレがなかったというのは今この立場になったからこそ気づきましたし、強く印象に残っています。

 

岩瀬:私はこれまでの主将を見ていて、全員がそれぞれ違う武器を持った主将の方々で、それぞれが違う引っ張り方をしていたなと感じています。それに伴ってチームの色も変わってきますし、そういった意味では過去の3人それぞれを参考にしつつも、自分の個性や長所を出せる主将というのはやっぱり強いな、と見ていて感じたので、そこは自分も意識しています。

 

ーー早大は今季のスローガンに「翔頂(しょうちょう)」という言葉を掲げ、「インカレ(全日本大学女子選手権)優勝、皇后杯(全日本女子選手権)ベスト16」を目標にしています。どのような経緯があってそのスローガンと目標に決めましたか

 

田頭:スローガンに関しては、字面では分かり辛いと思うのですが「大学女子サッカー界を象徴する」という部分が一番にあります。早稲田が日本一になってふさわしいよね、と他大学からも言われるようなチームにならなければいけないと思っていますし、早稲田はピッチ内だけじゃないということは、特に4年生は3年間過ごしてきた中で全員の理解として強くあって、このような意味をもつスローガンになりました。また目標に関しては、普段自分たちの学年はあまり目標を高く掲げない子たちが多いと言われていて。監督にも「普段は現実を見がちだから(高い目標を掲げたことに対し)びっくりした」というふうに言われました。自分たちがこれらを掲げるにあたっても、目標が高い位置にあるというのはすごく感じていた部分ではあります。それでもまずは結果を求めたい、というところには全員が一致していたのと、ずっと試合に出ている選手が多くいるような学年ではない分、色々な立場の人がいて、だからこそチームとして見たときにそれぞれが果たすべき役割を個人個人がちゃんと体現したい、という気持ちもあった中でこの目標を掲げました。

 

ーー慶大は原点回帰というスローガンを掲げていますが、そこにはどういった意味や理由がありますか

 

岩瀬:まず目標として1部昇格というのを掲げていて、その中でどういったチームにしたいかという部分を4年生で話し合って「原点回帰」という言葉に決めました。この言葉には二つの意味があります。まず一つが、チームとして私たちが1年生の時にいた1部リーグに戻る、という意味です。もう1つは、個人個人の面で自分たちが慶應に入った理由やきっかけみたいなものをもう一度見つめ直して、そこからブレずに戦っていってほしいという思いです。さらには、もっと遡って、サッカーを始めた時など自分たちの原点みたいなものをしっかりと見つめ直しながら、チームとしても人としても成長できるような組織を作っていきたい、という思いでこのスローガンにしました。

 

ーーここからは、今季ここまでのお互いのチームについて振り返っていただきます。まず早大は現在リーグ戦3位ですが、ここまでの戦いをどのように感じていますか

 

田頭:(リーグ戦が)開幕してから、始めは勝利が続いていて。自信になっていた部分はありながらも、正直自分は不安感の方が結構大きくありました。結果的に東洋大や山梨学院大といった上位校との対決で勝ちきれなかったということが、現時点でのチーム状況を表していて、3位という順位に関してもふさわしいなという気持ちがあります。加えて前期の終盤には日大、後期開幕後も十文字大に敗れてしまい、勝ちがないとやはりチームとしての雰囲気も良くなくて。ただ、勝つことで雰囲気が良くなることはもちろんあると思うのですが、逆に十文字大戦があったからこそ、チームとしての物足りなさや「自分たちは弱い」ということをより感じることができました。今は中断期間ですが、チームに一番向き合ってやっていける時期なのかな、とここまで振り返って感じていますし、まさにその最中だと感じています。

 

ーー慶応は1部に昇格したいという目標の中で今季ここまででリーグ戦7位という状況ですが、どのように振り返りますか。

 

岩瀬:前期の最初の方は、連勝することもできて一定の結果が出ていました。ただ今年の二部はすごく混戦というか、勝ち点が近い中で並んでいるチームが多いからこそ、1つ(の試合を)落としたら順位が3つ4つと下がってしまうような状況で。前期の後半の方はリードしている中で逆転されたり追いつかれたりというような、ギリギリで勝ち点を落としてしまうという試合が多く、すごく痛かったなと感じています。それが今の7位という順位につながってしまっていると思いますし、昨年よりも得点が多く、攻撃的なサッカーを貫いている中で、勝負弱さという部分は前期を戦ってきた中で課題に感じているところです。今の中断期間では得点に関わる最後の部分や、体を張る部分という部分について、チームとして後期に向けてもう1つ基準を上げていきたいと思っています。

ーー後編に続く

(取材:早稲田スポーツ新聞会 大幡拓登、荒川聡吾)

 

【試合情報】

第23回早慶女子サッカー定期戦—早慶女子クラシコ—

2024年8月24日(土)17:00KO@AGFフィールド

タイトルとURLをコピーしました