1部昇格に向け、強敵・山梨学院大との負けられない一戦に挑んだ慶大。第1セットはMB・稲井正太郎(法2・慶應)やOP・入来晃徳(環4・佐世保南)のスパイクで接戦に持ち込むも、終盤に及ばず惜しくも落とす。続く第2セットはOH・山口快人(経3・慶應)と同じくOH・野口真幸(商3・慶應)らが意地を見せる。さらに、今田匠海(政2・慶應)と緒方哲平(環2・日向学院)の両リベロが好レシーブを繰り出すも、相手エースを止めきれず連取を許した。絶対に落とせない第3セットでは松田悠冬(商1・慶應)の巧みなトスが光る。途中出場のMB・松山鼓太郎(商3・慶應)がチームを盛り上げるも、あと一歩及ばず。全員でつないだボールも、昇格への道は険しいものとなった。
2025年5月10日(土)
春季関東大学男子2部バレーボールリーグ戦 @大東文化大学東松山キャンパス
第7日 慶大×山梨学院大
得点 |
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慶大 | セット | 山梨学院大 |
22 | 1 | 25 |
19 | 2 | 25 |
23 | 3 | 25 |
出場選手 |
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ポジション | 背番号 | 名前(学部学年・出身校) |
MB | 30 | 小山啓太(商2・慶應) |
OP | 11 | 入来晃徳(環4・佐世保南) |
OH | 6 | 山口快人(経3・慶應) |
MB | 22 | 稲井正太郎(法2・慶應) |
S | 13 | 松田悠冬(商1・慶應) |
OH | 2 | 清水悠斗(総2・習志野) |
L | 4 | 今田匠海(政2・慶應) |
途中出場 |
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S | 15 | 久保田健介(商4・慶應湘南) |
L | 3 | 緒方哲平(環2・日向学院) |
OH | 10 | 野口真幸(商3・慶應) |
MB | 9 | 松山鼓太郎(商3・慶應) |

MB・稲井
第1セット序盤、S・松田悠冬の1枚ブロックに会場が沸く。相手エースの力強いスパイクには、L・今田匠海の好レシーブが炸裂、拮抗した試合展開に。慶大もOP・入来晃徳が相手ブロックを吹き飛ばす強打をみせる。さらにMB・稲井正太郎は松田と息の合った速攻で得点を重ね、10-11。ブレイクを取りたい場面で、今田の決死のレシーブに、主砲・入来の一打が応える。しかし相手の高い攻撃力におされ、3連続失点。タイムアウトを挟み、MB・小山啓太(商2・慶應)が速攻で流れを変えると、入来のスパイクと稲井の速攻で再び追い上げる。L・緒方哲平のディグも冴え、22-23まで詰め寄るが、最後は入来のスパイクが惜しくもラインを外れ、22-25で第1セットを落とした。

MB・小山
第2セットは、OH・山口快人の巧みな攻撃が光る。コースを打ち分けて確実に得点し、相手に食らいつく。しかし、相手エースの躍動により3-7と点差を広げられる。稲井の速攻が決まり、流れを引き寄せたい場面で、途中出場のOH・野口真幸が鋭いバックアタックを決め、ベンチを沸かせる。緒方のディグと入来の力強い攻撃を軸に反撃するも、相手エースの勢いを止めきれず、18-24とセットポイントを許す。守護神・今田が懸命にボールをつなぎ、最後は稲井が鮮やかなブロックを決めて一矢報いる。しかし直後、相手エースのスパイクがコートを射抜き、19-25でこのセットも落とした。

L・緒方
1部昇格にむけて絶対に落としたくない第3セット。立ち上がりから両チーム一歩も譲らず、打ち合いを繰り広げる。このセットから出場したMB・松山鼓太郎が速攻を決め、コートを駆ける。中盤には慶大にミスが重なり、5点のビハインドを背負うが、ここで奮起したのが司令塔・松田。巧みなフェイクセットで相手ブロックをひきつけ、山口のスパイクを引き出す。更に直後、相手の浮いたボールをダイレクトで叩き込み、2連続得点。今田の安定したサーブカットから強気のトスワークで速攻を決め、チームに流れを引き戻す。それでも一歩及ばない苦しい展開に、終始松山・今田が声をかけ、入来が力強いプレーで引っ張る。22-24とゲームポイントを握られるも、チームを鼓舞する入来渾身の一打が決まり、23-24。追い上げムードが高まる中、相手の攻撃がラインを突き刺し、無念の敗戦。全員が最後まであきらめずボールをつないだが、昇格へ向けて痛い一敗となった。

MB・稲井、S・松田
(取材:村田理咲、梅木陽咲)
▼以下、コメント
星谷監督
――今日の試合を振り返って
及ばなかったところとしては、経験値が圧倒的に足りなかったなと思います。乗り越えなければ1部復帰が遠くなるという大一番の試合で、気合が空回りしたり、プレッシャーによって力が出せなかったり、自分たちの最大限のパフォーマンスを発揮できるメンタルのコンディションを最初から作り上げられなかったし、途中で盛り返すこともできなかったことが足りなかった点かなと思っています。
一方でよかったところは、途中で変わった選手が、自分の持てるものを最大限出そうと努力してくれて、結果的にチームが活気づいたことです。それはチームにとってとても収穫であり、そういった選手が支えてくれていることが財産だなと思いました。
――良かった選手は
緒方、野口、松山は特に良い動きをしてくれたと思いますし、向かっている方向性としては、稲井・松田も大変すばらしいマインドで勝負してくれたなと思います。
特に緒方は、チームにディグの力が足りなかったので、彼が活躍することによりチームがうまく回ると思ってディグリベロとして起用しました。
――日大戦に向けて
負けたから明日できませんなどというチームは誰も応援したくないと思うし、今日負けたのも、自分たちに足りなかったものがあるから負けたわけで、悔しいと思うレベルまで行っていないと思います。悔しいと思うのは、「これまでどれだけやっても及ばなかったんだ、こんなに頑張っているのに」というときだからこそ、単純に自分たちの能力を発揮するコンディションを作れなかったというのは、悔しいと思うまでもないと思います。なので明日は明日、自分たちの最高のパフォーマンスができるように準備をして、応援してくれている人たちに少しでも活力を与えられるように、またそれが最終的に良い結果につながってもらえたらと思っています。とにかくこれまで同様に自分たちの力を発揮する準備をして、目の前のことに打ち込むということを続けていくだけです。
#11 OP・入来晃徳(環4・佐世保南)
――今日の試合を振り返って
点数としては相手についていけていたと思うのですが、プレーしている身としては大きな差があるなと感じました。例えば最後自分が決めきることができなかったことや、ブロックに対しての意識も全体的に悪かったので、もう少しやらないといけないなと感じた試合でした。
――第3セット後半では1点差まで詰め寄りましたが
22―23のとき、レフトの自分の方にボールが上がってきて、それを決めきれなかったことが逆転できなかった一番の要因なのかなと思います。逆転するためには同点に追いつかないといけない、そのために自分にトスが上がってくることが多かったのですが、ミスをしてしまって。そこが良くなかったと思います。
――この2週間重点的に取り組んでいたこと
今週の土日どちらも、相手のOPがとても強いので、それに対する対策をしてきました。ディグやレシーブ、ブロックなどをやってきたのですが、相手の方が一枚上手だったので、もっと改善が必要だなと思います。
――次戦の日大にむけて
今日は全体的に良くなかったので、抽象的ですけど明日は前に行くという意識を持って、自分たちで点を取りにいく意識で臨めたらいいかなと思います。
#3 緒方哲平(環2・日向学院)
――今日の試合を振り返って
レシーブはもちろん、チームに元気を与えるということが自分の役割だと思っていて、そういった部分で、一人一人に声掛けができたので役割を全うで来たかなと思います。
――プレーについては
パフォーマンスに関しては、良いディグが結構出たので、それで流れを掴めた、良い雰囲気になった、というのもありますし、自分が絡んでいないプレーで決まった時も良いプレーが出来たので良かったかなと思います。
――リベロとしてこの1年どんな選手になりたいか
ディグは一番あげられるようになりたいです。そしてトスも、セッターの次くらいにキレイに挙げられる選手になりたいと考えています。
2年生としては、プレーで見せるのはもちろん、私生活の部分でも自立して、凡事徹底できているような先輩でありたいです。
――次の試合に向けて
相手の選手をつぶすような勢いで、レシーブを上げていきたいと思います。