【野球】2025秋季リーグ戦開幕前対談第4弾!”静と動” 正反対の4年生大砲コンビ~今泉将×常松広太郎~

野球対談

9月13日に開幕を迎える東京六大学野球秋季リーグ戦。2季連続5位という悔しい結果からの巻き返しを誓う慶大野球部が目指すのは2年ぶりの「日本一」。奪還へ向け闘志に燃える選手たちに、対談形式でインタビューを行いました!開幕前対談第4弾は、春季は豪快な一発で幾度もチームの勝利を呼び込んだ今泉将(商4・慶應)と常松広太郎(政4・慶應湘南藤沢)の主砲コンビです!

――他己紹介

常松:では僕から。今泉将で、チームの副将で、マイペースな主将(外丸東眞=環4・前橋育英)をまじめな彼がうまく回しているというところで非常に頑張っていると思います。ファーストとサードで同じ右バッターで長距離砲というところで、よくお互い愚痴ったりとか(笑)。仲良くやらせてもらっています。

今泉:常松広太郎です。バッティングリーダーでいろいろ監督から要求されることだったりとか、それぞれバッティングの中で求められていることとかいろいろあったりするんですけど、その中で主体的にチームのバッティングをいろいろ考えてくれています。結構野球が好きな一面があって、「だるいな」って感じでやりながらも、実は野球が好きって感じがします。オンとオフの切り替えが結構しっかりできていると思います。

 

――お互いの第一印象

常松:多分最初に会ったのが入部前のウエイトトレーニングで、巨人みたいなやつがいるなと思って、その割に結構無口で得体のしれない感じだったので嫌われるの怖いなという風に感じました(笑)。

今泉:僕もウエイトの時に会って、でかいやついるなと思って、もう一人高校からの同期で権藤(大=商4・慶應)ていうやつがいるんですけど、最初そいつとグータッチしているところを見て本当に権藤がもう一人いるなて感じで(笑)

常松:(権藤と)車校が一緒だったんですよ(笑)。車校が一緒だったのでお互い顔見知りで(笑)。

 

――お互いの思ういいところ

常松:責任感があって、ほぼほぼとりあえず今泉に振っておけば外しはしないだろうていう安心感と安定感があります。

今泉:いいところはさっきも言ったオンとオフがはっきりしているところ。かつその二面でチームを引っ張っていくというところ。結構そこの切り替えがうまくて、グラウンドでしっかりやりつつも、プライベートでは後輩としっかり楽しんでというところです。

 

――逆にお互いの思う直してほしいところはあるか

常松:打席とかで結構思い悩んでいるところがあるかなと思って、もっと適当にやればいいのにとは思います。そこが彼の良さでもあると思うんですけど、そこを開き直れる場面がリーグ戦であったら止まんないんじゃないかと僕は思います。

今泉:逆に僕は適当すぎる部分はちょっと直してほしいなという風に思います(一同笑い)。もう少しそこは状況を考えてもいいんじゃないかと打席で思うこともプライベートで思うところもあるんで、そこは直してほしいなと思います(笑)。

常松:そこは本当に耳が痛いですね(笑)。

 

――春のリーグ戦について、立教とのカード2戦目で常松選手が初ホームラン、今泉選手はどんなことを感じたか

今泉:前日なかなか結果が出ないで迎えた第2戦だったので、その一打席目でホームランというところでチーム的にも彼自身にもすごい勢いがつくホームランでした。本当にチーム全体に勢いをもたらしてくれました。

立大2回戦で待望のリーグ戦初本塁打が飛び出した常松

――次の試合で今泉選手も初ホームランを放ったが、常松選手はこの一発を一塁走者からどのように見ていたか

常松:自分自身のホームランは次も打席が回ってくるので手放しには喜べないんですけど、一緒にここまでやってきて、4年生でスタートから出られるのは僕らしかいなくて、その相方が打ってくれて、別に僕は次の今泉の打席のことは考えなくていいんで(笑)、本当に素直に喜べました。場面的にもあと一本出れば大差つけられるところだったので、個人的にも手放しに喜べましたし、チーム的にも良い感じだなっていう風に。

立大3回戦で飛び出した今泉のリーグ戦初本塁打

今泉のアーチに「喜びながら塁を回った」という常松

――春のリーグ戦から、お互いのベストホームランとその理由について

今泉:やっぱり毛利(海大=明大、情コミュ4・福岡大大濠)から打った2ランホームランかなと思っていて。僕ネクストから見てたんですけど、追い込まれてからみんなが苦戦してる毛利のチェンジアップを上手く前で拾って、あそこまで飛ばしたっていうところで、あれが間違いなくベストホームランかなと思います。

明大1回戦で初回にプロ注目・毛利から2点本塁打を放った常松

常松:今泉は言わずもがな、法政戦の8回の逆転ホームラン。ピッチャー永野(司=法大、営1・倉敷商業)で、僕も永野と対戦しててすごい打ちづらいピッチャーだなっていう中で、今泉が「ここ!」っていうところでホームランを打って。ホームランの入り方もいまだに覚えていて、ポールに当たってボールが落ちてきたんですけど、落ちる手前くらいからスローモーションに見えて(一同笑い)、カーンって当たってゆっくり落ちていく時にみんな「あ...」みたいな。ベンチでみんな「入った!」ってびっくりして飛び上がって、「ありがとう」みたいな、本当にみんな泣きそうでしたね今振り返っても。結構リーグ戦全体でも一番のシーンだったなって。

法大2回戦で永野から逆転3点本塁打を放つ今泉

――慶應は近年、多くの右のスラッガーが活躍しているが尊敬する選手は

常松:もちろん廣瀨(隆太=令6卒・現福岡ソフトバンクホークス)さんもそうなんですけど、(常松が)1年生の時に4年生で活躍されていた萩尾(匡也=令5卒・現読売ジャイアンツ)さんのバッティングはやっぱり1つ抜けてたかなって思っていて。チームが苦しいときにホームラン打って試合を逆転出来るし、打てないときはセーフティーだとか小技とかも出来るし、近年で右バッターだったらやっぱり萩尾さんかなって思います。

今泉:僕はやっぱり廣瀨さんで、一緒にプレーさせてもらった中でバッティングっていうところはチームが停滞したときに一本出せる力というか。そういう部分にすごい憧れを持ってるのと、あとはメンタリティー的な部分でエラーしたりとか打てなくても絶対に謝らない。自分のベストを出してダメだったら仕方ないみたいな割り切りを持ってプレーするメンタリティーっていうのはすごいと思います。

 

――春のチーム15本塁打はリーグトップ。その要因は

常松:監督がホームラン打てるやつが好きっていう、ホームラン打てるやつ使ってるっていうのもあるんですけど、やっぱり高めの真っ直ぐだったり変化球をしっかり叩こうっていうのをチームで徹底してるのも一つの要因かなって思います。
今泉:そうですね、そもそもまずデカいやつが多くて(一同笑い)、長打力がある選手が多いっていうのはあるんですけど。やっぱり積極性と言うか、浮いた球をどんどん仕留めに行く姿勢はこの代だけじゃなくて代々慶應に受け継がれているものだと思うので、そういった中での15本塁打っていう結果なのかなと。

 

――将来の主砲になりそうな期待の後輩

常松:いっぱいいるんですけど、今一番若いので言うと加藤右悟(環1・慶應)かなという風に思います。

今泉:やっぱり中塚(遥翔=環2・智弁和歌山)。今年もですけど、来年、再来年と東京六大学、大学野球界を代表するようになると思います。

 

――開幕を迎える秋季リーグ戦のチームとしての目標はやはり

常松:リーグ優勝、日本一、早稲田に勝つ。

 

――個人としての目標は

今泉:春、なかなかシーズン通した結果っていうのが残せなかったので、まずもちろんチームとして日本一っていうところを目標に頑張るんですけど、その中で個人としてはベストナインを目標に、チームを勝たせられる選手になれるように頑張りたいと思います。

常松:三冠王取りたいなっていう風に思っていて。(春季三冠王を受賞した)山形球道(立大、コミュ4・興南)とかシーズン通して打てる凄さっていうのを改めて1シーズン戦ってみて思ったんですけど。ああいう成績を残してチームも優勝したら大学野球に悔いなく終われると思うので、ラストシーズンは三冠王取りたいと思います。

 

――どういう試合展開をしていけば、勝利を掴むことが出来ると思うか

常松:圧倒的に点差をつけて勝てば、わざわざ僅差で終盤、胃がキリキリするような思いをしたくないので(笑)、ピッチャーは抑えてバッターは点取るっていうのが大事だなって思います。

今泉:もちろん圧倒出来る力は僕たちもあると思うので、その中でも夏の期間は接戦にも勝てるように作り上げてきて、攻撃面でも次の1点をどう取るかだったりとか、守備面でもどうやって次の1点を防ぐかっていうところで焦点を当てて詰めていったので、その成果を発揮出来るように、接戦でも勝てるようにやっていきたいと思います。

 

――春のリーグ戦から秋のリーグ戦に向けてチームとして取り組んでいることは

常松:守備力っていうところはすごいやってて、練習時間も長いですし練習の中で求められることも一人ひとり多いので、そこは鍛えられてるかなと思います。あとは今泉も言ってたように1点を取るっていうところで、ホームランはたくさん出てますけど、1点差でホームランだけじゃなくて他の得点方法もあるときに、切り替えが出来るような練習をやってるので、そういうところが秋に出れば良いかなと思ってます。

今泉:本当に技術的と言うか、具体的な野球の内容についてと、あとは練習の中で雰囲気面でかなり春とは違っていて、お互い厳しく、緊張感のある雰囲気でやれてると思ってます。チーフの金岡(優仁=商4・慶應)を中心に、一球の勝負が(結果を)分けるんだっていう気持ちでやっているので、その成果はリーグ戦で必ず見せたいと思います。

 

――秋季リーグで対戦したい投手は

常松:伊藤樹(早大、スポ4・仙台育英)投手はやっぱりリーグだったり大学野球界を代表するピッチャーで僕自身クリーンヒットを打ててないので。そのクリーンヒットがホームランであればベストですし、最後優勝を決めた早慶戦で彼から打って決められたらベストだと思うので、対戦したいです。

今泉:僕は毛利(海大=明大、情コミュ4・福岡大大濠)投手で。春、チームとしても個人としてもかなり抑えられましたし、どうしても向こうには「慶應はやりやすい」というか、そういうイメージを持たれてると思うので、必ず秋は打ち崩したいです。

 

――先日出場したオールスターの感想

常松:いろんな大学の選手と試合でも交流出来ましたし、プライベートでも仲良くなったんで、仲良くなったうえで慶應が優勝して「やったぜ」っていう風に見せたいです(笑)。

 

――具体的に仲良くなった選手は

常松:オール早慶もあったんで、ワセダの選手はあんまり(対戦の)相性良くないんで良いイメージ持ってなかったんですけど、(オールスターとオール早慶戦の)2つのイベントでかなり同じ時間を過ごして、吉田瑞樹(早大、スポ4・浦和学院)とか話したらかわいいキャラだなって。対戦してるとあんまり分かんないんですけど、そういうイメージが湧きましたし、法政の選手もオールスターですごい仲良くなって、片山(悠真=文3・八王子学園八王子)選手とかすごい話しかけてくれました。

オール早慶戦名古屋大会で代打として出場の常松

今泉:オールスターの感想としては、めちゃくちゃ楽しくて、僕初回にエラーしたんですけど周りが盛り立ててくれたり、本当に野球人生で一番くらい楽しい試合で。普段なかなか(他大学の選手と)関わる機会がなかったんですけど、バッティングの話とかも出来ましたし、お互い知ったからこそ秋は負けたくないっていう気持ちです。

初回に失策も、打撃で存在感を見せた今泉

 

――改めて秋季リーグへの意気込みを

常松:5位からのリーグ優勝はファンの皆さんだったり学内の皆さんに見せて、前の結果にとらわれずに次の目標に向けて頑張るっていうのは皆さんに勇気を与えられるかなと思ってて、その上で、監督にこれまで4年間お世話になってきて最後良い終わり方したいっていうのもあるので、先ほど言った目標も含めていろんな目標を達成して、最後「良いチームだったね」と30年後も言い合えるようなチームにしたいです。

今泉:慶應の応援ってすごい憧れてましたし、本当に日本一の応援だと思っていて。でもこの3シーズンはその大声援に応えられるような成績が残せていないっていう事実があるので、この秋のシーズンこそは必ず”日本一”を獲って、大歓声に応えられるような成績を残したいと思います。

 

(取材:神谷直樹、記事:柄澤晃希)

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