リーグ戦2巡目の最終戦を迎えた慶大。中盤で相手に追い上げられる場面もあったが、主将・廣政遼馬(経4・福大大濠)を中心に得点を重ね、見事勝利を収めた。オータムリーグでは2年連続で3部4位という結果となり、惜しくも2部昇格を逃した。
2025/11/2(日) @杏林大学 八王子キャンパス | |||||
第101回関東大学バスケットボールリーグ戦 | |||||
| 1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 |
慶大 | 27 | 12 | 18 | 24 | 81 |
学習院大 | 15 | 20 | 13 | 12 | 60 |
◆慶大スターティングメンバー◆ | |||||
SF | #4 廣政遼馬(経4・福大大濠) | ||||
PF | #5 椎橋遼生 (政4・國學院久我山) | ||||
SF | #7 桑原佑尚(総1・濟々黌) | ||||
SG | #15 栁本晴暖(理2・延岡学園) | ||||
SF | #41 服部怜恩(商2・大垣北) | ||||
第1Q、服部怜恩(商2・大垣北)が放った3ポイントシュートで先制点を挙げ、試合がスタート。桑原佑尚(総1・済々黌)のパスを受けた廣政遼馬(経4・福大大濠)の3ポイントシュート、服部のギャロップステップシュートなど、多彩な攻撃でリードを広げていく。守備面でも全員でハードなディフェンスやリバウンドを徹底し、相手に流れを渡さなかった。オールコートディフェンスにも動じず、椎橋遼生(政4・國學院久我山)や柳本晴暖(理2・延岡学園)も得点を重ねていく。終盤には、安田彪吾(経4・岐阜)のアリウープパスから桑原がシュートを決めるビッグプレーも飛び出し、勢いそのままに27−15で第1Qを終えた。

服部怜恩(商2・大垣北)
続く第2Q、開始30秒で稲葉優生(文1・常磐大学)がシュートファウルによりフリースローを獲得。服部の背面シュートや椎橋のジャンプシュート、ファストブレイクなどで得点を重ねるが、終盤には学習院大がディフェンスの強度を上げ、慶大は攻めあぐねる場面が増えてしまう。何度も果敢にアタックするも、シュートがリングに嫌われ続け、4点差まで詰め寄られる。重苦しい空気の中、39−35とわずかにリードを保って前半を折り返した。

椎橋遼生(政4・國學院久我山)
切り替えて後半の良いスタートを切りたい慶大。稲葉が激しいディフェンスを受けながらゴール下をねじ込むと、柳本が3ポイントシュートを決め、さらにスティールからのファストブレイクでも得点。再び慶大が勢いを取り戻していく。慶大はチーム全体で更にディフェンスを激しくし、服部・椎橋・桑原と次々と得点を重ねた。残り30秒には、中田大智(理2・小山台)が学習院大のディフェンス2人を交わしてレイアップを決め切り、57−48で第3Qを終えた。

柳本晴暖(理2・延岡学園)
最終Qは、バックボードを使った廣政の技ありシュートで幕を開ける。開始2分半には、足に当たったボールを桑原が繋ぎ、安田がレイアップを決め切る、慶大らしい粘り強さの光るプレーも。学習院大がダブルチームやオールコートプレスなどディフェンスに変化をつけるも、慶大は廣政・柳本を中心に落ち着いたオフェンスを展開し、連続得点で流れを完全に掴んだ。
残り3分半、島本海丸(総4・正智深谷)がコートに入り、4年生全員が揃うと、ボルテージは最高潮に。4年生の連続得点により、会場は大きく盛り上がった。残り35秒にはベンチにいたメンバーも一斉に出場し、ほぼ全員がコートに立った。最終スコアは81−60となり、慶大が最終戦を白星で飾った。

廣政遼馬(経4・福大大濠)と椎橋遼生(政4・國學院久我山)
リーグ戦最終戦を勝利で締めくくった慶大の順位は4位。目標の「2部昇格」には届かなかったが、22戦を戦い抜き、一歩ずつ成長した軌跡は来シーズンの礎となるに違いない。

タイムアウト中の選手たち
(取材:本橋未奈望、大泉洋渡、新妻千里)
▼以下、選手インタビュー
<# 4 主将・廣政遼馬(経4・福大大濠)>

主将・廣政遼馬(経4・福大大濠)
ーー第2Qに4点差まで追いつかれましたが、後半から立て直しました。チーム内で話し合ったことや意識の変化はありましたか
前半は、自分たちが徹底すべきことをやりきれずに、流れを掴みきれない時間帯がありました。ハーフタイムでは「相手がどんな戦術で来るか」よりも「自分たちがどう戦うか」に立ち返り、徹底すべきところを再確認しました。
ーーリーグ戦全体を振り返って
22試合という長丁場だったので、どうしても波は生じてしまいました。結果として目標達成はできませんでしたが、最後にチームが同じ方向を向いて戦い抜くことができたのは良かったと思います。
ーー「チーム廣政」として、バスケットボール部にどんなことを残せたと思いますか
今年、特に意識していたのは「常に前を向くこと」です。波がある中で下を向きそうになる場面もありましたし、下級生が多いチームで、経験の少なさゆえに迷うことも多かったと思います。そんな時こそ、自分が4年生として、主将として、前を向き続けることが大事だと考えていました。プレー面でも、プレー外でも、常にチームを鼓舞して、先頭に立って頑張ろうという気持ちでいました。
ーー後輩たちへのメッセージ
目標達成というのは簡単なことではないし、試合の時だけ頑張ればいいわけでもありません。日々の積み重ねや細部への意識が大事になってくると思うので、ぜひ一日一日を大切にして、レベルアップした慶應バスケをつくり上げていってほしいです。
<# 5 副将・椎橋遼生(政4・國學院久我山)>

副将・椎橋遼生(政4・國學院久我山)
ーー今日の試合の良かった点と反省点
怪我などでこれまで出場できていなかった選手もいる中で、それも乗り越えてほぼ全員が出場して勝利できたことは、チームとして良かった点だと思っています。
反省点としては、接戦になると自滅してしまう場面があったことです。パスミスや判断ミスが増えたり、自分たちが大事にしている「チームで攻める」という姿勢から逸れて、それぞれが役割とは違う「やりたいプレー」に走ってしまうことがありました。
ーー第2Qに4点差まで追いつかれましたが、後半から立て直しました。チーム内で話し合ったことや意識の変化はありましたか
「自分の役割に徹しよう」ということは、試合を通して言い続けていましたし、ベンチやコート内でも島本を中心にそうした声かけがありました。相手がどんな戦術で来るかは事前に分析していたので、それに対するセットプレーを再確認し、徹底すべきポイントを全員で共有しました。
ーーリーグ戦全体としては
個人的には春から筋トレを頑張っていて、昨年の課題だったリバウンドや、当たり負けしない体づくりができたのは、自分自身でもすごく成長できた部分だと思います。チームとしても、戦術への理解が深まったところ、例えば「この場面では誰に打たせるべきか」「この場面ではどのプレーを選択すべきか」といった判断など、そういったクレバーさが全体として醸成できたのが大きな進歩です。
ーー男子バスケットボール部での4年間を振り返って、今どんなことを思いますか
1年生から試合に出場させてもらい、ある程度結果も残せた一方で、途中で大怪我して手術するなど、色々なアクシデントもありました。それでも本当に多くの人に支えられて最後を迎えることができて感無量です。一人ひとりの顔を見ると涙が出てしまいそうなくらい沢山の思い出があって、本当に感慨深いです。
ーー後輩たちには何を期待したいですか
僕たちが達成できなかった「早慶戦優勝・2部昇格」を成し遂げてほしいと思います!

