【野球】王者の貫禄!零封&二桁得点で大勝 東大①

4月14日(土)東京六大学春季リーグ戦 東大1回戦

開幕投手の大役を務めあげた髙橋亮

 

ついに開幕した東京六大学野球2018年春季リーグ。ディフェンディングチャンピオンである慶大は東大とのマッチアップだった。初回から期待の大砲・嶋田翔(環2・樹徳)の適時打で先制すると、着実に得点を重ねる。投げては先発の髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)が8回無四球被安打1の好投を見せた。8回裏にはルーキー福井章吾(環1・大阪桐蔭)ら代打陣の活躍でダメ押しするなど大量15得点で完封勝利。盤石の試合運びで開幕戦は白星スタートとなった。

 

東大

×

15

東大バッテリー宮本、小林、有坂、川口、野村―三鍋、福井

慶大バッテリー髙橋亮、長谷部―郡司、植田将

 

慶大本塁打:内田1号ソロ(5回)

 

◆慶大出場選手

 

ポジション

選手名(学部学年・出身高校)

[7]

河合大樹(総4・関西学院)

 

H7

杉本京平(理3・中央中等教育)

[4]

田中凌馬(商3・長崎東)

 

H4

小原和樹(環3・盛岡三)

 

R4

大平亮(環4・鎌倉学園)

[8]

柳町達(商3・慶應)

 

R8

橋本典之(環1・出雲)

[2]

郡司裕也(環3・仙台育英)

 

植田将太(商3・慶應)

[3]

嶋田翔(環2・樹徳)

[5]

内田蓮(総4・三重)

[9]

中村健人(環3・中京大中京)

 

福井章吾(環1・大阪桐蔭)

 

R9

大西駿斗(商3・郡山)

[6]

瀬戸西純(政2・慶應)

[1]

髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)

 

正木智也(政1・慶應)

 

長谷部銀次(総2・中京大中京)

 

初スタメンで2安打4打点の嶋田

いに帰ってきた神宮の杜。ときおり強く吹く春の風は慶大を後押しするだろうか。開幕のマウンドに上がったのは髙橋亮。初回からボールを低めに集めて3者連続三振のスタートを切ってみせた。すると直後に援護がもたらされる。トップバッターの河合大樹(総4・関西学院)が内野安打で出塁すると、2四球で塁を埋める。迎えた5番の嶋田が東大先発・宮本のストレートを捉えてレフトへ運び、2点を先制した。

しかし、その裏髙橋亮が1死後に三塁打を許して、ピンチを招く。だが、続く打者にゴロを打たせ、三塁走者をアウトにして得点を防ぐと、続く打席で相手ランナーが飛び出すミス。ランナーをアウトにして、無失点で凌いだ。

先制した慶大は勢いに乗り、2回に2番セカンドで初出場・初スタメンの田中凌馬(商3・長崎東)が右中間を破る適時三塁打を放てば、4回には先発の髙橋亮が自らライト前に適時打を放った。そして5回には1死後に内田蓮(総4・三重)が右翼席にソロ本塁打。「リラックスしていつも通り打った」というリーグ戦初アーチで差を広げていく。

初出場初スタメンの田中凌

一方先発の髙橋亮は「調子は良くなかった」と振り返ったがストライク先行の投球で、安打を許したのは2回のみ。ライトの中村健人(環3・中京大中京)が3回に後ろの打球をダイビングキャッチ、4回には前の打球にスライディングキャッチと好守を立て続けに見せて盛りたてた。髙橋亮は結局8イニングを四死球なしで被安打はわずかに1と東大打線を封じ込めた。

7回に1点を追加して迎えた8回は打線が爆発した。2死1塁2塁から嶋田が今日4打点となる適時打を放つと、代打のルーキー福井がライトに運ぶ初ヒット・初タイムリー、同じく代打のルーキー正木智也(政1・慶應)の押し出し四球で10点に到達する。攻撃はまだまだ続き杉本京平(理3・中央中等教育)、初出場の大平亮(環4・鎌倉学園)、ルーキー橋本典之(環1・出雲)の適時打などこの回だけで9得点を挙げた。

9回のマウンドにはリーグ戦初登板の長谷部銀次(総2・中京大中京)。四球を許すも力強い速球を武器に、ホームは踏ませずにゲームを終わらせた。

 

相手のミスが目立った試合だったとはいえ、15得点無失点で開幕戦を勝利できたのは大きなことだったのではないだろうか。特に迫力不足とも言われる打線が、6本の長打を含む14安打を放ったことは、打の慶應を今一度他大学にアピールすることとなった。

しかし、選手たちは今日の内容に満足はしていない。バントミスなど細かい部分で詰めきれていないという。今日はミスに付け込んだ慶大だったが、明日は我が身。勝利に浮かれずにしっかり引き締めている。その理由は目指す場所が成し遂げられなかった日本一だからだろう。

2度の好守を見せた中村

真の頂に立つためにはまだまだ足りないと2ヶ月のシーズン中も更に成長していくだろう。最高の歓喜を迎えるその時まで、陸の王者は一歩ずつ確かに歩みを進めている。

(記事・写真:尾崎崚登)

 

♦Topics 期待の新星次々デビュー

今日の東大戦では福井、正木、橋本典3人のルーキーがデビューを飾った。福井と橋本典はライトへのタイムリー、正木は押し出しの四球と3人ともが打点を挙げる幸先のいいスタートとなった。いずれ慶大を背負うことになるであろう彼らに期待せずにはいられない。

彼らの今後に期待だ

◆打撃成績

 

 

[7]

河合

三安

左飛

 

二安

 

四球

 

遊邪飛

 

H7

杉本

 

 

 

 

 

 

 

 

右2②

[4]

田中凌

捕飛

右中3①

 

遊飛

 

 

 

 

 

H4

小原

 

 

 

 

 

捕邪飛

 

四球

 

R4

大平

 

 

 

 

 

 

 

 

三安①

[8]

柳町

四球

一ゴロ

 

左飛

 

三邪飛

 

中安

 

R8

橋本典

 

 

 

 

 

 

 

 

右安①

[2]

郡司

四球

 

中飛

中飛

 

左飛

 

投ゴロ

四球

植田将

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[3]

嶋田

左安②

 

四球

 

三ゴロ

 

右飛

左中2②

四球

[5]

内田

右飛

 

右飛

 

右本①

 

四球

四球

中飛

[9]

中村

一邪飛

 

右邪飛

 

四球

 

中2

 

 

福井

 

 

 

 

 

 

 

右安①

 

R9

大西駿

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[6]

瀬戸西

 

空三振

 

右中3

右飛

 

右飛

死球

 

[1]

髙橋亮

 

四球

 

右安①

一邪飛

 

一飛

 

 

正木

 

 

 

 

 

 

 

四球①

 

長谷部

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆投手成績

 

投球回数

打者数

球数

安打

三振

四死球

失点

自責

◯髙橋亮

24

89

11

長谷部

19

 

◆監督・選手コメント

大久保秀昭監督

――今日の試合を振り返って

先取点を取ったところは良かったです。しかし、相手がいい投手とはいえ途中に打ちあぐねたところもありました。もうちょっと工夫して欲しかったなとは思いました。

 

――7回までで6点、8回には9点をとりましたがまだまだということですか

つながりの部分で相手に助けられた部分の方が大きいかなと思います。まだまだこれからです。

 

――内田副将は本塁打を放ちました

一生懸命やっている選手なので、これからどんどん活躍してもらわないと困りますね。

 

――髙橋亮投手は8回被安打1無失点の投球でした

ナイスピッチングです。今日の試合は髙橋と初ヒットを打った選手何名かは良かったと言っていいと思います。

 

――明日に向けて

そうですね、とりあえず晴れたらいいなと思います(笑)

 

河合大樹主将(総4・関西学院)

――今日の試合を振り返って

去年は、東大には負けてて、初戦の入りが大事だというのはミーティングで言われていたので今日の大勝というのは良かったと思います。

 

――髙橋亮選手が8回無失点と好投をしました

本当に頼もしいなと思います。あれだけ投げてくれたら打線の方もリズム乗って攻撃出来るので、そういう意味ではいいピッチングをしてくれました。

 

――ご自身も2安打でしたが、調子はどうでしたか

ヒットといっても内野安打で状態が良いというわけでもないんですけど、なんとしてでも塁に出るという面では出来たと思います。

 

――チームの状態は

まだまだ、精度をあげて勝てるとミーティングで言われたので、バントが決まらなかったり、最後四球出してしまったりというところがあるので、そういうところはもっと詰めていきたいと思います。

 

――明日に向けて一言お願いします

今日とまた違った試合になると思うので、しっかり勝ち切れるように、攻めの姿勢で臨みたいと思います。

 

髙橋亮吾(総3・慶應湘南藤沢)

――今のお気持ちは

開幕戦の先発を任されてそれなりの仕事ができたので、良かったかなと思います。

 

――今日は8回で11奪三振、被安打1、無四死球という結果でしたが、良かった点は

調子はずっと良くなかったのですが、無四死球ということで、自分から崩れなかった点が良かったと思います。カットボールでストライクを確実に獲れたことがそれにつながったと思っています。郡司の配球や中村の守備に助けられました。

 

――初の開幕投手を務められましたが

前日に監督から伝えられたのですが、緊張はしませんでした。いつも通りの準備ができました。

 

――打撃について振り返っていかがですか

本当はもっと良い初安打を打ちたかったのですが、難しいですね。これからは四球を狙っていこうかなと思っています(笑)

 

――今後に向けて

昨季は優勝しましたが、個人的にはあまりそこに貢献できていなかったなという思いがあります。今季はシーズンを通してけがなく投げきりたいですし、連覇に貢献できるように頑張ります。

 

嶋田 翔(環2・樹徳)

――今日の試合を振り返って

初打席で初ヒットを打つことができて、打点入れられたので、チームの勢いに乗ることができたかなと思います。

 

――初スタメンでしたが、どのような意気込みで試合に臨みましたか

新チームが始まってからレギュラーで出ることが多く、去年岩見さん(雅紀=H30総卒・現東北楽天)や清水翔太さん(H30総卒)がかせいでいた打点を自分がかせごう、という意気込みで臨みました。

 

――リーグ戦初ヒットの感覚は

昨年から出ていたのですがなかなかヒットが出ず、その機会もなかったので今回スタメンというチャンスで初打席で打つことができてよかったと思います。

 

――緊張はしましたか

最初のほうは緊張していたのですが、試合始まる前にはそれほど緊張しなかったです。

 

――今日の勝因はどこにあるとお考えですか

やはり常に攻め続けられたということが今日の勝利につながったと思います。

 

――明日に向けて

明日も接戦になると思うのでしっかり攻め続けるということを大切にして試合をしていきたいと思います。

 

福井章吾(環1・大阪桐蔭)

――どういう心境で今日の打席に入りましたか

先輩たちが繋いでくださってチャンスをいただけたので、思い切って行こうという気持ちで打席に立ちました。カウントもいい感じに整ってくれたので、とにかく振り抜いて、ヒットになるかならないか関係なく、自分のスイングをしようと思いました。

 

――打ったボールは

インコース低めのストレートを振り切って、打てたなという感じです。

 

――初めての六大学の神宮はいかがですか

いろんな舞台を経験してきましたが、また独特な雰囲気で、慶應義塾の応援も凄く良かったです。凄くいい雰囲気で野球やれて楽しかったです。

 

――大学野球の印象はいかがですか

木のバットに変わったりして、いろいろ変わることが多いですが、自分のやってきたことを貫いて、慶應大学の福井として野球をするのが一番大事なので、大学生らしいというか大人の野球をやっていきたいです。

 

――理想の選手像は

僕は大阪桐蔭の先輩の森選手(友哉=現埼玉西武)が大好きです。打ち方も真似していますし、体が小さくてもボールを遠く飛ばせるスタイルを追求していきたいです。

 

――ご自身のアピールポイントは

一番のアピールポイントは高校で日本一になった経験だと思うので、そこを活かして、何かチームの勝てるための要素を自分が作り出して、チームの日本一に貢献したいです。

 

――今後の目標は

一番大事なのがチームが勝つことなので、もちろん自分がヒットを打ったり、いいプレーをするのは大切ですが、勝つための努力をしっかりやって、まずはリーグ優勝して、日本一になれるように頑張っていきたいです。

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