第183回早慶対抗庭球試合 2017年5月13日・14日@早大東伏見三神テニスコート
昨年は1-8で敗北した早慶対抗庭球試合。リベンジを果たすべく臨んだこの試合、昨年全敗のダブルスでは福田真大(商2・慶應湘南藤沢高)・今村昌倫(環1・清風高)が接戦をものにしたが、シングルスでは昨年以上の惨敗を喫してしまい悔しい結果となった。
慶大 | スコア | 早大 |
D1 ○福田・今村 | 3{6-1,4-6,1-6,6-4,6-4}2 | 小林・島袋 |
D2 ●逸﨑・畠山 | 2{6-3,5-7,6(9)-7,6-3,1-6}3 | 坂井・田中 |
D3 ●韓・山崎 | 1{3-6,6-2,1-6,1-6}3 | 齋藤・高村 |
S1 ●逸﨑 | 1{6-4,3-6,4-6,4-6}3 | 島袋 |
S2 ●韓 | 0{3-6,4-6,3-6}3 | 古田 |
S3 ●甲斐 | 0{3-6,3-6,4-6}3 | 小林 |
S4 ●本玉 | 0{3-6,3-6,4-6}3 | 三好 |
S5 ●今村 | 0{3-6,4-6,3-6}3 | 齋藤 |
S6 ●畠山 | 0{2-6,6(3)-7,0-6}3 | 田中 |
合計1 | - | 8 |
1日目、雨天により室内コートで行われたダブルスの試合。
D1を務めたのは福田・今村ペア。相手の小林・島袋は実力派の2年生であり、この試合は早慶期待の下級生対決となった。福田・今村は序盤から相手の打球に素早く反応し第1セットを奪ったものの、第2・第3セットでは今村のストロークでペースを作ることができず落としてしまう。しかし、試合後半になるにつれ思いきりの良いプレーが出るようになると、福田のボレーが次々と決まり残りの2セットをものにした。最後まで手に汗握る展開となったこの試合に勝ち切ることができたのは大きな自信につながるだろう。
D2は春関で惜しくも準優勝となった逸﨑凱人(環3・大阪産業大付属高)・畠山成冴(環3・湘南工科大付属高)。序盤から勢いが感じられ第1セットをものにしたが、第2・第3セットで接戦になると徐々にあらが目立つようになる。相手にペースを奪われた二人は最終セットを1-6で落とし、敗北を喫した。
D3の山崎瑛二(環4・慶應義塾高)・韓成民(総4・つくば国際大東風高)ペアは、春関ベスト4の坂井・田中ペアに挑んだ。第1セットは相手の力強いサーブに圧倒され落としたものの、第2セットでは序盤からブレークし主導権を握る。しかし、第3・第4セットは再び相手のペース。山崎・韓は相手の間に落とす打球で対抗したが、相手の力強さ・スピードに翻弄され、勝利をつかむことはできなかった。
前日のダブルスでは2試合に敗れたものの、最後に行われたD1の試合で勝利を収め、良い流れで迎えた2日目のシングルス。しかし、結果は厳しいものだった。
S1逸崎。第1セットはシーソーゲームを展開する。出だしは良く、サービスゲームではしっかりとキープし、デュースでも打ち勝ち接戦をものにした。このまま勢いに乗って勝利したい逸崎だったが、対戦相手の島袋も春関チャンピオンの意地を見せる。サービスゲームでは変わらずキープを続けるが、相手のボレーへの対応などで体力が削られていく。第2、第3セットを落とし逆転されてしまった逸崎は残りのセットに全てを懸ける。男子シングルスはほかの試合が終わり、コートわきからは庭球部員たちも声援を送る。第4セットでは相手のミスが目立ち、一時は優勢に思えたが次第に足が止まり始め、ショットに追いつけなくなる。4-5で迎えた第10ゲーム。タイブレークに持ち込み何とか希望をつなぎたかったが、最後は相手のサービスエースが決まり無念の試合終了。
S2の韓にとっては最後の早慶定期戦となったこの試合。第1セットは第4ゲームまで韓が先行。多くのラリー戦を制し、さらに調子を上げたかったが、相手のファーストサーブの速さに徐々に苦しめられていく。その後は1ゲームもとれず、第1セットを落とす。第2セットも相手の攻撃に苦しめられるが、第4ゲーム以降はブレークに成功するなど攻撃を仕掛ける。しかし、逆をつかれるプレーに翻弄され第2セットも敗れる。後がなくなった韓は第3セット以降の巻き返しを狙うが、第3ゲーム終了後に右肩にあったテーピングを新たに貼りかえる。厳しい表情を見せながらも頑丈に固定し、試合を再開し第6ゲームまでに3-3のタイまで追いついたが、猛攻及ばず。ミスが目立ち、最後は自らのショットがアウトとなってしまいゲームセット。最後の早慶定期戦は1セットも取ることができず幕を閉じた。
S3の甲斐直登(環2・日出高)は小林にストレート負けした。第1セットでは両選手が互いのサービスゲームを譲らなかったが、5-6で迎えた第12ゲーム目で相手のブレークを許し、第1セットを落としてしまった。第2セットも落とし、取らなければいけない第3セットは序盤にリードしたが逆転され、4-6で敗戦した。
S4の本玉圭(経3・慶應義塾高)は第1セット、第1ゲームをブレークすると、第2ゲームもしっかりキープし2-0とリードを作った。しかしそこから相手の追い上げが始まる。左右に振り分けるプレーで次々とゲームを奪われ、3-6でセットを落とした。第2セットは序盤から相手のペース。強烈なボレーを決められこのセットも落としてしまう。第3セット序盤では再び本玉がリードを作ったものの、相手の緩急をつけたさまざまな打球に翻弄され4-6で試合終了。ストレート負けとなった。
S5今村の相手は、前後左右に打球を振り分け今村に攻め込んだ。前日のダブルスでフルセットを戦い「疲労が溜まっていた」という今村は思うように足を動かすことができず、序盤から相手に主導権を握られ第1・第2セットを落とす。低い弾道の力強いショットで反撃した場面もあったものの、第3セットではミスが目立つようになり3セットとも落としてしまう結果となった。
S6の畠山は春関で敗れた田中と再び対戦。第1セットを落とした次の第2セットは、相手の粘りで5-5までもつれた。5-6で迎えた第12ゲームでリターンエースとボレーが決まり、タイブレークまで持ち込んだが、あと一歩のところでタイブレークを落とした。第3セットは完敗し、ストレート負けを喫した。
以上の結果により、1-8で敗れた慶大。昨年と同スコアでの完敗となり、雪辱を果たすことができなかった。しかし、慶大庭球部が目指すのは日本一のみ。そのためには当然早大を倒すことも必要になってくる。シングルスは惨敗となってしまったが、昨年は全敗したダブルスで1勝できたことはこの先につながる大きな進歩であった。今回は中心選手の棄権や不調があった慶大だが、インカレに向けては彼らも復活してくれることだろう。インカレや夏関で結果を残すべく各選手がレベルアップし、秋には早大にリベンジを果たしてほしい。
記事 鈴木優子 椙本彩愛 萬代理人
◆選手コメント
福田真大(商2・慶應湘南藤沢高)
(フルセットに持ち込む熱戦で貴重な勝利を収めました)体力的にも、内容的にも1-2で厳しい試合だったんですけど、最後しっかり踏ん張って取りきれて、次の日につなげることができたのでそこは良かったと思います。(自分たちの持ち味は)今村が後ろでストロークをして、僕が前でボレーを決めるというのが1つの型としてあるのもそうですし、試合を楽しんで目の前の1ポイントに集中できるというのが最大の強みかなと思います。(相手のどんなところに苦しみましたか)最初、相手のサーブにリターンが合わなくて苦しめられたのと、ストロークで今村が結構押されてしまって、僕もあまり動けないという状況が2、3セットで続いてしまったので、そこは苦しめられました。(今後の目標は)慶大のダブルス上位で戦うというのと、インカレなど全国大会で優勝することが目標です。
今村昌倫(環1・清風高)
(早慶戦2日間を振り返って)昨日のダブルスは接戦を制して勝ち切れたので良かったんですけど、今日は昨日の疲労も結構溜まっていて、序盤から動きがあまり良くなかったので、もっと体力をつけないといけないなと思いました。(ダブルスはフルセットにもつれ込む試合となりましたが)ファーストセットはとてもいい形で取れて、セカンド、サードセットがちょっとチキってしまってあまりいい内容ではなかったんですけど、4セット目からはベンチコーチの上杉海斗(環4・清風高)さんや、原コーチ、応援の方のおかげで盛り上がってきて、自分のなかでも吹っ切れたので、最後は福田さんの力もあっていい形で勝ち切れて良かったです。(ご自身の持ち味は)威力のあるストロークですかね。(笑)(相手の印象は)昨日のダブルスは、シングルスでも結果を出しているすごく強いペアだったので、最初はチキってたんですけど、やってみたら意外と自分たちもやっていけるなあという感じでした。(今後の目標は)インカレでしっかりと結果を出せるようにすることと、リーグ戦で勝って王座に行って、優勝することですね。
畠山成冴(環3・湘南工科大付属高)
(今日の試合を振り返って)春関で対戦した相手だったので、どういう試合展開になるかわかっていました。だから、積極的にいくことを意識しましたが、相手のボールの質と威力が思ったより高かったので消極的になることが多かったと思います。第2セットは内容的に良かったのですが、重要な場面で決めきることができませんでした。第3セットは簡単にゲームを落としてしまったので、これからはこれがないようにしていきたいです。(今日の試合で良かった点)調子が悪い中でいいプレーすることができました。周りが応援する団体戦でプレーできてよかったです。(次に向けて一言)日本一を目指し、自分のポテンシャルを高めていきたいです。
甲斐直登(環2・日出高)
(今日の試合を振り返って)負けて悔しいですが、春と比べていいテニスができ、次につながる内容のある試合でした。また、ネットプレーでの決定率が低いという夏に向けての課題が見つかりました。(次に向けて一言)この悔しい気持ちを忘れず、インカレ優勝をめざして頑張っていきたいです。また、リーグ王座で自分が勝ちことでチームに貢献し、4年生を最高の形で送り出したいです。