慶應スポーツ新聞会

【バレーボール早慶戦】実力の差を見せつけられ敗戦 男子戦/後半に持ち味を見せるも力負け 女子戦

大観衆のなか盛り上がりを見せた

今年で81回目を数える伝統の早慶バレーボール定期戦。現在の日吉記念館での最後の開催となった今回の試合には多くの観客が詰め寄せ、早慶両校の大応援団によって大いに盛り上がりをみせた。入れ替え戦に勝利して1部リーグ昇格を決めてから初めての対外試合。今年度春季リーグ戦で1部3位という好成績を残した早大に挑んだ慶大だったが、随所で実力の差を見せつけられ、3年連続でストレート負けを喫した。

 

 

6月11日(日)第81回 早慶バレーボール定期戦@慶應義塾大学日吉記念館

 

 

 

得点

慶大

セット

早大

17

25

21

25

22

25

 

 

 

大歓声の中始まった第1セット。久々にスタメンで出場した岩本龍之介(商3)がスパイクを決めるなど、緊張を感じさせない落ち着いたプレーで順調な滑り出しを見せる。しかし5-5の場面から、トスとスパイクの連携やブロックフォローにミスが出て4連続失点。その後もなんとか得点するものの、「ほとんど機能していなかった」(宗雲監督)というように、相手セッターにブロックを散らされ、自分たちがしたいバレーを展開できない慶大は、連続得点を奪うことができない。早大に先に20点に到達され、流れを変える糸口を見つけたい中、尾木将(政4)をピンチサーバーとして投入したが、このサーブはアウト。途中、吉田祝太郎(政1)と富澤太凱(経2)のノータッチサービスエースなどで盛り返すこともあったが、最後は岩本のスパイクがブロックに止められ、18-25でこのセットを落としてしまう。

 

この試合スタメンでの出場となった岩本

第2セット序盤、佐藤康平(環4)の1枚ブロック、樫村大仁(環1)と吉田の2枚ブロックで得点するなど、慶大らしいプレーが出始める。一進一退の攻防が続く中、相手の連続ミスで8-5とリードを奪った慶大だったが、早大の巧みなサーブに崩されてすぐに逆転されてしまう。ここで奮起したのが黒田彪斗(環4)と長澤翔吾(環4)。サーブで狙われていた岩本の負担を減らそうと広めの範囲を守り、セッターにきれいに返球。樫村の高いクイックや富澤の鋭いスパイクなどの起点となった。その後も早大にリードされはしたが、吉田のワンハンドトスを黒田が打ち切るなど、慶大は持ち前の攻撃力で必死に食らいつく。終盤には増田拓人主将(環4)が満を持してピンチサーバーとして登場するも、サーブはアウト。早大のセットポイント、富澤はリスクを冒してでも鋭いジャンプサーブを放ったが、スパイクで器用にブロックアウトを狙われ、第2セットも落としてしまう。

 

エースとしてチームを引っ張る黒田

このままでは終われない第3セット。エースの黒田は、乱された後の難しいトスを打ち切るなど、勝負強さを発揮。第2セット1得点と不調気味だった岩本も、好レシーブや、ブロックアウトを冷静に狙ったスパイクなどで本来の持ち味を取り戻す。しかし、早大の4年、コースを狙った正確なスパイクとサーブの持ち主の喜入祥充主将(スポ4)と、安定感あるクイックが持ち味の山崎貴矢(スポ4)の2人がこのセットからコートに入ると、早大は多彩な攻撃を展開して慶大ブロックを翻弄。さらに、終盤に出場したピンチサーバーの浦部連太朗(総2)のフローターサーブも崩れることなくレシーブされるなど、早大の高い守備力が慶大の前に立ち塞がる。そんな中、21-23の場面で吉田が強力なサーブで相手を崩すも、ネット際で押し込まれて失点。チャンスを活かしきれない。早大のマッチポイントで清水柊吾(総1)が大学入学後初めてコートに立ったが、直後にクイックを決められ試合終了。ストレートでの敗戦となった。

 

選手層の厚さや安定感あるプレーなど、1部リーグ上位チームの強さを痛感した試合だった。「試合が始まってから穴の大きさに気づいた」(増田)というように、得点源を欠き、さらに早大の多彩な攻撃に惑わされて得意とするブロックがなかなか揃わなかったこともあり、慶大はなかなか連続得点を奪えなかった。

だが、慶大のバレーが全く通用しなかったわけではない。特に好調に見えたのは樫村と吉田の1年スタメンの2人だ。吉田のトスと正確に合うようになり、春季リーグの時よりも高さと鋭さを増した樫村のクイックは強力な武器になるだろう。

次の試合は今月下旬の東日本インカレ。互いに勝ち進めば、2回戦で早大と再び対戦することになる。主力選手の離脱とそれに伴うチームスタイルの変更という不安な点もあるが、「一矢報いたい」(増田)、「リベンジしたい」(黒田)と語る選手たちの言葉は力強かった。

 

 

(記事:藤澤薫 写真:染谷優真・津田侑奈)

 

 

 

 

監督・選手インタビュー

 

 

宗雲監督

 

(今日の試合を振り返って)選手にも言いましたが、残念な試合でしたね。

(改めて早大はどういうチームか)やっぱりバレーが上手い子たちが多いので、特に守備が上手い選手もしっかり3枚入っているので、まぁうーん…うちが固かったですね。

(今日の慶大のサーブとブロックについて)ほとんど機能していなかったですね。今言ったように早稲田さんは守備が上手い子が3枚きっちり入っているのと、今日は富澤もほぼ不発で、(吉田)祝太郎もまぁいいところでね、最後もよかったんだけどダイレクトボールを取りこぼしてしまった。うちのいいところは全く出なかったですね。

(今日代わりに入った岩本選手については)難しいコメントですね。そうですね、昨日岩本で行くんだということを学生には伝えていたんですけども、うーん…そうですね、まぁ納得はできない働きでしたね。

(次の東日本インカレに向けて修正していきたい点は)もともと東日本インカレはU-21世界ジュニア選手権でいない選手がいるという想定だったので、春のチームスタイルとはちょっと変わるんですよ。得点源というのがなくなってきてチームスタイルがぶれてきちゃっているので、どういうチームスタイルを貫くか、または貫けるか、そういうことを学生と確認をして話をしたいと思います。

 

 

 

増田拓人主将(環4)

 

(ご自身にとっては最後の早慶戦。ピンチサーバーとしての出場となったが)役に立てなくて、悔しいという一言です。最後の早慶戦に(コートに)立てたということは名誉なことなので自分的にはよかったんですけど、チーム的には悪い結果になってしまったと思います。

(主将から見て、今日のチームの雰囲気は)チームの体制が変わって、その穴を埋めていこうということを1週間やってきてそれができた部分もあったし、逆に試合になってから穴の大きさに気付いたということもありました。結局チームの雰囲気としては、いつもよりも若干落ちたとは思うんですけど、みんなの応援の甲斐もあって、盛り上がることができたと思います。

(早慶戦に向けて練習していたことは今日発揮できたか)早稲田は1部のチームで、僕らも1部に上がったばかりなので、どれだけ強い相手だということはわからなくて対応しきれない部分もありました。しかし、練習で今までやってきたことが少しは相手に通用したのかなと思うので、今までの練習は間違っていなかったと思います。そして、細かいところは修正していきたいです。

(東日本インカレに向けて)東日本インカレでもまた2回戦で早稲田と当たるので、そのときはまた一矢報いたいと思います。

 

 

 

佐藤康平(環4)

 

(今日の試合を振り返って)ちょっともったいない試合でしたね。

(相手のブロックはやはり高さがあったか)1、2セット目はキャプテン(喜入祥充・スポ4)とセンターのレギュラーの選手(山崎貴矢・スポ4)が出てなかったので、そんなに高さはなかった分、やっぱりもったいなかったなと思ったんですけど、3セット目とかはやっぱりキャプテンが入ると締まってきたというか雰囲気が変わってきたので、悔しいですね。

(第3セットは何度か追いつく場面もあったが)早稲田は春リーグでも上位のほうに入っているので自分たちが最終的にそこを追い越して、僕たちの代かはわからないですけど、いつかはそこの上に行かないといけないので、東日本でもう一回チャンスがあるのでしっかり立て直して、今度は叩けるように頑張ります。

(具体的に早大相手に課題は)やはり繋ぎの部分が全然違っていて、特に二段トス(ネットから離れた位置から上がるトス)とかはコートの外からでもしっかり打ちやすいところにあげていたり、自分たちもブロックとサーブが強みなんですけど、そのサーブが今日は早稲田のほうが上回っていたので、その辺りが自分たちと早稲田で違っているなと思ったところです。

(4年生ということで最後の早慶戦となったが)僕は9月入学で入ったので、1年生の時の早慶戦は出ていないので、実際早慶戦は3回目なんです。勝てないで終わってしまったんですけど、今のチームは今年で終わるチームではないと思っているので、なんらかの形で来年関わっていければいいかなと思っています。でも悔しかったですね。

 

 

 

黒田彪斗 (環4)

 

(個人として、今日の試合を振り返って)いつもは出ないようなミスがサーブレシーブで出てしまいました。自分が安定しないとチームも安定しないと思うので、そういう意味でも痛い一点がありました。

(最後の早慶定期戦だったが、この試合に向けて意識していたことは)早慶戦は応援しに来てくださる方がとても多いので、自分も熱いプレーを通して皆さんに感謝の気持ちを伝えたいなと思いながら試合に臨みました。

(1部リーグ昇格決定後初の対外戦だったが、早大の印象は)1部の上位クラスで戦っているチームなので、実力の差を見せつけられたなという感じでした。

(次の東日本インカレに向けて意気込みを) 勝ち進んでいけばまた早稲田と戦うことになるので、そこでまたリベンジしたいと思います。

 

 

 

岩本龍之介(商3)

 

(今日の試合を振り返って)終始相手のペースに持っていかれてしまった、という感じはあります。

(今日のご自身のプレーを振り返って)急遽入ることになって、あまり普段からAチームに入って合わせることがなかったので大丈夫かなとは思いましたが、それなりに動くことはできたのではないかなと思います。

(今日特に意識したプレーは)そうですね、高さがなくなってしまう分自分がレシーブでカバーできたらなと思ってプレーしました。

(東日本インカレに向けての意気込み)また早稲田と戦うことになると思うのですが、特に何かを変えるというよりかは今までのスタイルでもう一回、今のチームで出来たらなと思います。

 

 

 

富澤太凱(経2)

(今日の試合プランは)基本的に自分たちがやってきたことである、サーブアンドブロックを貫こうと思いました。

(ご自身のプレーを振り返って)あまり良くなかったです。

(今日見つけた課題は)相手の20番(宮浦健人・スポ1)は同じ左利きで、オポジットのポジションだったんですけど、自分より何枚も上手で勉強になりました。

(早大が相手で特別な意識はあったか)附属上がりなので、早稲田に対抗意識は芽生えていました。

(応援は力になったか)はい。いつも力になっています。

(記念館での最後の早慶戦だが)慶應義塾高校の時代から何度も使わせていただいた大きな体育館なので、思い切りやろうと思っていました。

(次の東日本インカレに向けて)東日本インカレでも早稲田と当たるので、そこでは自分たちのベストなパフォーマンスが発揮できるように頑張ります。

 

 

 

 

サイド

岩本龍之介 (商3・仙台第二高)

セッター

吉田祝太郎(政1・慶應義塾高)

センター

佐藤康平(環4・桐蔭学園高)

オポジット

富澤太凱(経2・慶應義塾高)

サイド

黒田彪斗(環4・富山第一高)

センター

樫村大仁(環1・茨城高専)

リベロ

長澤翔吾(環4・盛岡第一高)

 

谷口聡(環2・韮山高)

途中出場

尾木将(政4・修道高)

 

増田拓人(環4・習志野高)

 

浦部連太朗(総2・高松第一高)

 

清水柊吾(総1・広島城北高)

 

 

 

 

 

(女子)

 

早稲田から点を決め喜ぶ選手たち

 

 

「1セットも取れなくて悔しい気持ちが強いです」――30年開いていない扉を開けることはできなかった。今年で34回目を迎える女子バレーボール早慶戦。格上相手に少しずつ取り戻した自分たちのプレーで対抗したがストレート負けを喫した。

 

得点

慶大

セット

早大

10

25

16

25

20

25

 

 

攻撃の糸口をなんとか掴もうとする小寺

春季リーグを3部6位で終えた慶大が挑むライバル早大は今季2部2位の成績で1部昇格を果たしている。30年以上勝利を挙げられていない強敵を相手に「気持ちだけは負けないように」(植松彩香主将・商4)とチーム一丸で挑んだ。

 

しかし、その気持ちが空回りしたのか、スパイクがなかなか決められず試合開始からタイムアウトを挟んで7連続得点を許してしまう。小林瑞歩(法4)の速攻で最初の1点を取ったが、早大の強打あり、フェイントありという多彩な攻撃で常に主導権を握られ10-25で第1セットを落とした。

 

しかし、1セット目後半から見えつつあった粘り強さが第2セットで実を結ぶ。相手のサーブをしっかりレシーブし、吉田佳純(環2)とこのセットから入った友成真由美(商1)がスパイクを決めるというパターンで得点を重ねる。相手のミスもあり、序盤は一進一退の攻防となった。しかし後半は高さと力で上回る相手の強打を返しきることができず徐々に差を広げられて16-25でこのセットも落とし、後がなくなった。

 

レシーブで何度もチームを救った山下

第3セットのスタートは平泉優奈(文3)が相手の間を突き3セット目で初めて先制点を奪う。このセットも相手の強打に苦しめられたが、友成のスパイクを中心に早大に追いすがる。中盤に3連続得点を奪うなど20-22というところまで迫ったが最後は押し切られ20-25。0-3のストレート負けで今年も完敗だった。

 

しかし「自分たちの基本のプレーをすれば早稲田にも通用する」と青木監督が振り返ったように、粘り強くつないでスパイクで得点を挙げるという持ち味が格上相手にも発揮できたことは1週間後に迫る東日本インカレに向けて大きな収穫と自信につながっただろう。その後に迎える秋季リーグでもはつらつとしたプレーを見せてくれるに違いない。彼女たちが飛躍するその時はもうすぐだ。

 

    (記事・尾崎崚登、写真・藤澤薫、堀口綾乃)

 

 

青木和繁監督

 

(今日の試合を振り返って)第1セットの出だしは経験が少ない選手が多いので、あの展開は予想していました。3セット目が最後の最後に勝ちきれなかったのが一番しんどかったですね。

(試合前にどんな話をされたか)自分たちで楽しんでやれと言いました。せっかく早稲田と一緒にできる機会なので今日を楽しんでバレーボールをやろうと話しました。

(セットを重ねるごとに点差を詰めた要因は)自分たちの基本のプレーをすれば早稲田にも通用するというのが2セット目3セット目ではわかってきたからだと思います。サーブで攻めてレシーブを上げて、コンビバレーができれば早稲田にも通用します。そこに本人たちもようやくわかってきたので落ち着いてプレーできたと思うんですけど、最初の出だしはもうそれがわからないのであたふたしてやっていました。

(後半は粘り強いバレーが出来ていた)本来うちのバレーボールは拾ってつないで決めていくバレーです。アタック一本で打つ選手がそんなにいるわけでもないので、その基本が3セット目に出来るようになったのでいい勝負が少しできたかなと思います。

(新人ながら友成選手が奮闘した)期待の新人なので、大事に育てていこうと思っています。今日はスタメンで出しませんでしたけど、東日本インカレからはスタメンで行きますので、彼女にしっかりエースとして頑張ってもらいたいと思っています。

(東日本インカレに向けて)東日本インカレはいいブロックに入りました。きちっとやれば初めて3回戦まで行けると思っているので、ぜひその3回戦進出めざしてがんばっていきたいです。

 

 

植松彩香主将(商4)

 

(試合を振り返って)今まで4年間早慶戦をスタメンとして経験してきたんですけど、その中で1番自分たちの形になったと思う反面、だからこそ1セットも取れなくて悔しい気持ちが強いです。

(自分たちの形とは)今までだと、格上の早稲田相手に早稲田のミスで自分たちの点が取れてたんですけど、今日は強いスパイクをレシーブでどうにかあげて、速攻だったりスパイクにつないで自分たちの攻撃で得点できたのがよかったです。

(徐々に調子を上げていったが)ブロックが1セット目と比べて機能するようになっていたかなというのと、後は気持ちの面で1セット目は強い相手で、伝統ある早慶戦で固まっていたところがあったんですけど、2、3セット目はどうやっても向かっていくしかないと気持ちが変わったので、2セット目にいい出だしで行けたかなと思います。

(試合の中で意識していたこと)気持ちだけでは早稲田に負けないこと。試合前にもみんなに言ったんですけど、実力的には1部と3部で差があるのでその相手に向かっていくには気持ちがないと受け身になって点を取られてしまうばっかりだと思うので、そこの部分だけは負けないようにしようと思っていました。

(試合を通して得られたもの)今までは一つ一つのプレーのダメだったところはどこだろうって考えてやっていた子が多かったと思うんですけど、今日の試合はミスはミスで仕方ないから次1点取ろうっていう次に向かう姿勢が見られたのがよかったと思います。

(これからに向けて)秋リーグでは春リーグで勝てなかった格上の相手に勝たなきゃいけないので今日のような気持ちで臨んで、後はプレーの部分をより詰めて2部昇格を目指したいと思います。

 

 

サイド

平泉優奈(文3・県立緑ヶ丘高)

センター

小林瑞歩(法4・慶應女子高)

セッター

植松彩香(商4・高松商業高)

サイド

小寺彩貴(商2・慶應女子高)

センター

新井麻莉子(経4・慶應女子高)

オポジット

吉田佳純(環2・八女学院高)

リベロ

山下佳恵(商4・新居浜西高)

途中出場

及川緑(法4・慶應女子高)

 

合田有里(総4・郁文館高)

 

菊池葵(法3・浦和明の星女子高)

 

友成真由美(商1・県立城南高)

 

 

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