慶應スポーツ新聞会

【野球】秋季リーグ戦開幕前インタビュー② 木澤尚文選手×森田晃介選手 ~Wエース最後の共演~

9月19日に東京六大学野球秋季リーグ戦が開幕します。それに先立ちまして慶應スポーツでは秋季開幕前インタビューを実施しました。第2回は今季先発としての活躍が予想される、木澤尚文選手(商4・慶應)、森田晃介選手(商3・慶應)にお話を伺いました。

――他己紹介をお願いします

木澤:投手としては試合を作ることに非常にたけていて、どんなに状態が悪くても先発でもリリーフでもしっかり勝ちを計算できるという意味で、それは森田がすごく秀でている部分かなと思っていてチームにとって必要不可欠な投手だなというふうに感じています。私生活で言うと、彼の肉体を見てくれれば分かるように圧倒的な筋肉を持っていて、それは本当に冗談ではなく普段から彼が必死に努力して誘惑に打ち勝つではないですけど、しっかり自分を律することができることを彼の身体が表しているのかなと。非常にストイックな人柄だと思います。

森田:木澤さんは今年6年目なのですが(両選手は高校時代からのチームメイト)、6年間一緒に過ごしてきて本当に頼りになるというか、投手として練習に取り組む姿勢などは本当に誰もが見習うような存在で、みんな木澤さんについていきたいなと思えるような選手です。特に上級生になった去年からは、今までもすごく練習態度が良かったのにさらにラストシーズンに懸ける取り組みは凄まじいものがあってそこは本当に尊敬している部分です。4年生になってから本当に真面目になりましたね(笑)。本当にオフも休む日がないくらい常にグラウンドに降りて練習しているような感じで。すごく真面目でストイックな人です。

 

――互いに投手としてここは勝てないと思うところはありますか

木澤:コントロールですね。練習試合などで投げない投手はよく試合後バックネット裏から観戦するのですが、森田の球は本当にパワプロやプロスピみたいに構えたところにどんどん面白いように決まるので,観ていて非常に面白いですよね。打者の反応を見ながらしっかり考えて投げているなというのが観ていて伝わるので。ああいうふうに投げられたら本当に楽なのだろうなと思って観ています。

森田:ほぼすべてなのですが、球速とフォームの美しさですね。フォームがきれいだからこそ球速も出ると思うのですが、そういったフォームなどの細かいところの取り組みがすごくて。僕は理論とか何もなくてただ腕を振っているだけなのですが、しっかり考えて野球をするからこそ155キロ投げられるのだなと。そこは絶対勝てないなと思っています。

 

――投手としてのストロングポイントを教えて下さい

木澤:空振りが取れるところかなと思っています。コントロールがそんなに繊細なわけでもないので、打者からしたらある程度的を絞りにくいというポジティブに捉えられるところもあると思いますし、変化球も速くて鋭いというところを目標にやっているので。空振りが取りたいところで取れるようになってきたという成長は少しずつ感じています。

森田:僕のストロングポイントは球種が多いので、打者に気持ちよくスイングさせないというところですかね。今、色々な攻め方のパターンを増やそうと練習しているのですが、それで相手に考えさせる投球の幅が少しずつ広がっているところが今年一番良くなったところかなと思います。

 

――高校時代からダブルエースとして活躍されていましたが、ライバル意識はありますか

木澤:高校3年生の時なかなか思うように投げられない中、最後の夏はずっと森田におんぶにだっこみたいな状態になって。決勝まで行ったのですが、準決勝・決勝とどんどん疲弊していく森田を見て、本当に2年生に全部背負わせてしまっているなと。僕はその頃、故障もあり何もできる状態ではなくて、個人的に悔しい思いもありましたけど森田に負担をかけてしまったという申し訳なさが今でもすごく印象に残っています。

森田:僕の場合は、投球のスタイルなども全然違うのでライバルという感じではなくて。僕は必死に木澤さんに追いつこうと努力していたかなと。切り離されないように必死にしがみついていたなと(笑)。少しでも手を抜いたらあっという間に差が開いてしまうので、とにかく木澤さんに追いつくぞという感じですね。

秋は多くのイニングを投げたいと話す森田

 

――木澤投手は立大戦に先発して、8回途中2失点16奪三振の好投でしたが、投球を振り返っていかがですか

木澤:振り返ると、確かに三振は多く取れたのですが三振を取ることが先発投手の仕事ではないので。結果として球数も重んで8回途中で増居(翔太=総2・彦根東)にマウンドを譲る形になってしまって。短期決戦だったので、尚更立教戦は僕が一人で投げ切らなくてはいけなかった試合だと思っているので、三振以外のアウトを取るバリエーションが僕にもっとあれば1試合しっかり投げ切ることができたのかなという反省をしています。

 

――多くのスカウトがいらっしゃっていましたが、緊張されましたか

木澤:そこに対しての緊張は別にないですね。勝負するのは打者なので。

 

――森田投手は明大戦に先発して、6回1失点の好投でした

森田:あの試合は野手がたくさん点を取ってくれて、すごく良い守備してくれたので何とかなりました。ラッキーみたいな感じですね。僕は別に特に何もしていないので野手のおかげで勝てたかなと思います。

 

――森田投手は抜群の制球力が大きな武器だと思いますが、ご自身ではどの様に感じていますか

森田:特別コントロールが良いとは思っていないのですが、四球がすごくもったいないなと思っているので四球を出さないようにということだけは意識しています。

 

――事実上の優勝決定戦だった法大戦はお二人とも出場されましたが、試合を振り返って

森田:出番の予定では関根(智輝=環4・城東)さんの後を継ぐという感じだったのですが、ピンチの場面で回ってきてあそこを粘っていればまだまだチャンスがあったのにタイムリーを打たれてしまって。そこはすごく反省しているというかとても申し訳ないなと。ああいうところで抑えるのが投手の仕事だと思いますし、僕の役割だったのでまだまだだったなというふうに思いますね。

木澤:最終回1イニングのリリーフだったのですが、あの試合の四球に関しては別に出してもいい四球だと思って投げたので。

森田:誰も四球を責めていないですよ(笑)。

木澤:僕がもっとタフだったら監督も早い回から送り出してくれたのかなと。投手陣が「1試合投げ抜くぞ、27個のアウトを取るぞ」という意識の中で、僕個人の反省としてもそうですがあの1試合の投手陣としての反省が秋に向けての課題かなというふうに全員で思っています。

 

――木澤投手は以前のインタビューでフォームの改造に取り組まれているというお話をされていましたが手ごたえはいかがですか

木澤:試合中にフォームのことを考える余裕はないのですが、それでも投げているボールのばらつきは春先より精度は上がってきたなというのはリーグ戦全体で感じているので。ここからはどう良いボールを投げるか、どう打者を打ち取っていくかということだと思うので。先程も言いましたけど、今は三振以外のアウトの取り方について取り組んでいます。

 

――今回のリーグ戦は一週間で優勝校が決まる超短期決戦でした、高校時代も連投は何度も経験されているとは思いますが調整の難しさなどはありましたか

木澤:(森田に)ありました?連投してないからさ。

森田:僕も連投していないですよ(笑)。

森田:僕の場合は、明治戦と法政戦以外は試合も観に行かずに宿舎で休ませてもらったので、コンディションは整えられたかなと。短期決戦と分かった時から疲労回復を早めるような練習はずっと取り組んできたので、体力的な問題はそんなに気にはならなかったです。

木澤:リーグ戦始まる前から「先発でもリリーフでも毎日投げるつもりで」とは監督から言われていたので、日頃の練習でも多少身体の状態がどこかおかしくても、投げる・しっかり練習するということで少々無理はするようにしていたのですが、かえってそれが良かったのかなと。正直状態が良いままマウンドに上がれることの方が少ないので、その面でリーグ戦の日程自体もそうですしそこまでの準備も非常に良い経験になったかなと思っています。

 

――8季連続勝ち点4となりました。勝ち点5への壁は大きいですか

木澤:大きいですね。今回は特に明確で全部勝てば優勝という中で、後1試合だけ勝てなかったというところが今の僕たちの弱さだと思いますし、勝ち点4で優勝争いするのではなくて勝ち点5で完全優勝することが本当に大事だなというふうに思います。

森田:最後勝ちきれないところが本当にそこに弱さが出ているなと。もちろん相手も必死に慶應を潰しにきていると思うので、そこでしっかり勝ち切るだけの実力は圧倒的な力をつけないといけないのかなと。1試合1試合では粘れるようになってきましたけど、全部勝ち切るという本当の強さはまだまだこれからつけていかなくてはいけないのかなと思います。

 

――リーグ戦の後、ミーティングでは堀井哲也監督からどの様なお話がありましたか

木澤:やるべきことは明確で、圧倒的に個人の技量は足りなかったというところで。野手はシンプルに六大学の150キロの球を投げる投手がたくさんいる中で、150キロの球をいかに打ち返せるかというところに尽きるという話があって。投手陣はデータを分析して振り返って、チーム全体の防御率などを見ても慶應は2位にいますけど(防御率は)4位の成績だったというところで、投手陣で負けたというところを自覚してこの1か月取り組んでいこう話はありました。

 

――森田投手は監督からかけられた言葉で印象に残っているものはありますか

森田:球が遅いと言われたことくらいですかね。

木澤:言われた(笑)?

森田:結局はスピードが大事だよみたいな。秋こそは150キロ投げたいなと思います。スピードが全てではないですけど僕の目標でもあるので。後は決め球の弱さで、ピンチで抑えきれない、粘り切れないところがあると思うので、秋に向けてはそこですかね。

 

――指揮官としての堀井監督はお二人からどの様に映っていますか(大久保秀昭前監督との違いなど)

木澤:どっちが良い悪いとかはないのですが、大久保前監督に比べて結構距離が近いですね。1年目ということもあって積極的にコミュニケーションを図ろうとしてくださっているのがすごく分かります。あれだけ社会人で長いこと監督を務めていらっしゃった名将でありながらも、僕ら学生の目線にしっかり立って考えてくださっているなというのを僕らにはすごく伝わってきます。

森田:僕が感じるのは妥協がないというところですね。大久保前監督も妥協をしていたわけではないのですが、よりとことんやるというか妥協をせずにすごくタフになるというか。ちょっとしたプレーなども見過ごさないですし、課題を克服するまでひたすら練習しますし。大久保前監督の時は割と自主性に任されていたのですが、監督がずっとついてくれてとことんできるようになるまで面倒を見てくれるという点は堀井監督らしいところかなと思いますね。

 

――新たに正捕手となった福井(章吾=環3・大阪桐蔭)選手との呼吸はいかがですか

木澤:今回もたくさん低めの変化球を止めてもくれましたし、日頃から配球などに関しては密にコミュニケーションを取るようにしています。昨年の郡司(裕也=R2環卒・現中日)さんから持ち越していただいたことを福井と共有したりして形にしてきている段階ですね。

森田:同期なのでコミュニケーション取りやすい部分もありますし、去年は郡司さんに頼りっぱなしになっていたところもあったので、より配球や打者の反応を自分でも見るようになって。そこで捕手と話し合うことでお互いの成長にもつながっていると思います。個人的な話になると、しっかり球を止めてくれるので、僕はテンポや息が合うので投げやすいです。

 

――主戦投手の仕事として、キャッチャーを育てることも重要になってくると思いますが、何か意識されていることはありますか

木澤:福井も後輩だからといって遠慮するようなことはなくて、僕に対してちゃんと「こうしてほしい」とか「これだけはやらないでほしい」など注文を伝えてきますし、そういうところを物怖じせずにしっかりと伝えてくれるからこそ僕としても非常にやりやすいというか。会話しなくてもある程度何を要求してくるか分かるところまでは来たかなと思います。

森田:育てるというよりは、試合中などでもイニングごとに一球一球に対して二人の考え方を言い合ったり、細かいところまで話し合って、投手が投げたい球と捕手が投げさせたい球ができる限り一致するようにしています。そういうのは日頃から言い合うようにしているかなという感じですね。

ラストシーズンを迎えたエースの力投に期待だ

 

――お二人から見て、この投手・野手は新戦力になるぞという方はいらっしゃいますか

森田:野手だと外野はすごく競争が激しくて入れ替わりも激しいのですが、その中で1年生の桐蔭学園から来た栗林泰三(環1・桐蔭学園)という選手がいるのですが、結構パワフルなスイングをしていて思い切りの良さもあって。1年生らしくフレッシュにやってくれているので、チームに活気をもたらしてくれているというか戦力としてもチームにすごく貢献しているなと思います。外野手なのでどうなるか分からないですが、秋のリーグ戦は調子が良ければすごく戦力になるかなと感じています。

木澤:投手だと春も投げていましたけど、小林(綾=環2・松本深志)がここ最近のオープン戦ではすごく状態が良くて。前は結構力いっぱい投げている印象だったのですが、先発もこなして打者を抑えるパターンも増えてきて、マウンド上での頼もしさも目に見えて変わってきて。春より登板機会を確実に増やしていくのは小林なのかなというふうに見ています。

 

――あと2週間弱でリーグ戦が開幕します。調整はいかがですか

木澤:調整に入るというか、身体の状態を合わせにいって合うものでもないですし。それ以上にこの1カ月で秋に向けてしっかり成長していく、投手としてのスキルを上げていくところに集中しているので。まだまだ課題は潰し切れていないので、調整に入りすぎることなくあと2週間過ごして秋を迎えたいなと思っています。

森田:春のシーズンは故障を抱えながら満足にプレーできない状態でシーズンに臨んでしまったので。今は故障も治ってきて状態としてはすごく良いかなというふうに感じていて、秋のシーズンに向けてとにかく打者にたくさん投げて経験を積むというよりは抑え方を知るというようなところでやっています。自信を持って臨めるシーズンになるかなと感じています。

 

――個人的な目標はありますか

木澤:数字的な目標は特には立てていないのですが、先発としてはどんなに状態が悪くてもしっかりチームに勝ちをもたらす投球はしたいので、先発した試合は全て勝ちたいなと思っています。

森田:先発で5勝して僕も5勝したら優勝?

木澤:それでいけたら最高ですね。

森田:先発かリリーフかまだ分からないですが、秋の目標は先発したら1試合投げ切るというところで。去年は出し切り出し切りでいっていたのですが、1試合イ9ニングをトータルで見て上手く投げ切るというところと150キロ投げるところですね。ここぞという時にしっかり実力を出せるというところが目標ですかね。

木澤:10勝で優勝したいですね。

 

――優勝のキーマンをあげるとすると

木澤:僕は嶋田(翔=環4・樹徳)かなと思っています。打順こそ下位を打つことが多いのですが、春先の数字も今までのシーズンより良くなっていますし、得点圏で回ってきたりランナーを返したりというところで得点に絡むケースはすごく多くて。ラストシーズンということで嶋田の練習量や気合はすごいものがありますし、嶋田が持っているものを全部出してくれれば間違いなく優勝できます。

森田:僕は宮尾(将=商2・慶應)と下山(悠介=商2・慶應)に期待しています。下山の話からすると、春のシーズンは下山は調子が良くなかったのですが、下山が活躍することがチームの勝利に貢献すると思うので。あいつがアベレージでしっかり結果を出してくれることで、チームが優勝に絡んでいくのかなと思っています。宮尾はシーズンも良かったのですが、夏以降のオープン戦も調子を上げていて、あいつが秋躍動するシーズンになるかなと思います。守備にも期待しています。

 

――森田投手は去年の秋ベストナインを獲得しました。多くの方が今年も期待していると思いますが、意気込みを聞かせて下さい

森田:僕の目標としてはベストナインや最優秀防御率はあまり気にしていなくて、とにかくイニング数をたくさん投げたいなというふうに思っています。5試合先発したとしたら35イニングはいきたいですね。イニングを投げるということはしっかり抑えていないと投げられないと思うので。先発投手としてイニングを投げることが評価につながると思いますし、タフさという面でもしっかり多くのイニングを投げるというところとチームの勝利に貢献するところを秋は頑張りたいと思います。

 

――木澤投手はラストシーズンとなりますが、チームのエースして意気込みを聞かせてください

木澤:本当に勝ちたいですね。春悔しい思いをしたのもありますし、4年生が本当にみんなサポートのメンバーも暑い中必死にやってくれて。彼らのサポートは僕らが勝つことでしか報われないので、僕は先発を任された中でどんなに不細工な格好がつかない投球でもしっかり責任を果たして、どんなに四球を出しても安打を打たれても本当にチームが勝てればいいなと思います。それだけですね。

 

――最後になりますが、ファンの皆様へメッセージをお願いします

木澤:先程もおっしゃっていたように、ずっと勝ち点4が続いていますがそろそろ勝ち点5での完全優勝をファンの方々と一緒に喜びたいなと思っていますので、ぜひ神宮球場へ足を運んでいただければ僕らもより一層頑張れますので応援よろしくお願いします。

森田:応援してくださっている方々のおかげですごく勇気づけられています。僕自身も自分の力以上のものを発揮できるので、とても感謝していますということをまず伝えたいです。ファンの方々の応援のおかげで僕たちも頑張れるので、みんなで優勝して喜びを分かち合いたいなと思います。応援よろしくお願いします。

 

――ありがとうございました!

(この取材は9月8日にオンラインで実施しました。)

(取材:小林由和)

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