【ラグビー】気迫のプレーも実らず 大会3連覇の夢消える Jr.選手権/明大戦

11月4日、明大とのJr.選手権ファーストフェーズ最終戦が日吉で行われた。3日の対抗戦で敗れた明大に対し今度こそ勝利を収めたい一戦であると同時に、本大会3連覇の望みも懸けた大一番であった。試合は慶大Fwd陣が対等以上に渡り合い善戦するも、試合終盤に突き放され14−24で敗戦。Jr.選手権3連覇の夢は、ここで途絶えることとなった。

突破を図るNO8伊藤

 

 

Jr.選手権 VS明大

2012/11/4(日)14:00K.O.@日吉G

 

得点
慶大 チーム 明大
前半 後半   前半 後半
PG
DG
小計 14 10
14 合計 24
 

得点者(慶大のみ)

T=青木、石田

G=木村2

 

出場選手
ポジション 名前(学部学年・出身高) 交代選手
1.PR 小田 基貴(商4・小倉)  
2.HO 神谷 哲平(総2・桐蔭学園)  
3.PR 青木 周大(商2・慶應)  
4.LO 池田 尚(商4・慶應)  
5.LO 松野 裕大(経3・慶應) →18 吉田 真悟(経4・慶應)
6.FL 石田 悠貴(経4・千種) →19 森川 翼(環2・桐蔭学園)
7.FL 木原 健裕(総2・本郷)  
8.NO8 伊藤 豪(総4・福岡)  
9.SH 渡辺 諒介(経3・慶應) →20 猪狩 有智(経3・慶應志木)
10.SO 木村 亮平(商3・明善) →21 柴田 浩平(政3・慶應)
11.WTB 澤根 輝賢(総1・佐倉)  
12.CTB 柚木 大佑(商4・慶應)  
13.CTB 甲斐 鑑(理4・千種)  
14.WTB 鈴木 貴裕(経4・慶應)  
15.FB 下川 桂嗣(商2・修猷館) →川原 健太朗(環2・小倉)
 

 

CTB柚木(右)からWTB鈴木(左)へのパス

慶大のキックオフで始まった前半。開始直後からSO木村が突破を図りチャンスを演出するなど「立ち上がりの集中力があった」(田中監督)。前半12分、慶大の好タックルからターンオーバーすると、WTB鈴木がキックを絡め一気に相手ゴールに迫る。しかし、そこからのパスを明大にインターセプトされるとそのまま独走され、まさかの先制トライを許す。それでも慶大は攻めの手を緩めず、果敢なアタックを繰り返しペースを握ろうとした。すると前半21分、敵陣深く左サイドでのラインアウトを得ると、そこからラックを形成。PR青木が押し込んでトライを挙げる。難しい角度からのコンバージョンもSO木村が決め試合を振り出しに戻した。その後も明大自慢のFwd陣に対し、慶大は粘りを見せ、一進一退の攻防を繰り広げる。しかし28分に自陣ゴール手前での相手スクラムからトライを奪われ、7—14のビハインドで試合を折り返した。

 

HO神谷のラインアウトから2つのトライが生まれた

まずは1トライ1ゴールで同点に追いつきたい慶大。後半5分、再びラインアウトから展開し、PR青木やCTB甲斐がボールを運んでいく。テンポよくアタックを仕掛け、最後はFL石田が飛び込んでトライ。コンバージョンも決め、再び同点に追いつくことに成功した。その後は両校譲らぬ展開に。慶大も好機をつくりだすが、「簡単なミスでせっかく攻め込んだのにボールを取り返されてしまい、また自陣に返されてしまう」(鈴木)など攻めきれない。そして後半28分、明大にトライを許してしまう。さらに33分には攻守の切り替えが遅れたところを相手に突破されトライを奪われる。14−24と手痛い追加点を与えてしまい窮地に立たされた慶大。試合を通して果敢なアタックを見せ続けたが、最後は明大のディフェンスラインを割ることができずノーサイド。対抗戦に続き、Jr.選手権でも明大に黒星を喫した。

 

これでJr.選手権ファーストフェーズの全試合を終えた慶大。「今日勝つか負けるかで僕らの優勝が懸かっていた」(柚木ゲームキャプテン)だけに、選手たちは気迫のこもったプレーを見せるも、惜敗。2勝3敗の勝ち点10と、決勝の舞台へ駒を進めることは叶わず、本大会3連覇を目指していた慶大にとっては悔しい結果となった。このJr.選手権は「対抗戦への勢いにもなる試合」(神谷)であり、「セカンドグレードの選手たちが本当に努力をし成長する」(田中監督)試合だ。今後Bチームは3、4位決定戦もしくは入替戦に出場する。この経験と悔しさを糧に、選手たちはさらに努力し成長するだろう。そして、今度は黒黄をまとって躍動する姿を見せてくれるはずだ。

 

【ケイスポ的MOM】コンタクトの強さを見せつける PR小田基貴

 

PR小田は明大Fwdに屈することなく立ち向かい続けた

Fwdでの劣勢が予想された試合だったが、蓋を開けてみればスクラムでも互角以上の競り合いを見せた慶大。その中心で体を張り続けていたのがPR小田だ。「チームの勝ちに貢献してはじめて、自分のプレーの精度は評価される」と謙虚な姿勢を貫くも、この日は明大のFwdを封じ込める活躍で試合を緊迫したものにした。PR内の競争が激化する中、いかに存在感を示せるか。ラストシーズンに花を添えるべく、小田のひたむきな挑戦は続く。

 

(記事・大貫 心明)

 

コメント

 

田中監督

 

(試合を振り返って)対抗戦の翌日の試合だったので、是が非でも勝ちたかったです。特に、Jr選手権の2位に残れる可能性があっただけに是非とも勝ちたい一戦でありました。昨日の悔しさがあったので、キャプテンの柚木を中心に気持ちの高まりもあったし、彼らにとってはBチームでの活躍はAチーム入りへのセレクションでもあるので、非常に心技体ともに準備はされていたと思います。ただこれまで前半の10分、20分での失点が響いているので、スタートダッシュをしていこうと話しました。今日のメンバーもそういったことを意識して、立ち上がりは集中力もあったし攻められたけれども、ミスによって相手の強みを出させてしまった。こういう緊迫したゲームではひとつの小さなミスが失点につながるので、プレーの精度を高めていく必要性を感じました。敗れてしまいましたが選手たちはよく戦いましたし、この経験を生かして次はAチーム入りを目指してほしいと思います。(タックルについて)非常にみんなよく低く入っていたけど、一発で一人を倒しきることができなかったことは課題です。慶應の伝統ですので、ローファスト、セカンドボールという、ボールを奪い取るまでのタックルには行き着いていないと思います。(チャンスの場面でのミスやペナルティが惜しかった)集中力というか、ここぞでギアが入るか入らないか。集中のギアのシフトをもう一段上げられるかどうかが課題で、ゴール前5mのラインアウトでスローミスをしてしまったり、不用意な反則から相手を簡単に自陣に入れてしまうことがあるので、つきつめていけば判断力を高めていかなければならないです。Jr選手権のファーストフェーズを終えて)3連覇を目指す年でしたが、善戦こそしましたが勝ちきるところまではいかなくて、本当の意味での地力が足りませんでした。対抗戦、Jr選手権と試合が続き選手たちは集中を保ち続けなければならず過酷だったと思います。ただ、このJr選手権という大きなターゲットがあったことによって、セカンドグレードの選手たちが本当に努力をし成長してきたことからすると、Jr選手権の意味は大きく、彼らがいずれAチーム入りする可能性も大きいので、やりがいのあるリーグでした。結果は残念ながら2勝3敗でしたが一戦一戦から得られたものは大きかったです。

 

CTB柚木ゲームキャプテン

 

(Jr選手権のファーストフェーズの総括)今日勝つか負けるかで、僕らの優勝が懸かっていたんですけど、負けてしまい3連覇できなくなってしまったのが残念です。(今日のゲームプランは)ディフェンスもオフェンスもともに前に出るゲームを組み立てていこうと話しました。(今日の試合内容について)前半は取りきれるところでBksがミスを連発してしまい、得点を取りきれなかったところが課題です。(タックルについて)明治の大きいFwdに対して一人目でかなり倒せていたのはよかったです。(今後に向けて)Jr選手権優勝という目標はここでなくなってしまいましたが、対抗戦に出たり、大学選手権で優勝するという目標がまだあるので、Aチームに入ってチームを支えられるように、一人一人また頑張っていきたいと思います。

 

PR小田

 

(振り返って)最後ラスト20分くらいに相手の怒濤の攻撃にやられてしまいました。(強力な明大Fwd相手に善戦したが)運動量や集散の速さは慶大の方が速いかな、と思っていました。後半明大さんが1人ひとり立って前に出るプレーをしてきたのに対し、こちらが受け身になってしまったのが敗因だと考えています。(課題や収穫は)前半7対14で負けて折り返したんですけれども、テリトリーを取れていない割には全然明大の重いFwdに対してよくやれていたと思います。後半巻き返そうという話でしたがそこができませんでした。自分たちの攻撃の時間をもっと長くしないといけないと思います。勝負所で強引にでも流れを持ってこられるプレーや、4年の引っ張りがもっと必要だと感じました。(自身の出来としては)チームの勝ちに貢献してはじめて、自分のプレーの精度は評価されると思っています。まずは勝つことからだと思います。今日は勝てなかったので0点ですね。もっと頑張っていきたいと思います。(来週は対抗戦の日体大戦もあるが)まだ自分はBグレードなので、日々精進してAの代表として出場できるように頑張りたいです。そしてまたチームの代表としての試合で勝てるようにしていきたいです。

 

HO神谷

 

(試合を振り返って)今日は勝たなければいけない試合だったので、負けてしまって悔しいです。(Fwdの出来は)負けてしまったので、いろいろ修正点はあります。シーズン通してやってきたことが出来た部分もあったんですけど、自分たちが前より良くなれたらもっと上を目指せたかなという感じもありました。(Jr選手権ここまでを振り返って)Jr選手権はAチームの対抗戦への勢いにもなる試合だったので、こういう結果で終わってしまって残念です。チームとして一試合ごとに成長出来たかなとも思うんですけど、最後は成長が足りなくて負けてしまったので。よかった部分もあったんですけど、こういう結果に終わって、よかったと言いきれないのが残念です。(今後の目標)今年はJr選手権がメインで試合に出ていたので、来年は対抗戦でもっと戦えるプレイヤーになりたいと思います。

 

PR青木

 

(今日の試合を振り返って)決勝いくのに負けられない試合だったんですけど負けてしまって悔しいです。(どのようなことを意識して臨んだか)まずは勝って決勝にいこうと言うはなしだったんですけど、個人的にはAチームで試合に出たいという願望はありましたし今日もそのチャンスがあって絶対に生かそうと思って試合に臨みました。(自身のトライシーンを振り返って)ゴール前までFwdなりBksなりで進めたボールなので大事にゴールまえで当たることに自分の見せ場があるとおもっているので絶対にとろうと思って必死に足を動かしました。(セットプレーについて)僕は本当は1番なんですけど今日は3番で出させていただいてスキル不足のところもあって後半の最後のところとかすこし食い込まれてしまったんですけど1番と3番両方組めるのが自分の強みだと思っているので1番もまだまだなんですけど3番もスキルアップしていきたいと思います。(ブレイクダウンについて)昨日Aチームみててブレイクダウンすごく入り込まれていて絶対にブレイクダウンで勝たないとだめだと思っていました。で最初すごく気持ちが入っていたんですけど疲れてきたときに少し圧力が足りなくなってしまったかなと思います。(Jr.選手権を振り返って)AもBも両方経験させていただいてJr.はAチームに出ることを目指してモチベーション高くやっていてメンバーの入れ換えが激しいんですが試合ごとにすごくまとまってやっていて去年けがで出られなかったんですけど今年はいい経験させていただいたと思います。(今後に向けて)試合が好きですし、Aチームの試合に出て活躍したいのでもっともっと練習していきたいと思います。

 

FL石田

 

(試合を振り返って)前半はFWDとBKSが噛み合っていなくてFWDが良くもBKSがゲインできなくて敵陣に行けなかったです。後半もなかなかゲームプラン通りに進まなかったので悔しいです。(ゲームプランはどのようなものだったか)しっかりとキックでエリアを取って、そこでラインアウトでプレッシャーをかけて相手のミスを誘って敵陣に入っていくことをプランにしてたんですが、キックのところとセットプレーからのアタックでミスが続いて敵陣に入れませんでした。(そのプランの中で自身はどんなプレーを心掛けたか)僕自身はFWDリーダーだったのでしっかりとFWDを引っ張って、キックのチェイスであったりセットプレーでもミスなくプレッシャーを相手にかけていこうということだったんですが、僕自身もミスが後半にあって反省点のある試合でした。(タックルの出来は)僕個人としては良いタックルもあったんですけど、よくないタックルもあったので全部良いタックルをしないとAチームでは通用しないと思うので、まだまだ練習しないといけないと思います。(トライもあったが振り返って)あそこはFWDが走ってBKSがゲインしてすごくいい形でゴール前まで行ったところで練習通りのアタックが出来ました。僕が最後たまたまボールをもらってトライができたということでみんなで取ったトライだと思います。Jr.選手権のファーストフェーズは終了となるが感想は)帝京大戦に大差で負けてしまって力の差を感じたんですが、早大と明大に関しては勝てたんじゃないかなと振り返って思います。ですがこの点差というのも実力の差だと思うので練習して個人がAに上がれるように、そしてセカンドフェーズ行ければそこで勝てるように準備していきたいと思います。Aチームに向けて一番強化したいところは)タックルが慶大では一番求められているので、今日良いタックルができたのでそれが毎試合出せるように練習でタックルを高めていきたいと思います。

 

CTB甲斐

 

(今日の試合を振り返って)Bksでエリアがとれていなかったので、相手の強いアタックをされてしまいました。(今日の試合への意気込み)ここで勝てばJr.選手権3連覇の可能性があるため、それを目標に臨みました。(自身のプレーについて)アタックの時にボールを持って前に前に行くことは出来ましたが、タックルが甘かったです。(明大で意識したこと)大きいFwdの選手です。(試合のポイントになったこと)ターンオーバーの多い試合でしたが、切り替えが遅かったです。(ゲームプラン通りにいったこと)相手のハイパントへの対応は上手くいきましたが、アタックが甘かったです。(Jr.選手権5試合を振り返って)Aチームの成績が良くなくて、Bチームから盛り上げようとしましたが、結果が伴いませんでした。(今後にむけて)まだJr.選手権3位決定戦の可能性もありますし、あったらそこで勝ちたいです。

 

WTB鈴木

(今日の試合を振り返って)Fwdがすごくよく戦ってくれて、最初劣勢かと思われたセットプレーでも互角以上に戦ってくれて、なのでBksでもっとエリアを取ってFwdを楽に戦わせてあげたかったです。(久しぶりの試合出場となったが)まだまだ全然納得のいくプレーはできていないです。まだFwdに甘えてしまっている部分があるので、Bksでチームに勢いを作れるようにしていきたいです。僕個人からもチームに勢いをつけられるようなプレーをしていきたいです。(けがの状態は)試合に出るにあたって、けがの状態とかは言ってられないので、そのときに出せる100パーセントを出さないといけないので、けがのことは考えてないです。(後半は良いアタックもあったが)良いアタックできて自分たちのラグビーができたときに、少し簡単なミスでせっかく攻め込んだのにボールを取り返されてしまって、また自陣に返されてしまうっていう場面があったので、そこは修正していなかくてはいけないなと思います。自分たちが調子に乗っているときに取りきれるようにならないと、接戦はものにできないのでもっと精度を高めていかなくてはと思います。(自身のプレーを振り返って課題と収穫は)課題は、一番大外にいるポジションなので一番周りの選手の状況が見えているので、もっと声をかけてコントロールしていきたいなと思います。エリアを取るところでもSOに一任しないで、もっと声をかけてゲームコントロールをできるようにしたいですね。収穫は、けがをした対抗戦筑波大戦では、良いディフェンスができなかったんですけど、今日はそれに比べたらタックルも入れていたのでディフェンスは少し良くなったのかなと思います。(今後に向けて)これからまだAの試合も残っていますし大学選手権もあるので、それに向けて一日一日精進して、はやくAチームに上がれるように、上がって自分のプレーで勝利に貢献できるようにしていきたいと思います。

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