第88回関東大学サッカーリーグ 第12節
2014/9/6 13:50KO@ゼットエーオリプリスタジアム
慶應義塾大学2-0桐蔭横浜大学
【得点者(アシスト者)】
慶大:33分 浅間翔大(川田悠介)、53分 加瀬澤力(井上大)
◆慶大出場選手
GK | 峯達也(政4・桐光学園高) | |
DF | 保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース) | |
DF | 望月大知(環2・静岡学園高) | |
DF | 久保飛翔(環3・済美高) | |
DF | 井上大(総2・國學院久我山高) | |
MF | 浅間翔大(理4・暁星高) | |
MF | 山浦新(総4・東京ヴェルディユース) | |
MF | 加瀬澤力(総2・清水東高)→84分 澤根祐(商4・清水東高) | |
MF | 川田悠介(環4・桐蔭学園高) | |
FW | 端山豪(総3・東京ヴェルディユース)→89分 黄将健(総3・近畿大学附属高) | |
FW | 平戸奨眞(法4・暁星高)→79分 宮地元貴(総2・東京ヴェルディユース) |
夏に得意の守備に磨きをかけ臨んだ後期開幕戦。桐蔭大を相手に今シーズン初めて主将の増田湧介(環4・清水東高)を欠くことになり、代わりに保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース)が赤い腕章を腕に巻いた。また、テクニックとアイデアに溢れるNO.10端山豪(総3・東京ヴェルディユース)が待望のスタメン復帰を果たした。試合は開始早々の1分に川田悠介(環4・桐蔭学園高)の左からのクロスに平戸奨眞(法4・暁星高)が飛び込むも触れずゴールキックに。8分には加瀬澤のFKから、28分には桐蔭大のミスからチャンスを得るもシュートを打つには至らず。30分のCKでは加瀬澤のボールから久保飛翔(環3・済美高)がヘディングで折り返し、平戸がもう一度ヘディングで折り返すもタイミングが合わない。それでも徐々にペースを掴み始めた慶大は33分、ルーズボールを保田が拾い、中央の川田へとパス。川田がタメを作り空いたスペースにラストパスを送ると、走り込んだ浅間が左足で鮮やかに蹴り込んで先制する。「相手からしたらあれはついてこられない。良い動きだった。」(須田監督)と評する狙い通りの得点だった。40分にも川田が積極的にミドルシュートを放ち、桐蔭大ゴールを脅かした。慶大はシュートらしいシュートを打たれず、先制点を奪う。理想的な流れで前半を終えた。
後半になっても慶大ペースは変わらない。桐蔭大にとってはボールを保持していながらもなかなかチャンスを作り出せないもどかしい展開が続いた。52分にはこの日唯一と言っていい桐蔭大の決定機も慶大GK峯達也(政4・桐光学園高)がビッグセーブを見せ、さらにチームを盛り立てる。すると直後の53分には、加瀬澤がそれに応えるように右サイドから自ら持ち込みミドルシュート。「完璧に自分のイメージ通り」(加瀬澤)と語るゴールで2点差とする。57分にCKからヘディングシュートを放たれるも枠外。ここからは慶大の一方的な展開となる。58分に端山が復帰後初シュートを放つと、59分には右からのクロスに川田がボレーで合わせた。62分には加瀬澤のCKから望月がヘッドで合わせる。続く69分にはまたも加瀬澤のCKから久保に決定機。高い打点からのドンピシャリといったシーンだったがわずかにゴール左へ逸れた。怒涛の攻撃はまだまだ終わらない。73分に端山が切れ込み会場を沸かせると、74分、75分と立て続けに浅間が際どいシュートを見せた。86分に端山が桐蔭大DF陣を翻弄し、そのテクニックを見せつけ試合終了。2-0と危なげない試合運びで後期初戦を白星で飾った。なお、この試合のMOMには見事先制点を奪い、攻撃に守備にと出色の出来だった浅間が選出されている。
この試合の勝利によって勝ち点を24に伸ばし、3位につけている慶大。この位置であれば十分に頂点を狙うことが出来る。しかし、監督や選手たちの言葉から浮かれた様子は一切感じられない。今季の慶大は地に足をつけて、チームとして1つ1つの目標をクリアしていく方向性で団結している。まずその最初の目標と言うのが一部残留を確定させることであり、これに関しては今節の結果によってほぼ確実のものという認識で良いだろう。恐らく次の目標にはインカレ出場権の獲得、順を追っていけば関東リーグ優勝や日本一がある。ただこれらは慶大にとって、目の前の一戦一戦を大事に戦った先にやがて必然的に目指さなければならないモノとなるだろう。荒鷲たちの鋭い眼差しはまた次の獲物に向けられている。
(記事 森本凛太郎)
◆慶大の試合後のコメント
須田芳正監督
(今日の試合を振り返って)
この一ヶ月練習してきたことを出そうということで、まず、前期もそうだったが守備をしっかりやること。そこが90分間集中して相手に自由を与えなかったこと。いいゲームだったと思う。
(試合の良かった点)
今言ったように守備のところ。守備は集中していた。
(悪かった点)
仕方がないのかもしれないが、相手陣内でもっとワイドに幅を広く使おうと。余裕を持って回すこと。これがなかなか上手く出来なかったがまた修正していきたい。
(夏に具体的に取り組んでいたこと)
まず、守備に磨きをかけようということで個々の部分と組織の部分、それからシュート。シュート練習は毎日やった。今日、浅間がちょうどバイタルあたりからのシュートは成果が出たのではないか。力もまさに狙っていたという感じだった。シュートと守備のところをやってきた。あとはゲームの中で色んなコンビネーションというかプレイヤーを色んなポジションでコンビとして試しながら夏場やってきた。
(前期にはあまり見られなかった浅間の飛び出しも監督の指示なのか)
それも夏場に約束事ではないが、端山をトップにして、彼は裏というよりも足下でもらうことが多いので、足下でもらってきて、後ろからボランチの一人がスペースを抜け出すということをやってきたので、新であり今日であれば浅間が二列目からの飛び出しという部分で出来ていた。相手としてはあれはついてこられない。良い動きをしたと思う。
(次節への意気込み)
我々は一戦一戦謙虚に戦うだけなのでまた一週間良い準備をして戦いたいと思う。
保田隆介(法4・横浜F・マリノスユース)
(今日の試合を振り返って)
展開的には狙い通り。良い時間で先取点をとれて、後半もカウンターで追加点が取れたのでゲーム展開としては文句ない試合だった。内容は初戦と言うことでちょっと硬いところもあって、簡単にボールを失うところもあったがそこは次節に向けての課題だと思う。
(夏に強化したところについてどう感じたか)
今日に関しては、相手もそこまで完成度が高くないというか選手が迷っている部分があったと思うので一概には言えないが、今日の試合に関してはやってきたことが出たと思う。
(増田選手が不在の中、キャプテンとして意識したこと)
キャプテンとしてというか増田も出たかっただろうし、無念だと思うので、増田の分まで責任持ってプレーするということを個人として心掛けた。チームとしては、僕だけでなく全員が声を切らさずに集中してやるということが大前提なので、みんなで意識してやり続けたことは良かったと思う。
(次節への意気込み)
上が見えてきているので、本当に一試合一試合苦しい中でも全員で頑張ってロースコアゲームになるとは思うが、そこを我慢しながら戦っていきたい。
浅間翔大(理4・暁星高)
(今日の試合を振り返って)
守備からしっかり入れて、なおかつカウンターで得点を奪えたのは良かったと思います。
(自身の得点を振り返って)
カウンターを良い形でできて、僕自身が2列目から飛び出して、川田から良いパスが来たので決めるだけでした。
(チームの課題は)
守備がしっかりできているところは良いんですけど、シュートの本数がまだ少ないと思うので、もっとチャンスを作れるようにやっていきたいと思います。
(得点シーン以外にも積極的な攻撃参加が目立ったが)
自分も上がれるときは上がりたいと思っているので、常に飛び出せるタイミングを図っています。
(次節に向けて)
今日のようにしっかり無失点で終えられるように、またカウンターで点を奪えるように次も頑張りたいと思います。
川田悠介(環4・桐蔭学園高)
(今日の試合を振り返って)
無失点で初戦をしっかり勝てたということで非常に良いスタートを切れたんじゃないかなと思います。
(先制点を振り返って)
右からいくつか良い崩しが出て自分の所に来たので、後は横に流すだけだったので、それが結果的にゴールにつながって良かったと思います。
(久々のリーグ戦ということで思い入れや緊張はありましたか)
緊張とかはあんまりなかったんですけど、サッカー人生最後のシーズンということで、すごい気持ちが入っていましたし、皆でやろうという思いでしっかり迎えて勝てたのでよかったと思います。
(開幕戦勝利というのは今後にもつながる結果だと思いますが)
開幕戦はいつもすごい大事って言われていて、去年の後期、開幕負けで5連敗していて、でも今年はしっかり勝ちで勝ち点取れて、最低の残留ポイントも後期の開幕で取れたということで、後はもうインカレを目指して進むだけなので、頑張っていきたいと思います。
(次節に向けて)
次は順天ということで、相手は格上ですし、ひたむきにやって、しっかり勝ち点取れればいいなと思います。
平戸奨眞(法4・暁星高)
(今日の試合振り返って)
初戦に勝てたことと無失点だったこと、あと自分たちで設定した残留ラインの勝ち点24を超えたことで、結果的には本当に最高の形で終われたかなと思います。
(後期リーグに向けて取り組んできたこと)
前期と同じというか、守備から入ってカウンターというところをチーム全員でしっかり磨き上げられたんじゃないかなと思っています。
(自身のプレーはいかがでしたか)
前半でイエローカードをもらってしまって、そこからなかなか球際に行けなくなって、ちょっと不完全燃焼で終わっちゃったかなという感じはします。
(次節に向けて)
これでやっと残留が決まって、インカレへの挑戦権を獲得したと思っているので、今日と同じように無失点でしっかり勝ち点を積み重ねていきたいなと思っています。
久保飛翔(環3・済美高)
(今日の試合を振り返って)
開幕戦をしっかり無失点で勝利して終われたことは後期シーズンに向けて良い流れになったと思います。
(この夏の中断期間に取り組んできたことは)
前期やってきたことをさらに高めていこうということでしたね。
(個人的には)
今までは相手に簡単にボールを渡してしまっていたところを、しっかり味方につなげるというボールを大切にすることを心がけていました。今日は少しは出来たかなという感じです。
(相手にボールを持たれる時間が長かったが)
相手にボールを持たせて自分たちは引いて守るというのが自分たちのやりたいことなので、全然問題ないですね。
(昨季は後期開幕から5連敗を喫しただけに、今日の勝利は大きな1勝ととらえているか)そうですね。昨年の苦しい経験があるからこそ今年にかける意気込みは強いですし、二度とあのような思いもしたくないので、継続していきたいと思います。
(次節は上位の順大との一戦になるが)
連勝することでインカレ出場という目標に近づけると思うので、勝ちきりたいと思います。
端山豪(総3・東京ヴェルディユース)
(今日の試合を振り返って)
後期開幕戦は皆で大事にしようと言っていたので、結果として勝点3取れたところが良かったと思います。(相手の印象は)前期はたまたま勝ったんですけど、7番8番の選手を中心として上手い選手揃っているので、自分たちは守備から入って無失点に抑えることに気を抜けないなという印象でした。
(夏の調整期間振り返って、どう過ごされましたか)
チームとして守備から入ることに重点を置いてやってきて、それが今日試合で表現できたので、この夏は良かったのかなと思います。
(今日のご自身のプレー振り返っていかがですか)
個人としては物足りないです。前の方のポジションやらせてもらっているので、シュート打ったり、点決めたりアシストしたり、ゴールに直結したプレーを増やしたいと思いました。
(次に向けて意気込みを)
僕たちは先のことは考えず一試合一試合やっていくので、まず次の順大戦に向けて、良い準備をしていきたいと思います。
井上大(総2・國學院久我山高)
(初めてスタメンで開幕戦を迎えましたが)
今まで1年も2年も開幕戦は全部ベンチであったので緊張しましたけど勝ててよかったです。
(今日の試合を振り返って)
桐蔭は自分のマークであった8番がキーマンということだったので8番をどうやって抑えるのかだけを考えていました。結果的に無失点に抑えられてよかったです。
(攻撃面はどうだったか)
監督からも相手のサイドバックの裏を狙っていけという指示があったのでボールを持ったら簡単にサイドの裏に蹴ることを意識していて加瀬澤が点をとったのも自分のロングボールからだったのでよかったと思います。
(中断期間中のトレーニングについて)
8月頭から合宿に行って個人的にはスタミナを意識して練習してきて、チームとしては守備に力を入れてきました。
(次節に向けて)
目の前の1試合1試合に全力を注ぐだけなので順大戦もまずは守備から入って行きたいです。
加瀬澤力(総2・清水東高)
(今日の試合を振り返って)
チームとして必ず勝ち点3というか、失点が0ということを意識していたので、僕は右サイドなのですけど、右サイドからしっかり声をかけて、全員の意識を統一させるという意味では、0に抑えられたのでよかったかなと思います。
(自身の得点シーンを振り返って)
完璧に自分のイメージ通りだし、ああいう部分は得意としているところなので、まあそんなに、狙い通りではあったんですけど、って感じですね。
(後期に向けて夏の間どのような準備をしてきたか)
とにかくディフェンス。走って守る。この戦術をやっている以上は僕のやっている右サイドとかはアップダウンがほんとに激しいので、そこのアップダウンをどれだけできるかが勝負になってくる。そこがすごく重要なところで、とにかく練習をしていたかなって感じです。
(次節の順大戦に向けて)
前期自分としては悔しい思いをした試合というか、勝った試合ではあったんですけど自分自身は全然満足できなかった試合なので、しっかり一週間いい準備をして、最高のパフォーマンスをできるようにやっていきたいです。
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