【野球】Wサイド右腕を撃破せよ! 東日本国際大戦展望

苫駒大を相手に難なくコールド勝ちした慶大。続く準々決勝ではベスト4をかけて南東北大学野球連盟代表の東日本国際大と対戦する。リーグ戦を10戦10勝で勝ち上がった勢いそのままに10年ぶりのベスト8進出を果たした東日本国際大。慶大との対戦でチーム最高成績に並ぶベスト4入りをもくろむ。そのチームを支える二人のサイド右腕に注目しながら、戦力分析を行っていきたい。

リーグ戦10試合を通じて喫した失点は5のみと投手力が自慢の東日本国際大学。初戦の神奈川大学戦、2回戦の京都学園大学戦を戦って未だ無失点とその看板に違わない結果を残している。その中で初戦に先発したのが船迫大雅(4年・聖光学院)だ。アンダースローに近い角度から130㌔台の速球、ツーシーム、スライダーを中心に投げ込む。神大戦では6回途中まで被安打5と粘り、勝利投手となった。その船迫の後を受けて中継ぎで登板したのが粟津凱士(4年・山本学園)。船迫よりは高い位置から横手で投げ込む右腕だ。140㌔近いストレートに、110㌔後半のスライダー、シンカーを混ぜて打者を打ち取る。2回戦では連投ながら9回を投げ切り無失点で抑えてみせた。

3番柳町。全日本ではその才能を見せつけられるか

非常に打ち崩すのが難しいクセのある難敵だが、苫駒大戦同様に過密日程が味方になりそうだ。先発が予想される船迫は中1日での登板となるが、10試合勝率制のリーグであるためか登板試合は全て初戦の5先発のみで、短い間隔での登板は経験していない。粟津も同様に第2戦の5先発のみ。特に粟津は3連投、それも前日118球完投の後となるため、パフォーマンスは格段に落ちるだろう。ここまで2試合で2四球しか許していないが、疲れの部分が隙になってくる。また、右横手投げ投手の天敵である左打者はやはり2人を捉えており、2試合で喫した被安打15のうち13が左打者相手のもの。しかも、2試合とも2人から複数安打を浴びており、クセさえつかめれば打ち崩すのは難しくないとも考えられる。慶大は河合大樹(総4・関西学院)、柳町達(商3・慶應)と上位の左打者が好調であり、この2人を中心にWサイド右腕を打ち崩していき

菊地の快刀乱麻の投球を期待したい

たい。

両投手ともリーグ戦で完封を喫した明大伊勢のようなタイプだが、完封を許した次戦に慶大打線は打ち崩してみせた。Wサイド右腕相手にも失投を捉えて、早めに主導権を握ることが勝利への近道になる。

 

東日本国際大学は打線にやや苦しんでいる。リーグ戦では4番齋田海斗(2年・仙台育英)が3本塁打を放つなど、強力打線も投手陣を後押ししたが、全日本では2試合で3得点。2試合とも2四球・7安打をもらってはいるが、なかなか得点には結びついていない。この打線で気を付けたいのは上位の3人だ。1番青木龍成(4年・日大山形)は2安打、2番西川洸(2年・聖望学園)は1安打、3番片岡奨人(3年・札幌日大)が2安打をそれぞれ2試合ともに放っている。特に1番青木は2試合連続二塁打を放っており、チームを勢いづけるリードオフマンだ。慶大の先発は菊地恭志郎(政4・慶應志木)が予想されるが、特に立ち上がりの上位打線相手に痛打を浴びて先制されないことをまず気を付けたい。

 

圧倒的投手力を誇る東洋大が打ち込まれてコールド負けを喫すれば、初出場の宮崎産業経営大が2勝を挙げてベスト8に進出するなど、波乱が起きている今大会。陸の王者はその流れに飲み込まれず、堂々と頂点への道を突き進んでほしい。

 

(記事・尾崎崚登)

 

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