第4週で東大から2連勝で2つ目の勝ち点を獲得した慶大は、第6週で法大と対戦。法大に対し昨秋は2019秋季以来5年ぶりに連敗でストレートに勝ち点を落とした慶大。直近の対戦を振り返ってもほぼ互角、通算成績も224勝216敗29分と勝ち越してはいるものの、毎季苦戦を強いられている好敵手だ。優勝の可能性がわずかに残っている慶大にとって、法大に連勝で勝ち点をとることは必要条件。東大戦の流れそのままに法大を封じ、3つ目の勝ち点を取り切りたい。
慶大は春季リーグ戦も折り返しとなる第4週で東大と対戦。第3週に行われた前のカード・明大戦の結果を受け、1回戦と2回戦の先発を入れ替えるとその起用が見事に的中。1回戦は渡辺和大(商3・高松商業)が東大打線から14三振を奪う快投で9回125球、被安打1、無失点の完封で今季初勝利を挙げ、2回戦は外丸東眞(環4・前橋育英)が6回1失点と試合を作ると、7回に渡辺憩(商2・慶應)の今季初本塁打から5得点を奪って突き放した。

渡辺憩の今季1号から一挙5得点で快勝
勝ち点2に伸ばした慶大は、第6週で法大と対戦。法大は立大との開幕カードに2連敗。早大に1回戦は12安打11失点の大敗を喫したものの、2回戦は終盤に鮮やかな逆転劇で今季初勝利を記録。3回戦は早大に2-7で敗れ勝ち点を落としたが、3カード目の東大戦では投打がかみ合い、2連勝で勝ち点1を獲得するなど試合を重ねるたびに状態を上げている。
慶大は法大に対し、通算成績224勝216敗29分と勝ち越してはいるものの、直近5年の対戦成績は互角。昨秋は2019秋季以来5年ぶりに連敗でストレートに勝ち点を落とすなど、毎季苦戦を強いられている相手だ。慶大は優勝の可能性が第5週終了時点で約10%。逆転優勝を掴み取るためには、法大戦での勝ち点獲得はもちろん2連勝で勝ち点を取ることがマスト。慶大が最後に法大からストレートで勝ち点を獲得したのは、2018春季だけに、“総合力”で法大を圧倒することが求められる。

昨秋2回戦はサヨナラ負けを喫した慶大
法大投手陣は2枚看板・篠木健太郎(令7卒・現横浜DeNAベイスターズ)&吉鶴翔瑛(令7卒・現東芝)が抜け、過去慶大戦に登板した投手は、永野司(営4・倉敷商)と宇山翼(人4・日大三)のみ。慶大野手陣にとっては初対戦のピッチャーが多いだけに、初見でも早いイニングから攻略の糸口を探し当てることが求められる。その中でも1回戦の先発が予想される野崎槙裕(営4・県岐阜商)の攻略は必須。前回登板の東大1回戦では、自身最長8回102球被安打5(被本塁打1)、奪三振8、無四死球、3失点(自責2)の熱投によって、チームの勝利を手繰り寄せた。野崎の勢いのあるピッチングに対し、慶大は常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)・中塚遥翔(環2・智辯和歌山)・今泉将(商4・慶應)ら長打力のある中軸を中心として応戦したい。

今季篠木から「18」を継承した野崎
法大野手陣は2023秋季から3季連続でベストナインを獲得している松下歩叶(営4・桐蔭学園)、昨秋ベストナインと32年ぶりに1年生で首位打者のタイトルを獲得した熊谷陸(人2・花巻東)ら実力者揃いの中軸に加え、1番に今季リーグトップの5盗塁をマーク&昨秋2回戦で延長10回にサヨナラ打を浴びた“慶大キラー”藤森康淳(営3・天理)、2番に打率.464でリーグトップに君臨するスーパールーキー・境亮陽(営1・大阪桐蔭)を置くなど上位打線がかなり強力。まずはこの上位打線を完璧に封じ、味方打線の奮起を待ちたい。

3季連続ベストナインでプロ注目の主将・松下

今季も3割で打線を牽引する熊谷

すでに13安打を放つスーパールーキー・境
(記事、写真:加藤由衣)