4月26日から27日にかけて行われたU20 JOCジュニアオリンピックカップ。1日目の26日には慶大から瀧澤勇仁(経1・慶應)が男子フリースタイル74㌔級に、岡澤ナツラ(法1・慶應)が男子フリースタイル79㌔級にそれぞれ出場。両者とも難なく決勝まで勝ち上がるも、決勝では強豪相手に惜しくも敗れ、塾高出身の大型新人2人がそろって準優勝という結果で今大会を終えた。
2025年4月26日(土)@横浜武道館
【試合結果】
〈男子フリースタイル74㌔級〉
2回戦
○瀧澤勇仁(慶大)[VSU 0:22=10-0]荒川寛満(東洋大)●
3回戦
○瀧澤勇仁(慶大)[VSU 0:59=10-0]網藤愛斗(日野高)●
準決勝
○瀧澤勇仁(慶大)[VPO 6:00=9-6]水崎俊介(拓殖大)●
決勝
●瀧澤勇仁(慶大)[VSU 4:41=6-17]山口叶太(中大)○
〈男子フリースタイル79㌔級〉
2回戦
○岡澤ナツラ(慶大)[VSU 2:09=12-2]植原優真(山学大)●
3回戦
○岡澤ナツラ(慶大)[VSU 2:28=11-0]吉村翔吾(日体大)●
準決勝
○岡澤ナツラ(慶大)[VSU 0:53=10-0]秋山颯陽(東洋大)●
決勝
●岡澤ナツラ(慶大)[VPO 6:00=3-5]ガレダギ敬一(早大)○
〈スコア見方〉
(例)[VSU、4:30=11-1]
・VSU→勝利方法、詳しくは下の図を参照
・4:30→試合終了時間(この場合は試合開始から4分30秒後に試合終了)
・11-1→試合終了時の点数(フォールによる勝利は点数を問わない)
VFA | victory by fall フォールによる勝利 |
VIN | victory by injury 負傷棄権による勝利 |
VCA | victory by 3 caution 警告3回による勝利 |
VSU | victory by technical superiority テクニカルフォール(10点差) |
VPO | victory by points ポイント判定勝ち |
VFO | victory by forfeit 不戦勝 危険試合による勝利 |
DSQ | disqualification 罰則による失格 |
2DSQ | double disqualification 両者失格 |
昨年の天皇杯に出場し、それぞれ高校生離れした結果を残した塾高出身の瀧澤勇仁(経1・慶應)と岡澤ナツラ(法1・慶應)。瀧澤は男子フリースタイル74㌔級に、岡澤は男子フリースタイル79㌔級に出場。U20の大会ということもあり、優勝への期待が高まった。

両者ともに優勝への期待が高まる
両者とも2回戦から出場。瀧澤は試合開始早々に相手の背後を一気に奪い、回転技で攻め込むと、わずか20秒でテクニカルフォール勝ち。圧倒的な実力差を見せつけた。岡澤も同様に試合開始早々に相手の攻撃を上手く交わし8点を奪うと、その後も安定した攻撃を展開。試合開始2分でテクニカルフォール勝ちを収め、2人そろって順調に3回戦へ進出した。

20秒でVSU勝ちをおさめた瀧澤
3回戦でも2人は快進撃を続ける。瀧澤はまたも早い段階で6点を奪うと、最後は相手を押し出し一気に4点を獲得し、テクニカルフォール勝ち。3回戦も1分足らずで勝利を掴んだ。岡澤も開始1分で3点を奪うと、その後も優位に試合を進めていき、最後は上手く技を決めテクニカルフォール勝ち。両者ともにここまで難なく勝利し、準決勝へ駒を進めた。

難なく準決勝へ
準決勝では瀧澤は序盤こそ点数を奪えなかったものの、第一ピリオド中盤で相手の足を掴み6点を獲得する。しかし、攻撃後のカウンターで5点を奪われると、試合は6-5の接戦に。相手を押し出し、7-5としたところで前半を折り返す。第2ピリオド開始直後に1点を返されるも、試合終盤に回転技で2点を奪い取ると、そのまま逃げ切り、9-6の接戦を制し、決勝戦進出を決めた。

決勝進出を決めた瀧澤
岡澤の準決勝でも圧巻のプレーを見せつける。試合開始30秒で得意なやり方で相手の背後を奪い4-0とすると、そのまま回転技で押し切り、わずか1分足らずでテクニカルフォール勝ち。準決勝でも自分のプレーを崩さず、難なく決勝進出を決めた。

準決勝では圧倒的な力を見せつけた岡澤
迎えた決勝戦。瀧澤は高校時代にインターハイ3連覇の実績を誇る中大のホープ・山口叶太(法2・自由が丘学園)と対戦。序盤に2点を奪うも、体勢を崩され第一ピリオド中盤で2-5とされる。また、回転技をかけられると一気に2-11とされ、あわやテクニカルフォール負けという展開に。ギリギリのところでなんとか食い止めると、その後見事なタックルで4点を奪い、6-11で前半を折り返す。第2ピリオドは拮抗した展開が続くも、タックルを仕掛けたところで背後を奪われ、失点。6-17という結果で準優勝に終わった。

反撃を図るも準優勝に終わった
岡澤は早大のガレダギ敬一(スポ2・帝京)と対戦。偶然にも決勝戦は早慶対決に。1-2で迎えた第1ピリオド終盤、タックルを食らい1-4とされたところで前半を折り返す。拮抗した展開が続くも、休むことなく攻め続け相手を押し出し、試合時間残り10秒というところで3-5とする。熱戦の末、お互い苦しい状況のなか有利な状態で試合が再開するもあと2点が奪えず。そのまま3-5で試合は終了。岡澤も瀧澤と同じく準優勝で試合を終えた。

優勝まであと一歩だった岡澤
慶大が誇る期待の大型新人、瀧澤と岡澤。あと一歩というところで優勝こそ逃したが、大学1年生ながら準優勝と素晴らしい成績を残した。5月末に迫る今季のリーグ戦、今回の準優勝で弾みをつけたこの2人が念願の「1部昇格」のカギを握る。
(取材、記事:塩田隆貴)