【男子テニス】勝利へ一歩及ばず。春関ベスト8

3位の賞状とトロフィーを手にする長谷川副将(右)と加藤副将(左) (提供・庭球部)

慶大テニス部の戦いが今年も幕を開けた。5月10日から16日までの一週間、有明テニスの森公園で行われた関東学生トーナメント会。 

今季を占う重要な意味を持つこの大会で、長谷川副将(総4)・加藤副将(環3)のダブルスが3位入賞、志賀(法2)と近藤(環1)がシングルスでベスト8という成績を残した。輝かしい結果だが、「優勝者を出す」(酒井監督)という大会目標を鑑みると決して満足できない。手応えと同時に悔しさの残るスタートとなった。      

       
 

平成23年度関東学生トーナメント大会        

{ダブルス}       

SF【ベスト4】 長谷川祐一副将・加藤大地副将 1(6-7,6-1,6-7)2 片山・田川(早稲田大学)       

{シングルス}       

QF【ベスト8】 志賀正人 0(2-6,0-6)2 伊藤潤(早稲田大学)      

QF【ベスト8】 近藤大其 0(2-6,3-6)2 遠藤豪(早稲田大学)       

        

法政大の前田・西尾ペアを順当に下し、準決勝に駒を進めた長谷川・加藤ペア。準決勝の相手は今大会単複覇者の伊藤と、大学テニスでも存在感を増している田川の早大ペアだ。初夏の日差しが照り付ける有明で行われた試合は、その日差しすら忘れるほどの熱戦となった。
リターンゲームで始まった第1セット。固さが見えたリターンはなかなか相手コートに返らず、先制を許す。だがそこは慶大随一のビッグサーバーペアも譲らない。加藤のサーブで甘くなったリターンを、長谷川がボレーで仕留め、難無く1ゲーム追いつくと、その後は各々がサービスキープする展開が続く。その流れが途切れたのは第7ゲームだった。加藤が果敢なネットダッシュを仕掛け、ロングボレーをラインぎりぎりに沈めると、長谷川も相手前衛を出し抜く痛快のパスショット。最後は相手がダブルフォルトを犯し、遂にブレークに成功。ここから流れを引き寄せたいところだったが、次のゲームは競り合いの末、逆に相手にブレークを許してしまう。その後もブレークの契機がつかめないままタイブレークに突入。プレッシャーのかかる場面で両者ともにダブルフォルトを見せる。長谷川・加藤はポイント間で戦術を確認し合い、立て直しを図ったが、連続失点が響き、このセットを落とした。
巻き返しを図りたい第二セット、慶大ペアは完全にゲームの手綱を握った。加藤のパワーサーブで第一ゲームをラブゲームキープすると、第二ゲームも球足の長いリターンが決まり幸先良くブレークに成功。長谷川サービスの第三ゲームは3度デュースに持ち込まれ苦しい展開となったが、ミスを抑え守りきる。ここで流れを確実にしたのが功を奏し、6-1という圧倒的なスコアで第二セットをものにした。
迎えた第三セットは片山・田川の勢いが盛り返し、まさに死闘の様相を呈した。互いに好サーブを見せ、1ゲームずつキープすると、第三ゲームでは長谷川・加藤が攻めるレシーブで相手を完封。だがまたしてもブレーク後にサービスゲームを突き崩された。なんとしても再びリードを作りたい第七ゲーム、リターンを2バックで徹底防御する構えを見せる。これに相手も苦戦し、7回のデュースを迎える苛烈なストローク戦となった。だが4度のブレークポイントを握りながらも、どうしても決めきれない。ここで劣勢からの逆転を許すと、その後はまた互いに一歩も譲らずサービスキープし合う展開に。勝負はこの日二度目のタイブレークに持ち込まれた。するとそれまで好調だったファーストサーブやリターンの確率が落ち、痛恨の5連続失点。なんとか持ち直し1ポイントをもぎ取ったが、それも続かず逆にマッチポイントを握られる。それを二度までははね返すことができず、タイブレーク2-7で試合終了。長谷川と加藤の、そして慶大庭球部の春関が幕を閉じた。
実力は拮抗していた上、獲得したゲーム数では上回っていた。だが、ゲーム巧者という点では相手に軍配が上がった。第二セットは優位に進めたが第一第三セットの大事な場面では「相手のほうが勝負強く、思い切ったプレーができていた」(長谷川副将)。そのため、あと一歩というところで宿敵早大ペアに敗北。しかし課題は明確だ。「大事なポイントでどうやったら取れるか」(坂井監督)ということ。それさえつかめれば勝利は目前だ。慶大庭球部の悲願であるリーグ戦、大学王座、早慶戦での優勝。そのどれもに強敵早稲田が立ちふさがっている。手にしたチャンスをもう二度と逃さないために、勝負どころでの戦い方をチーム全体で問い直す必要がありそうだ。まずは目前に控える春の早慶戦に向けて――。はっきりとした形をとった課題と向き合いながら、慶大庭球部が新たなスタートを切った。      

By Asuka Ito       

        

コメント

坂井監督
(今季のチームの状態は)とても良いです。一昨年女子が1部に上がって、男女ともに1部で戦える体制になってきたので、選手達もすごく調子が上がっていて、いいですね。(去年に比べて変わった点は)去年の方が男女ともに選手自体の力はあって、強い去年の4年生がぬけてしまったんですが、チームの層は厚くなってきているので、1年生ににいい選手が入ってきているし、中で強くなった選手が増えているので、そういった意味で層が厚くなってきているので、去年よりも楽しみです。(今大会を振り返って)優勝者を出したいということでやってきていたんですけど、明確な課題が見えてきたので、そういった面ではその課題をしっかり潰していけば、日本一に近づくと思うので、その課題が明確になったのがすごく大きな収穫です。(大会が終わり練習に戻ったときに一番にすることは)大事なポイントでどういうことを意識してプレーするかっていうことを整理して、要は相手よりも一球多く返せば勝ちなのですが、勝負どころになると対戦相手も自分も力が入って緊張するから、そこで思い切って先に勝負かけられるほうが強いので、勝負をかける練習っていうのをやりたいです。特にリターンとサービス、それからボレー、ストロークのチャンスボールといった勝負をかけるショットの練習をやりたいです。(早慶戦にかける思いは)早慶戦は大きいです。我々は早慶戦で勝つということと日本一になることが大きな目標なので、早慶戦で勝つために、そういった。力は拮抗してきているので、そこの差だけだと思うので、それを埋めていけば早慶戦も絶対に勝てると思います。(今季の目標は)個人戦でインカレチャンピオンを出すということと、団体戦王座で優勝すること。それに春の早慶戦で勝つということです。リーグ戦と大学王座で勝つためにはどちらにしても早稲田に勝たなくてはいけないので、これから早稲田と三戦あると思いますが全部勝つということが目標です。そして、一番はやっぱりケイスポの一面に出ること(笑)。一面を目指してやっていくということが今年の大きな抱負です。
長谷川副将
(今日の試合を振り返って)勝てるチャンスはたくさんあったとおもうけれど、勝負どころ、タイブレークとかで相手のほうが勝負強く、思い切ったプレーができていた。大事なところでこっちは逆にこれまでのプレーができなかったというか逆に意識してしまった、というところに差があった。(第二セットは押していましたが)セカンドセットは流れがあって取れたけど、ファーストセットとファイナルセットのタイブレークとか、ファイナルの3-3でブレークチャンスを迎えたときにデュースでリターンを攻めれなかった、とかタイブレークでファーストサーブが入らなくなったとかっていう細かいところは相手のほうがしっかりできていたかなと思う。セカンドセットはただこちらが良かっただけでした。(今回の相手との対戦経験は)あのペアとは無いですが、片方ずつとは何回かあります。片山は小学校6年生のときから知っていて、田川は二つ下なので大学入ってからしかテニス一緒にすることはあまりなかったけど、ジュニアのころから強かったから名前は知っていました。(ファーストセットのタイブレークなどで二人で話し合う場面もありましたが)今までどおりのプレーを心がけようというか、大地(加藤選手)を見てても明らかに緊張しているのが分かったし、顔が引きつっていたし、自分も緊張しているなっていうのがあったのでとにかくいつも通りファーストサーブだけ入れて、余計なことは考えなくていいからシンプルに行こうって話はしていました。(今大会を通して加藤選手とのペアはどうでしたか)日に日に良くなっているし、結構いい感じではあるなと。お互い長所はサーブで、サービスゲームさえキープできればそう簡単にやられることはないし、リターンゲームでもチャンスは作れる。でも大地のリターンだったりといった不安定なところはあるからそこだけ課題というか。でも日に日に良くはなってきているかなというのはあります。(今大会の成果は)シングルスにおいては成果というか、再スタートという感じだったけど、ダブルスも正直ベスト4という結果は満足はいってないです。成果は、細かいところではファーストの確率が上がってたり、ボレーで点入れてたり、というところがあったけれど、実際勝ちに結びついてないから、前向きには捉えなきゃいけないけど……、という感じかな。(今日の結果を通して今後の練習は変わりますか)変わっていくとおもいます。ファーストサーブだったりリターンだったり課題も明確になったので、そこに絞って、時間もあまり半年くらいしかないですし、その中でできることを、長所を伸ばすような練習をして、武器をつくるようにやっていきたい。(今季の目標は)変わらず日本一、大学での日本一、チームとしても個人としても夏のインカレで優勝すること。個人としてもチームとしても日本一になりたいなっていうのがあります。最後の一年なので、がんばりたいです。      

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

      

 

 

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