慶應スポーツ新聞会

【ボクシング】部内企画第4弾!新旧主将対談(折敷出陸×田中和樹)

いよいよ第60回ボクシング早慶戦が明日、日吉記念館にて行われる。部内企画のトリを飾るのは、今夏主将に就任、その卓越したリーダーシップでチームをけん引する折敷出陸(法3)現主将と、圧倒的な実力で長らくチームのエースに君臨した田中和樹(総4)前主将との対談。お互いのボクシングスタイルや主将としてのあり方、早慶戦にかける思いなど余すところなく語ってくれた。

(この対談は11月9日に行われました)

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早慶戦への抱負を色紙につづってくれた

「代が変わってからは、主将の自覚も出てきていますね」(田中)

「行動でしっかりとキャプテンシーを示してくれます」(折敷出)

 

――――今回の部内対談の企画実現を受けて

田中普段話しているつもりでも、こういう時じゃないと聞けないこともあると思います(笑)。

折敷出なかなかこういう形では話さないので、面白いことになるんではないかと期待しています。

 

――――お互いどんな先輩・後輩だと感じていますか

折敷出:田中さんは、僕が高校3年生の時にAOで入学して、その時から神奈川の選手として知っていました。凄い人が来たな、と。大学1年から団体戦もリーグ戦も出ていて、しかも勝って、ただ凄いなというのが最初からの印象です。

田中:自分は大学から慶應で、付属の高校に折敷出がいたので一緒に練習していました。その頃から頑張っているな、というのはすごく感じていて、ここ1年ではさらに成長したと思います。代が変わってからは、主将の自覚も出てきていますね。

 

――――ボクシング部の上下関係は厳しい方だと感じますか

折敷出:まあ、緩いですよね。

田中:そうだね。ボクシング部の良いところだと思うんですけど、まあ最低限しっかりしていれば、そんなに気にすることなくやっているつもりではあります。後輩はどう見ているかわからないですけど(笑)。

折敷出:(笑)。

 

――――田中さんは実際に優しいですか

折敷出優しくて、こわい先輩です(笑)。練習中は行動でしっかりとキャプテンシーを示してくれますし、それ以外のところではメシへ行ったらおごってくれます。

田中:そのつもりでやっています。

 

「気持ちで戦うのが伝統というのは、1年生の頃から感じていました」(田中)

「昇格というのは何回も立ち会えるものではないので、特別ですね」(折敷出)

 

――――お二人はボクシングの世界戦などはチェックされていますか

田中:見ますね。海外の選手も日本の選手も技術がすごいので、勉強になります。あと、自分と同じ年代の知っている人たちがプロで活躍し始めているので、そういったところがすごく面白いです。

折敷出:最近フライ級、スーパーフライ級で勝っている井上尚弥選手は神奈川の選手で、弟の拓真は僕と同じ代で出ていたので気になります。同じ舞台でやっていた奴が今は世界かあ、と。

田中:井上尚弥は高校生の時にインターハイに出ていて、身近な選手でした。手合せもしたことがあるので、刺激になります。

折敷出:良いですよね、そういうの。

 

――――憧れのプロボクサーはいらっしゃいますか

田中長谷川穂積選手ですね。かっこいいな、と思っていて。中学生くらいの時だったと思います。

折敷出:そうですね。中学生のあたりに勝ちまくっていましたね。

田中:それでボクシングをやり始めたというのもちょっとあったかな。

折敷出:僕は、海外にローマン・ゴンザレスというプロアマ無敗のすごい選手がいるんですけど、その人のプレースタイルが綺麗でかっこいいと思います。もらわずに相手をボコボコにする、というような感じで。ニカラグアの英雄ですね。

 

――――そういった選手から影響を受けることはありますか

折敷出:まねしたいと思ってもできるものじゃないんですよ(笑)。

田中:全然別のものになっちゃうんですけど、強い選手のまねから入るのは大事だと思います。やらない限り上手くはならないので、不器用なりにも物まねから入って、それが本物と近づいてくると強くなっているということじゃないですかね。

 

 

チームの勝ち頭としてチームをけん引した田中和樹

絶対的エースとしてリングに君臨し続けた田中

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――お互いのプレースタイルについては

折敷出:僕が和樹さんを最初に見たのは高校2年のはじめくらいなんですけど、その時はかなり攻撃的なボクシングでした。ばんばん相手を倒してという感じで。それが大学生になるとすごく綺麗な、上手いボクシングに変わっていました。

田中:落ち着いたボクシングね(笑)。

 

――――その変化については何かきっかけがあったんでしょうか

田中:ボクシングの前には極真空手をやっていたので、打ち合うのは得意でそういったスタイルだったんですけど、右こぶしをけがしてからはボクシングっぽいボクシングをしようと。打たせずに勝つボクシング、まあセオリーなんですけど(笑)。

折敷出:なかなかできないですもんね、打たせずに打つというのは。

田中:基本に近いボクシングになりました。

 

――――折敷出選手は違う競技の経験はありますか

折敷出:僕はバスケなので、全然違うスポーツなんですよ。団体で球技をやっていて、いきなり高校で個人技の格闘技という。ボクシングを始めた頃はやっぱり怖いと思うことはありました。いきなり殴られるのか、みたいな(笑)。

田中:昔の方が打ち合うボクシングをしてたよね。

折敷出:そうですね。そんなに打ち合いが好きなわけじゃないんですけど、カッと熱くなる瞬間があるので。最近は、先輩をまねて打ち合わないで綺麗に勝てるように頑張っています。

田中:それが将来バカにならないための…(笑)。

折敷出:間違いないですね。ダメージ残せないので(笑)。

 

――――練習などで田中さんに勝てることはありますか

折敷出:僕の調子が良くて和樹さんの調子が悪いと、勝てることはあります。ただ、基本的に調子良いんでなかなか難しいです。

田中最近は常にMAXの力を出せるように、その調子をどう整えていくかに重きを置いています。まあでも、ヤバいと思う瞬間はあるので油断はできないですね。

 

――――好不調の感覚というのはどの部分で感じるんですか

田中調子が良ければ瞬時に避けられるんですけど、調子が悪い時はパンチが見えても反応できないです。

折敷出:足とかに顕著に出ますね。シャドーボクシングでも足が動くときは調子が良いなって思います。

田中:その調子次第で試合が左右されるんで、結構分かりやすいです。

折敷出:コンディショニングは重要ですね。

 

――――調子を上げるためにしていることは何ですか

田中:自分はゆっくり走るようにしています。ペースはゆっくりなんですけど、足や股関節を動かしたりするところから調整しています。

折敷出:そうなんですね。僕はまだ探り中です(笑)。ただ、今日調子良いなって思った時は、振り返ってみるとだいだいアップを長めにとっているんですよね。長い時間動いてスパーリングに臨むと動きが良いので、そこを意識することはしています。何かしら共通すると部分はあると思うんですけどね。

田中:難しいですね。経験とか感覚的なものなので。

 

――――部員のみなさんは部活の外での付き合いはあるんでしょうか

折敷出:リーグ戦が終わったあと、田中さんのバイト先に何人かでご飯食べに行きました。

田中:飲み会もやっていますね。

 

――――ボクシング部での共通の話題はありますか

折敷出:全く同じ趣味を持つ人間が部内に何人かいるので、僕はそういった話ですごく盛り上がります。

田中:良い意味で変な人が多いんで、色々な種類の人間がいますね。なので、趣味は結構バラバラで、共通の話題を持つ人って少ないような。

折敷出:少ないからこそ、合わさった時にすごく盛り上がる気はします。

 

――――では、普段は皆さんどういった話をされるんでしょうか

折敷出:食べ物の話ですね(笑)。

田中:食べ物の話はめちゃめちゃ多いです。減量がある競技なので、終わったら何食べようっていう(笑)。

折敷出:あそこのあれは美味い、とか今度あれ食べたい、とかですね。

 

 

――――慶大の選手に共通するプレースタイルはありますか

折敷出:うーん、一概には言えなくないですか。

田中:言えないですけど、慶應のボクシングといえば泥臭く前へ出て―

折敷出:最後まで諦めないで―

田中気持ちで戦うのが伝統というのは、1年生の頃から感じていました。試合で戦う先輩たちの姿勢を見て、こういうボクシングって大事だなと思いました。

折敷出:それは今でも受け継がれていると思います。

 

――――4年間で一番印象に残っている試合はどれでしょうか

田中:いっぱいあるんだけどな(笑)。その中でも2年の時の入れ替え戦は印象に残っています。3部リーグで優勝して、入れ替え戦にはバンタム級で7人の中の1人として戦ったんですけど、負けられないというプレッシャーと2部に上がれるという気持ちが今でも忘れられないです。その試合は専修大学が相手で結構ギリギリの戦いをして、勝って24年ぶりに大学2部リーグに昇格して、その試合は…。

折敷出:特別なんすね。僕はその時1年生だったんですけど、盛り上がりすぎて何も覚えてないです。ひたすら騒いでました(笑)昇格というのは何回も立ち会えるものではないので、特別ですね。

田中:上がったことには自分でもびっくりしていました。

折敷出:その1年前にも入れ替え戦で専修と戦ったんですけど、負けちゃったんですよね。

田中:その時は3-4で負けて、翌年は4-3で勝って昇格しました。あれはすごかったです。

 

 

 

折敷出陸

今季のリーグ戦では格上日体大から白星を挙げた折敷出

 

4年生の先輩に言われた口説き文句の一つが『お前なら主将やれる』だった」(折敷出)

「変な奴が多いから()。(田中)

 

――――折敷出さんが主将となると決まったのはいつでしたか

田中:リーグ戦の中盤から自分の中では決まっていました。それで4年生で話し合って、満場一致で折敷出になりました。そのあと監督とも話して決まりました。

 

――――折敷出さんには自身が主将になる予感はありましたか

折敷出:最初の方から考えていました。大学でボクシング部に入る時、4年生の先輩に言われた口説き文句の一つが「お前なら主将やれる」だったので、ずっと頭の片隅に意識がありました。学年が上がっていって代が変わる頃には俺以外やる奴いないだろ、って感じでした。

田中:特に何がってわけじゃないんですけど、自覚という部分では(折敷出が)練習から一番出ていました。そういった、一つ一つの行動で示していたところですね。

折敷出:そこは早めに意識した甲斐があったと思います(笑)。

 

――――折敷出さんが主将になってから何か変化はありましたか

折敷出:いやー、僕には分からないです。後輩がどう思うかな、というところですね。

田中:代が変わってまだ少ししか経っていないので、大きな変化は無いと思うんですけど、これから色が出てくるんじゃないかなと。

折敷出:色を出していこうかなと。

 

――――田中さんが役職から離れてからの変化は

田中:気持ちは凄く変わりました。リーグ戦まで主将を務めていて、その時はプレッシャーが常に頭の片隅にありました。練習中も、個人よりチームを気にして練習していたので「背負っている」という感覚があったんですけど、代を交代してから気は楽になりました。

折敷出:やっぱ楽になったんすね(笑)。

田中:集中して最後まで後輩を育てて、チームとして頑張ろうという気持ちはあるんですけど、やっぱり主将を降りて楽にはなりましたね(笑)。

 

――――折敷出さんはどんな主将を目指していますか

折敷出:ここ2年、慶應義塾高の生徒が入部してきていないので、高校でボクシングをやっていた生徒を入れることを目標にしています。そのために、後輩と接する機会をもっと増やすよう活動していきたいです。キャプテン像としては、(田中さんのように)僕もあまり言葉で伝えるタイプではないので背中で見せていきたいです。

 

――――もう新主将として具体的に動いていらっしゃいますか?

田中:先日の関西学院大と次の早稲田との定期戦は折敷出が指揮を採ってやっているので、現場のトップとして皆を引っ張っていってくれていると感じます。

折敷出:練習の雰囲気作りは僕ら3年生がやっているので、そういうところで引っ張っていかなくちゃと思います。

 

――――4年生から見て任せられるという雰囲気は出ていますか

田中:ちょいちょい気になるところはあるんですけど、あんまり言わないようにしてます(笑)。ただ、自覚という意味では変わってきたとは思います。

折敷出:責任は感じますね。

田中:実際に主将になったら大変だと思うんだけど、プレッシャーは感じつつも自分の軸をぶれさせずにやるのが大事かな。

 

――――個人と部のバランスを保つのは大変ですよね

折敷出:大変だと思います。その点では(田中さんは)よくやっていたなと(笑)。

田中:変な奴が多いから(笑)。

折敷出:大変でしたよね。1年生がキワモノ揃いで(笑)。そういう奴らを同じ方向に向かわせるのは本当に大変だと思います。

 

――――田中さんが下の代に期待することは

 

田中:今年、昨年とリーグ戦4位だったので、それを越えて歴史を作って欲しいです。あと、自分は背中で示すキャプテンだったんですけど、折敷出は折敷出らしい違ったキャプテンシーを見せて欲しいです。

折敷出:模索中です(笑)。その辺は悩んで決めていこうかなと。

 

――――来年のボクシング部が楽しみですね

 

折敷出:そうですね。来年は2部Aクラス目指して、もっと厳しくしないとだめですね。頑張っていきたいと思います。

 

「チャレンジ精神を持って、挑戦者のつもりで戦いたい」(田中)

「僕が主将として出る初めての早慶戦なので、絶対に勝ちます」(折敷出)

 

――――打倒早大に向けて意識する部分は

田中昨年は慢心があったと思います。その前まで2連覇していたので、勝てるだろうという思いがどこかにあったのかなと。そういった油断は絶対に無くしていきます。チャレンジ精神を持って、挑戦者のつもりで戦いたいです。

折敷出:去年負けてしまったので、絶対に勝ちにいきます。気持ちの慶應をもう一回改めて出していきたいです。

 

――――最後にケイスポ読者に熱いメッセージをお願いします!

田中個人的にはボクシングを始めて80戦目の試合で、早慶戦としても第60回、勝てば丁度65勝目になります。絶対倒して勝ちます。気持ちで負けないよう、熱い泥臭い試合を絶対にするので、ぜひ応援に来てください!

折敷出:第60回の早慶戦で、慶應にとってはホームの日吉記念館ということで、今年は600人呼ぼうとマネージャーたちが動いてくれています。Twitterで50日前からカウントダウンもやっていて、これで盛り上がらないわけがないと思ってます。僕が主将として出る初めての早慶戦なので、絶対に勝ちます。力を貰えればと思うので、ぜひ応援しに来てください!

 

――――ありがとうございました!

(取材:下川薫)

 

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折敷出陸(おりしきで・りく)

現主将。法学部法律学科3年。神奈川・慶應義塾高校出身。身長170cm。下級生の頃からリーグ戦などで活躍を収め、今夏には主将に就任した。試合の流れを読むことに長けた、勝負強いボクサー。顔の前で腕を小さく回しテンポを取る構えが特徴的。

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田中和樹(たなか・かずき)

前主将。総合政策学部4年。神奈川・鎌倉学園高校出身。身長167cm。その圧倒的な実力でチームメイトからは絶大な信頼を誇る。スピード・パワー・テクニックすべてが一級品の慶大のエース。

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