【バスケ】残留に大きく前進。入替戦初戦に見事勝利!玉川大戦

 

22得点16リバウンドの本橋は、ゴールしたに君臨。大黒柱として獅子奮迅の大活躍を見せた。

2012/11/06(火)@代々木第二体育館

第88回関東大学バスケットボールリーグ

入替戦第1戦 玉川大戦

遂にこの日がやってきた。3部3位である玉川大との、2部残留を懸けた入替戦。絶対に負けられない一戦を前に、慶大の選手達からは僅かな緊張感と勝利への強い意志が見て取れた。意地とプライド、そして気持ちのぶつかり合いとなった好ゲームは、白熱した接戦に。しかし、地力で勝る慶大が最後に玉川大を打ち砕き勝利。強さを見せつけ、大事な初戦を見事勝利で飾り、2部残留に向けて大きく前進した。  

2012/11/06(火)@代々木第二体育館
第88回関東大学バスケットボールリーグ 入替戦第1戦 玉川大戦
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 25 19 27 16 87
玉川大 19 19 22 14 74
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(#背番号・学部・学年・出身校)
PG #16 伊藤良太(環2・洛南高)
SG #18 大元孝文(環1・洛南高)
SF #8 蛯名涼(法3・洛南高)
PF #14 権田隆人(政2・慶應高)
C #7 本橋祐典(環3・佼成学園高)

相手のエースとマッチアップした蛯名は、強靭なフィジカルを活かしたディフェンスでチームに貢献。

運命の入替戦第1戦。昨年は初戦を落としたことにより入替戦の空気にのまれてしまった慶大としては、なんとしても取りたい重要な一戦だ。ティップオフ後最初のオフェンスは、本橋のリバウンドシュート。慶大は幸先良いスタートを切るが、思うように点差を離せず。入替戦らしい静かな立ち上がりとなる。しかし、1Q中盤に均衡状態を打破。玉川大を大きく突き放すことに成功する。鍵となったのはリバウンド。確実にディフェンスリバウンドを拾うと、オフェンスでも「オフェンスリバウンドを狙っていく」(本橋)慶大は、権田、蛯名、伊藤と立て続けにオフェンスリバウンドを獲得。これを着実に得点に繋げた結果、残り2分で14点リードを得る。しかし、入替戦に潜む魔物がリードをキープすることを許してくれない。ここから無理なシュートが多発し2分間無得点に終わると、その間に8失点。25-19と6点差に詰められて1Qを終える。2Qの出だし、慶大は再び猛攻を仕掛ける。本橋の巧みなポストムーブ、強靭なフィジカルを活かした蛯名のバスケットカウント。そして権田の速攻で一気に6得点。再度二桁リードを奪う。だが、やはりこのリードは長く続かない。「玉川大の#32富永と#34塚越が中心」(佐々木HC)と言うその2選手の個人技でディフェンスを破られると、点差は再び6点に。その後、このQ9得点と奮闘する本橋のバスケットカウントにより二桁差目前の9点差まで迫るも、ディフェンスがややルーズになりイージーシュートを許した結果、得点差6 の44-38で後半を迎えることに。

ルーキーらしからぬ落ち着いたプレーを披露した福元。

伊藤のオフェンスファウルという嫌な形で入った3Q、慶大に試練が訪れる。ターンオーバーから速攻を許し2点差まで詰め寄られた慶大は、玉川大に完全に尻尾を掴まれてしまう。しかし、ここから玉川大がシュートミスを連発。相手のスコアが凍結し始めると、ここからこれまで沈黙していた伊藤が覚醒。フリースロー2本を沈めると、フロントコートでスティールしてのレイアップなど、連続8得点。13点のリードを奪い返し、追いすがる玉川大の手を振り払う。だが、リーグ戦からの課題はここでも露呈。大きなリードを得たにもかかわらず相手エースに連続得点を許すと、更に速攻と3ポイントで1分半の間に一挙10失点。3点の射程圏内に捉えられてしまう。それでも、終了間際にルーキー福元(環1・福大大濠高)が大活躍。スティールからファウルを得てフリースローを決めると、直後のプレーでもスティール。ブザーとともにレイアップを沈めてみせる。1年生らしからぬ堂々たる活躍に助けられ、71-60として4Qへ。その4Q、「あの時間帯に足が止まることの問題性」(佐々木HC)と指揮官も指摘したとおり、慶大の足が止まり始める。速攻が出なくなり始めた慶大だったが、このQでも引き続き福元、本橋が奮起。相手のシュートミスにも助けられながらジワジワと点差を離していくと、4分半が経過したところで相手センターが退場。自分達の優位を決定付けると、残り4分からは伊藤を起点にもう一頑張り。止まりかけていた機動力を再起動させると、福元の思い切りの良いシュートや権田のレイアップで加点。残り1分を切ったところで玉川大にテクニカルファウルが吹かれるなど、4Qは最後まで主導権を握り続けた慶大。結果は87-74、終了のブザーと共に、入替戦初戦の勝利が決まった。

二桁リードを奪うもその差をすぐに詰められるなど、要所での集中力に欠けた慶大。入替戦独特の雰囲気による見えない力が働いているとはいえ、リーグ戦からの課題を克服できなかったことは大きな修正点として挙げられるだろう。とはいえ、短期決戦で求められるのは勝利の2文字のみ。この緊張感の中、見事に勝利を手にした彼らの精神力には感嘆する。この勝利で、後1勝で残留を掴み取れる位置にまで登ってきた。今日の勝利に自信を持ち、しかし決して油断をせずにしたたかに。その強い意志をもってして、彼らは明日、必ず勝利を手にすることだろう。

(記事・大地一輝)

◆試合後コメント◆

佐々木三男HC

ディフェンスを頑張るしかないのでそこを頑張らせるのと、リーグ戦終わりからずっと言ってましたが、過緊張するぐらい緊張した状態を作って練習をしなさい、っていうことはずっと言って来ました。今朝に関しては、入れ替え戦の経験が選手達にはあるので、状態が普通じゃないなと思ったら、それを解く努力をプレーの中でしなさいと言って来ました。(戦い方は)玉川大の#32富永と#34塚越が中心なんで、そこをしっかり守って。後はリバウンドを取って、3-2のゾーンアタックという所を指示しました。後、途中からダメになっているのは、やっぱりオフェンスが相手がゾーンを敷くとスローダウンしてしまっていたので。立ってるだけのディフェンスなので、スローダウンしないでペネトレイトしての2対1で解決ができる筈なのに…そこがちょっと、戦い方としては問題かなと思います。(4Qに足が止まったが)権田がから走りでもいいから走ると、自分達のリズムが良くなるのに、それが止まってしまう。伊藤もそうで、蛯名がボールを持つと、バックコートで見てるとか。ああいうちぐはぐさが、接戦になった時の大きな痛手になるので、そう意味で言ったら4Qにもっと積極的に走ろう、ガードも止めないで行く、ということが大事です。最後に福元が右のショートコーナーから打ったシュートは、本当ならばでも、ああやって積極的に打つことによって、リバウンドを取られても相手も決めきれない。あれを変なシュートやパスで持って行かれると、速攻になってしまう。少し早いタイミングだったけど、自分が打てると判断をして、周りが打つなということが分かってやってることが大切なんです。だからディフェンスもしまったと思うし、ああいうシュートはもうちょっとレベルが高くなれば止めますが、今日の様なケースではあれぐらいの積極性がないと。結局全員が固くなって、10点差でもひっくり返されちゃう今でのパターンの繰り返しになるんで。あれは危ないプレーだけど、結果としては良かったと思います。そういう意味でも、あの時間帯に足が止まることの問題性を選手達にも自覚して欲しいですね。(インサイドについて)相手の#34塚越と#32富永は追い掛けて行けば、必ずあそこからパスが出る。そうするとシュートもブレるし、あの子達以外がシュートを打てば外れる確率が高い訳ですから、そうするとリバウンドに行ける。前半は10本くらいリバウンドが多くて、その内の9本がオフェンスリバウンドで、それは練習して来たことです。相手が小さいので、自分達の攻撃の時にリバウンドを取る。その典型はフリースローの時にリバウンドを取ることで、今日は2回チャンスがあって1回しか取れませんでしたが、そこで取れることが練習が正しかったと思えるはずなので。それは狙い目ですし、それから相手が小さいんだから、外から打つんじゃなくて中に入れる。打つとロングリバウンドになって自分達の大きさがなくなっちゃうんで、もっと攻めて中に入れて、2対1の状態でやりなさいと。珍しく体格的有利さが使えたゲームかなと思います。明日それを忘れないようにしたいですね。(明日に向けて)明日は1Qが勝負です。1Qでやられないで競り合いを…離せれば一番いいんですが、とにかくリードをさせないで頑張れれば、少なくとも1点は勝てるんじゃないかと。1Qをしっかりすると、今日みたいな中だるみするようなゲーム展開でも踏ん張れるんで。1Qで点差を開けられずに行きたいです。

本橋祐典(環3・佼成学園高)

去年と同じで相手は下から上がってくるチームで、僕らにとっては絶対に負けられない戦いで、去年試合に出ていた僕とか蛯名とか伊藤とかで、しっかりと去年の反省を活かそうという話をしていました。(自身の出来について)今日はちょっと出来過ぎでした。相手がゾーンを敷いた時にしっかりとハイローで権田とか蛯名が合わせてくれたのと、あとは相手が小さくてディフェンスリバウンドもそんなに強くないチームなので、オフェンスリバウンドを狙っていくということをこの一週間徹底してやったので、その成果が出たかなと思います。(二戦目に繋がる点は)個人的な部分としては、オフェンスリバウンドが多く取れたこと、結果的としてゴール下の得点が増えたんですけど、リバウンドっていう自分の役割を徹底してチームに貢献出来たことは明日に繋がると思います。チームとしては終盤にガードのローテーションが良くなってきたので、それは良かったと思います。(二戦目に向けて)先に一勝を取れたのは大きいと思うので、下級生の勢いを僕ら上級生が支えることで土台を作っていって、明日もしっかりと勝って残留を決めたいです。

蛯名涼(法3・洛南高)

全体的に相手の得点を抑えきれなかった試合だなと思います。ディフェンスがよくなくて、反省点が多くて、明日改善しなきゃいけない点が多い試合でした。(34番とのマッチアップについて)対峙したときは、抑えられるような気がしたんですけど、どうしても走られたり、マークが変わったときに得点をとるっていうより全てをこなしてくる選手なので、ゴール下のシュート決めてきたり、セカンドシュートを決めてきたりと守りにくかったですし、見習わなきゃいけないところが多くて、来年こういう選手にならなきゃなと思いました。(明日に向けて)明後日に持ち越したくないので、今日勝ったからといって、相手は明日シュートがはいるかもしれないですし、今日の改善点を明日どれだけ改善できるかを突き詰めて、明日で決めたいと思います。

伊藤良太(環2・洛南高)

今日は入れ替え戦ということで、自分との戦いになりました。精神をどれだけ充実させることが一番大切ですが、前半動きが硬い選手がいました。なので、ガードが上手く試合を組み立てないといけないと思いました。僕自身の課題としては、ディフェンスは前からいけた一方で、オフェンスで少し悪かったです。そこはHCにも指摘されたので、そこは気を付けます。(今日の試合に向けての意気込み)入れ替え戦は去年も経験しましたが、とにかく初戦が大切なので、全力で頑張ります。(前年の入れ替え戦の反省を生かせたか)入れ替え戦は独特の雰囲気があるため、それに呑まれないようにしました。自分との戦いであり、緊張をいかに生かすかが大切だと思いました。(玉川大で意識したこと)富永選手はキーマンであると思いました。外で今日はやられてしまったので、明日は1人で守れない分、5人で守ることが大切です。(攻撃の組み立てについて)相手も走ってきますが、慶大の持ち味であるディフェンスからの速攻ができるようにしました。今日はボールを止めてしまったので、明日は改善します。(自身のプレーについて)ディフェンスを前から行ったことで、相手のガードにボールを運ばせなかったです。しかし、オフェンスは自分が走らなかったことで滞ってしまい、明日は改善し全力でプレーします。(オフェンス面について)プレーがやや重かったですが、本橋さんがインサイドで頑張ってくれて、放せました。あとはアウトサイドで自分たちのプレーをするだけです。(ディフェンス面について)フロントではしっかり守れましたが、ハーフコート入ってから抜かれてしましました。(インサイドの攻めについて)相手は大きくないので、事前の作戦通りです。(明日にむけて)入れ替え戦はまだ終わっていないので、明日集中して臨み、明日で決めたいです。

権田隆人(政2・慶應高)

個人的に全然シュートが入らなかったんで、ただ走るってことは自分の中で出来たと思うんで、それは継続して。あとチームが勝てたことはすごい良かったと思うんで明日も勝てるように頑張っていきたいと思います。(今日シュートが入らなかった理由は)会場が違うという部分もあるかもしれないんですけど、この雰囲気に慣れてなかったと思うんで明日はもっといい感じで打てたら。自分のタイミングで打てなかった部分があると思うんで、ちゃんと自分の打つタイミングだったり、自分のフォームだったりをしっかり再確認してやっていかなきゃいけないと思います。(チームとして明日気をつけたいことは)やっぱり相手の32番にドライブだったり、34番の1on1にやられた部分があったので、1on1で守れなかったことを考えるとチームで守らなきゃいけないと思うんで、あとは本橋さんがすごい頑張ってくれたんですけど、インサイドでもっと身体を張っていかないと。本橋さんがもしダメだった時に良くないと思うんで、相手もちっちゃいと思うんで、しっかりやっていかなきゃと思います。(明日に向けて)今日得点が個人的に全然稼げなかったと感じてるので、もっと点を取らなきゃいけないと感じてるのと、入れ替え戦あと一回勝たなきゃ二部残留にはならないと思うので、絶対勝つって意気込みを持ってやっていこうと思います。

福元直人(環1・福大大濠高)

相手に勢いがあるからしっかりそれに負けないだけの強い気持ちを持って、一週間練習に励んできました。僕自身も控えから出るということで気持ちの面でも管理しないといけなかったのですが、気持ちの面で出だしで相手に押されたために前半競ってしまったと思います。(今日の勝因について)相手が走ってくるチームというのが僕らの共通意識であったので、その中で僕らがしっかり我慢して、3Qと4Qはしっかり走ろうというのが共通意識としてありました。それを一試合貫き通すことができ、自分達のバスケットを体現できたので、それが点差になったかなと思います。(自身の良かった点について)積極的に攻めるということを念頭に置いて試合に臨みました。ディフェンスでもその積極性が出て、3Qの終わりのディフェンスからの速攻に繋げられたと思います。そういった意識を持つことで自分のプレーに対していい影響が出たと思います。(玉川大学の印象について)ガード陣がすごく速く、そこで僕らフロントコート陣が潰さないと#34の塚越さんであったり、外のシューターにやられてしまうというチームとしての特徴があるので、相手の速いガード陣を僕らがシャットアウトすればちゃんとしたゲーム運びができると思います。(明日に向けて)今日しっかり勝てたのでそれを自分達のプラスにとって、明日にまた切り替えて、二日間で決めたいと思います。

大元孝文(環1・洛南高)

(今日の試合の手応えは)チームとしてはもう少し楽な戦いというか、少し点差が開いた状況で相手に波に乗られてしまって、点差を詰められて…っていう痛い試合で、個人としては手応えというか、何もできなかったっていうことが一番大きかったです。(玉川大と試合をした感触は)やっぱりガード陣のスピードがあるチームで今日も何本かそこでやられてしまったので、ガードのところをまず止めることができれば、恐らく明日は問題ないと思います。(今日の試合の収穫は)今日、僕個人としてはディフェンスで少しやられてしまって、その分をオフェンスに繋げることができなかったので、ディフェンスを頑張ることでオフェンスのリズムっていうものができると思いますし、リズムが作れれば今度はディフェンスにも繋がると思うので、まずはディフェンスから、しっかりプレッシャーをかけて、相手の核を狙うっていうバスケットをしていけば、明日もっと有利なゲーム運びができると思います。(リーグ戦最終週から今日までどのような練習をしてきたか)リーグ戦を終えて、まずはディフェンスをやり直そうっていうことで、ディフェンスを中心的に取り組んできたことと、あとは一人ひとりの積み重ねを大事にしていこうっていうことで、一日個人がどれだけ頑張ったかっていうのをしっかり確認して、それをチームで結集することができれば、やっぱりチーム力というものが格段にアップするので、まずは自分や個人っていう部分をしっかりして、意義のある練習に取り組んで積み上げていくっていうことと、それをチームとして結集させるっていう二点を意識してきました。(明日への意気込みは)そうですね、明日勝てば二部残留ということで、どうしても明日で勝ち切って終わるということで、さっきも言ったんですけど、やっぱりディフェンスからしっかりガード陣が相手のガード陣にプレッシャーをかけて、少しでも足を使ったバスケットができればなと思います。

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