【フィギュアスケート】氷上にきらめく一年間の集大成 インカレ

インカレは2年連続で北海道で開催

インカレは2年連続で北海道で開催

スケートに打ち込む全国の学生たちが、北海道釧路市に一同に集まった。第87回日本学生氷上競技選手権大会(インカレ)。フィギュアスケート競技会場である釧路市春採アイスアリーナでは、1月6日にB・Cクラス、7日にAクラスショートプログラム、8日にAクラスフリースケーティングなどが行われた。部として出場する今季最後の公式戦ということもあり、慶大スケート部フィギュア部門はチーム一丸となって試合に臨んだ。  

 

Cクラス男子

・富田雄登(商2) 40.67点 準優勝

団体 5位

Cクラス女子

・柳澤薫(総4) 34.13点 3位入賞

・棟尾観月(文1) 33.40点 5位入賞

団体 優勝

Bクラス女子

・奥山未季子(環3) 49.20点 8位入賞

団体 8位  

Aクラス男子 

・小曽根孝浩(環2)

ショートプログラム 42.74点 21位

フリースケーティング 82.35点 20位

総合 125.09点 18位

Aクラス女子 

・鈴木美桜(法1)

ショートプログラム 38.77点 15位

フリースケーティング 80.20点 9位

総合 118.97点 9位

 

 

 

心を込めてしっとりと演じる小曽根

心を込めてしっとりと演じる小曽根

Aクラス男子の小曽根孝浩(環2)。ホームリンクがなく、東日本選手権からの2か月間は「数えられるくらいしか練習できないような状況」であった。そんな中で迎えた今回のインカレ。フリースケーティングでは、幸先よく2回転ルッツと3回転サルコウを着氷したが、その後はジャンプが乱れてしまう。中盤、美しいポジションのスピンや、ジャッジと目を合わせて表情豊かに舞ったステップなどで拍手を誘ったものの、大きく点数を伸ばすことはできず総合18位に。「今の実力がそのまま出た」と謙虚に振り返った。インカレを終えた小曽根が次に立つ大きなステージは、2週間後に行われるアイスショーである。世界のトップスケーターと競演するこの「奇跡」の舞台で、小曽根は大きなパワーをもらってくるはずだ。そのパワーを、まずは今季最後の試合である国体(1月29~31日)、そしてこれから続く試合でのさらなる飛躍の糧と変えていってほしい。

 

 

 

8位入賞に一歩及ばなかったが「後悔はない」

8位入賞に一歩及ばなかったが「後悔はない」

3日間にわたって行われたインカレ、いよいよラストはAクラス女子の鈴木美桜(法1)のフリースケーティングだ。冒頭に3回転トーループから始まる3連続を鮮やかに成功。加点もついたその美しいジャンプに、客席からは拍手が起こった。そして後半、自身の目標に掲げていた2本目の3回転トーループも見事に決める。今度はリンクサイドにいる選手たちからも大きな歓声をもらった。その後はジャンプが抜けるミスもあったものの、鈴木ならではの伸びやかで明るい『West side story』の世界観を表現し、結果は総合9位。ショートプログラム15位から大きくジャンプアップした。自身今季最後の試合を終えた鈴木は4月から大学2年生となり、今度はまた次のルーキーが慶大にやってくることとなる。これからは“先輩”となる鈴木が、ますますの活躍をもって部全体を盛り上げてくれることに期待したい。  

 

 

(文・写真:窪山裕美子)  

 

 

富田雄登(商2)

(インカレを振り返って)転倒はしなかったんですけど、全体的にジャンプで回転不足をとられてしまいました。順位的には良かったかなと思うんですけど、内容的には自分の6~7割の出来でした。(優勝まで0.25点でしたが、優勝を狙っていましたか)はい、僅差だったのですごく悔しかったです。(それでも、去年のインカレ8位からジャンプアップしましたが)やはり取れた点としては、スケーティングの上達が大きかったのかなと思います。エレメンツはそこまで進歩していないんですけど、スピンもしっかり回れるようなってレベルも取れるようになったと思います。ほんの少しですけど、上達したので良かったかなと思います。(バレンタインカップに向けて)今回のインカレでミスしてしまったところを集中して補修して、ノーミスして満足いく演技で今シーズンを終えられたらいいなと思います。(来年のインカレの目標は)今年の2月からアイスダンスのほうも始めるので、シングルと両立してインカレでいい成績を残せるように頑張りたいと思います。

柳澤薫(総4)

インカレを振り返って)本当に心から楽しいと思いました。スケートを小さいころからやってきて、一度やめた時期もあったんですけど大学で再開して、最後の公式戦としてインカレに出場できました。後輩や監督皆に見守られ、本当に幸せをかみしめながら滑ることができて、楽しかったです。(その結果ついてきた個人3位入賞と団体優勝について)それもすごく嬉しかったです。欲を言えば個人でも優勝したかったという部分はあるんですけど、やるべきことは全部やってきて、何も考えず体の動くままに滑った結果だから受け止められます。満足しています、それなりに(笑)。(このインカレが終わると、引き継ぎが行われますが)はい、主将としてはこのインカレが最後でした。本当にこの一年間、部活を主将として引っ張ってきて、いろんな思いが込み上げてきました。卒業した先輩方や後輩たちに支えられてきたことを演技に詰め込みたいな、という気持ちで滑りました。(1月17日のアイスホッケー早慶戦のエキシビションでは、どのような演技をしたいですか)ホッケー部門の主将の山本君と1年生のころから仲が良くて、彼が私に「もう一度スケートをやろう」と誘ってくれた人です。山本君の存在がなかったら私はスケート部に入っていなかったので、感謝の気持ちを込めてホッケー部門を応援するということで、楽しく滑りたいと思っています。(バレンタインカップに向けて)本当に最後の試合になるので、友達とかもいっぱい観に来てくれる予定です。一番迷惑を掛けた家族も観に来てくれるので、思い切り楽しんで滑ることができたらいいなと思います。

棟尾観月(文1)

(初出場のインカレを振り返って)ずっと調子が良くて、これまでは本番緊張してうまくいかないことが多かったので、本番も緊張せずにつなげていきたいなと思っていましたが、やはりミスもありました。だけど結果的には点数が出て、5位入賞することができて良かったです。5位入賞と団体優勝について)点数が自分の思っていたよりも出たという感じです。跳んだジャンプが回転不足ではなかったし、得意のスピンできちんとレベルを取ることができたのでエレメンツで点数が出て、5位になることができて嬉しかったです。団体優勝のほうが個人5位よりも嬉しく、薫先輩の最後のインカレで私が出たことによって優勝することができたので、一応貢献ができたかなと思います。(柳澤主将が引退された来年度からは、棟尾選手がCクラス女子を引っ張っていくことになるかと思いますが)3・4級クラスで、私は4級なのにあまり優勝とかを経験していません。4級らしいというか、5級にほぼ近いような滑りができるようにしていきたいと思います。(バレンタインカップに向けて)今回はジャンプの調子が良いまま試合を迎えましたが、やはり本番ではそこまで成功はできなかったので、レベルの取りこぼしがないようにしたいです。また今回はエレメンツでは点が出ましたが、ファイブコンポーネンツの部分で表現面とかつなぎとか、しっかり修正していきたいです。

奥山未季子(環3)

(インカレを振り返って)国体予選の時と比べて状態が良く、足のケガも治って体調面も良かったです。少し余裕をもって演技に取り組めたかなと思います。(演技の内容としては)練習で調子が良かったダブルアクセルを失敗してしまいました。理由としては、波に乗ってスケーティングができていて、それでいつもと違う感覚のまま(ジャンプに)入ってしまったからでした。だけどあまり後に引きずらずにできたので、満足ではないですけど練習どおりかなと思います。3年連続のインカレ出場でしたが)毎年どんどんレベルが上がってきていて、Bクラス女子でもトリプルを跳んでくる人もいます。ついていくのが大変になってきているんですけど、来年も4年連続でちゃんと出場して、大学の試合として頑張っていきたいなと思います。(国体に向けて)国体もレベルが上がってきているので、ショート落ちしないようにとりあえずショートを練習して、フリーの自分のいいところを見てもらいたいです。自分が楽しめたらいいなと思います。SPとFSの両方を演技するという難しさもありますか)そうですね、それが一番難しいです。あと1か月ない中でショートの曲を変えるつもりで、ジャンプもトリプルを跳ばないと点数が上がらないですし、周りのレベルもすごく高いですし。でも何とか24番でもいいから食いついて、ショート落ちしないでフリーに進みたいなと思います。  

 

小曽根孝浩(環2)

ジャンプの成功が大きな得点源となる

ジャンプの成功が大きな得点源となる

フリースケーティング後…(今日の演技を振り返って)今やれることはやったな、という感じがしました。ダメなことも多かったんですけど、今本気でやったらあれが実力かなと思います。今の実力がそのまま出た演技でした。(コンビネーションジャンプについて)コンビネーションは全然入っていなかったので(コンビネーションを)付けようとしたんですけど、結局オーバーターンになってしまったりして普通に入ったものがありませんでした。今回は全然ダメだったので、次は反省していきたいです。とりあえず練習しなきゃダメなので、練習して調子や実力を戻して、それ以上にしていきたいです。コンビネーションも含め全体的に底上げしていきたいなと思います。(東日本選手権から2か月間、どのような練習を)練習があまりできませんでした。シーズン中からだったんですけど、すごく回数が少なくなってしまいました。曲を通す時間が全然なくて、月に10回できない月もありました。数えられるくらいしか練習できないような状況で、その練習も集中しきれてなかった部分もあったので、やっぱり東日本が終わってからいい練習はできていなかったですね。(1月23~25日に行われる、かながわフィギュアスケート・フェスティバルに出演されることが決まりましたが)アイスショーに出演するのは人生初めてです。引退するまでに出演できるという奇跡が起こって、それは本当に楽しもうかなと思います。自分の演技をいろいろな人に見ていただいて、印象に残ってもらえるようにできたらいいなと思います。(国体に向けて)今回のインカレは去年よりも良かったかも知れないですけど、全然シーズンの時のような力を発揮できなかったので、今回の反省を生かして国体はシーズンの時以上の演技ができるように頑張りたいです。

 

 

鈴木美桜(法1)

ショートプログラム後…(今日の演技を振り返って)最初はやっぱり緊張していて、始まる前から足が氷にちゃんとついていないような感じが自分でもしていました。その中でも落ち着いてやろうとは思っていたんですけど、いつもは失敗しない1個目のジャンプを失敗してしまいました。そこからちょっと頭が真っ白になってしまって、トーループがダブルになってしまって、サルコウも回転不足を取られてしまいました。だけど、アクセルとかスピンでは(プロトコルを)見たらちゃんとレベルも取れていて加点ももらえていたので、最初のジャンプは残念でしたけど、それ以外はちゃんとやり切れたかなと思います。(1番滑走でしたが)ここのリンクは寒いので、時間が経っちゃうとまたアップして体を温めないといけないので、1番滑走で良かったかなと思います。(初めて経験するインカレ、現時点での感想は)やっぱり最初のジャンプが決まっていたら、という悔しい部分はあるんですけど、まだ明日も残っているので、明日は今日みたいに緊張で足がついていないということもなく、思い切り楽しめたらなと思います。

 

息をのむような表情 見せ場の一つだ

息をのむような表情 見せ場の一つだ

フリースケーティング後…(今日の演技を振り返って)自分ではこんなに順位が上がるとは思っていませんでした。入賞できなかったのは悔しいですけど、フリーでは今回の目標だった2本目のトーループ、1本目のトーループもきれいに入って加点もたくさん付いていたので、悔しい面もありますがそういう面では収穫があった試合でした。(昨日は緊張していたとおっしゃっていましたが、今日は)今日もすごく緊張はしていたんですけど、今振り返るとガクガクになる緊張ではなく、いい緊張だったのではないかと思います。(ご自身にとって初めてのインカレでしたが)インカレは初めてだったんですけど、出ている選手とかも普段とあまり変わりはなく今シーズンの中では結構いい点数ももらえたので、楽しめたかなと思います。(今季最後の試合でしたが)今シーズン、東京ブロックは良かったんですけど、そこからあまりいい演技ができませんでした。今回も決していい演技だったとは言えないんですけど目標だったことが達成できたので、今シーズン最後の演技としては後悔はなく良かったです。(来季に向けて)次の試合が多分4月のリリーカップになると思うんですけど、それまでに今確実にできるジャンプを安定させたいです。また、次のシーズンに向けて今入れていないジャンプとかにも挑戦できたらいいなと思います。

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