【What is ○○部?】監督インタビュー 篠永健/File.15 少林寺拳法部③

少林寺拳法

慶大の体育会を深掘りしていく連載企画、「What is 〇〇部?」。15個目の体育会は少林寺拳法部!今回ケイスポは、同部の監督である篠永健氏にインタビューを行った。同氏は監督/支部長としてこれまで40年近く同部を見守ってきた。彼が語る少林寺拳法部の魅力とは?

 

――部員たちの練習へ取り組む姿勢について

篠永:非常にいいと思います。監督という立場ではありますが、僕は極力口出ししないようにしています。なので、全部運営から練習メニュー、その全ては現役生たちに任せているんですよ。

「練習は全て現役生たちに任せているんですよ」

――練習にはよく参加されるんですか?

篠永:僕が現役生の頃も、監督の顔なんてほとんど見たことがなかったし、まだ私は練習に顔を出している方なんですよ。基本的に少林寺拳法部は、昔から監督・OBは“支援はするけど口出さない”スタイルだと思います。

 

――先ほど練習を指導する田邊選手と休憩中にコミュニケーションを取られていました。ご自身の指導方針について

篠永:基本的には、僕から全体に直接全部言うよりかは、個別で時々現役生たちに伝えるようにしています。慶應の場合は特にその特色が強いですが、大学の部活動はやっぱり学生主体であるべきだし、自分は裏方に徹する方がいいと思っています。学生が自分で考えさせないといけないと思うんです。人から言われたことをそのままやるだけでは、彼ら自身の成長に繋がらないですから。基本的には失敗も含めてなんでも経験してほしいという考え方ですね。

「学生には失敗も含めてなんでも経験してほしい」(写真右)

――練習メニューを考える際、どのような点を意識していますか?

篠永:基本的に学生は皆学年が上がるにつれて少しずつ練習を主導していきます。その中で、その時々の幹部(最上級生)のカラーが反映されるのが特徴ですね。厳しく指導する代もあれば、筋トレやランニングを多めに取り入れる代もあります。

代替わりの際には、単に引き継ぐだけでなく、事前に計画書を作成し、監督やコーチ陣に来年度の方針をプレゼンする機会を設けています。こうした過程を経て、それぞれの代に適した練習メニューを決めていきます。

そこに主体性が生まれるんですよね。自分で考えて行動することが、やる気にもつながっていると思います。自分たちで『これが良い』と思うことを実際にやってみて、その結果を見ながら学んでいくことが大切だと思います。

主将の小杉と話し合う篠永氏(写真左)

 

――今年の少林寺拳法部の戦力について

篠永:かなり強いと思いますし、いいチームになっていると感じます。実は毎年そう思っているんですよね。去年よりも今年のほうが良い、と。もちろん、前年に活躍した選手が卒業すると戦力が抜ける部分はありますが、それでも毎年『去年よりいいかもしれない』と感じるんです。それだけ部として成長しているということでしょうね。

 

――昨年度は1年生が、特に女子部員がたくさん入部されたと思います。それについてはどのように感じられていますか?

篠永:一言で言うと、本当にありがたいですね。少林寺拳法をやった経験がない子たちが、新たに興味を持ってたくさん入ってくれました。それがもう、本当に嬉しくて。これはやっぱり、前キャプテンを中心に、上級生たちが新歓を一生懸命やってくれたおかげだと思います。その努力がしっかり報われたんだなと感じています。

 

 

――少林寺拳法という競技をこれから始める方々に向けてエールをお願いします!

篠永:少林寺拳法部では、4年間続ければ必ず自分の土台になるものができる、そんな環境を用意しているつもりです。これはどのスポーツにも言えることですが、大学4年間、何か一つのことをやり抜いたという経験は、社会に出たときに自分の軸になると思うんです。だからこそ、そういう経験を部員にはしてもらいたい。どなたでも歓迎しています。2年生の途中からでも、もちろん入部できます。少林寺拳法は武道であり護身術でもあるので、使わないに越したことはないですが……。少しでも興味があれば、ぜひ挑戦してみてほしいですね。

「必ず自分の土台になるものができます」

 

(取材:竹腰環、山口和紀、岡里佳)

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