【野球】息詰まる投手戦を制し、慶大がリーグ戦初勝利を飾る 明大①

4月28日(土)慶大明大 一回戦

決勝ホームランを放った辰巳

法大戦を落とし、春3連覇に向けて絶対負けられない慶大は昨秋日本一の強敵明大との対戦に臨んだ。慶大は2回ヒットの阿加多を3塁に置き9番辰巳(文4)がスクイズを決め1点を先制。その後同点とされ迎えた7回、先頭の辰巳がレフトスタンドにソロホームランを放ち、再び勝ち越し。辰巳の全打点を上げる活躍で慶大がリーグ戦初勝利をあげた。

 

1 2 3 4 5 6 7 8 9
慶大 0 1 0 0 0 0 1 0 0 2
明大 0 0 0 0 1 0 0 0 0 1
慶大:○竹内大、福谷―阿加多

明大:山崎、●今岡、岡大―石畑、高橋隼

慶大出場選手

ポジション 選手名(学部学年・出身校)
1 [6] 福富(商4・慶應)
2 [7] 影山(総4・鎌倉学園)
7 佐藤旭(商2・慶應)
3 [4]5 山崎錬(商4・慶應)
4 [9] 藤本(環2・慶應)
5 [5] 横尾(総1・日大三)
3 渡邊暁(商3・慶應)
6 [2] 阿加多(法4・慶應)
7 [3] 鈴木裕(商4・慶應)
H 谷田(商1・慶應)
4 大川武(環4・済々黌)
8 [1] 竹内大(環4・中京大中京)
1 福谷(理4・横須賀)
9 [8] 辰巳(文4・郡山)
 

初スタメンとなった横尾

慶大は春3連覇、明大は秋春連覇がかかる両校ともに大事な一戦。慶大は調子の上がらない打撃陣の起爆剤として法大3回戦で唯一の打点をあげたルーキー・横尾(総1)を先発起用し打線の活性化を図る。

慶大・竹内大(環4)、明大・山崎の投げ合いで始まった1回戦。試合が動いたのは2回、阿加多(法4)がレフト前ヒットで出塁すると、鈴木裕(商4)、竹内大の打席で明大の守備が乱れ、1死満塁の大チャンスが生まれる。ここで、9番に入った辰巳(文4)が3塁前に絶妙のスクイズを決め、慶大が幸先良く1点を先制した。

3回、竹内大が明大に一つの死球と二つの四球を与え2死満塁のピンチを迎える。しかし竹内大が5番に入った石川を三球三振に仕留め、ピンチを何なく切り抜けている。慶大も5回、影山(総4)、山崎錬の連打で1死2、3塁とするも、4番藤本(環2)、5番横尾(総1)が倒れ無得点。毎回走者を背負うものの、両投手の踏ん張りで3回、4回とスコアボードにゼロが並ぶ。

しかし、5回裏、先頭の明大・川嶋克が放ったスライス回転のかかった打球を辰巳が後ろにそらしてしまう。判定は3塁打だったが、無死3塁と危ない場面を迎えた慶大。続く上本をファーストゴロに仕留めるも、3番・小室の打球はピッチャー左の強いゴロ。これを福富(商4)が横っ跳びで好捕するも、ボールを握りそこない3塁ランナーの生還を許してしまう。

リリーフでピンチを救った福谷

同点とされてしまった慶大だが7回、男の一振りが試合を決めた。先頭の辰巳の放った打球は打った瞬間にそれと分かるような強烈な当たり。高々と舞った飛球はライトスタンドに吸い込まれる。守備でミスのあった辰巳が明大・今岡の代わり端を叩き、名誉挽回のソロ本塁打。慶大が勝ち越しに成功する。

その裏、連打と四球で無死満塁という大ピンチ。ここで、慶大ベンチが動く。竹内大を下げ、福谷(理4)にスイッチ。プロ注目右腕に火消し役を託した。迎えるは明大クリーンナップ。福谷はこれを完ぺきに抑え、ゲームの流れを慶大にぐっと引きよせる。

その後、8回9回と福谷がしっかりとしめてゲームセット。慶大が待望のリーグ戦初勝利を手にした。

辰巳の全打点を挙げる活躍によって何とか初勝利を果たした慶大。この日も残塁が目立ち、打線が噛み合っていない様子がまだまだ見られるものの、当たりが止まっているわけではない。また、投手陣がここまで続けている好投もプラス材料だろう。まずは、昨季王者・明大を2連勝で叩き、春3連覇、そして日本一につなげたいところだ。

 

(文・木村 駿)

 山崎錬主将

(今期初勝利となったが)よかったですね。(守備でも多くのピンチがありながら粘っての勝利という印象だったが)そうだと思います。守備で流れをつくったというよりは、粘って粘って相手のチャンスを断ち切っていった結果だと思いますね。(この初勝利を弾みにしたいか)はい、そうですね。(スタメンでセカンドでの出場については)たまに練習していて、もとからそういう話もあったので。(二塁打を放ったが打撃の調子は)もう少し上げていかないといけないですね。もっとやれるのでまだまだここからです。(法大戦で勝ち点を落としたが、今日までどのように練習に取り組んできたか)法大戦で勝ちたいんだという気持ちを出せなかったというか、チームの勝利はもちろん考えているんですけれど、自分の一打席を犠牲にできなかったのかなと思います。それをみんなでもう一回考え直して、自分の一打席を犠牲にしてでもチームのためになることをやろうということを再確認しました。守備でダメなら打撃で頑張って、打撃がダメなら守備で頑張ろうってずっと言っていたんで、それが今日の試合はできたのかなと思います。どんどん気持ちを出していけたと思います。(明日への意気込みは)連勝を狙って、今日みたいに気持ちを前面に出して、自分を犠牲にする野球ができれば勝てると思います。明日も勝ちます。

 福谷

(今日の試合を振り返って)勝ちましたし、大助に勝ち星がついたので本当に良かったと思います。(1点リードした場面での登板になりましたがどのようなことを考えてマウンドに立ちましたか)状況が状況だったので1点は仕方ないと思いましたし、とりあえず負けないことだけ考えてました。(無死満塁の場面でクリーンアップをむかえましたが)1点でいいというつもりがあったのでできることだけやろうと思ってました。(そのピンチを抑えた時の心境は)もう、なんていうんですかねー、あんま覚えてないです。(明大打線の印象は)実力では絶対に勝てないチームなのでああいう隙を突いて勝っていくしかないので明日もそういう試合になると思います。(明日への抱負は)法政戦に連敗しているので絶対連勝して次に繋げたいと思います。

竹内大

(今季初勝利です)勝ててよかったです。(昨季優勝の明大が相手でしたが)特に意識はしなかったです。相手もメンバーがガラッと変わっているので、そんなに意識することはなかったです。(今日の投球内容を振り返って)最悪でした。(満塁のピンチの場面もありましたが)そうですね、抑えられればいいなと。何としても勝ちたかったです。まだ1勝もしていないチームだったので、とりあえず勝ちにつながるピッチングをしようと思って投げました。(今年の明大打線の印象は)簡単にはいかないなと。(次に向けて)全部勝って、優勝の可能性がある限り頑張っていきたいと思います。

福富

(今日の試合を振り返って)新チームになって始めて勝ててよかったです。(守備では積極的なプレーが多かったが)エラーしてしまいましたが(笑)(ファインプレーと紙一重だった)ボールうまく握れなかったのが残念ですが、積極性は忘れずにやって行きたいです。(常に積極的なプレーを心がけているか)そうですね。ヒットの当たりをアウトにできたら大きいと思うので、積極性は意識してやっています。(明日に向けて意気込みを)しっかり練習をして、勝ち点を取りたいです。

辰巳

(今日を振り返って)もう、疲れました。いろいろあったんで。(スクイズの場面は)サインが出るということは最初から予測していたんで、準備はできてました。(ホームランについて)打った瞬間いったと思いました。よかったです。(3塁打の守備について)言い訳みたいになっちゃいますけど、凄い回転がかかってたんで、対応し切れませんでした。(今日チーム初勝利だったが)一つ勝てたんで、この勢いに乗って、まず明日も勝ちたいと思います。(チームの目標と、個人の目標を)とにかくまず春優勝して日本一目指します。個人ではベストナイン、取りたいですけど、個人成績は二の次で頑張っていきたいです。

横尾

(初スタメン、言われた時の気持ちは)チームに貢献しようということだけ考えました。(先発は日大三高の先輩なんですが)どういう投手なのかは知ってたので、打てると思ったんですけど、こういう結果になって悔しいです。(今季初勝利ですね)よかったです。(明日にむけて)とにかく勝つだけです。頑張ります。

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