【バスケ(男子)】早慶戦企画第5弾! 元・日立サンロッカーズ、酒井泰滋さんインタビュー

第76回早慶バスケットボール定期戦まで残り3日となった。今日から2回にわたって、慶大バスケ部OBの方のインタビューをお届けする。まずは、慶大バスケ部の黄金時代を築いたメンバーの1人、酒井泰滋さん(2007年卒)のインタビュー。慶大卒業後は日立サンロッカーズで仕事の傍選手を続け、最後の3年間は主将としてチームを引っ張った。2年前に選手を引退する際には大々的に引退セレモニーが開催されたことからも、酒井さんのプレーへの信頼と人望の厚さがうかがえる。慶大在学時には主将を、その後は日本代表も経験し、華々しいバスケットボール人生を歩んできた。早慶戦を控えた現役部員たちとの親善試合を終えた酒井さんに、慶大バスケ部、そして自身のことを語って頂いた。

 

――引退してから2年、久しぶりのバスケはいかがでしたか?

見苦しい姿を見せてしまいました。きつかったですね(笑)。ハードなスポーツで、やっぱり日頃の練習が大切なのだと改めて感じました。

 

――現役生と戦ってみていかがでしたか?

今の(現役部員の)メンバー構成はあまり大きな選手がいないので、機動力で勝負をしていかないと厳しい局面が多いだろうな、というのが試合前の印象でした。実際に試合をやっているときは、自分たちが良い相手になってあげられることができなかったのではっきりとは言えないですが、もっとハードに動かないと上を目指すためにはまだ足りていないと感じましたね。もっと頑張れると思います。

 

――そのような部分が今後の課題になってくるでしょうか?

ディフェンス1つにしても、もっと激しくついた方が相手は嫌がりますし。激しくつかないと大きな選手にパスを通されたときにアッパーでは足りていないので、点数を簡単に取られてしまうと思います。オフェンスについては、結構止まっている時間が多いと思ったので、もう少し全体で連動して動いた方が相手は守りづらくなってくると思いました。

 

――酒井さんご自身の話に移らせていただきます。大学生だった時の早慶戦で思い出に残っていることはありますか?

早慶戦は毎年何かしらのドラマがあったので・・・。僕が4年生の頃は負けてしまったので、あまり記憶に残っていないんですけど、3年生のときは早稲田の方が有利と言われている中で、勝つことができたので記憶に残っています。当時のキャプテンが試合終盤にコートに入って、3ポイントシュートを決めたことは特に鮮明に覚えています。卒業した後も1つ下の代の早慶戦を観に行ったのですが、同じように早稲田の方が強いと言われている状況の中で勝っていて、後輩たちの頑張りを見られてとても嬉しかったです。

 

――当時のチームは、どんな雰囲気・プレースタイルでしたか?

僕が4年生の時は、(竹内)公輔という絶対的な存在がいたので。自分もちょっとした代表に選ばれたりしていて、4年生はその2人が基本的に出ていました。数は少なかったのですが、その脇をしっかりと固めてくれる4年生がいて、あとは後輩たちが試合に絡んでいました。全員特に名門校出身というわけではなかったのですが、1人1人が自分の役割は何なのかということをすごくしっかりと考えて、それに徹してしっかりとついてきてくれて、チームを押し上げていく、という年でした。

 

――チームで戦うスタイルだったのですね

やはり困った時には公輔、となってしまっていましたけど、誰かが抜けてしまった時は全員で補っていました。チームプレーが基本としてあったので、誰かのために頑張ろうとか、公輔によりボールを簡単に渡すためにスクリーンをしっかりかけるとか、みんなでそのようなことを一つずつ考えながらチームとして勝っていこうと思ってやっていました。

 

――慶大に入ってよかったと思うことは何ですか?

今日の親善試合のようなつながりがあるっていいことじゃないですか。上と下との強固な関係もありますし。卒業してからそのつながりを感じる場面もたくさんあるので、その面で慶應に入ってよかったと思いますね。

 

 

――卒業後は日立サンロッカーズに入団しました。進路の決め手は何でしたか?

僕が卒業する時にはまだプロリーグがなくて、結構社員選手の方が多かったです。ゆくゆくは仕事をするということを考えた時に、日立は大きな会社ですし、バスケも1番上のリーグでやれる。一番良い環境がそこだと判断したので、日立に進むことを決めました。

 

――今は日立で普通にお仕事をされているのですね

そうですね。普通に仕事をしています。

 

 

――慶大出身でバスケットボールの道に進んだ選手がそれぞれ様々な活動をされていますが、酒井さんの今後のビジョンがあれば教えてください

みんなバスケが好きなので、慶應からプロに絡んでいる人たちは今もそれぞれ色々な形で携わっていると思うのですが、僕の関わり方としては現場ではなくて、フロント側で関わっていきたいと思っています。そうやって関わっていくことが、自分にとっては一番バスケに貢献できる形かなと思っているので、まずは社会人として会社の中で色々なことを学んで、ゆくゆくはそのようなことにも少しずつ活動の幅を広げていきたい、とぼんやりと考えています。

 

――最後に早慶戦を1週間後に控えた現役部員にメッセージをお願いします

早慶戦は日本の中でも大きな試合で、こんなにもお客さんが入る試合はバスケではなかなか無いことなので、楽しんでほしいですね。大勢のお客さんが観ているという緊張感を含めて楽しんで、最終的には勝ってほしい。そして勝つために1週間できることは全て準備をして臨んでほしいと思っています。

 

 

(取材:船田千紗、写真:内田貴啓)

 

◆酒井泰滋(さかい・たいじ)
1984年8月28日生まれ/福大大濠高‐慶應義塾大学

慶大バスケ部OB。卒業後は日立サンロッカーズ(現・サンロッカーズ渋谷)で9年間プレー。2016年に現役を引退し現在はサンロッカーズ渋谷のチームアンバサダーを務める。慶大在学中には同期の竹内公輔(現・栃木ブレックス)らとともにチームを牽引し、4年次には主将を務めた。日本代表としては2007年にはユニバーシアード、2009年には東アジア大会に出場し、在籍していた日立サンロッカーズでもキャプテンとしてチームをまとめるなど、日本のバスケットボール界の一翼を担ってきた。弟の祐典も慶大OBで副将を務めた。現在も仕事の傍、選手として九州電力で活躍している。

 

 

 

第76回早慶バスケットボール定期戦は7月7日(土)に大田区総合体育館で開催されます。早慶両校の意地と意地がぶつかり合う白熱の一戦を、ぜひ会場でご覧ください!

女子戦12:30~ 男子戦14:30~

チケット購入ページ 早稲田はこちら 慶應はこちら ※前売り券の受付は7月5日(木)までとなります。

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