第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦第ニ回戦(5日)が行われ、慶應大は専修大に2対0で勝利した。前節流経大に完勝し、勢いに乗るチームが臨んだ一戦。怪我から復帰の田中(環3)を加えた現在のベストメンバーで2部リーグ2位と波に乗る専修に挑み、実力の差を見せつける結果となった。
第34回総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント関東代表決定戦 第2回戦
2010/06/05(土) 13:50 KО@中央大学グラウンド
慶應義塾大学2-0専修大学
{得点者} 後半15分 川久保理、後半22分 笠松亮太
「いつもよりも立ち上がりのピリッとした感じが足りなかった」(三上・政4)との言葉通り、立ち上がりは華麗なパスワークを披露する専修大に押し込まれる展開が続く。前半早々からスピードのある専修FW陣に立て続けにシュートを許し、前半26分には決定的なピンチを迎えてしまう。ドリブル突破から繰り出された相手МFの強烈なミドルシュートはポストを叩き、慶大はなんとか失点を免れた。その後も中盤を支配され、慶大らしさを発揮できぬまま前半を終えた。「シュートをあまり打てていなかった」(三上主将・政4)とあるようにチャンスもほとんど作れていなかった。
後半に入ると流れが一変する。まず、後半12分、山浦(商2)のクロスに黄(総3)がヘッドで合わせる。シュートは惜しくもゴールネットの上に外れるが、これを機に慶大がペースを握り始め、「相手が疲れ始めていた」(李監督)にあるように、ボールもよく回りはじめていた。そして、待望の先制点が生まれる。後半60分、河合(政3)のパスを受けた加美(環4)が田中(環3)に絶妙なスルーパスを通し、田中(環3)のラストパスを受けた川久保(理2)が冷静にゴールネットを揺らす。1点を先制した慶大は持ち前のパスワークを展開し、試合の主導権を握っていく。そして、後半30分、加美のミドルシュートからCKを得ると、河合の右足に笠松(総3)が打点の高いヘディングシュートで合わせ、貴重な追加点を奪う。「セットプレーからのニアは練習のときからイメージしていた形であった」(笠松・総3)とあるように、今季初ゴールが最高の形で生まれた。その後も慶大イレブンは気を緩めることなくしっかりと守り切り、総理大臣杯へ大手をかける結果となった。
慶大の完勝という結果になったが、「まず、立ち上がりに失点を許さないことが、チームとしてのポイントだったと」(笠松・総3)とあるように、前半のピンチをしのぎきったことがこの結果につながったといえるであろう。「明日勝たないと今日の勝利が意味なくなってしまう」(三上・政4)にあるように、あくまでも選手たちの目標は全国大会出場である。今日のようなパスサッカーを見せることで強敵中大を倒せるか、慶大のプライドが問われる一戦が始まる。
By Daisuke Nishizaki
コメント
李監督
(今日の試合を振り返って)相手もレベル高いチームだったので、一人一人がしっかりとしたサッカーをしないと勝てないと思って臨んだ。気温が高かったこともあり、より集中力が必要だった。結果、内容には満足している。(前半押し込まれるシーンがあったが)少し気を抜くとやられてしまうし、どのチームにもそういったチャンスはあると思うが、決められなくて助かった。ハーフタイムにはどんな声かけをしたのですか)ボールに対するプレスを強めるのと、相手も自分達同様パスを繋げてくるチームで、一人一人がサボってしまうと命取りになりかねないので、そこらへんのことをボランチの選手中心に伝えた。(後半はボールがよくまわっていたが)相手が疲れていたこともあった。(得点シーンに対して)最高だった。セットプレーも。(明日はすぐ試合になりますが)相手も同じ条
件だし、今日みたいに戦えば結果につながると思う。
三上主将
(今日の試合を振り返って)相手は2部で好調維持しているチームだったし、難しい試合にはなると思ったが、プライドが見せられてよかった。(立ち上がりを除いて、DFラインは安定していたが)いつもよりも立ち上がりのピリッとした感じるが足りなかったが、それは次の課題として、その後はそれぞれが自分の役割を果たせていたと思う。(ハーフタイムの攻撃に関する指示について)シュートをあまり打てていなかったので、選手一人一人に対するゴールの意識をあげるよう指示があった。後半はうまくいってよかった。
(明日の試合に向けて)明日負けては今日勝った意味がなくなるので、必ず勝ちたい。
笠松
(振り返って)まず、立ち上がりに失点を許さないようにするのが、チームとしてのポイントだった。いくつか危ないシーンがあったが、前半を0対0で折り返せた事が、後半の良い流れにつながったと思う。後半、2点を良い形で奪い、勝ちにつなげられた。(昨年は総理大臣杯選は初戦敗退でしたが)去年はやはり相手が2部のチームだからと油断していたところがあったと思う。ただ専修は去年の対戦で負けた相だったので、そういったものは一切なかった。チャレンジャーの気持ちで試合に入っていけたと思う。(試合を決めるゴールになった2点目について)セットプレーからのニアは練習の時からイメージしていた形だったので自信があった。河井から良いボールがきたので合わせるだけだった。(明日の一戦について)今日の勝利も明日負けると意味がなくなってしまう。自分たちは全国大会を一つの目標にやってきたから、明日は勝ちたい。中大は強敵ではあるが、全員で戦って全国を決めたいと思います。
慶大出場選手
中川翔太
黄大城
三上佳貴
笠松亮太
田中奏一
藤田息吹
大塚尚毅 72分→松下純土
山浦公裕 69分→日高慶太
加美義人
川久保理 88分→深澤良
河井陽介
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