【ソッカー(女子)】引き分けで連勝ストップも依然として首位 残り2試合で昇格決定へ!/関東2部リーグ後期第7節 VS上武大学

ソッカー女子

リーグ戦再開からの、「昇格に向けての大事な3試合」を全勝し、破竹の13連勝で首位をひた走る慶大ソッカー部女子。前節終了時点で、3試合を残して2位との勝ち点差は4。2部優勝、そしてTEAM2025が目標として掲げる”1部昇格”に王手をかけるべく、後期第7節の上武大学戦に臨んだ。

試合は序盤から慶大のペースで進む。19分、CKから守部葵(環4・十文字)がゴールネットを揺らすも、惜しくもオフサイドの判定。その後もゲームを支配し、前半だけで11本のシュートを放ったが、いずれも得点には結び付かずに試合を折り返す。後半は開始から2枚代えで攻勢を強めたが、上武大も集中力を切らさずに守り続け、スコアレスでアディショナルタイムに突入する。95分、森原日胡(総1・作陽学園)がクロスに合わせ、待望の先制点かに思われたが、これもオフサイド。ほとんどの時間でボールを保持し、26本のシュートを放ちながらも、相手の堅守を前にゴールを奪うことは出来ず、引き分けに終わった。

これで、前期第3節から引き分けを挟まずに続いていた連勝記録が13で止まった慶大。2位の国士舘大学との勝ち点差は2と縮まったが、それでも、依然として首位につけている。残りの2試合を連勝し、悲願の1部昇格を達成したい。

次節は10月26日の14:00キックオフ。下田グラウンドにて武蔵丘短期大学との一戦に臨む。この試合で慶大が勝利し、かつ同時刻キックオフの試合で国士舘大が引き分け以下の結果に終わった場合、慶大の2部優勝および1部昇格が決定する。

 

2025/10/19(日)14:30キックオフ@上武大学伊勢崎キャンパス

【スコア】
慶應義塾大学0ー0上武大学

【慶大出場選手】

ポジション

背番号 選手名(学部学年・出身高校)

GK

12 中村美桜(理4・慶應湘南藤沢)

DF

18 岩田理子(総2・十文字)

 

→HT 11 森原日胡(総1・作陽学園)

 

4 米口和花(総2・十文字)

 

5 小熊藤子(環4・山脇学園/スフィーダ世田谷ユース、RB大宮アルディージャWOMEN内定)

 

15 宮嶋ひかり(環2・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

 

→HT 24 田中紗莉(総2・県立市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)

 

23 坂口芹(総4・仙台大学附明成)

MF

13 山田葵(総1・聖和学園)

 

→78分 8 佐藤凜(総3・常盤木学園) 

 

6 守部葵(環4・十文字)

 

10 野口初奈(環3・十文字)

 

7 髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

FW 

9 野村亜未 (総3・十文字)

関東大学女子サッカーリーグ戦2部を戦うソッカー部女子。前期第3節の初勝利から勢いに乗ると、7月13日に行われた後期第3節まで勝ち続け、10連勝で中断期間に突入した。
本リーグは、2部を優勝した1チームのみ1部に自動昇格出来る規定となっている。1位でリーグ戦を折り返し、ここ数年で初めて追われる立場となった慶大。プレッシャーがかかる状況で、9月28日にリーグ戦が再開した。
再開からの3試合は、いずれも入れ替え戦進出や逆転での首位獲得を懸けた大学との戦い。逃げ切りを図る慶大と上位を目指す対戦相手という構図の中、チームとして「昇格に向けて山場となる大事な3試合」と位置付けて臨んだ。
再開初戦の後期第4節。国際武道大学戦では、相手の堅いブロックに苦しみながらも、10番・野口初奈(環3・十文字)が2ゴラッソを決めるなど大車輪の活躍を見せ、3−1で勝利。続く立教大学戦も、終盤までスコアレスで進んだが、83分からの12分間で3得点を挙げ、3−0で勝利した。そして、後期第6節の順天堂大学戦。相手のハイプレスをかいくぐり、2−0とリードするも、そこから追い付かれるまさかの展開に。今季初めてリードを追い付かれた慶大だったが、『賢く泥臭く』プレーし続けると、87分に生まれた絶対的ストライカー・野村亜未(総3・十文字)の殊勲弾で、3−2の接戦をモノにした。
後期第6節が終了し、全チーム残りは3試合。この時点で、慶大は勝ち点40の首位。優勝争いは、慶大を勝ち点差4で追う国士舘大学との一騎打ちとなった。
後期第7節は、2位の国士舘大が10月18日(土)開催。この試合で国士舘大が敗れ、かつ10月19日(日)に首位の慶大が勝利すれば、慶大の2部優勝および1部昇格が決定する状況だった。
しかし、国士舘大が土曜日の試合で勝利したため、後期第7節終了後の慶大の昇格決定はお預けに。まずは上武大戦で勝ち点3を積み、昇格に王手をかけるべく、アウェイ・上武大学伊勢崎キャンパスに乗り込んだ。
※順天堂大学戦の記事に関して、国士舘大学の後期第7節の試合日程に誤りがありました。訂正し、お詫びいたします。
当初の表記:10月19日(日)の14:00キックオフ
正しい日程:10月18日(土)の14:00キックオフ

慶大の試合前時点での自動昇格争い(慶大は1試合未消化)

順位

チーム名

勝ち点

得失点差

総得点

残り試合数

慶應義塾大学

40

37

46

~↑自動昇格ライン↑~

国士舘大学

39

20

27

※勝ち点に次ぐ順位決定要項は、得失点差、総得点、直接対決の戦績、フェアプレーポイント、それでも並んでいる場合は抽選、という順になっている

一方の上武大は、試合前時点で自動降格対象の最下位。残り試合を全勝すれば、残留圏の8位まで浮上出来る可能性もあるが、まずは入れ替え戦対象の9位を目指したい。
後期第6節終了時点で、10位の上武大と9位の日本女子体育大学はわずかに勝ち点1差。勝ち点に次ぐ順位決定要項の得失点差はー39で並び、続く要項の総得点でも近い数字を残している。さらに、続く要項の直接対決もまったくの五分だが、直接対決に次ぐ要項のフェアプレーポイントでは上武大が日女体大を上回っているため、上武大は慶大相手に引き分けでも、今後に向け非常に貴重な勝ち点1となる。
また、勝利すれば残留が決まる8位の武蔵丘短期大学と、何としてでも自動降格を免れたい9位の日本女子体育大学の一戦が、慶大と上武大の試合開始1時間30分前の13:00にキックオフ。残留を争う3チームにとって、運命を大きく変える1日となりそうだ。

上武大の試合前時点での残留争い

順位

チーム名

勝ち点

得失点差

総得点

残り試合数

武蔵丘短期大学

10

ー28

14

~↓降格入れ替え戦ライン↓~

日本女子体育大学

ー39

~↓自動降格ライン↓~

10

上武大学

ー39

※勝ち点に次ぐ順位決定要項は、得失点差、総得点、直接対決の戦績、フェアプレーポイント、それでも並んでいる場合は抽選、という順になっている

慶大はいつも通りの3−4−2−1システムながら、前節からスタメンを2人変更。鋭い縦パスとテクニックで魅せる副将・守部葵(環4・十文字)が4試合ぶりに先発に名を連ね、ボランチのポジション。また、1年生ながら攻撃の中心となっている山田葵(総1・聖和学園)が右シャドウでスタートから出場する。

4試合ぶりのスタメンとなった副将・守部

ファーストチャンスは8分。守備時はダブルボランチに入り、攻撃時は守部と縦関係になってトップ下でプレーする野口から、左WB・坂口芹(総4・仙台大学附明成)にパスが渡る。坂口はエリアに侵入すると縦に仕掛け、得意の左足クロスを上げると、山田がこれに合わせるが、相手キーパーに阻まれる。

この日もサイドから好機を演出した荒鷲の翼・坂口

その後も慶大が保持する時間が続く。16分、左CB・宮嶋ひかり(環2・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)、左シャドウの髙松芽衣(環2・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)のホットラインで前進すると、髙松からCF・野村に楔のパス。一度は相手に取られるが、野村が素早い切り替えから奪回すると、抜け出した山田が受け、山田から野口にラストパスが渡り、野口はボックス内でシュートを放つも、相手守備陣のブロックに防がれてしまう。17分には、右CB・米口和花(総2・十文字)のアーリークロスが逆サイドまで抜けると、坂口が反応してシュート。しかし、これもキーパーのセーブに遭う。

得意の抜け出しからゴールに迫った山田

19分にはセットプレーのチャンス。主将・小熊藤子(環4・山脇学園/スフィーダ世田谷ユース、RB大宮アルディージャWOMEN内定)が高い打点で合わせたボールがこぼれると、守部が反応し、ヘディングシュート。これはバーをたたくも、跳ね返ってきたところを守部が再び頭で合わせ、ボールはネットを揺らす。先制点が決まったかと思われたが、最初のヘディングが惜しくもオフサイドの判定。得点とはならない。22分、宮嶋から守部、髙松へとパスが渡ると、右シャドウの山田が抜群の抜け出しを見せ、スルーパスが供給されるも、相手キーパーの好守に防がれ、無得点のまま給水タイムに突入する。

守部のヘディングシュートはネットを揺らすも、オフサイドの判定

序盤から低い重心で慶大の波状攻撃に対応する上武大は、給水後も押し込まれた際には多くの選手がエリア内まで戻り、ゴール前のスペースを消して執念の守りを見せる。慶大も持ち前のパスワークでチャンスを作り、相手の陣地を回復するロングボールには右CB・米口、リベロ・小熊、左CB・宮嶋の鉄壁のディフェンスラインが冷静に対応。相手ゴールに幾度となく迫り、守備の時間はほとんどなく、試合の主導権を握る。43分、髙松がゴール正面、ペナルティアークのあたりから右足でシュート。しかし、これはクロスバーに直撃し、ゴールとはならない。右WBの岩田理子(総2・十文字)や左WBの坂口を中心に、クロスやスルーパス、ときには果敢なミドルシュートでゴールに迫ったが、いずれも得点には結び付かず。0-0で前半を終える。

岩田との連携で右サイドを攻めた米口

後半開始から、慶大は2枚代えを敢行。岩田に代え、右WBに森原日胡(総1・作陽学園)を。宮嶋に代え、シャドウやWBなど攻撃的ポジションでの活躍も光る田中紗莉(総2・市ヶ尾/日体大SMG横浜U18)を左CBに投入し、攻勢を強める。

一方、残留を争う10位の上武大に、他会場の結果によって大きな動きが。同日13:00キックオフの8位と9位の試合が上武大戦の前半途中に終了し、8位の武蔵ヶ丘短期大が2-0で勝利した。この結果により、上武大は慶大戦を引き分けた場合、日女体大と勝ち点で並び、得失点差で上回る状況に。このままスコアレスで試合が終われば、自動降格圏の10位を脱出し、入れ替え戦対象である9位への浮上が決まるため、序盤以上に守備を固めてくる。

8位・武蔵ヶ丘短大vs9位・日女体大の試合終了時点の順位表(上武大1試合未消化)

順位

チーム名

勝ち点

得失点差

総得点

残り試合数

武蔵丘短期大学(残留確定

13

ー26

16

~↓降格入れ替え戦ライン↓~

日本女子体育大学(9位以下確定)

ー41

~↓自動降格ライン↓~

10

上武大学(9位以下確定

ー39

※勝ち点に次ぐ順位決定要項は、得失点差、総得点、直接対決の戦績、フェアプレーポイント、それでも並んでいる場合は抽選、という順になっている

後半開始早々の47分、さっそく投入された森原を起点にチャンスをつくる。右サイドで受けた森原がカットインから野村にパスを付けると、野村からダイレクトで山田に渡り、山田のクロスに髙松が反応してシュート。しかし、ここも相手キーパーの好対応に防がれる。

カットイン・縦突破でも右サイドを攻めた森原

60分、低い位置まで下りてきた野村が髙松とのワンツーからフリーになると、最前線の森原につなぐ。森原はカットインから得意の左足シュートの形に持ち込んだが、相手ディフェンスが素早い戻りでこれを阻む。63分には米口が高い軌道のセンタリングを上げ、ボールはゴールに向けて弧を描いたが、またしてもバーを直撃。一方的に攻めていながらもゴールが遠く、後半も半分が経過する。

10番・野口が高い技術を活かしてチャンスを生み出すシーンもあったが、相手に防がれる

終盤は、ハーフタイムの頃からぽつぽつと降り始めた雨に加え、冷たい風も吹き荒れ、日本一暑い街・群馬県伊勢崎市とは思えないほどの寒さに見舞われたグラウンド。そんな厳しいコンディションとは裏腹に、慶大の攻撃は勢いを増し、何度もゴールチャンスをつくる。75分、相手の背後を取ったストライカーの野村が1枚はがすと、左足で強烈なシュート。しかし、この試合再三の好セーブを見せてきた相手キーパーにまたしてもセーブされてしまう。

ストライカー・野村もゴールに迫ったが、相手キーパーの好セーブに遭う

この試合で唯一シュートを浴びたのは77分、相手フリーキックからヘディングシュートを打たれるも、枠を外れ、ピンチを脱する。重苦しい流れを変えたい慶大は78分、山田に代えてテクニシャン・佐藤凜(総3・常盤木学園)のカードを切る。その後も、敵陣でボールを回し、攻め続けるが、キーパーとディフェンスラインの間を狙ったクロスはゴール前に形成された緑の厚い壁に阻まれ、積極的なミドルシュートもゴールには至らないまま、アディショナルタイムに突入する。

山田に代わって佐藤を投入

このまま試合終了かと思われた95分、途中出場の3人で絶好機をつくる。左CB・田中紗がアーリークロスを上げると、佐藤がすらし、ファーサイドの森原が押し込んでついに待望のゴールを奪ったかと思われたが、これもオフサイドの判定。圧倒的に試合を支配した慶大だったが、相手の堅守に阻まれ続け、またクロスバーに嫌われるシーンもあり、最後まで得点を挙げることは出来ずに引き分けで終わった。

試合終了の瞬間、最下位脱出が決まり歓喜に沸いた上武大イレブン。一方の慶大は、ピッチにうなだれる選手の姿も見られた。
しかし、慶大は依然として首位。残り2試合で勝ち点を重ね、悲願の1部昇格を達成したい。

残り2試合の自動昇格争い

順位

チーム名

勝ち点

得失点差

総得点

残り試合数

慶應義塾大学

41

37

46

~↑自動昇格ライン↑~

国士舘大学

39

20

27

※勝ち点に次ぐ順位決定要項は、得失点差、総得点、直接対決の戦績、フェアプレーポイント、それでも並んでいる場合は抽選、という順になっている

次節は10月26日(日)。武蔵丘短期大学戦に、3ヶ月ぶりのホーム・下田グラウンドで臨む。
後期第8節での2部優勝&1部昇格達成条件は、
・慶大が勝利し、国士舘大が引き分け
・慶大が勝利し、国士舘大が負け
の2パターンとなっている。
次節の慶大優勝条件国士舘大(勝ち点39)
慶大(勝ち点41)慶44,国42慶44,国40慶44,国39
で最終節へ→優勝決定→優勝決定
慶42.国42慶42.国40慶42.国39
で最終節へで最終節へで最終節へ
慶41,国42慶41,国40慶41,国39
で最終節へで最終節へで最終節へ

今節は惜しくも勝利することは出来なかったが、それでも、勝ち点1を積み上げた慶大。
リーグ再開からの過酷なアウェイ4連戦を3勝1分で終え、2位の国士舘大とは再開前からの勝ち点2差はキープしている。雨降って地固まるという言葉の通り、この試合で涙雨に打たれた選手たちが、必ずや残りの2試合では勝利を掴んでくれるだろう。

 

(取材:神戸佑貴、柄澤晃希)

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