まさに決戦だ。残り試合がわずか2試合となった今季の関東大学サッカー1部リーグ戦。第21節早慶戦が11月27日(日)に西が丘サッカー場にて行われる。両チームの現在の順位はそれぞれ慶大が4位、早大が5位と急接近中だ。さらに慶大にとってはこの試合に勝てば全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)への出場が決まる重要な一戦となる。インカレ出場をかけた激戦必至な伝統の一戦を前に、早慶両スポーツ新聞会のア式蹴球班とソッカー班のメンバーが試合の展望などを座談会として語り合った。ぜひこれを読んで当日は慶大ソッカー部の応援に駆けつけて頂きたい!!
1、両チームのここまでの戦いを振り返って
[慶應スポーツ]
今シーズンの慶大は開幕戦で昨年度、関東リーグ王者である明治大に完封勝利し、幸先の良いスタートを切ると、その後も、現在首位の専修大や中央大といった強豪相手に勝利をおさめました。しかしその一方で、第3節の青学大戦では昇格組の相手に0-3で完敗、第8節の駒澤大戦では今季未勝利だった相手に初白星を献上するなど格下との戦いで取りこぼしが目立った印象があります。さらに中断期間を経た、リーグ戦再開後は試練が続き4試合勝ち星がない苦しい時期を迎えました。この時は順位も7位にまで転落してしまいました。そんな中、転機となったのは、第14節の明治大戦です。日髙(総4)選手の2ゴールで5試合ぶりの勝利を飾ると、そこから本来の力を取り戻し、後期はここまで9試合を戦って、わずかに敗戦は1試合だけです。慶大は2試合を残して現在、リーグ戦4位とインカレ出場に王手をかけています。[早稲田スポーツ]
ワセダは、前半戦は中盤から上手く勝つことができて首位で折り返しましたが、後半戦に入ってからの慶大・明大・国士大との3連戦を2敗1分けで終えたことが痛かったように感じています。後期の負けている試合では点が取れない完封負けのみです。得点力に乏しい印象ですかね。しかし、現在は第20節の順大戦に勝利したことで、全日本大学選手権(インカレ)出場権獲得の可能性を残したという状況です。
2、両チームのチーム事情
[早稲田スポーツ]
前期に比べて、後期は失点が増えました。それに、前期は決定力がありましたね。ワセダの強みは、安定した守備のベースがあるということなんですけど、ここ最近では一瞬のスキをつかれて失点することが多く、そういった失点をいかに減らせるかが早慶戦に勝つためには重要になってくるのではないでしょうか。攻撃はパスを回して崩すというよりは、ボールを奪ってから短いタッチでいかにゴールに迫るかという攻めだと思います。
[慶應スポーツ]
慶大の現在のチーム状態はいたって良好だと思います。攻撃面では、現在8点を挙げ、得点ランクで6位につける日髙選手を中心に、河井(政4)選手、大塚(総4)選手、風間(商4)選手の活躍が目立ちます。5-1で大勝した第15節の国士舘大戦では4選手が揃って得点をあげるなど、その存在感は大きなものです。そして忘れてはいけないのは後期の躍進の鍵、守備陣の安定です。ここまで後期9試合を終えて9失点という数字は、前期の11試合、20失点という数字から大幅に改善されています。それは前期の課題であった、守備への意識を選手が強く持っていることはもちろん、笠松(総4)選手、松岡(商3)選手の両CBのコンビネーションが高まり、バイタルエリアの守備網が強固になったことが要因であると考えられます。1対1に絶対の自信を持つ、田中(環4)選手、黄(総4)選手の両SBを含めた慶大のDFラインはそう簡単には崩されないでしょう。経験がものをいう“リーグ終盤戦”では彼ら4年生の働きがより一層重要であり、集大成をみせる4年生の働きが命運を握っていると思います。
3、早慶のライバル関係
[慶應スポーツ]
慶大が1部に昇格してからの3年間の対戦成績は、早大に対して、8試合で、6勝2分。早慶戦では相性の良さがあるという印象です。しかし、今年の早大は決して油断の出来ない相手に感じますね。前期のリーグ戦では、立ち上がりに2失点を喫すると、なんとか同点に追い付くのがやっとという感じでした。なにより、相手はもうこれ以上慶大には負けられないという強い気持ちを持って挑んでくると思うので決してあなどれないでしょう。更に、今回の早慶戦は両チームのライバル関係に加え、インカレ出場が懸かった試合という意味合いもあります。慶大にとっては、終盤で5位に転落した、2年前の再現だけはなんとしても避けなければならないですし、両チームにとっても悲願であるインカレ出場権獲得のために、激しい試合になりそうです。とにかくこの試合は本当に勝ってもらいたいですね。
[早稲田スポーツ]
ここ3年間でワセダは慶大に6敗2分けで、僕が早稲田スポーツ新聞会でア式蹴球部の取材を始めてから慶大に勝ったところを見たことがないです…(笑)。ですが次のリーグ戦での早慶戦は、ここ数年の中で1番面白い試合になりそうで楽しみです。ワセダは、去年・一昨年とリーグ戦も残り数試合になると、インカレ出場も降格もない状況で消化試合となっていたのですが、ことしはインカレ出場がかかっているので見ていて緊張感があり本当に面白いですし、私達としてもしっかりと取材をしなければと身の引き締まる思いです。
[早稲田スポーツ]
ワセダはやはり、チームの強みである守備のベースを生かすことからゲームが始まると思います。これまでの試合を見ていると、前半はあまり試合が動かないと思います。ワセダはことし先制点を許した試合での勝利がないので、慶大に先制点は絶対に与えたくないと考えていると思います。先制して、追加点を狙いつつ守るという展開に持っていくのがおそらく理想のゲームプランなのではと思います。FW富山貴光(スポ3)選手が出場停止なのがワセダとしては痛恨だと思いますが。
[慶應スポーツ]
ここ数試合でフォーメーションは4-2-3-1で固まりつつあり、スタメンも固定されています。前期、わずか7試合の出場ながら6得点を挙げた武藤(経1)選手は、けがのため出場できませんが、他にけが人はおらず、また今節は累積警告による出場停止選手もいないため、現時点で考えられるベストメンバーを起用できるでしょう。試合内容は、絶対に負けられない戦いだけに、ここ数試合同様、守備的な立ち上がりが予想されます。この緊迫した入りから、いかに自分たちのサッカーを展開できるか、中盤で優位に立ち試合を支配する、慶大の華麗なパス回しに注目です。注意が必要なのは攻撃時のリスクマネジメントかと。早大はエースの富山選手が累積のため出場停止のようですが、前線に位置する小井戸(教4)選手を起点に両サイドが素早いカウンターを仕掛けてくると思うので、藤田(政3)選手、増田(環1)選手のダブルボランチが相手の攻撃を早い段階で摘み取れるかが重要だと思います。90分間集中力を切らさずに、相手よりも強い気持ちを持って“戦えるか”。それが勝敗を分けることになるのではないでしょうか。
5、注目選手
[慶應スポーツ]
注目選手の1人目は、慶大の魂・笠松主将です。ピッチの外にまで聞こえる味方を鼓舞する声、ライン統率、カバーリングなど、まさに全身でチームをここまで引っ張っています。失点数が多かった前半戦は苦しさもあったと思いますが、守備が安定した後半戦でのプレーは圧巻です。また、守備面でのプレーにばかり目が行きがちですが、華麗なパス回しの1本目となるビルドアップも必見です。まさにチームの命運を握る選手として、早慶戦での活躍に期待です。2人目は、慶大のファンタジスタ・河井選手です。1年生時からピッチに立ち続ける河井選手も今年がラストイヤー。今年は常にピッチを駆け回り、守備への貢献も大きいように感じています。そしてなんといっても注目なのは、スイッチが入った時の河井選手の常人離れした動きです。チームがピンチになった時、河井選手にボールが渡ると本当にすごいんです。来季はJの舞台で戦う河井選手の雄姿を皆さん目に焼き付けて下さい。最後の3人目は、この1年間で1番の成長を見せているといっても過言ではない、増田選手です。彼は今季の新人王の筆頭とも言えるのではないでしょうか。豊富な運動量、決して当たり負けない身体能力で1年生ながら中盤には欠かすことのできない選手になっています。そしてここ数試合で見られる効果的な攻撃参加はまさに増田選手の成長の証と言えるでしょう。早慶定期戦でもゴールを決めた鉄人の、試合を決める働きに期待です。
[早稲田スポーツ]
ワセダはボランチの、MF柿沼貴宏副将(スポ4)とMF島田譲(スポ3)選手の2人だと思います。まず柿沼副将は、攻守ともにレベルの高いプレーが出来るユーティリティープレーヤーですし、島田選手は順大戦でも2アシストを見せたように、得点につながる決定的な仕事が出来る選手だと思います。ダブルボランチの活躍次第で良くもなるし悪くもなるのではないでしょうか。中盤で試合が決まると予想します。
最後まで読んで下さった皆さん。ありがとうございました。いかがだったでしょうか。11月27日(日)の早慶戦は13時50分KO@西が丘サッカー場です。当日はぜひ会場に足を運び、慶大ソッカー部に熱い声援を送ってください。よろしくお願いいたします。
また当日の試合速報はTwitterアカウント、keispo2011で行います。会場にお越しになれない方はぜひごらんください!!
By 早稲田スポーツ新聞会、ア式蹴球班&慶應スポーツ新聞会、ソッカー班
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