【バレーボール】ストレートで難敵下し4連勝! vs駒大

バレー戦評

快進撃を続ける慶大

ここまで3連勝と勢いに乗る慶大は、伊藤祥樹主将(総4・清風)も「相性が悪い」と話す難敵・駒大を相手に第8戦を迎えた。主将を中心に十分に対策をして臨んだチームは、その戦略が功を奏し、ブロックで相手攻撃を封じることに成功。さらに、ライトは富澤太凱(経3・慶應)、レフトはマルキナシム(総3・川越東)と慶大のポイントゲッターらも躍動。終始安定した試合運びで、今リーグ初となるストレートでの勝利を収めた。

 

4月29日(祝)春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦第8戦 慶大×駒大

@キッコーマンアリーナ

 

得点

慶大

セット

駒大

25

22

25

21

25

21

 

バックアタックを打つマルキ

第1セット。序盤の流れを掴みたいチームだが、攻撃陣のスパイクが相手のブロックに阻まれ、なかなか得点を生み出せない。ネット際でのミスも続き、6-9と3点のリードを奪われる。しかし慶大のタイムアウト明けから自陣ブロックが機能し始めると、4連続得点で一気に形成逆転。随所に今リーグ反省の多いサービスミスも見られたが、富澤のスパイクなどでリードを守り切り、25-22で第1セットを勝ち取った。

 

サーブを打つ清水

続く第2セットでは樫村大仁(環2・茨城高専)のクイックなどで得点を重ねるも、駒大の「速い」攻撃も光り、中盤まで両校一歩も引かない白熱した点取り合戦を続ける。試合が動いたのは終盤。富澤がスパイクで2連続得点を挙げるとここで慶大が一歩リード。マルキの強烈なスパイクも決まり、最後はこの日好調だったブロックで相手の攻撃をピシャリと抑え、25-21でこの白熱したセットも取り切った。

 

 

サーブレシーブを担う小出

勝利まであと1セットとなった第3セット。「ラリーを取りきれたというのは大きい」と永田将吾(総1・高松)が振り返るように、序盤から粘り強いラリー戦を制し順調に試合を進める。中盤からはマルキのスパイクが炸裂。チームに連続得点をもたらし、慶大は7点の大量リードを手にする。途中、追い上げる駒大の攻撃に守備を崩され3点差まで迫られるも、富澤のスパイクで勝利に王手をかける。最後は相手のタッチネットで試合終了。圧巻のストレート勝利を収め、連勝記録を更新した。 

 

試合前の伊藤主将と選手たち

今回の勝因について監督含め選手らに尋ねると、誰もが伊藤主将の名を挙げた。特徴ある駒大の攻撃を分析し、ブロックで対応。戦略がはまり、見事苦手意識のある相手を攻略した。この試合が「祥樹さんの作戦勝ち」(永田将吾)であることには間違いない。しかしそれだけでもない。サーブレシーブや長いラリー戦をとっても徐々にチームとしての仕上がりを見せている。そんなチームで掴んだこの一勝はこの4連勝の中でも「意味のある一勝」(宗雲監督)だったのではないだろうか。リーグも残り3戦。さらなるチームスタイルの追求を重ね、この連勝記録を更新し続けてほしい。予期せぬ4連敗からの4連勝、慶大バレー部の快進撃は止まらない。

 

(記事:堀口綾乃 写真:藤澤薫)

 

 

以下、コメント

 

 

宗雲監督

 

――今日の試合を振り返って

まあ勝って良かったですね。今日は意味のある一勝なので、まずは勝てて良かったです。

 

――今日の勝因は

サーブは戦略的に伊藤主将が色々と指示をして、それとブロックの戦略が上手くハマって相手のスパイクの効果を薄めたので、そこじゃないかなと思います。

 

――駒大対策が上手く機能したということ

そうですね。主将の伊藤が、アナリストたちと色々作戦を考えて、選手たちも伊藤さんの話を聞こう聞こうとなっていたのでそれが良かったと思います。

 

――今日はブロックの調子が良かったが

体のサイズがうちの方が少し大きくて、駒大さんの方に飛び抜けて大きい選手がいなかったのでたまたまだと思いますけどね。その高さのアンバランスがうちの方に有利に働いたんだと思います。

 

――他方でサーブミスが多かった点について

今日は思いきって打っていたんですけど、ドライブがかかっていなかったり、抜けた感じが多かったですね。だからちょっともったいなかったですね。もうちょっと上手く打てるので、これから2週間練習させます。

 

――先週はクイックを各セット1〜2本増やしたいとおっしゃっていたが

今日樫村が最初ブロックつかれて、その後祝太郎(吉田祝太郎=政2・慶應)が上手くノーマークにして、樫村も気持ちよく打っていたので良かったんじゃないですかね。樫村の対角の片波見(片波見和輝=文3・成田)や清水(清水柊吾=総2・広島城北)が、特に清水は今けがをしていて本来のパフォーマンスをできていないので(本数は)増えなかったですけど、まあ彼もちょっと休めばすぐ戻ってくると思うので。

 

――次戦まで2週間と時間がありますが

いつも通りアナリスト達のビデオとデータを見ながら作戦を立てていくんですけど、うちはうちのスタイルを追求していく。サーブをしっかり打って、ブロックとレシーブと。そこでサーブが弱くなり基本の「き」が崩れてしまうとダメなので、まずはうちのバレーをする。あとは対戦相手の特徴によってブロックのシステムを柔軟に対応できればなと思います。

 

 

伊藤祥樹主将(総4・清風)

 

――今日の試合を振り返って

みんなが作戦立てた通りに動いてくれたことが一番大きかったと思います。

 

――具体的にはどのような作戦を

相手を分析して、誰がキーマンなのかというのを見て、その選手がどういうスパイクが得意なのか、どういう選手なのかっていうのを見て、それを伝えました。あとは自分のチームのスタイルと相手チームのスタイルの相性が良くないと思ったので、そこら辺のシステムもこれまでやってきたものと少し変えてやりました。

 

――手応えの方は

ちょっと違ったというか。最後まで相手セッターの意図が読めなくて。分析している段階からセッターが何を考えているかわからなかったんですけど、最後までよくわからなかったのでそこは外したところですかね。

 

――今日のサーブレシーブは

良かったと思うんですけど、3セット目マルキがジャンプサーブで狙われはじめたので、マルキの方に寄せろと言って外させました。そしたら相手のサーブも弱くなって、マルキのキャッチとかも割と安定してきたのでそれは良かったと思います。

 

――クイックは

樫村が2枚ついてもきっちりと打ち分けられていたし、吉田の組み立てもよかったのでクイックが生きていたかなと思います。

 

――次戦まで2週間と時間がありますが

この緊張を緩めずに、細かいプレーはまだまだ雑なところがあるのでそこを修正していくのと、良い流れを練習から絶やさずにいきたいと思います。

 

 

富澤太凱(経3・慶應)

 

――今日の試合の振り返り

春リーグずっとやってきて、ここ一つの節目のところで、今まで1回も勝てていなかった駒澤を相手に勝利できたことはすごく大きな意味を持っていると思います。

 

――ストレート勝利だったが

駒澤に関しては特殊な相手だったので、伊藤主将を中心に全員でミーティングを重ねて、ブロックのシステムが上手くはまったので今日は勝てたと思います。

 

――今日のサーブについて

勝負所で全然入らないので、ここからまた練習したいと思います。

 

――次戦まで2週間空くが

さらに自分たちのスタイルを突き詰めて、1週空いた後でも再び勝てていけるように、準備していきたいと思います。

 

――残り3戦に向けて

全部勝って、上位に食い込みます。

 

 

マルキナシム(総3・川越東)

 

――今日の試合を振り返って

駒大には(入学してから)勝ったことがなかったんですけど、今日ストレートで勝てて嬉しかったです。

 

――苦手と話していた駒大に勝てた要因は

今回は伊藤キャプテンが戦術を話してくれて、今日も戦術バレーというところがあって、それがすごくはまって、サイドアウトでは自分たちのやってきたことをやれたのでよかったです。

 

――今日のサーブレシーブを振り返って

僕はジャンプサーブを入れているのですが、もうちょっとまとめられたかなと思うので、しっかりまとめて楽に勝てるようにしていきたいと思います。

 

――スパイクの調子が良かった印象だが

尻上がりによかったので、次は最初から良くなるように準備したいです。

 

――次戦まで2週間と時間がありますが

まずは休むときは休む、練習するときは練習するということを徹底して、体調管理をしっかりしていきたいと思います。

 

――次戦に向けて意気込みを

ここまで4連敗4連勝と来ているので、5連勝、6連勝とできるように頑張りたいと思います。応援してくれる方もいるのでその人達のためにも精一杯頑張りたいと思います。

 

 

清水柊吾(総2・広島城北)

 

――今日の試合を振り返って

今日の試合は、割と序盤から連続失点もなくて、チームの雰囲気も落ちることなく最後まで行けたのでそこは良かったんじゃないかなって思います。

 

――ガタガタしてしまった場面もあったが

向こうのサーブが強かったり、こっちのサイドアウトが切れなくて、1本目が悪くて連続失点というケースが多かったので、それじゃないかなと思います。

 

――ブロックが好調だったが

そうですね、これはもう(伊藤)祥樹さんの作戦通りはまったので、良かったです。1週間ずっとやっていたものが本当にはまって。あとはサーブで結構崩していたので、ブロックしやすかったです。

 

――今日で4連勝だが好調の要因は

4連敗したときに比べて連続失点が減った、サイドアウト率が高くなったっていうのと、レシーブが上がったあとにチャンスで返すんじゃなくて、ちゃんとスパイクを打って返せるようになったので、そこじゃないかなと思います。あとはやっぱり作戦をしっかり練って、ミーティングもして、それを1週間ずっとやってきたので、そこじゃないかなと思います。

 

――2週間空くが

ジャンプ陣のサーブミスだったり、ブロックでのネットタッチだったり釣られたりであったり、チャンスボールが取れなかったりっていう小さなミスがあるので、細かいところを徹底して、2週間練習していきたいと思います。

 

――残り3戦に向けて

せっかく良い流れできているので、このまま残り3つも勝って終わりたいと思います。

 

 

永田将吾(総1・高松)

 

――今日の試合を振り返って

4連勝できたのでよかったと思います。

 

――サーブレシーブを振り返って

緩いボールで自分はミスってしまったのでみんなに助けられたなと思います。

 

――ラリーが長く続いた印象だが

駒大の攻撃が速いということは事前にわかっていたので、祥樹さんを中心にその対策をしてきて、特にラリーを取りきれたというのは大きいと思います。

 

――では今日の勝因は

もう祥樹さんの作戦勝ちだと思います。

 

――今日のブロックとレシーブの関係は

先週1週間は速い攻撃に対する対策やブロック姿勢も駒大用に変えてきていたので、それははまっていたと思います。

 

――4連勝となったが

最初4連敗でスタートしてすごく不安だったんですけど、4連勝できたので、この調子でやっていきたいと思います。

 

――次戦まで2週間と時間があるが

チームとしては今までどおり相手の分析をして、個人としては今日レシーブが安定しなかったのでそこを2週間で詰めて、守備でチームに貢献できるようになりたいです。

 

――次戦に向けて意気込みを

次も絶対に取りたい試合で、格上という相手でもないのでしっかり対策して来週も2連勝したいです。

 

セッター

吉田祝太郎(政2・慶應)

サイド

小出捺暉(環1・駿台学園)

センター

片波見和輝(文3・成田)

オポジット

富澤太凱(経3・慶應)

サイド

マルキナシム(総3・川越東)

センター

樫村大仁(環2・茨城高専)

リベロ

永田将吾(総1・高松)

途中出場

清水柊吾(総2・広島城北)

 

勝呂亘(政1・慶應)

 

順位表(4月29日終了時点)

 

大学

勝利数

セット率

1位

早大

24.0000

2位

筑波大

3.0000

3位

日体大

1.7500

4位

中大

1.8182

5位

順大

1.2143

6位

東海大

1.0714

7位

慶大

0.8235

8位

明大

0.8824

9位

国士館大

0.4762

10位

駒大

0.3810

11位

日大

0.4091

12位

学芸大

0.2917

 

◇順位の決め方◇

勝利数が同じ場合、セット率(得セット数/失セット数)の高い方が上位となる。

セット率も同じ場合、得点率(総得点/総失点)の高い方が上位となる。

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