【フィギュアスケート】中村優、竹居、橋本、土屋が優勝!四大戦から成長を見せる 第45回関東学生フィギュアスケート選手権大会

6月3日から2日間に渡って、東大和スケートセンターにて第45回関東学生フィギュアスケート選手権大会が開催された。大会1日目には慶大から5名が出場。6級女子では猪川乃絵瑠(経1)が3年のブランクを経て、演技を披露した。5級男子、5級女子では慶大部員が優勝し、レベルアップした姿を見せる。

6月3日,4日 第45回関東学生フィギュアスケート選手権大会

@東大和スケートセンター

クラス

選手名

得点

順位

6級女子

猪川乃絵瑠

44.29点

29位

 

花城桜子

47.70点

23位

5級男子

橋本將太

55.20点

優勝

5級女子

佐々木花音

41.91点

5位

 

土屋有葵

58.37点

優勝

 

6級女子には2名が出場。猪川は以前から使っていたというプログラム「Over the Rainbow」で大学デビュー戦に挑んだ。冒頭のダブルアクセル、続くダブルフリップともにミスが見られたが、きれいな曲調に合わせて滑らかなスケーティングを見せた。小さな頃からフィギュアスケートをやっていたが3年ほどのブランクがあったという。「ブランクがあった分ジャンプなどを戻して、スピンやステップのレベルを上げていきたい」と目標を語った。

 

続いて花城桜子(法1)が登場。最初のダブルアクセルは回転不足となってしまうが、「Sing Sing Sing」の軽快な曲調に乗せて次々とジャンプを決めていく。中盤にはリズミカルな音楽に合わせ全身を使ったステップで観客を魅了する。終盤の連続ジャンプもしっかりと着氷し演技を終えた。ジャンプでの細かいミスが重なり点数は伸びなかったが、「転ばなかったところは良いかなと思います」と前向きに演技を振り返った。2選手ともに今大会では上位に食い込むことはできなかったが、1年生の今後の活躍に期待したい。

 

5級男子には橋本將太(政3)が出場し、新しいフリープログラムを披露した。もともとは四大戦で披露する予定だったが、振り付けが間に合わず今大会でのお披露目となったという。スピード感のある音楽で演技を始めると、冒頭にはダブルアクセルを決める。しかし、プログラムの完成後間もないということもあり、「つなぎや表現の部分を意識してやった分ジャンプが少し乱れてしまった」と振り返るように、ジャンプが1回転になってしまうなどのミスが見られた。それでも曲調が変わる演技後半には「ファイナルファンタジー」の壮大なメインテーマに乗せて、伸びやかなスケーティングを披露。これまでとは違ったゆっくりとした曲調を含むこのプログラムをどう完成させていくかに注目だ。

5級女子にも2名が出場した。まずは土屋有葵(経1)。「Prayer for Taylor」の切なく美しいメロディーに合わせた伸びのあるステップで演技を始めると、冒頭で3連続ジャンプを着氷させる。曲調が壮大になっていく中盤には指先まできれいなシークエンスを見せた。後半も2連続を含むジャンプを次々と決め、最後のスピンではレベル4を獲得。大きなミスなく演技をまとめ、見事に5級女子優勝を果たした。「緊張してしまって自分が納得する演技ができなかった」と後悔をにじませた四大戦とは異なり、今大会では緊張せず演技に臨めたという。今大会での優勝を今後の自信につなげて欲しい。

続いて佐々木花音(文2)が「Les Miserables」を披露した。かわいらしい曲調でスタートすると、冒頭のダブルフリップを何とか着氷させる。中盤のダブルループでは転倒してしまうが、後半には力強く、徐々に盛り上がっていく曲調に合わせて次々とジャンプを決めていった。今後は、今回達成できなかった「コンビネーションジャンプを三つ入れる」という目標を達成させたいところだ。次は東インカレ出場を目指し、更なるレベルアップを図っていく。

 

大会二日目となった6月4日。慶大からはこの日、10名が出場した。2級女子では中村優里(理2)が大きなミスなく演技をまとめ、見事優勝。また、3級男子でも竹居峻治(政3)が演技後半に加点の付くダブルサルコウを決め、優勝を果たした。

クラス

選手名

得点

順位

2級女子

中村優里

18.84点

優勝

 

岡安萌

16.28点

6位

 

蓮田柚香

14.10点

8位

 

中村聖菜

16.72点

5位

3級男子

竹居峻治

37.72点

優勝

4級女子

棟尾観月

34.25点

10位

7,8級女子

庄司理紗

28.58点

32位

 

鈴木星佳

42.77点

10位

 

小堀瑛美

37.73点

20位

 

鈴木美桜

47.06点

7位

 

4級女子では棟尾観月(文4)が新プログラム「On my own」を披露した。四大戦ではジャンプ、スピンともに好調だったが、今大会ではジャンプが不発。得意のスピンでも巻き返せず、10位に終わった。しかし、曲調に合わせてしっとりとレミゼラブルの世界観を表現した。完成度を高め、ラストシーズンを後悔のないものとしていってほしい。

 

 

7,8級女子には4名が出場。まずは、1番滑走で庄司理紗(総3)が登場した。調子がベストではない中、東日本選手権ぶりにショートプログラム「Flamenco」を披露。冒頭のトリプルトウループは両足着氷となってしまう。残り二つのジャンプも回転が抜けてしまい、ジャンプで得点を積み重ねることができなかった。だが、柔軟性を活かしたスピンや庄司らしい美しい所作では観客を魅了。今回は「気持ちの面で負けてしまった」と振り返ったが、次戦に向けて一つ一つ課題を克服し、自信をつけていってほしい。

 

続いて庄司と同じグループで登場したのは鈴木星佳(総2)。「浜辺の歌」に乗せて、ゆったりと伸びていくスケーティングを見せた。ダブルアクセルを鮮やかに決めるも、次のサルコウジャンプが2回転になってしまう。後半のトリプルトウループはきっちりと成功させ、自身でも言うように、ジャンプが少しずつ良くなっていることをうかがわせた。次戦は未定だというが、どのように終盤のステップを見せ場として磨いていくのか楽しみだ。

 

小堀瑛美(環1)は第3グループで登場。一年前から使っているという「A day in the Life」を披露した。冒頭のトリプルサルコウとトウループのコンビネーションジャンプは回転不足となってしまうものの、着氷させる。勢いそのままに後半に入っていきたいところだったが、フライングキャメルスピンを回り切ったあとに、音楽が止まってしまうトラブルが発生。しばらくの中断のあと、ステップから演技を再開した。「落ち着いて対応できた」と振り返ったように、ステップ、スピンでは高評価を獲得。曲調の変化も上手く捉えて、はつらつとリンクを舞った。

慶大勢ラストの演技を披露したのは鈴木美桜主将(法4)。今大会は新プログラム「Time to say goodbye」のお披露目。冒頭に成功させたトリプルトウループ‐ダブルトウループのコンビネーションジャンプは質が高く、加点がついた。6分間練習で数回成功させていたトリプルループは本番では惜しくも一回転になったが、「練習通りの演技」だと言う。ジャンプ以外の部分でも大いに観客を惹きつけ、荘厳なメロディーに合わせて、要素一つ一つを丁寧に決めた。結果は出場者32人中7位と健闘。今後も「自分が楽しんで演技できるように自信をつけて頑張っていきたい」と語った。

(記事 伊藤史織、西村夏菜)

◇以下、選手コメント

猪川乃絵瑠(経1)

(フィギュア部に入ったきっかけは)小さい時からフィギュアスケートをやっていて、部活があれば入りたいなと思って入りました。(入学前から入部を決めていたということですか)はい、そうです。(プログラムの見どころは)ゆっくりな曲なのできれいに滑ろうということを一番に考えて滑りました。(以前から使われていたプログラムですか)はい、以前から使っていたものです。(演技を振り返って)ジャンプが全く入らなかったのが悔しかったのですが、ステップだったりスピンで自分なりにできたかなと思っています。(改善していきたい点は)3年くらいブランクがあったのでその分ジャンプなどを戻して、スピン、ステップのレベルを上げていけたらなと思っています。(目標にしている大会は)とりあえず次の大会に出場できるように頑張りたいと思います。

花城桜子(法1)

(フィギュア部に入ったきっかけは)私は元々ずっと競技をしていて、受験でお休みをしていたのですが、大学生になって部活という環境があることを知って、またスケートをしたいなと思って入部しました。(プログラムの見所は)「Sing Sing Sing」というジャズの有名な明るい曲なんですけれども、終盤の踊るところが見所です。(演技を振り返って)今日はあまり良い出来栄えではなかったのですが、転ばなかったところは良いかなと思います。多分次曲を変えてしまうと思うのですが、それを機にまた頑張りたいと思います。(今後の目標は)インカレに出場することです。

土屋有葵(経1)

(演技を振り返って)今日は緊張もせず、細かいミスが多かったんですが、一応まとめることはできたかなという感じです。(四大戦後はどのような調整を)四大戦はすごく緊張してしまって、自分が納得する演技ができませんでした。四大戦後はジャンプの跳ぶ確率を上げてスピンでもミスが無いようにして、試合でジャンプのミスがあった時に対応できるように練習しました。(フィギュア部に入ったきっかけは)もともと慶應女子高校出身で、そこのスケート部に入っていました。大学に入ったらあと4年間は続けたいなと思っていたので、慶大のスケート部で一生懸命頑張ろうと、高校の時から決めていました。(プログラムの見どころは)自分では表現しきれていないんですが、ゆっくりしたところと盛り上がるところでメリハリをつけてできたらいいなと思います。ステップがもう少し滑らかにできるようになったらステップで盛り上げられるように、そこが見て欲しいポイントになれるように頑張りたいです。(今後改善していきたい点は)練習でやっていることを本番でできるようにするのを一番頑張っていきたいです。あとは曲が曲なので表現力を頑張ってつけて、体を使って表現できるようになりたいです。

佐々木花音(文2)

(四大戦後はどのような練習を)前回パンクしてしまったところがあったので、絶対それを無くしたいなと思っていて、曲かけで絶対締めるということを意識して練習しました。(プログラムの見所は)ステップを今までと違って、サーキュラーステップにしていてジャッジの反対側まで行くので、出来るだけお客さんの方を見て演技するように意識しています。(演技を振り返って)一応目標の一つだったパンクしないことは達成出来たので、その面では自分としてはやりきれたかなと思っています。ただ、コンビネーションジャンプを三つ入れるという目標が達成出来なかったので、次演技する機会があったときには、そこを達成出来るようにしたいです。(今後の目標は)今後は東インカレに出られるように部内発表会に向けて、また夏にダブルアクセルの練習をして今回の内容よりも構成的にレベルを上げられたら良いなと思います。

橋本將太(政3) 

(演技を振り返って)新しいプログラムということで、つなぎや表現の部分が初めてだったので、そこを意識してやった分ジャンプとかが少し乱れてしまったのが多かったなと思います。(四大戦後はどのような調整を)本当は四大戦でこの曲を使うはずだったんですが振付が間に合わなくて、四大戦後はなるべく早くこの曲を完成させるということで頑張ってきました。(プログラムの見どころは)曲はファイナルファンタジーというゲームのテーマ曲です。いつもは結構激しい感じの曲を使っていたんですが、今回は後半でメインテーマのところを使っていて少しゆっくりした部分があるのでそういうところでしっかり魅せられるようになったらいいなと思います。(曲はどのように選んだか)先生の独断で選んでもらいました。他にもジャズとかがあったんですが、それはちょっと難しいのでショートで使えたらなと思ってフリーはこっちにしました。(6分間練習の際に接触があったが影響は)大丈夫でした。でもびっくりしました。(今後改善したい点は)ジャンプとスピンで少し取れていない部分がありました。ジャンプは一回転になってしまうことが多かったのでそういうのを無くすのと、スピンはしっかり回りきってレベルを取るのと、ステップとかでもしっかり魅せていけたらいいなと思います。

庄司理紗(総3)

(久しぶりのショートプログラムでの大会。どのような気持ちで臨んだか)調子がベストではなかったので、できるだけ動きや表現、スピンなどジャンプ以外のところでも点数が取れるようにというのを注意してやりました。(演技を振り返って)6分間練習の時から浮いてしまっていて、ちゃんと氷に馴染めていなかったので気持ち的にまずいなというのがありました。そう思ってしまったことで、余計演技に響いてしまったところがあったので今日は気持ちの面で負けてしまったかなと思います。(ジャンプの調子は)氷艶に出させていただいたりして、いろいろあったのでなかなか練習を思ったようにできなかったのですが、調子以上に今日は気持ちの面で負けたかなと思います。(次の試合は)次はブロック大会です。(ブロック大会に向けて)課題が今回と四大戦で明確にわかったので一つ一つ丁寧に無駄な時間を過ごさないようにジャンプをまた一からやり直したいと思います。

鈴木星佳(総2)

(演技を振り返って)サルコウが抜けてしまって、すごく悔しかったのですが、今自分のできることの8割くらいは出せたかなと思います。(プログラムの曲はどのように選んだか)ずっときれいな曲を滑りたいと思っていて、何個も候補があったのですが、この曲は母が好きなので、勧めてくれました。歌詞は英語ですが、日本の曲なので響くといいなと思って選びました。(プログラムの見どころは)終盤のステップで、曲が流れるようなきれいな曲なのでメリハリをつけて、緩急で魅せたいと思っています。(次の大会は)まだ決まっていなくて、出るとしたら夏です。(改善していきたい点は)ジャンプが少しずつ良くなっていて、今日は決まりませんでしたがサルコウの成功率をあげていきたいです。(プログラムを)作ってすぐだったので表現力をもっと上げて、浜辺の歌の海の感じを出せたらいいなと思います。

小堀瑛美(環1)

(今回のプログラムは以前から使われていたものですか)一年前から使っているものです。(プログラムの見どころは)途中から明るい雰囲気に変わるところがあって、私はあまりテンポの速いものを使ったことがなかったので、元気に踊れるように頑張っています。(演技を振り返って)今日は最初の二つのジャンプはたぶん回転は足りないのですが、降りられたのと、そのあとに曲が止まってしまいましたが、すごく落ち着いて対応できたのが良かったです。(音楽のトラブルはあまり影響がなかったということですか)そうですね。(音楽が止まってしまったのが)スピンの終わったあとで、しかも次がステップだったのでむしろ休憩みたいな感じになって。(笑)息が整えられて良かったと思うようにしています。アクセルは普通に自分の失敗で転びました。(次の大会は)一か月後に県大会があるので回転不足を減らして、スピードを出してジャンプに入っていけるようにしたいなと思っています。

鈴木美桜(法4)

(プログラムの曲はどのように選んだか)最後のシーズンなので使いたいと思っていた「Time to say goodbye」は題名も引退にぴったりかなと思って選びました。(プログラムの見どころは)やはり表現力の面でみなさんに見ていただきたいかなと思います。特に、最後のステップからフィニッシュのところまでがすごくお気に入りの部分なのでこれからもっと磨いて、そこを見せ場として演技できるように頑張りたいです。(演技を振り返って)抜けてしまった部分はもちろん悔しいですが、練習通りの演技ではあると思います。練習でもなかなかトリプル二つを決められていないのでそれがまずは練習でできるようにして、できた状態が練習通りと言えるように頑張りたいです。(次の大会は)8月の頭のサマートロフィーは出ようと思っています。(サマートロフィーに向けて)その試合がショートなのかフリーなのか、両方あるのかまだわからないのですが、ラストシーズンなのでやっぱりジャンプどうこうよりも一つ一つ自分が楽しんで演技できるように自信をつけて頑張っていきたいなと思います。

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