【バスケ】若きチームへの試練!最後まで粘りを見せるも勝利には至らず 関東学院大戦

蛯名涼副将(法3・洛南高)の2日連続でファウルトラブルに悩まされることとなった

2012/10/07 (日)@東洋大学総合スポーツセンター

第88回関東大学バスケットボールリーグ戦 12日目 関東学院大戦

重要な一戦である法大戦を落とした慶大にとって、なんとしてでも連敗は避けたいところ。関東学院大はリーグ戦一巡目で善戦むなしく惜敗した相手である。リーグ戦を通して、後半での決定力不足が課題となっているが、関東学院大戦でもその弱さが明るみに出る結果となってしまった。

2012/10/07(日)@東洋大学総合スポーツセンター
第88回関東大学バスケットボールリーグ戦 12日目 関東学院大戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 16 20 19 16 71
関東学院大 21 17 14 23 75
慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG 16 伊藤良太(環2・洛南高)
SG 18 大元孝文(環1・洛南高)
SF 8 蛯名涼(法3・洛南高)
PF 14 権田隆人(政2・慶應高)
7 本橋祐典(環3・佼成学園高)
 

1Q、序盤から慶大はなかなかオフェンスリバウンドを拾えず、得点が停滞する時間帯が続く。しかし大元のオフェンスリバウンドシュートを皮切りに、慶大の決定力が上がり始める。権田のドライブが決まれば、蛯名、本橋の3年生コンビもジャンパーを確実に沈める。リズムを取り戻してきた慶大は、福元のジャンパー、蛯名の速攻、黒木のゴール下で1点差にまで詰め寄る。終盤はセネガル人センターが高さを武器にゴール下を支配。慶大はオフェンスでも高さを攻略できない場面もあり、攻めあぐねてしまう。16-21と慶大ビハインドで1Qを終える。2Q序盤、一時7点差をつけられるも、蛯名のジャンパーが決まり、関学大ペースを断ち切る。蛯名からゴール下の黒木への絶妙なパスが相手のファールを誘い、黒木のフリースローで詰め寄っていく。終盤は、伊藤がチームを鼓舞する。ダブルチームをされながらのジャンパー、外したシュートを自ら沈めるなど、泥臭いプレーで苦しい時間帯を凌ぐ。残り6秒のラストプレーでも伊藤のジャンパーがゴールに吸い込まれて、ブザービーター。36-38と点差を縮めて2Qを終える。

前半でいい締めくくりをしただけに、後半はなんとしてもいい出だしで慶大ペースにもっていきたい所。いつもは後半で崩れがちな慶大だが、今日はしっかりと3Qの入りに成功する。ディフェンスリバウンドから素早いパスアウトで、権田の速攻に繋げ、同点に追い付く。相手のイージーミスによる慶大のオフェンスで福元がジャンパーを決め、この試合初めて慶大がリードを奪った。その後、拮抗した試合展開の中、権田が高確率なシュートで得点を稼ぐ。ハイポストから相手のゾーンの隙をつき、得意のミドルで得点を重ねていく。伊藤の要所でのスリーもチームに勢いをもたらすなど、2年生がチームの主軸として、慶大を牽引する時間帯が続く。終盤、相手がスリーを2本外したところを、素早く速攻に繋げ、5点差をつける。しかし相手もすぐさまゴール下で得点し、55-52と3点リードで、4Qを迎える。4Qは慶大の精神的支柱である蛯名がディフェンスリバウンドの時にファウルの笛を吹かれ、4つ目となりベンチに下がる。しかし、慶大は動じない。福元、権田のジャンパー、更にはこれまで確率がよくなかった大元のスリーポイントシュートがようやく決まり、一気に盛り上がる。その後、コートに戻った蛯名が相手のオフェンスファウルを誘おうと前に入るも、ディフェンスファウルをとられてしまう。蛯名はこの日5個目のファウルでファウルアウト、コートから去ることを余儀なくされる。残り2分、68-67と慶大が1点リードだったが、伊藤のファウルによる相手のフリースロー、レイアップで立て続けに得点される。相手の3点リードに変わる中、残り1分に伊藤がスリーポイントを決め、同点。最後まで粘りを見せる。

試合は終盤までもつれる展開となった

ただ、その後相手のレイアップが決まり、71-73で慶大がタイムアウトを要求。慶大ボールから始まるも、黒木、伊藤のシュートはリングに嫌われる。慶大はラストプレーも噛み合わず、71-75と僅差で試合を落とす結果となった。

この一戦は「勝てると思っていた試合」(権田)だったはずだ。関東学院大とは一巡目で接戦を戦っていただけにその経験を生かして、勝利を収めたいところだった。だが、2日連続でファウルトラブルによってベストメンバーを組むことができず、連敗を喫することとなってしまった。しかし、「自分達のやりたいことも少しずつは出てきている」(権田)ことは、光が見えている証拠だろう。気を落とすことなく、だが自信も持ちつつ、次週の順大、神大戦に挑んでほしい。

(記事・丸山由鶴)

試合後コメント

佐々木三男HC

負け試合が全部そうなんだけど、自滅というか、つまらないミスがきっかけですね。昨日の試合は、ファールで自滅になっているんだけど、やっぱり今日も自分たちのベストメンバーを組めないままでした。あとオフェンスでここというところのシュート力が完全に不足していましたね。(今後の対策)練習では色々な試みをしているんだけれども、コーチが言っていることに対して、素直に表現してみようかという謙虚さがない。それが一番やっていても、納得できない部分です。同じミスを同じ人がする、それについて色々な練習をして、声をかけているつもりなんですけど、改善できないというのは、言っていることに対する紳士な取り組みが不足しているのかな。負けるチームっていうのはそういうことなんだよね。バスケは戦略のスポーツで、ある意味、変な言い方なのですが、一人一人は駒なので、一人一人がきちっと役割をやり通す意欲、集中力がないとだめなんです。 (今週の2連敗について)勝たないといけない試合だっただけに大きいですね。ただこれは桂にも言ったんだけど、出る人は区切り区切りで、プラスを期待しているわけでなく、マイナスを増幅するようなことがなければいいので、一人一人がそのように頑張ってほしいと思います。(来週に向けて)来週はぜひ2勝して、もうちょっと頑張って、入れ替え戦を回避できるようにしたいと思います。

蛯名涼副将(法3・洛南高)

本当に勝ちたかった2試合を僅差で落としてしまって、本当に悔しいんですけど、中でも個人的にはコートに立っていられないのが本当に悔しくて、自分が情けないというか、勝ち負けもそうなんですけど、自分がコートに立てないのが本当に情けないです。(ファウルは自身の感覚の問題なのか)やっぱり際どい所でいかないと打たれてしまいますし、高校でも中学でも吹かれなかったのに大学では吹かれてしまうというのは、少し納得いかない部分はありますけど、でも大学ではずっとそうなので、本当に考えを改めないといけないです。(復帰して4試合が経過したが)今は何も掴めていないフワフワした状態で、チームに何か出来ているかと言われてもわからないですね。チームとしてはやっぱり勝負所がいつも弱いので、せっかく他の人たちが相手の特徴とかを調べてくれたのに、それを抑えられないのが本当に申し訳なくて、チームで戦っているのにそれが徹底しきれないのが弱さかなと思います。(フロアリーダーとしての意識は)ここが大事だよ、とかそういった声は意識的に言ってるつもりなんですけど、それがチームにいい影響を与えてるかって言ったらよくわからないです。やっぱり勝たないことには意味がないので、本当に勝ちたいです。(来週に向けて)やっぱり勝たないといけないです。それで、勝つためには徹底することですね。自分達のやるべきことを徹底しきれていないから、負ける相手ではないのに落としてしまっていると思うので、まずは本当に徹底ですね。

福元直人(環1・福大大濠高)

自分たちのバスケットというのが一試合通してできたとは思うんですけど、最後の大事な場面で相手のキーマンである前川ジェシイ選手やエリマン・プイ選手にポイントポイントごとに同じ選手にやられてしまって、点の取り合いのところで負けてしまったと思います。(個人的には)今までリーグ戦を通して詰めてしまって潰れてしまうというパターンが多かったので、外のシュートのセレクションを増やして、その中で詰めてくればドライブという攻め方を意識して変えてプレーした結果、今日いい内容の試合ができたと思います。 (3Q、4Qで意識していたこと)相手がゾーンディフェンスをしてくれていて、外のプレッシャーがあまりなかったので、伊藤さんがくずしてくれて合わせたボールとか、佐々木ヘッドコーチから言われたムービングで動きながらパスを受けたボールなどは必ず打とうと決めて、自分でプレーしながら意識していました。(来週に向けての抱負)今週の二試合負けて、また接戦をものにできていなくて、落ち込みがちですけれど落ち込んでも仕方ないと思うので、しっかり切り替えていきたいです。僕たちにはディフェンスしかないと思うので、そこからの展開をこれからの一週間詰めていけるかというのを来週の目標として頑張っていきたいです。(来週の個人的な目標)今日はディフェンスでプイ選手とのスクリーンに対処できなかったところが多かったので、そこをセンターとコミュニケーションをとったり、体の使い方をうまくしたりして、オフェンスからプレーに入るのではなくディフェンスからしっかり体を動かして、自分の中でも良い流れを作って攻めていきたいと思います。

権田隆人(政2・慶應高)

勝てると思っていた試合を落としてしまって悔しいというのが率直な感想です。個人的に勝負所で相手を上手く守りきれなかった部分があったり、最後の最後にターンオーバーをしてしまったりしたので、修正しなければいけない部分がたくさんある試合でした。(アウトサイドシュートを量産していたことについて)前半は全然シュートがはいらなくて、後半はもっと思い切りいかなきゃないというところで、相手がゾーンディフェンスを敷いてきたので、僕としてはハイポストにしっかり立って、得意なハイポストのシュートをどんどん打っていこうという気持ちで打っていたんですけど、ディフェンスがよくなかったので、最終的にはよくなかったなと思います。(意識していたこと)ゴール下にやらせないということとオフェンスでしっかりとりきることを意識していました。相手に留学生がいたので、リバウンドを簡単にとらせないことを確認していたのですが、なかなか勝ち切れていない状況なので、残念です。(来週に向けて)修正点はたくさんでてきたので、そこはしっかりとやり直さなきゃいけない部分ですし、自分達のやりたいことも少しずつは出てきていますし、自分たちのやりたいことをやっている時間を増やしていくことが一番足りないことだし、勝ちたいという気持ちも薄くなってきていると思うので、もう一度切り替えて勝つことに対して、ひたむきに頑張っていきたいと思います。

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