今年も、勝利の『若き血』を響かすことはできなかった。68回目を迎えた早慶サッカー定期戦。5年連続で定期戦に敗れている慶大は、今年こそと意気込んでこの一戦に臨んだ。しかし、7分にCKから早大に先制を許してしまう。直後の9分に渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)のゴールで同点に追いついたが、17分、36分とゴールを決められ、前半のうちに3失点。後半に入ってもCKから2失点を喫し、1-5で敗戦。屈辱的敗戦で、定期戦6連敗となった。
第68回早慶サッカー定期戦
2017/07/15(土)18:30KO@等々力陸上競技場
慶應義塾大学1-5早稲田大学
【得点者(アシスト者)】
〔慶〕9分 渡辺夏彦
〔早〕7分 飯泉涼矢(相馬勇紀)、17分 石川大貴(安田壱成)、36分 飯泉涼矢(鈴木裕也)、71分 鈴木裕也(相馬勇紀)、89分 井上純平(相馬勇紀)
◇慶大出場選手
GK上田朝都(総2・横浜F・マリノスユース) |
DF手塚朋克(環4・静岡学園高) |
DF沼崎和弥(商2・暁星高) |
DF八田和己(総2・桐蔭学園高) |
DF北城俊幸(総2・青森山田高) |
MF増田皓夫(商3・桐蔭学園高)→46分 片岡立綺(総4・桐蔭学園高) |
MF落合祥也(商2・横浜FCユース)→58分 岩崎湧治(商3・ベガルタ仙台ユース) |
MF小谷春日(環3・藤枝東高) |
MF渡辺夏彦(総4・国学院久我山高) |
MF近藤貫太(総4・愛媛FC)→66分 渡辺恭平(商4・新潟高) |
FW田中健太(法4・横浜F・マリノスユース)→ 73分 松岡瑠夢(総1・FC東京U-18) |
互いの威信だけを懸けて戦う年に一度の大勝負、早慶サッカー定期戦。今年で68回目となる“伝統の一戦”には、13880人もの観客が集まった。定期戦5連敗中の慶大だが、今年こそ覇権奪回を目指してこの試合に臨む。須田芳正監督は、中盤の底に増田皓夫(商3・桐蔭学園高)と落合祥也(商2・横浜FCユース)の2人を起用。片岡立綺(総4・桐蔭学園高)副将を先発から外す大胆な采配を見せた。
先手を取ったのは早大だった。7分、CKを頭で合わせられて失点。慶大は早くも1点を追いかける展開となった。だがその直後、この一戦に並々ならぬ覚悟を抱く男が魅せる。9分、ボールを持った渡辺夏彦(総4・国学院久我山高)がドリブルで独走。切り返しから右足で強烈なシュートを放つと、これが決まって慶大が同点に追いつく。過去5年の定期戦で全て無得点に抑えられていた慶大にとって、実に6年ぶりとなる定期戦でのゴールとなった。これで「今年の可能性をすごく感じた」(手塚主将)と慶大は逆転を目指したが、勢いは続かない。17分、左サイドを崩され、最後は角度のないところから決められて再びリードを許すと、さらに35分には不用意なボールロストから3点目を献上。2点ビハインドで前半を終える。
ハーフタイムには、AIさんによるショーが行われた。両校の学生とともに一体感あるパフォーマンスを披露。会場のボルテージが一段と上昇したところで、後半に突入する。
後半開始から、慶大は精彩を欠いていた増田を下げて片岡を投入。勝利には最低でも3得点が必要な中、残りの45分に全てを懸ける。63分、渡辺夏がスルーパスを送ると、前線の小谷が反応。しかしわずかに届かず、得点とはならない。その5分後にも渡辺夏から小谷へとパスが出たがこれもあとわずか。点差を詰められずにいると、73分、早大のCKが直接ゴールに吸い込まれて決定的な4失点目を喫する。意地を見せたい慶大は、75分、76分と途中出場の渡辺恭平(商4・新潟高)がチャンスを作るがこれもゴールにつなげられない。前がかりになる慶大に対して、早大は両サイドから何度も決定機を作り出す。89分、慶大はまたしてもCKからゴールを許し、万事休す。慶大としては定期戦史上ワーストタイとなる5失点(大会ワーストは早大の6失点)を喫し、屈辱の定期戦6連敗となった。
アミノバイタルカップ1回戦・神大戦(0●3)に続き、2戦連続で関東リーグ2部のチームに完敗。これが、今の慶大に突き付けられた現実だ。「自分たちの力がなかった」(手塚主将)。そのことを、チーム全員が痛感したであろう。勝利から遠ざかる慶大は、2カ月間勝ちがないまま夏季の中断期間に突入する。小谷が「自分たちは本当に夏に頑張って後期追い上げるしかない」と語ったように、この夏が慶大の運命を左右する大事な時間になるといっても過言ではない。この大敗を良薬とすることができるか。試練の夏が、始まる。
(記事 小林将平)
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