【バスケ】連敗脱出!専大との激戦を制す!

勝利の立役者となった春本

第87回関東大学バスケットボールリーグ戦

2011/9/18(日)@早稲田大学戸山キャンパス

慶大‐専修大

苦しい戦いの果てに掴んだ大いなる一勝――関東大学リーグ第3週2戦目の専大戦。開幕戦以降4連敗中となかなか浮上の糸口が掴めない慶大だが、この日はチーム全体で高い集中力を見せリードする展開に。終盤は専大の猛攻を受け、あと1歩の所まで追いつめられたものの要所でシュートを沈め、見事相手を振り切った。勝利のキーとなったのは努力を続けてきた伏兵の活躍だった。

1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 16 27 16 16 75
専大 12 17 21 23 73

果敢なオフェンスを見せた伊藤

慶大のスタメンは家治主将(環4)、桂(政3)、蛯名(法2)、中島(総2)、伊藤(環1)。1Q、昨季得点王の専大エース#11宇都に連続得点を決められるも、慶大は好連係で相手を崩し桂、中島がゴール下で地道に得点。だが勝ちたい気持ちが空回りしてか開始4分でチームファウルが5つたまり、専大にフリースローで得点を許す。落ち着いてゲームを運びたい慶大はディフェンスから徐々にリズムを掴む。2ファウルの蛯名に代わった春本(環4)が宇都に対する密着マークでトラベリングを誘うと、得意の連続速攻でリードを奪う。その後も伊藤のミドル、本橋(環2)のゴール下が決まり16-12で1Qが終了。2Q、慶大が高い集中力を見せ完全にペースを握る。伊藤がドライブでバスケットカウントを奪うと蛯名がスティールからワンマン速攻で得点。ディフェンスでは専大の高さを生かしたインサイドアタックに対して慶大は春本、本橋を中心に粘り強く対応。すると今度は矢嶋(総2)がラインを割りそうなボールに追いついてのスリーポイント、ミドルとハッスルプレーを見せチームを活気づける。ミスの多い相手にも助けられ31-16と大きくリードを奪う。その後専大は宇都の個人技を中心に得点するものの慶大は金子(環4)がスリー、速攻を決めリードを保ち、43-29で前半が終了。

勝負所で連続得点を決めた蛯名

3Q、追い上げを図る専大は早速宇都が個人技で連続得点を決め反撃ののろしを上げる。一方の慶大は相手の激しいプレスに対してミスを連発。ターンオーバーを重ねて、点差を一桁にされてしまい暗雲が立ち込める。ここで活躍を見せたのが4年生の2人。春本が果敢な切れ込みでのバスケットカウント、スティールからのワンマン速攻を決め攻守に渡る活躍を見せると、家治も呼応するかのように個人技で連続得点。しかし追いつめられて集中力が増してきた専大はスリーや高さを生かしたインサイドで得点し、59-50と点差を縮められて3Qが終了。勝負の最終Q、逃げ切りたい慶大は矢嶋のシュートで幸先のよいスタートを切るも専大はすぐさま個人技で連続得点。その後もインサイドを中心に攻め立てる専大に対して慶大はディフェンスリバウンドを確保できず、怒涛の攻撃を受け2点差まで詰められてしまう。負けるわけにはいかない慶大は蛯名が鋭い反応でオフェンスリバウンドを奪いゴール下を沈めると、ドライブも決めてみせる。危機を脱したかに見えたがなおも専大の執念のオフェンスリバウンドを抑えられず、ゴール下、スリーを決められて残り1分13秒で71-70となってしまう。この緊迫した場面、満員の観客が騒然とする中、この日獅子奮迅の活躍を見せてきた男がまたしてもチームを救う。蛯名が相手のディフェンスをかいくぐりラストパス、ボールを受けた春本は「思い切り打つんだ」と少しの躊躇いもなくシュートを放ちこれが見事リングに収まる。春本は次のプレーでもゴール下の混戦を制しタフショットをねじ込むと応援団・ベンチ含めチームのボルテージは最高潮に。その後専大にスリーを決められ再び2点差にされるが、最後のオフェンスを守り切り慶大が75-73と何とか逃げ切り勝利をもぎ取った。

“死闘”と呼ぶのがふさわしい試合であった。前半は固いディフェンスからの速攻を決めるなど完全に主導権を握った慶大だが後半は専大の猛烈な追い上げに苦しんだ。しかしこの日慶大が素晴らしかったのは要所での積極性。点差が詰まっての勝負所でも積極的にリングに向かう姿勢を失わずシュートを決めたことが大きかった。そしてこの勝利を語る上で欠かせないのが春本の活躍だ。22得点というスタッツもさることながら、ディフェンス、リバウンドといった地味な所でも好プレーを見せ勝利の立役者となった。「4年生が活躍すればチームも盛り上がるし、(春本の活躍は)とても大きい」(家治)と、4年生が果たすべき役割がとても大きい慶大にとって、この勝利は単なる一勝ではなく今後に繋がる大きな一勝だ。来週以降も強豪との戦いが続くが、今日のような集中力を持って戦えば勝利できるはずだ。慶大の更なる飛躍を期待したい

Shota Kajigano

佐々木HC

春本が練習を一生懸命やっていることの成果がやっと出ましたね。昨日からその前兆はあったんだけど、2日続くというのは実力になって来ているのかなという風に思います。(ディフェンスの出来は)蛯名が相手の11番をしっかり抑えてましたね。まあそれでも15点ぐらい取られているとは思うんだけど、それはしょうがないので。彼はああいう風にベタベタ付かれるのが嫌なはずなので、そういう意味でいうと、蛯名がよくやったかなという感じですね。(相手の11番に春本がマークについている時間もあったが)春本はリング下で充実してたので、ディフェンスもいい感じでやれたんだと思います。(今後春本がスタメン争いに加わってくるのか)レギュラーになって欲しいですね。というのも、だいぶ家治も疲れが溜まってるみたいなので、彼を少し休ませる意味でも頑張って欲しいです。でもやっぱり6番目がいないと長いリーグは戦えないので、春本は6番でいいのかなとも思いますね。(前半は上手く得点を繋いでいたが)オーバーナンバーのプレーが増えていて、その分イージーバスケットになって簡単に得点を取れるようになってるので、そういう展開にしないといけないですね。(相手にブロックされていたが、シュートセレクションについては)まあしょうがないんじゃないかな。春本だって目一杯やってるから、あれでもう1回外に出して、インターセプトされて簡単に走られるよりは、あそこでファウルになるか、弾かれたのをもう1回自分たちのボールにするかという方がいいのかなと思います。(スローインからのプレーを狙われていたが)対策はしているんだけど、本橋がその気にならなかったり家治が先に走っちゃったりするので、あそこをしっかりやれば必ずノーマークになるはずなので。昨日なんかはそれが上手くいっているので、それをちゃんとやって欲しいですね。(次週に向けて)あと2つ勝たないといけないです。だから来週は2連勝したいですね。

家治主将

内容よりも結果にこだわるということで臨んだ試合で、見ての通り春本がすごい頑張ってくれたんですけど、その中でもディフェンスの時に下からカバーの声が出ていたので、今日はチームとして守れているなと感じました。そういう意味では今後チームが成長できるいい機会になったんじゃないかなと思います。(春本をはじめ4年生が活躍するというのはチームにとって大きいのでは)4年生が頑張るのがうちのチームで、4年生が活躍すればチームも盛り上がりますし、結果もついてくるのでそれは正直大きいですね。今日は春本が頑張ってくれたので、自分としてはいつも以上にプレーに集中できたと思います。(前日の負けからの切り替えは)昨日は前半で20点離されたんですけど、ハーフタイムに先生もおっしゃっていたのが、リーグ戦なのでまだまだこれからも試合があるし、自分たちはチャレンジャーなのでこの試合でも自分たちが成長できるようにやっていこうと言っていました。その中で後半は追いつきそうになったこともありましたし、そういう意味で昨日の拓大戦での敗戦は、ズルズル離されて負けるというよりも、明日に繋がる頑張りがあって、今日に向けての試合ができたと思うので、切り替えというよりは昨日の後半の流れのまま試合に臨むことができたと思います。(連敗も止まってチームの雰囲気も良くなっているのでは)正直本当に今日は絶対に勝ちたかった試合で、日曜日に勝って次の週に行くというのが理想的だと思っていたので、来週に向けて勢いがつく勝ち方だと思います。それにベンチにいるメンバーも、今日の春本の活躍を見て自分たちもやれると思ったと思いますし、チームの流れは良くなっているんじゃないかなと思います。(次週に向けて)日大は波に乗ると怖いチームなので、まずはガードがディフェンスを頑張って、いつも通りディフェンスからの速攻で、この勢いのまま連勝したいと思います。

春本

最後、相手に追い上げられる部分がありましたが、終始、自分たちのプレーというか速い展開と粘り強いディフェンスが一試合通して出来たので、それが勝利に繋がったと思います。(4Qで二連続得点があって、試合を分けた所でしたが)今まで明治大学とやった時も、僕は試合に出てなかったんですけども、勝負どころで逆転した後に競っている状態のところで思い切りシュートを打てずに負けたっていう経験がすごくあって、外から見ててああいう場面で、思い切り打たなくちゃいけないんだという強い気持ちを持ったので、それがいい成果に繋がったんだと思います。(ヘッドコーチが爆発力を褒めていましたが)爆発力というのを練習から結構意識していまして、途中出場が多いので、なんとかして短時間で大量に得点を稼いだり、リバウンドをとったりというプレーを常に意識しています。どんな短い練習でも、常に全力でやることが爆発力に繋がっているんだと思います。(見えた課題)身長が小さくて、リバウンドで入られる場面が多くて、今日も最初の一発目で取れなかったリバウンドをもう一回拾われたりとか、そういう場面で、相手に絶対そういうプレーをやらせないという風にして臨んだんですけど、やられた部分があったので、そこを変えられれば、楽な試合展開になったと思います。(体の接触についての対処)体の接触に対しては、見ても分かる通り、身長が小さくて、どのチームもやってくると思うんですけど、接触を嫌がらないで接触をすることを意識して自分は結構練習に取り組んでるんですけど、わざとガツガツやったりしてるので、そこの場面については、対処できると思います。(練習の成果を出したという意味で精神的に充実していたと思いますが)4年生でありながら試合に出れずに、下級生がスタメンにでているという状態で悔しい部分もあって、プレータイムがあんまりもらえず、練習の成果がだせない部分があって今日は使っていただいて、ありがとうという感じです。(来週に向けての意気込み)日大は今4年生がいないみたいなので、チャンスだと思うのでぜひ勝ちたいと思いますし、東海に対しては、春のトーナメントで3位ということで、僕等は春の成績が悪かったのでここでまた2連勝できたら波に乗れると思うので、今日みたいにチーム一丸となって自分が活躍できればいいですけどチームの勝利が一番なので、頑張りたいと思います。

蛯名

序盤にディフェンスからの速攻が機能してリードを奪えたことが大きかったですね。最後は相手の集中力も増してきてオフェンスリバウンドを取られてしまったんですが勝てたので良かったです。(宇都選手の対応について)電鉄杯の時は抑えたんですけど今日は結構やられてしまいました。僕みたいに上背がないと横の動きに対応して相手を押し出すことが重要になってくるんですけど、今日は高さで負けてる分シュートを決められてしまった。最後の館山選手のスリーにしても届かったです。(終盤の2連続得点など点を取る意識を強く感じるが)去年よりは強くなりましたね。ポジション的にもそうだし、伊藤に全部任せるわけにはいかないので。とにかく今は信頼を得るためにも結果が欲しいので。去年の祐典さんみたいに得点、リバウンドで数字を残してチームの支えになりたいと思ってます。やっぱり家治さんが柱なんですけど、1本じゃ足りないので。だから僕ら2年生が信頼を得られるように結果が欲しいですね。(来週に向けて)来週は東海ということでディフェンスを中心にやってくる強いチームなので、オフェンスリバウンドや走るプレーがどのくらい通用するのか試して自分達の成長に繋がる試合にしたいですね。

伊藤

前半本当に久々にいい入りができて、よかったです。終盤相手のオフェンスリバウンドに苦しめられたんですけど、そこでゴール下のメンバーもみんなが気持ちを切らさずに、最後まで集中してやれたので勝ち取れたと思っています。(4連敗のあとの1勝であることについて)本当に毎試合勝ちたいと思っているんですけど、先週2連敗してしまって、このままではチームがどんどん沈んでいくばっかりなので、今週は絶対1勝でもしたいなと思っていました。(最後のプレーについて)作戦としては、僕がもらって家治さんに展開するという形だったんですけど、相手のディフェンスにおいて自分が一番ボールをもらいやすかったんでもらいました。今日の反省点として、3ピリ4ピリの集中力が欠けてしまって、まだ精神的にもまだまだ甘いので、来週からしっかりチームのために40分集中していけるように頑張ります。(初めてのリーグ戦について)慶應は全員でやるバスケが伝統なので、応援してくださってるBチームのみなさんとか仕事やってくれる1年生とかいるので、試合に出る以上は全力を出してチームの勝利に貢献したいと思っていますし、まだまだ精神的な部分で成長しないといけないなとリーグ戦に入ってから思っているので、技術面でもそうですけどまた練習から頑張っていきたいと思います。(次の試合に向けて)東海はセンターが強いですし、ガードもしっかりしているチームなので、自分達のバスケットをしっかりやって、今までやってきた練習をどれだけしっかり出せるかが大事だと思っているので、また明日から練習頑張っていきたいと思います。

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