【バレーボール】連勝止まるも、若い選手の活躍 順大戦

連勝がストップしてしまった

連勝がストップしてしまった

難敵・筑波大に勝利し、5連勝と波に乗る慶大。高さのある順大に対し、優位に試合を進めたい慶大であったが、第1セットを接戦の末落とすと、その後も流れをつかんだ順大に圧倒され、第2・第3セットも連続で取られ6連勝とはならなかった。

5月12日(日)春季関東大学1部バレーボールリーグ第9戦 慶大×順大 @日本体育大学健志台米本記念体育館

得点
慶大 セット 順大
32 34
19 25
20 25

ムードを一変させる力を持つ佐藤

ムードを一変させる力を持つ佐藤

ここまで5連勝と勢いづいている慶大。だが、筑波大戦は「相手に合わせて試合をしてしまった」(岡田主将・商4)と振り返っているように、今後の課題が見えた一戦でもあった。その中で迎えた順大戦。順大は背が高い選手が多く、慶大の攻め方によっては今後の戦い方が見えてくる試合だった。

早めに得点を取り主導権を握りたい慶大は、第1セット開始後順大に立て続けに4点奪われてしまい、流れを掴まれてしまう。その後柳田(環3)のスパイクやブロックがうまく決まり、順大のミスにもつけこみ6-7まで立て直すと、岡田のスパイクを起点とした攻めで相手に食らいつき、1点を取り合う両者譲らぬ展開に。第1セットの行方はデュースまでもつれ込み、お互い何度もマッチポイントを取りながら決めきれなかったが、最後は順大に押し切られ、32-34で慶大は第1セットを落としてしまう。

第2セットは「チームのピンチの時に必要な選手」(宗雲監督)と信頼を置かれている背番号17、佐藤を送り込み何とか立て直しを図ろうとするも、序盤からリードされ苦しい状況に置いこまれる。ただでは終われない慶大は、セット中盤に柳田、岡田などの活躍で6連続ポイントを取り、一気に流れを引き込もうとするも、順大も高さを活かして第1セット同様粘るバレーを見せる。セット終盤慶大の持ち前であるブロックが活かせず、順大に一気に離されると、そのまま追いつくことができず19-25で第2セットも取られ、後がなくなってしまう。

今季初出場を果たし、「自分のプレーはできた」と語った前田滉介

今季初出場を果たし、「自分のプレーはできた」と語ったリベロの前田滉介

 

「なんとかムードを変えなきゃいけない」(宗雲監督)と挑んだ第3セット。慶大はここまで調子の悪かった野瀬(環2)に代わり、リベロに今季初出場の前田(環4)を送り出し、ムードを一変させようとする。それでも「途中から点数が一気に離れてエンジンもかからなかった」(宗雲監督)というように、中盤からは順大のダイレクトアタックが連続で決まるなど圧倒されてしまい、セッターに1年の池田(環1)、ピンチサーバーで吉田(環2)を入れるなど流れを引き寄せようとするも、最終的には20-25で負けてしまい、セット数0-3でストレート負けを喫した。

1年生ながら出場機会も増えている池田

1年生ながら出場機会も増えている池田

 

第4戦の明大戦から続いていた連勝も途切れてしまい、この敗戦により優勝の可能性が遠のいてしまった。しかし「自分の力を発揮して勝ちたい」(前田)、「日体には負けたくないという気持ちはみんなにある」(岡田)というように、選手たちの間に悲観や諦めはない。また、1年生の池田、チームのピンチを救う存在である佐藤など、昨季のリーグ戦に出場していなかった選手たちの活躍が目立った試合であっただけに、「東日本インカレとか秋のリーグを目標に」(宗雲監督)見据えた試合と見るならば、今後に向けて明るい展望が見える試合であった。まずは次戦の日体大戦での、若い選手たちの活躍が期待される。

(記事:中田健太、写真:杉本理沙)

 

 

 

以下監督・選手コメント

宗雲監督

(今日の試合を振り返って)すごく残念な試合でした。力を全く発揮できず、昨日の筑波戦から雰囲気が全く変わらず、受けてしまったという感じです。本当に残念でした。思いっきりやって欲しいというフラストレーションがたまる試合でした。(前田選手と池田選手の起用については)勝つために試合をやっているので、競り合っていれば、ワンポイントのブロッカーやピンチサーバーなどで流れを引き寄せたりする以外には、メンバー交代はあまりしないのですが、今日は途中から点数が一気に離れてエンジンもかからなかったので、ベンチとしてはタイムアウトとメンバーチェンジで、なんとかムードを変えなきゃいけないと思いました。サーブレシーブを落ち着かせるのに、野瀬選手のサーブレシーブの調子が悪かったので、公式戦では起用したことがなかったのですが、前田選手に思い切ってスイッチしました。池田選手もその次のカードがなかなか無かったので、何か変えなきゃいけないと思って起用しました。(相手のブロックの印象は)高いのですが、高い分守備力があまりないので、選手には囲まれたらリバウンドを取ったり、逆サイドから攻撃したりするように話をしたのですが、大きい選手を並べて、スパイクアウトを誘うという敵の術中にはまってしまいました。(慶大のブロックの攻めについては)攻めることができませんでした。リバウンドがうまく取れず、打っている人と守っている人の連携が取れていませんでした。(佐藤選手の活躍については)チームのピンチの時に必要な選手で、チームが停滞している時に入って、チームのムードを一変してくれたり、持ち前の守備力だったりで、チームに貢献してくれる選手なので、彼は自分の持っている力を十分に出したと思います。(来週の日体大戦に向けて)日体大も優勝がかかっているので相当気合が入っていると思うのですが、うちはこれでリーグ戦の目標が無くなったので、来週以降は東日本インカレとか秋のリーグを目標に切り替えたことをできればいいと思います。

 

岡田拓巳主将

(今日の試合を振り返って)本当は僕たちがサーブで相手を崩して、ブロックで相手を止めるということをやりたかったのですけど、それを逆に相手にきれいにやられてしまって、結局自分たちが自分たちで悪い雰囲気を作ってしまって、それから復活ができないという一番良くないパターンで負けたので、今後やってはいけない例となったという意味では、価値のある試合だったかなと思います。(順大の印象は)もともと高い選手をそろえて、大雑把なバレーではないですけど、大味なオープンアタックを使って高さで圧倒する、というバレーだったので、そういうバレーをやってくるということが分かっていたのですが、それに対応できなかったという感じです。(残り2試合はホームでの試合だが)ホームということで応援に来てくれる方はすごく多いと思うので、とにかく今日みたいに見てくれる人も沈んでしまうような、つまらない試合はしないようにしないといけないと思います。(日体大戦への意気込み)日体は1位なので、僕らはもう1位はほぼなくなったという風に考えていいと思うのですが、日体には負けたくないという気持ちはみんなにあるので、とにかく日体にまず一勝して、最後の早慶戦でリーグ戦を締めくくれればなと思います。

 

前田滉介

(今日はリベロとして初出場でしたが、いかがでしたか)すごく緊張したのですけど、自分のプレーはできたのかなと思います。(監督からどのような言葉をかけられましたか)やっぱり雰囲気がすごく悪い状況で、僕が入ることで雰囲気を変えろと言われていたので、頑張ろうと思いました。(4年生として戦うリーグ戦はいかがですか)ベンチ入りしている4年生の中で僕だけ試合に出られていなかったので、すごくうれしいというのはあったのですけど、初めて出た試合で負けてしまったのは悔しいです。(最近ワイルドだと言われているそうですが、いかがですか)他の人から見てワイルドだと思われるのだったら、それはとてもうれしいです。(次戦は日吉ということで、応援も多いと思いますが)そうですね、ホームの力を生かして自分も試合に出られるように頑張りたいなと思います。(日体大戦にむけて)自分が出られるかどうかは(野瀬)将平次第だと思いますけど、仮に出られるとしたら自分の力を発揮して勝ちたいと思っています。

 

池田裕哉

(今日の試合を振り返って)前半流れがあまり良くなく順大のペースで、僕らもあまり盛り上がっていなくてズルズルいってしまった、というのが僕の目線からしてそう思っていて、ピンチサーバーの(佐藤)凜太郎さんが入って変わるかなと思っていたのですが、それも難しくてという感じで、僕が入ったときは空気が怖くて緊張してトスとかあげられなかったので、みなさんに迷惑をかけたなと思っています。(3セット目の途中からの出場だったが)監督から、タイムアウト明けに“お前出すぞ”と言われて最初驚きましたが、それでもチームのために何か貢献したいなと思って一生懸命声など出して頑張りました。(センターを効果的に使っていたが)野口さんとかはバランスよくあげているセッターですごい方なのですが、僕はメンバーチェンジで変わったということもあり、プレースタイルを変えていこうと思って、クイックを中心にあげていった結果、ブロックにかかったものの決まっていて感触はありました。(次戦の日体大戦に向けて)二年生などの上級生がピンチサーバーで出ている分、一年生は僕だけであまり出場回数も少ないですし、もっと出たいので声などで頑張って監督にアピールして、できるだけチームに貢献していきたいです。

サイド 柳田将洋(環3・東洋高)
セッター 野口剛志郎(環3・東福岡高)
センター 星谷健太朗(理4・渋谷幕張高)
サイド 岡田拓巳(商4・熊谷高)
サイド 益田万太郎(政4・慶應高)
センター 稲田聡典(環3・日向学院高)
リベロ 野瀬将平(環2・東福岡高)
途中出場 前田滉介(環4・日向学院高)
丸谷将大(環3・東筑高)
佐藤凜太郎(環2・東北高)
吉田純(環2・東亜学園高)
池田裕哉(環1・北嵯峨高)


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