慶應スポーツ新聞会

師走の寒さを吹き飛ばす熱戦‐第58回ボクシング早慶定期戦

今年3部で優勝を果たした慶大ボクシング部は宿敵早大との定期戦を迎えた。先に4戦勝利を収めたほうが勝利となるこの試合で、慶大は2‐3で先に王手をかけられてしまう。あと1戦でも落とせば敗北が決まるこの展開で、ここまでチームを支えてきた4年生が連勝を収めることに成功。慶大は見事2年連続で早慶戦勝利を収めた。 今年で58回目となるボクシング早慶定期戦。日吉記念館に作られたリングの周りには多くの観客が集まった。この試合で4年生は引退となる。下級生としては4年生に気持ちよく引退してもらいたい。まさにチームが心を一つにして迎えたこの日であった。  

 



 

第1戦目はライトフライ級で和田龍之介(理3・慶應高)が登場する。第1ラウンド序盤から和田は防戦一方、相手の鋭いパンチに苦しむ。なかなか流れを変えられない中、第2ラウンドに突入。開始すぐにスタンディングダウンを奪われてしまうと、そのままの流れで2回目のスタンディングダウンを相手に許してしまう。和田は2ラウンド1分59秒でTKO負けを喫してしまう。

 

 

相手の隙を見逃さなかった松井

相手の隙を見逃さなかった松井

続いて第2戦目はフライ級で松井祐樹(政3・慶應高)が登場。第1ラウンドは巧みに相手のパンチを避け、攻撃につなげるという無難な立ち上がりを見せる。しかし第2ラウンドに入ってもお互いクリーンヒットを繰り出すことはできず、松井にとっては苦しい展開を迎えることとなる。そして第3ラウンド、序盤相手の猛攻を受けるも、松井はそれに応戦。両者一歩も引かない激しい打ち合いを見せつけ、結果は判定へともつれ込む。そして見事松井はこの接戦をものにした。「僕も自分自身の研究が必要」と試合後に松井は自分のボクシングを振り返った。

終始相手を圧倒した田中

終始相手を圧倒した田中

 

第3戦目はバンダム級で田中和樹(総2・鎌倉学園)が登場。第1ラウンド、田中は序盤からアクセル全開。相手を翻弄し、終始田中ペースで1ラウンドを終える。「自分のしっかりとした動きをすれば、必ず勝てると思っていた」。第2ラウンドで開始直後、田中はカウンターからスタンディングダウンを奪うことに成功。その後も猛攻は止まらない。スタンディングダウン2回目を奪い、2ラウンド2分でTKO勝ちを収めた。これで慶大は一歩リードを奪うこととなる。

 

 

 

 

第4戦目はライト級で唯一の1年生である折敷出陸(法1・慶應高)が登場する。第1ラウンド、開始直後に折敷はリング際で猛攻を受ける。しかしどうにか立て直し、攻撃のチャンスをうかがう折敷。ここからは両者譲らず、白熱した試合展開となる。迎えた最終第3ラウンドではカウンターを狙っていく折敷であったが、クリーンヒットをくり出すことはできない。1分40秒過ぎには強烈な左ストレートが決まるが、相手をダウンするには至らず判定へともつれ込んだ。結果は惜しくも判定負け。初の早慶戦で勝利を収めることはできなかった。

 

第5戦目には主将である友野直人(経4・慶應高)がライト級に登場。相手は高校時代から実績を残している強敵であった。友野は徹底的に相手の研究を重ねていた。しかし第一ラウンドから相手の勢いに圧倒され、スタンディングダウンを奪われる。第2ラウンドでは相手に距離を詰められ、猛攻を受ける。そして第3ラウンドも流れを変えることはできず、判定負けとなる。ここで早大に王手をかけられ、もう1戦も落とせない状況に追い込まれる。

 

低い姿勢で相手に立ち向かう三浦

低い姿勢で相手に立ち向かう三浦

第6戦目はライトウェルター級で副将、三浦三四郎(商4・県立船橋高)が登場。「今日で3回目の早慶戦だったんですけど、毎年伊藤くんと戦っていて、1回目は判定、2回目はKOで負けていたので、今日で引退試合だったので雪辱の舞台はここしかないと思った」。三浦にとって今回は因縁の対決であった。第1ラウンド、三浦は積極的に距離を詰め、攻撃をくり出す。同時に相手の攻撃を許さず、徐々に流れを自分の方に手繰り寄せた。しかし第2ラウンドでは距離を詰めることができず、逆にカウンターを受けてしまう。どうにかしてこの状況を打開したい。三浦はボディにパンチを打ち、相手がうろたえたところを狙い撃ち。見事スタンディングダウンを奪うことに成功する。第3ラウンドにもダウンを奪った三浦は判定勝利を収めることに成功。最後の一線に望みをつないだ。追い込まれた状況でも決してあきらめない三浦の姿勢に会場から大きな拍手が送られた。

最終戦、見事にダウンを奪った長谷川

最終戦、見事にダウンを奪った長谷川

この時には会場のボルテージは最高潮に達していた。最終戦にはウェルター級に副将、長谷川嵩朔(経4・慶應高)が登場。第1ラウンドではリング際に相手を追い込み、素早い攻撃を見せる。しかし相手も少しずつ長谷川に攻撃を仕掛けてくる。試合はほぼ互角の戦いだった。そして第2ラウンド、長谷川は相手のスキを見逃さず、強烈な右フックでダウンを奪う。ここからは長谷川のペースであった。終始相手の攻撃を許さず、的確なパンチを相手に打ち続けた。判定にもつれ込んだが、結果は判定勝ち。見事慶大は2年連続で早慶戦にて勝利を収めた。  なお最優秀選手賞を三浦、技能賞を田中が受賞した。

 

試合後喜びを爆発させた三浦

試合後喜びを爆発させた三浦

これで4年生は引退となる。2年の田中は「今まで四年生が引っ張ってくれて頼っていて、四年生のお陰で勝ててたという部分があった」。3年の松井は「特に今早慶戦に出てきた4年生以外の選手が本当に強くなっていかないといけない」。ともに4年生への感謝の気持ちを試合後語ってくれた。ここまでの道のりには4年生の力が大きかった。これで引退となる4年生の穴をどう埋めてくかが来年度の大きな課題となるだろう。 師走の寒さを吹き飛ばす熱戦を見せてくれた慶大ボクシング部。彼らの熱い姿は観客の心に深く刻まれたはずだ。

チーム一丸となって戦った早慶戦だった

チーム一丸となって戦った早慶戦だった

                                                                                                                                                             (記事:河合 佳祐)

 

友野直人(経4・慶應高)

(今日の試合を振り返って)相手がすごい高校からインターハイで2位とか3位とかの選手だったんですが、気持ちで負けないようにということと徹底的に分析をしたんですが、最終的に捕まってしまっていいパンチをもらって試合が崩れてしまったんですけど、最後にリングに立ってしっかりと戦う姿を主将として見せることができて、次の選手たちにつなげられたかなと思います。

(どのような意気込みで試合に臨んだか)もちろん相手が格上だってことは分かっていましたし、去年早慶戦で勝っていて、いちおうチャンピオンとして挑むことになりましたが、チームとしてはチャレンジャーという気持ちで相手に挑み、とにかく絶対に勝つという気持ちで臨みました。

(1年間主将としてチームを率いて)僕の代から非常に人数が多くなりまして、レギュラー争いも非常にし烈ですし、また練習環境も部室が新しくなったりマネージャーが増えたりして、とても活気があるチームになれましたので、どちらかというと弱いリーダーシップで、みんなで方向性を考え、和気あいあいと1人1人が嫌になることなく、育っていくことができたらいいな、と思って主将をやってきました。

(来年度のチームに一言)来年は20年以上ぶりに2部リーグに上がり、後楽園ホールでやるので、できればすごい強豪チームが多いですが優勝目指して頑張ってほしいと思います。

 

三浦三四郎(商4・県立船橋高)

(今の気持ちは)最高ですね!

(後がない状況で回ってきた感想は)結構僕でしんどい場面で回ってくることが多かったので、慣れていた部分はあったんですけど、やっぱり緊張しました。それでも絶対勝ってやるっていう気持ちでリングにあがりました。

(逆に燃えましたか)そうですね、逆に燃えました。

(今日の試合を振り返って)今日で3回目の早慶戦だったんですけど、毎年伊藤くんと戦っていて、1回目は判定、2回目はKOで負けていたので、今日で引退試合だったので雪辱の舞台はここしかないと思って、なんとか勝とうと気合いでいきました。

(最優秀選手杯を手にした感想は)意外と軽いですけど、重みはあります(笑)

(最後の大会となりましたが、この4年間を振り返って)僕は大学からボクシングを始めたので、どうやったら経験者に勝つかというのを日々考えてやってきていて、その努力がこういう結果に結びついてくれたので、本当に頑張ってきてよかったです。

 

長谷川嵩朔(経4・慶應高)

(今の気持ちは)素直に嬉しいです。

(3-3の場面、どんな気持ちで)3-3で回ってくるっていうことは想定の範囲内だったので、自分で決めてやるというのを常々思って調整してきたので、勝つだけと思って頑張りました。

(ダウンも奪いました)やっぱり感触は最高でしたね(笑)ただ、あまり狙い過ぎないように、冷静にというのを意識してました。

(ダウン後の構成は)大きくなりすぎないで、油断しないようにいきました。

(2部昇格と早慶戦勝利の達成の感想は)最高です、続けてきてよかったです。

(後輩にむけて)後輩のサポートがなかったらここまでやれてなかったので、感謝の気持ちもあります。来年以降は2部で頑張ってそしいですし、僕もOBになるのでなんらかの形でサポートできればなと思います。

(同期に向けて)同期がいなかったらここまでこれなかったので、感謝の気持ちを伝えたいです。

 

松井祐樹(政3・慶應高)

(今日の試合を振り返って)今日は僕の対戦相手以外が高校から上位で、全国大会で1位とか取ってる選手が多くて、逆に僕のところが強いて言うとそこまで強くない選手であると言われていたので、そこで僕が負けてしまうと他の選手のモチベーションも落ちてしまうので、軽量級2戦目ということもあり選手のモチベーションに影響を与えないようにしたいなと思って、何とかして勝つことができました。

(互いにクリーンヒットがなく苦しい展開となったが)相手に研究をされていて、僕が右で試合を決めて勝ってきたパターンが多かったので、それを研究されてて全部よけられてしまったので、そこが本当に当てられなくて苦しい展開になって、僕も自分自身の研究が必要だなと思いました。

(4年生が引退することについて)今年の4年生が本当に一番強い代で、2部昇格も4年生の代がひっぱってくれてできたという点が大きいので、この代がいなくなってしまって残された代で2部で戦わないといけないので、これからもっと練習して、特に今早慶戦に出てきた4年生以外の選手が本当に強くなっていかないといけないなと思います。

(来年度に向けての意気込み)来年度は2部のリーグで互角に戦うのではなく、2部で勝って今の4年生たちを越えられるくらいの勢いでいきたいと思いますので、ぜひ応援よろしくお願いします。

 

田中和樹(総2・鎌倉学園)

(本日の試合振り返って)元々予想したのとは少し違った相手だったんで、元々の自分の作戦とは違う試合運びだったんですけど、自分のしっかりとした動きをすれば、必ず勝てると思っていたので、それはしっかり出来て凄い良かったです。

(ジャブからのワンツーが凄い決まっていたようにみえたが)最初、1ラウンド目が固くて寒いのもあって脚が動かなかったので少しヤバイなと思ったんですけど、2ラウンド目からはジャブからのワンツー、いつも通りの動きができ、しっかり動けたのは良かったのかなと思います。

(技能賞を獲得していましたが、それに対する感想と、どういった部分が獲得に繋がったのか)綺麗にワンツーからカウンターを当ててダウンを取れた事が技能賞に繋がったんじゃないかなと思います。

(最後に今回の大会で四年生が引退するが、来年からの目標は)今まで四年生が引っ張ってくれて頼っていて、四年生のお陰で勝ててたという部分があったので、その分これから自分達が上の立場になって引っ張っていかなきゃいけない。また今年2部昇格して2部リーグ、後楽園ホールで戦うことになるのでそれを四年生にOBとして観てもらえるように、しっかりとした姿を見せられるようにこれからも精進していきたいなと思います。

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