【少林寺拳法】あと一歩及ばず、準優勝/第51回少林寺拳法早慶定期戦

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先鋒として出場した李遊(法3)

12月4日(日)、早稲田大学早稲田キャンパスの柔道場にて第51回少林寺拳法早慶定期戦が開催された。新人の部では去年より経験者をそろえ、本戦の部もここまで連覇が続く中で両方とも1勝2敗2分と惜しくも苦杯をなめた。

 

12月4日 (日)第51回少林寺早慶定期戦

慶大

新人の部

早大

川上智也(経1・慶應義塾高・初段)

●0-2

刈屋壮基(初段)

飯島将之(経1・サレジオ学院高・六級)

○2-0

小林和真(三段)

青木優(文1・横浜雙葉高・六級)

●0-3

佐竹望愛(六級)

佐藤太紀(商1・北見北斗高・三段)

△2―2

中村圭一郎(三段)

田崎俊介(経1・慶應義塾高・初段)

△1―1

居作和英(三段)

1勝2敗2分

結果

2勝1敗2分

慶大

本戦の部

早大

李遊(法3・城北高・三段)

●0-1

久保田準(三段)

金野光秀(商3・慶應義塾高・三段)

△1―1

尾形桂吾(三段)

品川絵里(政3・目黒星美学園高・初段)

●0-6

英日菜子(初段)

栗原弘(法3・城北高・三段)

○2-1

谷部巧昇(初段)

田中雅人(商3・日大藤沢高・初段)

△1―1

堂脇周平(三段)

1勝2敗2分

結果

2勝2敗2分

 

度々苦しい試合を強いられながらも2008年から8連覇を続けている慶大少林寺拳法部。毎年代替わりの直後に行なわれる本大会。新主将に就任した田中雅人(商3)を中心に、全日本大会で優勝した強敵堂脇が率いる早大に全力で当たった。

 

ルールは1分間の休憩を挟んで1分間の対戦を2セット行い、合計で奪った技ありの点数で勝敗を決める。同点の場合は引き分け。新人の部では対戦の間審判が「やめ」の合図を出してもタイマーを止めない。本戦の部では審判が「やめ」の合図を出した際にタイマーを止める。また、技ありの判定も厳しく行われる。最終結果で勝敗が同じ場合、1分間の代表戦を行う。

 

飯島(左)は新人の部で唯一勝利を挙げた

飯島(左)は新人の部で唯一勝利を挙げた

まずは新人の部から。1年生のみが出場するこの試合では慶大は三段の佐藤太紀(商1)と慶應高校出身の川上智也(経1)、田崎俊介(経1)を中心に今年こそ勝利したいところだ。

先鋒の川上は果敢に攻めたが隙を狙われて技ありを取られ、敗北。続く次鋒の飯島将之(経1)は格上の相手に金星を挙げて五分に戻した。中堅戦は女子拳士同士の戦い。星を先行させたい青木優(文1)だったが、体格で勝る相手に後半立て続けて技ありを奪われ、勝つためには1つも落とせない状況に追い込まれた。副将戦は先に技ありを取られる苦しい展開の中で佐藤が後半に追いつき、大将戦へ。しかし大将を務めた田崎も先に技ありを取られてしまう。後半に追いついたが、もう1本は取れず引き分けになり、今年も早大を下すことはできなかった。

先鋒の李(右)は惜しくも敗れた

 

 

その後行われた本戦の部。早大の主将堂脇相手に白星を奪い取るのは至難の業であり、できれば大将戦までに試合を決めておきたいところだ。

そのため、先に勝利を奪いたい先鋒は李遊(法3)。お互い点数を奪えない状態で時間が進んだが、最後に技ありを取られてしまい星を落とした。次鋒は金野光秀(商3)。前半に中段突きで先に技ありを奪ったが、後半に審判の協議の末に技ありを取られて引き分けに終わった。中堅の品川絵里(政3)は、後半にできた隙を見逃してもらえず技ありを重ねられてしまい敗戦。この時点で2敗と連勝してやっと代表戦に持ち込めるという厳しい局面となった。そんな副将戦は前半に点数が動かず、勝負は後半へ。先に中段突きで技ありを奪った栗原弘(法3)だったが、終盤に技ありを取られてしまう。それでも思い切り攻めこみ、上段突きを決めて勝ち越した。試合の行方は大将戦に委ねられた。

 

技ありを奪った田中

技ありを奪った田中

もう勝つしか許されない大将戦の拳士は主将の田中。しかし先に中段蹴りで技ありを奪われ前半を折り返す厳しい展開。引き分けでも相手の優勝が決まるため、攻め込まなければいけないところだが、やはりそう簡単に技ありは奪えない。それでも試合終了直前になんとか上段突きで技ありを奪う。さらにもう1つというところだったが、残り少ない時間に間に合わず試合終了。今年の早慶戦は涙を呑む結果になってしまった。

 

連覇こそ途切れてしまったが、夏に敗北を喫するなど前評判で上回る早大相手に奮闘を見せた。強敵に立ち向かうということを目標に全員で強くなったことが結果として現れたに違いない。新しく始まる少林寺拳法部はこの悔しさをバネに冬を越えてさらにたくましくなるだろう。

惜敗なだけに悔しさが残った。

 

 

(取材・記事:尾崎崚登)

◆試合後コメント

田中雅人主将(商3

(早慶戦を終えて一言)夏に早稲田に完敗して以来、日々練習に取り組んできたので、やれることはやりきったと思うんですけど、あと一歩及ばず惜敗というかたちです。

(ご自身の勝負を振り返って)僕の相手の堂脇君が、去年当たった相手なんですけれども、7―2で完敗してしまいました。その堂脇君が1か月前の全日本学生大会で全日本1位になったことを部員は全員知っているので、確実に脅威になるのは大将の堂脇だとわかっていたので僕になるまでに勝負を決めようというかたちで部員は練習に取り組んでいました。本日そういうかたちにはならなかったんですけど、周りのそういう気持ちが僕のことを引き分けに持って行ってくれたのかなと思います。

(負けも想定した中で引き分けになった要因は)相手は引き分け以上だったらもう勝ちだったので、僕が引き出されるしかない中でそこで点を取れたのは1個前の栗原が勝ってつないでくれたこともあります。僕で勝負が決まるっていう責任感、プレッシャーをいい意味で与えてくれたから僕が点を取りに行く強い気持ちが持てたんだと思います。

(自身の戦いぶりはどうだったか)相手の動きをしっかり見て、落ち着いてできたんじゃないかなと思います。去年に比べればだいぶ成長できました。

(チームとしての戦いぶりはどうだったか)今回負けてしまったことはもちろん、自分たちで投げやりで終わってしまうんではなく、来年以降も早慶戦は続いていきます。来年は我々が4年生になって試合には出ないんですけれども、部の後輩たちへの育成も全力を注いで、来年こそ優勝カップを取り戻してほしいと思います。

(新人の部はどう映ったか)本当に今回の1年生は早稲田に夏に負けたということもありまして、部員全体として早慶戦勝とうという意識を夏、結構前から持っていました。それによくついてきてくれて、底力も挙げてくれたと思います。彼らは1年生の代なんですけれども、再来年になった時にもっといいものを見せてくれると思います。

(最後にこれからに向けて一言)早慶戦我々の代として最後なんですけれども、5月関東大会、11月全日本学生大会とまだ大会が残っています。そこで早稲田を見返してやれるような実力を見せて、我々も有終の美を飾って、引退まであと1年間頑張っていきたいと思います。

 

栗原弘(商3

(大会を振り返って)元々自分が副将として出場する事は決まっていたので、試合を決める大事な場面でまわってくるのは覚悟していました。実際に僕が勝たないと試合が終わってしまうということで緊張しました。

(試合を振り返ると)前半はあがっていて、まわってまわって、隙あれば突くという形で攻めていました。でも、あまり点が取れなかったです。ハーフタイムの時に李や金野から大丈夫だと言ってくれて、点を奪うことが出来ました。そのまま逃げ切ろうかとも思ったのですが、途中で点を取られてしまいました。残り15秒程しか残っていなかったので最後に思い切り攻めて一本取れたので良かったです。そして最後の田中に繋ぐことが出来て、田中も良い試合をしてくれました。でも、やっぱり負けてしまってとても悔しいです。

(最後の一本を取った時の気持ちは)取った時は覚えてないですが、取らないと負けると分かっていたのでとにかく前に前にという気持ちしか無かったです。

(来シーズンに向けて)まだまだ試合が続き、後輩たちの早慶戦へ続いていくので後輩に伝えられる事は伝えていきたいと思います。

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