【バレーボール】春季リーグへ、新たな一歩目/大学新人強化合宿 SPROUT CAMP 2日目

バレー戦評

3月15日と16日にかけて、日吉記念館にて第1回大学新人強化合宿SPROUT CAMPが開催された。慶應義塾大学の他、国士舘大学、順天堂大学、専修大学、中央大学、日本体育大学、明治大学、早稲田大学の関東圏8大学が一堂に会し、新体制の各チームがしのぎを削った。1部リーグに所属する各大学との対戦は、今季1部昇格を目指す慶大にとって貴重な2日間だ。ケイスポは2日間の合宿を取材、今回は2日目の様子をお届けする。

【1日目の戦評はこちらから】

2025年3月16日(日)

大学新人強化合宿 SPROUT CAMP 2日目 @日吉記念館

第1試合 慶大×専大

第2試合 慶大×日体大

 

第1試合 専修大学戦

得点

 

 

慶大

セット

専大

22

25

25

17

15

 

出場選手

 

 

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

S

27

松田悠冬(新1・慶應)

OH

清水悠斗(新総2・習志野)

MB

松山鼓太郎(新商3・慶應)

OP

11

入来晃徳(新環4・佐世保南)

OH

山口快人(新経3・慶應)

MB

22

稲井正太郎(新法2・慶應)

L

今田匠海(新政2・慶應)

途中出場

 

 

L

17

平山一之心(新商4・甲南)  

OH 

10

野口真幸(新商3・慶應)

S

26

岩間祥成(新環2・成城学園)

S

15

久保田健介(新商4・慶應湘南藤沢)

Sprout camp2日目、第1試合では専大と対戦した。序盤は互いにミスが目立ち、試合は拮抗。専大攻撃に差し込まれた場面でも、慶大が守備で魅せる。昨季Sを務めたOH・山口快人(新経3・慶應)とL・今田匠海(新政2・慶應)が安定したサーブキャッチ、ディグ、2段トスで、守備から攻撃へと繋げる。しかし、サイドアウトや緩急のある攻撃に苦戦。徐々に点差を広げられてしまう。慶大は要所でタイムアウトを挟みながら足並みを揃えると、21ー23の2点ビハインドでS・岩間祥成(新環2・成城学園)を投入。ライト側での守備を強化する。攻撃では、OP・入来晃徳(新環4・佐世保南)やMB・稲井正太郎(新法2・慶應)を中心に得点を重ねるも、ここは専大が一枚上。22ー25で第1セットを落とす。

サーブキャッチするOH・山口快人

専大のサーブから始まった第2セット。OH・清水悠斗(新総2・習志野)やOH・山口快人のスパイクで流れを掴むと、OP・入来晃徳がエースの意地を感じさせる強烈なライトスパイクで12ー5。その後も、MB・松山鼓太郎(新商3・慶應)のブロックやクイックが決まり、清水のサーブで6連続ブレイクに成功。19ー7と専大を突き放す。20ー8の場面では、L・平山一之心(新商4・甲南)が強烈なジャンプサーブで魅せるが、悔しくもこのポイントを奪うことはできない。その後は専大の追い上げに遭いながらも、25ー17で慶大が第2セットをものにする。

ブレイクできずに悔しがる選手たち

セットカウント1ー1で迎えた第3セット。OP・入来晃徳やMB・松山鼓太郎のサーブで相手を崩し、4ー1と幸先の良いスタートを切る。さらにOH・山口快人が、スパイク、サービスエース、バックアタックの3連続ポイントで、9ー3とリードを広げる。その後も、山口、稲井正太郎を中心に得点を重ねると、14ー9で慶大のマッチポイント。そして最後は、MB・稲井とS・松田悠冬(新1、慶應)が完璧なコンビを見せ、クイックで得点。15ー9で第3セットを掴み、セットカウント2ー1で専大に勝利した。

サーブを打つMB・松山鼓太郎

 

第2試合 日本体育大学戦

得点

 

 

慶大

セット

日体大

24

26

20

25

15

13

 

出場選手

 

 

ポジション

背番号

名前(学部学年・出身校)

OH

清水悠斗(新総2・習志野)

MB

松山鼓太郎(新商3・慶應)

OP

11

入来晃徳(新環4・佐世保南)

OH

山口快人(新経3・慶應)

MB

22

稲井正太郎(新法2・慶應)

S

27

松田悠冬(新1・慶應)

L

今田匠海(新政2・慶應)

途中出場

 

 

OH 

10

野口真幸(新商3・慶應)

S

15

久保田健介(新商4・慶應湘南藤沢)

第2試合の日体大戦は、OP・入来晃徳の強烈なレフトスパイクで慶大が先制。さらに、MB・稲井正太郎のクイックが光り、立ち上がりは慶大がリードする展開に。しかし、相手は古豪・日体大。正確なコースをついたスパイクで慶大に追いつくと、10点以降は拮抗した展開に。慶大は、OH・野口真幸(新商3・慶應)やS・久保田健介(新商4・慶應湘南藤沢)を起用して守備の強化を図るが、ブレイクとはならず。一度は相手のセットポイントを凌ぐも、最後は入来のスパイクが相手ブロックに阻まれ24ー26。序盤のリードを活かしきれず、第1セットは日体大が勝ち取る。

得点を喜ぶ松田悠冬(左)と入来晃徳(右)

続く第2セットは、立ち上がりから日体大の攻撃に苦戦。1ー4と点差が開くと、慶大はすかさずタイムアウトをとる。直後のポイントでライトの入来晃徳がスパイクを決めるも、後が続かず。2ー9と、序盤から7点を追う展開に。それでも、L・今田匠海やOH・山口快人がサーブキャッチやディグで粘りを見せると、MB・稲井正太郎やOP・入来が前衛で健闘。さらに、稲井のサーブで3連続ブレイクに成功し、16ー18と2点差に迫る。その後もMB・松山鼓太郎がネット際での攻防に競り勝つなど、日体大相手に接戦を繰り広げるが点差を縮めることはできず。20ー25で、第2セットも日体大に献上する。

慶大の若き守護神・今田匠海

最終第3セットは、OP・入来晃徳のレフトスパイクとMB・松山鼓太郎のクイックで2ー0。慶大が着実に点数を重ねてリードを広げると、7ー3で日体大がタイムアウトをとる。その後は、サイドアウトやサーブでペースを乱されると、S・松田悠冬とMB・稲井正太郎のコンビが合わず11ー11で同点に追いつかれる。それでも、直後には松田が再び稲井に強気のトス。意地を感じる稲井の力強いクイックで再びリードを取り戻すと、そのまま15−13で第3ゲームを奪取。試合は、セットカウント1ー2で日体大に軍配が上がった。

MB・稲井正太郎(左)とS・松田悠冬(右)

(取材・記事:長掛真依、梅木陽咲)

 

▼以下、コメント

星谷健太朗監督

ーー第1試合の専大戦を振り返って 

今回は相手もいろいろなメンバーを試しているので、勝ち負けがどうこう、というのは無いですけれど、その中でも競った場面でどういう攻撃を選択して、どういうプレーをするか。それを練習する良い機会になったと思います。選手たちが良い選択をして「ゲームを作るプレー」ができていたのは、次に繋がるんじゃないかなと思います。

ーー第2セットは、要所で慶大らしいバレーができていた印象でしたが

第2セットは相手がミスをしてくれたから楽だったかな、という感じですね。ただ、相手がミスをする中で自分たちはミスをしなかったというのは、バレーボールを良い展開にするために大事なので、そこは良かったかなと思います。

ーーチームの雰囲気としてはいかがでしたか

 雰囲気は全然ダメだなと思います。リーグ戦ではもっと必死になってできていたものが、この2日間ではできていない。これがどういうことなのかを、選手たちには考えてもらいたいですね。

 ーーピンチサーバーとして平山選手、久保田選手、岩間選手、野口選手の4人を投入しましたが、どのように使い分けされていますか

得意なポジション、場面ごとに使い分けてますかね。平山のようなジャンプサーブを打つ選手だとミスをするリスクが大きい分、リスクを負っても問題ない場面かを考えています。フローターサーブの久保田と岩間は普段Sをやってくれているので、ライト側での守備がほしいタイミングで起用しています。野口は、ディフェンスで試合の経験を積んでもらえたらなと思って起用しました。

ーージャンプサーブを打つ選手が減ったことで、レセプションの練習機会が少なくなっていると思いますが

 まさしくその通りです。どう練習量を増やせるかというのを考えてはいますけど、球の不規則な回転だったり、駆け引きの中でのボールの打ち方は実際に人でやってみないと分からないので、ゲームと同じように練習することはできないなと。こういう実践の場で学んでいくしかないなと思います。ただ、昨日の試合では1部のジャンプサーブに圧倒されながらも、一日で多少改善できたので良かったと思います。

 ーーあと一歩のところでセットを取りきれない場面もありましたが

20点を取ってからも、それまでと同じように自分たちのプレーができるメンタリティやスキルが今後は必要になってくると思います。 

ーー他の1部のチームの完成度は

全然まだまだだと思います。本当に1位を狙うチームと、入れ替え戦に行くかもなというチーム、中位くらいにいそうなチームで、結構くっきり分かれているなと思います。特に春においては、最初から結果を出そうというよりは徐々に成長して、終盤の秋季リーグ、全日本インカレで完成形になるようにどのチームもやっていると思います。

ーー慶大が実力を発揮できた場合、1部のチームとはどの程度戦えるか

今はまだまだですけれど、新入生とかが上手くハマれば1部の中位チームと戦える実力はあると思います。

ーー春季リーグへの意気込みをお願いします!

 力を出し尽くして、入れ替え戦出場、1部復帰します。

 

#17 L・平山一之心選手(新商4・甲南)  

ーーこの2日間をどのように見ていましたか

見方としては、他大学を見る目と自チームを見る目があって。他大学については、春季リーグで当たらないチームばかりでしたけれど、最高峰のリーグに属している選手たち相手にどれくらい自分たちが通用するのか、という風に見ていました。自チームに関しては、12月から3月までの4ヶ月間で培ってきた「繋ぎ」のレシーブと、ブロック、その他の細かい技術を見ていました。まだ足りない部分はありましたけれど、徐々に課題が解決されてきたかなと思って見ていました。

ーーチームで一番、声を出されている印象がありますが

チーム内のポジション的にも、俺が上がれば、周りも上がってくるかなという感じですね。モチベーターみたいなポジションだと思っているので、そこは意識して声を出すようにしています。 

ーー「ノッてるノッてる入来」の応援は…

あれは多分、山木柊(新文4・慶應湘南藤沢)が始めましたね。もともと「ノッてるノッてる喜輝」という、松本喜輝選手(=令6環卒、富士通カワサキレッドスピリッツ)の応援があって、入来にも使えるんじゃないかということで始まりましたね。リーグ戦だと一人一人の応援歌が見られると思うので、そこは注目ですね。

ーー専大戦ではピンチサーバーで出場されましたが

めちゃくちゃ緊張していました。秋季リーグでは、攻めきれなかったことが後悔として残っていたので、次に機会があったら後悔のないように攻めようと決めていて。それは達成できたのでよかったと思っています。

ーー力強いジャンプサーブの秘訣は

 練習量をこなすというよりは、練習の質を重視しています。慶應バレー部は毎日練習ごとに目標を立てるのですが、そこでサーブに関しては細かく目標設定をしていて、自分の癖を客観的に分析したりしています。あのサーブ、実は研究し尽くしたサーブなんですよ。ちゃんと言語化もできますし、こなすこともできます。

ーー言語化すると…?

 まずサーブトスをかなり高く上げる。その後、下で若干待って、ジャンプしたらすぐ打つ。それで体を少し前に倒して打つと成功します。

 ーー春季リーグへの意気込みをお願いします!

結果としては、春秋問わず1部に戻りたいなと。あとは、自分が頑張ってきた証を残したい。卒部するときに、後悔の残らないようにしたいなと思います。

 

#9 MB・松山鼓太郎選手(新商3・慶應)

ーー1部のチームと戦う貴重な機会でしたが、2日間を振り返っていかがですか

今までずっと2部の環境でやっていたので2部に慣れちゃっていたというのがあって、昨日はチーム全体としても、自分自身としても1部の高さと速さに圧倒されちゃって、全く通用しないなというのはすごい感じました。今日は、それに対してどのように戦うのかをチームの中でも話し合ったり、自分のプレーを動画で分析してブロックのタイミングを考えながらやれたかなと思います。昨日の試合からしっかり修正して、自分の役割は果たせて良かったかなと思います。

ーー今日の専大戦、日体大戦は振り返っていかがでしたか

有観客のフルコートで試合に出るのが初めてだったので、それにすごい緊張していた部分もありましたし、全カレ優勝校の専修相手で緊張もしていたので、その2つの緊張で頭がこんがらがっていた部分もありました。昨日も全然うまくいかなくて、自分の良いところを全然出せていなかったかなというのが正直なところで、S・松田悠冬とのクイックも専修の時は全然合ってなかったので、そこも課題として見つけられたかなと思います。

ーー高校の後輩であるS・松田悠冬選手とプレーしてみていかがでしたか

塾高の時は僕の代のSがスタメンで出ていて、松田がピンサーで僕の位置に入っていました。よく同部屋で一緒に過ごしていたので性格は知っていたんですけど、全然変わっていなくて本当に強気。悠冬に引っ張ってもらっている感覚もあるし、まだクイックでは信頼されてないなというのをすごく感じるので、春リーグに向けて悠冬としっかりコンビを合わせられるように信頼関係を構築したいなと思います。

ーー春季リーグへの意気込みをお願いします!

1部昇格を大きな目標として、各々が自分の役割を果たせるチームづくりを心がけて、日々の練習に取り組んでいきたいなと思います。

 

#6 OH・山口快人選手(新経3・慶應)

ーーOHとして、1部の選手と戦うのは久しぶりでしたが

昨日初めてS・松田悠冬とコンビを合わせたので、思いっきり打つことはできなかったんですけど、途中で乱れながらもサーブキャッチでしっかり貢献できたと思います。春リーグはサーブを武器にしたいなと思っていたので、サーブで相手を乱すことができたのも良かったかなと思います。

ーーチームとしての手応えとしてはいかがでしたか

相手がどういう状況でやっているのかは分からないですけれど、自分たちのバレーをしようということでやってきた中でしっかり1部の大学相手に取れたセットもあったので、自信に繋がったと思います。その一方で課題も見えたので、まずは2部で勝てるように意識して頑張っていきたいなと思います。

ーー高校の後輩であるS・松田選手とプレーしてみていかがでしたか

トスのスピードもそうですし、向こうからもコミュニケーションを取るようになったりして、高校の時と全然違うなという感じですね。自信がすごくついたのかなと思いました。

ーー春季リーグへの意気込みをお願いします!

新1年生も加入しましたし、徐々にチームを作っていく段階だと思うので、2部で勝てるチームを目指して、入替戦を戦えるように頑張っていきたいなと思います。

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