【バスケ(男子)】苦しい立ち上がりから一転 後半の猛攻で東大を下す/第19回東京六大学バスケットボールリーグ戦

バスケ男子

新体制で臨む今季初の公式戦、東京六大学バスケットボールリーグ戦。その最終戦となる東大戦は、序盤こそ苦しんだものの、徐々に追い上げを見せ、後半に入ってからは主導権を掌握した。最終的には77−50で快勝し、チーム一丸となって白星を挙げた。慶大は今大会を5位で終えた。

 

2025/3/23(日) @明治大学和泉キャンパス 和泉総合体育館

第19回 東京六大学バスケットボールリーグ戦

 

1Q

2Q

3Q

4Q

合計

慶大

22

25

22

77

東大

22

14

11

50

◆慶大スターティングメンバー◆

PF

#5 椎橋遼生(政4・國學院久我山)

SG

#6 安田彪吾(経4・岐阜)

PF

#13 久保田和空(政2・慶應)

SF

#14 服部怜恩(商2・大垣北)

SG

#15 栁本晴暖(理2・延岡学園)

 

第1Q、先制点は東大。慶大はフリースローで得点を挙げたものの、以降はリズムを掴めずシュートやリバウンドで後手に回る展開となる。東大にリードを許し、思うように得点を伸ばせないまま時間が進んだ。そんな中、残り約3分半で久保田和空(政2・慶應)がリバウンドからゴール下を連続で沈めるプレーを見せる。しかしその後は、チーム全体でシュートチャンスは作ったものの決め切れず、追加点を挙げられない展開が続いた。タイムアウトを挟んでも流れを変えるには至らず、第1Qは8ー22と苦しいスタートとなった。

久保田和空(政2・慶應義塾)

巻き返したい第2Q、開始1分半で椎橋遼生(政4・國學院久我山)がシュートを決め、勢いをもたらす。その後も、久保田がジャンプ力を活かして得点を重ね、永里叶多(文2・美濃加茂)や栁本晴暖(理2・延岡学園)のシュートも続き、慶大は着実に点差を縮めていく。中盤には久保田が自らのシュートのリバウンドを押し込み、点差は一桁に。新1年生の桑原佑尚(総1・濟々黌)もフリースロー、ゴール下、スリーポイントと立て続けに加点。終盤は勢いに乗り、30ー36と怒涛の追い上げを見せて6点差で前半を折り返した。

永里叶多(文2・美濃加茂)

続く第3Q、開始直後から久保田が攻守にわたり躍動する。連続得点を挙げ、38ー38の同点に追いつくと、残り6分台には華麗なシュートを沈め、ついに逆転に成功した。その後も久保田はシュートを確実に決め、攻撃の中心として試合の流れを引き寄せる。一時は東大に再び追いつかれる場面もあったが、永里のシュートで再度リードを奪い返すと、椎橋がゴール下で得点を重ねて勢いを加速。続いて島本海丸(総4・正智深谷)、安田彪吾(経4・岐阜)、桑原と、各選手がリズムよく加点を重ね、55−47とリードを広げて第3Qを終えた。

桑原佑尚(総1・濟々黌)

第4Qは安田のスリーポイントで幕を開けると、そのまま連続得点。フリースローも確実に決めて一気にリードを広げ、試合の主導権を掌握していく。さらに市谷颯梧(理3・松本深志)がリバウンドからのシュート、そしてスリーポイントを決めるなど、セカンドチャンスも得点に結びつける展開に。椎橋のフリースローや、終盤のスリーポイント、そしてラスト1分を切ってからの伊藤健仁(理2・宇都宮)のゴール下まで、全員が集中を切らさずに加点を続けた慶大。ディフェンスでも粘り強く守り、最終スコアは77−50。後半に入ってからは慶大が流れを掴み続け、前半のビハインドを覆す快勝を収めた。

安田彪吾(経4・岐阜)

(記事・写真:本橋未奈望、取材:岩切太志)

 

▽以下、選手インタビュー

副将・椎橋遼生選手(政4・國學院久我山)

ーー今日の試合を振り返って

試合の序盤は、負けムードが漂ってしまっていました。相手は4部、自分たちは3部という状況で、実力的には十分に戦えるはずでしたが、序盤で十数点離されてしまいました。これは自分たちの弱さが出た部分だと思います。ただ、その後しっかり修正し、逆転できたのはチームの良さでもあります。

 

ーー副将として初めての公式戦となりました。副将としての働きはどうでしたか

副将になってから、自分がプレーすることだけではなく、チーム全体に働きかけることをより意識するようになりました。特に試合中、チームの雰囲気が重くなった時に声を出すことや、ディフェンス・リバウンド・ルーズボールといった慶大バスケのフィロソフィーを体現することを大事にしています。その点では、今回の試合で自分なりに役割を果たせたかなと思います。

 

ーーリーグ戦全体を通して、チームとしてのプレーはどうでしたか

良い部分と課題の両方が見えた試合でした。前半は明治や法政といった格上のチームとも互角に戦えていましたし、法政戦では最後2点差まで迫ることができました。一方で、今回の試合のように、やるべきことを遂行できなければ、自分たちより格下のチームにも大差をつけられてしまう。そのブレをなくすということが課題として明らかになったのは、早慶戦に向けた大きな収穫です。

 

ーーご自身のプレーについては、どのように感じていますか

OBの方々からも『良かった』と言っていただきましたし、副将としての意識も高く持ってプレーできました。今年の2月から元Bリーガーの二宮コーチが指導に加わってくださり、練習も非常にハードになりました。その成果がプレーに表れたのは良かったと思います。昨年の六大学やリーグ戦と比較しても、自分のプレーには納得感があります。

 

ーー第2Q終盤から第3Q、試合の流れを変えたきっかけは

試合序盤にリードを許したのは、ディフェンスの意識が低かったことが大きな要因でした。守るべき場面で1人に頼りすぎたり、チーム全体で連携が取れていなかったりして、点差が開いてしまいました。ただ、後半はチームとして『ディフェンスから流れを作る』という共通認識を徹底できたのが、流れを変えられた一つのきっかけだと思います。自分たちはオフェンス力の高いチームではないので、堅実なディフェンスと速攻で得点を重ねるスタイルを大切にしていて、後半はそれをしっかり遂行できたことが、逆転につながったと思います。

 

ーー次戦に向けて、チーム・個人として強化したい点を教えてください

チームとしては、今回のような“ブレ”をなくすという点です。調子の良いときは戦えるのに、流れが悪くなると崩れてしまう。試合への準備や修正能力、遂行力をさらに高めていきたいです。個人としては、チームが苦しい時間に、声を出すだけでなくもっとプレーで引っ張れるようになりたいです。チームの苦しさに流されずに、副将としてリーダーシップを発揮していきたいと思っています。

 

#17・桑原佑尚選手(総1・濟々黌)

ーー初の公式戦、率直な感想を教えてください

高校から大学のレベルに上がって、改めて大学のフィジカルの強さやスキルの高さを実感しました。一方で戦えるところもあったので、実りある試合だったと思います。

 

ーー緊張はありましたか

最初はとても緊張していて、自分らしいプレーができなくて悔しい思いをしました。その後切り替えて、自分らしいプレーができるようになってきたかなと思います。

 

ーー大学のこのチームに合流されたのは大体いつ頃でしたか

2月中旬に一度練習に参加させていただきました。そこから一旦地元に戻って、また3月中旬からチームに合流しました。

 

ーーまだ合流してから短い期間ですが、その中で先輩との関わりはありますか

先輩たちにはご飯にも連れて行っていただきましたし、練習でも温かい声をかけていただいて。先輩とコミュニケーションを取れるような、良い関係性が築けていると思います。

 

ーーこれから正式に入学して本格的に大学のバスケに取り組んでいく上で、個人の目標を教えてください

バスケット面においては、スコアリングもディフェンスでも全力で奮闘し、チームを勝ちに導けるような選手になりたいです。人格面では、周りへの感謝を忘れず、謙虚な気持ちで頑張ることを大切にしたいと思っています。

 

ーー最後に、これから応援してくださる方々に向けてコメントをお願いします

まだまだ未熟ですが、これから成長して、チームの勝利に貢献できるようなプレーをしたいと思います。今後ともぜひ見守っていただけたら嬉しいです。

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