【ソッカー(女子)】〈戦評〉1−3敗戦で最下位転落 ここから這い上がれ荒鷲イレブン/第40回関東大学リーグ1部後期第1節 VS十文字学園女子大学

ソッカー女子

 関東大学リーグ1部後期第1節。リーグ戦7連敗中の11位・慶大は、ホームで9位・十文字大に1−3で敗れた。

 開始早々、岩田理子(総3・十文字)のクロスに野村亜未(総4・十文字)が合わせて先制するが、直接FKで追いつかれると、前半終了間際に勝ち越しを許す。後半開始から大胆な選手交代と配置の変更で勝負に出たが、終了間際にダメ押し点を許した。

 この試合の翌日、慶大と勝ち点6で並び、得失点差で最下位(12位)の順大が勝ち点1を獲得。慶大は今季初の最下位に転落した。

 

【試合結果】

2026/6/20(土)14:00キックオフ@慶應義塾大学下田グラウンド

O.R.S 第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 後期第1節

慶應義塾大学1−3十文字学園女子大学

 

【得点(アシスト)】

5分 慶大 野村亜未(岩田理子)

24分 十文字大 大槻美生

45+2分 十文字大 白城璃々花

90+1分 十文字大 井上らら(大槻美生)

 

【慶大出場選手】

ポジション

背番号 選手名(学部学年・出身高校)

GK

1 四宮里紗(環1・桐蔭学園)

DF

18 岩田理子(総3・十文字)

→HT 13 山田葵(総2・聖和学園)

6 木田遥(総1・十文字)

5 米口和花(総3・十文字)

4 宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)

14 福島紗羅メヘル(政1・昌平)

MF 

11 森原日胡(総2・作陽学園)

10 野口初奈(環4・十文字)

2 竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)

8 佐藤凜(総4・常盤木学園)

→HT 7 髙松芽衣(環3・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18) 

 FW 

9 野村亜未(総4・十文字)

 

 〝早慶戦初勝利〟を期して挑んだ前節のアウェイでの早大戦で3−1の完敗を喫し、7連敗となった慶大。

 11位で前期を終え、今節はホームで9位・十文字大との後期初戦。前期の対戦では1点リードで後半アディショナルタイムに突入したが、CKからのヘディングで追いつかれて引き分けに終わった。

 スタメンは普段通りの攻撃時3−1−5−1、守備時5−4−1のシステムを採用した。前節ベンチスタートとなった宮嶋ひかり(環3・芝浦工業大学柏/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が左CB、岩田理子(総3・十文字)が右WB、森原日胡(総2・作陽学園)が右ISH、福島紗羅メヘル(政1・昌平)が左WBでスタメンに復帰した。

スタメン復帰の宮嶋

 5分、中央で相手を囲い込んでボールを奪うと、宮嶋から左ISH・佐藤凜(総4・常盤木学園)にくさびのパスが入り、佐藤から森原につながる。森原から右サイドを駆け上がった岩田の前方にパスが渡り、岩田はダイレクトでグラウンダーのクロスを供給する。CF・野村亜未(総4・十文字)がボックス内でダイレクトで合わせると、ボールはネットを揺らし、早い時間帯で先制する。

得点を喜ぶ野村(左)と岩田(右)

野村は2試合連続ゴールで今季5点目

 この試合は両WBに積極的にボールを回し、4−1−4−1で守る十文字大に対してサイド攻撃を仕掛けるゲームプランを持っていた。黄大城監督から右WB・岩田、左WB・福島紗に高くポジションを取るよう声がかけられ、ピッチを横に広く使った攻めで押し込んでいく。8分、CB・米口和花(総3・十文字)のフィードが福島紗に渡ると、サポートした宮嶋がトップ下・野口初奈(環4・十文字)につなぐ。野口の野村とのワンツーからのシュートは味方に当たるが、こぼれを森原が右CB・木田遥(総1・十文字)につなぎ、大外の岩田まで展開する。岩田が深い位置からクロスを試みるが、ゴールラインを割る。

高精度のフィードでチャンスメイクした米口

 10分にも先制点と似た形でチャンスをつくる。くさびを受けた佐藤から森原、野村へとパスが渡り、野村の落としを受けた岩田から森原へのスルーパスは十文字大DFの足に当たりわずかに合わなかったが、「逆のウイングの選手が空くのは相手の分析で共通認識として持っていました」という試合後の森原のコメントにあったような意図した攻撃でゴールを脅かす。

絶妙なファーストタッチから展開した佐藤

立て続けにサイドへの好パスを供給した森原

 23分、十文字大CKのセカンドボールを野口が胸でコントロールしてクリアするが、ハンドの判定でペナルティアーク付近からの直接FKを献上すると、ゴール左上に豪快に決められ、ワンチャンスで同点に追いつかれる。

 27分、ペナルティアーク付近からゴール左下にコントロールショットを打たれるが、キーパー・四宮里紗(環1・桐蔭学園)が好セーブで失点を防ぐ。

 雨でピッチコンディションが悪いこともあり、前半途中からビルドアップに苦戦する。3バックと前線の距離が遠く、十文字大のプレスに追い詰められる展開が続く。前半の終盤から広い視野で攻撃のタクトを振るうアンカー・竹内あゆみ(看4・日ノ本学園)と、ロングボールで状況を打破できるトップ下・野口のポジションを交換し、攻撃のリズムを変えにかかる。

竹内が今季初のトップ下へ

野口が前期の十文字大戦以来のアンカーへ

 その後は岩田を起点とした攻撃で徐々に流れを取り戻す。40分、岩田が米口のフィードを受けると、アンダーラップした木田が岩田からもらい、森原に落とす。森原のセンタリングを佐藤がコントロールし、野村がこぼれに詰めるがキーパーに防がれる。

何度もサイドの起点となった岩田

 43分、至近距離でシュートを打たれるが、四宮がビッグセーブ。その直後、ショートコーナーから強烈なシュートを打たれるが、竹内がヘディングでクリア。体を張った守備でゴールを守る。

スーパーセーブ連発の四宮

 その後はクロスバーに救われるシーンもあり、なんとか耐えていたが、45+2分、十文字大アンカーにボールを運ばれ、スルーパスから中央を突破されると、一度は四宮がシュートを防いだがこぼれを押し込まれ、勝ち越しを許す。

 後半開始から2枚代えを敢行。岩田に代わり、ここぞの場面で決めるセカンドストライカー・山田葵(総2・聖和学園)。佐藤に代わり、今季はけがに苦しんでいるが昨季は不動のレギュラーとして貢献した髙松芽衣(環3・植草学園大学附/ジェフユナイテッド市原・千葉レディースU18)が左ISHに入る。また、トップ下の竹内が右CB、右CBの木田がトップ下へとポジションを交換。岩田が務めた右WBには右ISHの森原が入り、右ISHに山田が入る大胆な配置の変更で勝負に出る。

得点に期待がかかる山田

前節、待望の復帰を果たした髙松

 後半は十文字大が圧力を強め、慶大は低い位置で引っかけられてショートカウンターを受ける場面が増える。劣勢の63分、右サイドを森原、木田、山田のパスワークで崩し、最前線の野村につなぐと、野村は縦に仕掛けて右足でシュート。相手にブロックされたが、CKを獲得する。竹内がボールをずらし、野口がセンタリングを上げるが中に合わず、カウンターでボックス内までドリブルを許す大ピンチ。必死に追いかけた米口と四宮がコースを限定し、シュートは枠を外れなんとか失点を免れたが、苦しい時間が続く。

 65分、野村と木田がボールを奪うと、髙松につなぎ、髙松から福島紗にパスが通る。福島紗は右足でクロスと見せかけ、深い切り返しから左足でクロス。山田が飛び込むが、シュートまで持ち込めない。

初のトップ下でアイデアを見せた木田

 激しいプレスを受ける中、十文字大の高いDFラインの裏を突き、WBがチャンスメイクしていく。76分、米口のフィードに抜け出した福島紗が再び左足でクロス。野村と山田が反応するが、わずかに合わせられない。

後半、得意のドリブルで翻ろうした福島紗

 終盤はオープンな試合展開となるが、大きなチャンスはないままアディショナルタイムを迎えると、90+1分、中央からショートカウンターを受け、キーパーとの1対1を決められ万事休す。ほどなくして試合が終わり、1−3の敗戦で8連敗となった。

 同点弾は不運な形だったが、前半ラストプレーで許した勝ち越し点で試合の大局が決まってしまった。ゲームコントロールは今季の最大の課題となっている。

 この試合の翌日、慶大と勝ち点6で並び、得失点差で最下位だった順大が2位の東洋大と引き分け、勝ち点7で11位に浮上。慶大が今季初の最下位に転落した。

 次節はアウェイで順大と戦う。勝てばインカレ出場(=シーズン8位以上)に向けて首の皮一枚つながるが、負ければインカレ出場はかなり厳しくなり、自動降格(=シーズン最下位のみ)に近づく。まさに背水の陣に立たされた。

 

【次節の試合予定】

2026/7/5(日)18:00キックオフ@順天堂大学さくらキャンパスサッカー場

O.R.S 第40回関東大学女子サッカーリーグ戦1部 後期第2節

順天堂大学対慶應義塾大学

 

【試合後インタビュー】

森原日胡(総2・作陽学園)

――今日の試合に向けてどんな準備をしてきたか

十文字と順天はインカレ出場という目標を掲げる以上絶対に負けられない相手だと思って準備をしてきました。

――個人としては前節スタメンを外れた中でどんな取り組みをしてきたか

メンバーは今回もテソンさん(黄大城監督)がギリギリまで迷っていた中で、この1週間の練習を通していかにアピールするかというのは意識して、あとは自分自身がずっと求められている得点に絡む、結果を残すところの姿勢を練習から前面に押し出してプレーすることを意識していました。 

――先制点のカウンターは得点に絡むプレーとなった

あのシーンは自分たちの奪いたいシチュエーションでボールを奪えたシーンで、(ボールサイドと)逆のウイングの選手が空くのは相手の分析で共通認識として持っていました。絶対あそこには味方がいると思って、理子さん(岩田)が走ってくれているのを見てそこに流して得点につながったので良かったと思います。

――この結果をどのように受け止めているか

現実的に考えてインカレ出場という目標は厳しくなったかもしれないですが、まだ(シーズンは)半分残っているのでもう一回前を向いて、さっきテソンさんが仰っていたようにまずは残留を自分たちの目標として置いて、目の前の試合にベクトルを向けて勝ち点をちょっとずつでもいいから積み重ねていって、来年もこの場所(1部)で戦うことを目標にまた1週空くので次の順天戦に備えたいと思います。

――2週間どんな取り組みをしていきたいか

今まで毎週リーグ戦があったので一回リフレッシュをして、客観的に自分を見て生活を振り返って、いい状態でオフ明けスタート切れるようにやっていきたいです。

 

(取材:柄澤晃希)

 

 

 

【応援メッセージ】

夢に向かって努力するチームへ、応援メッセージをいただきました。

小熊藤子さん(令8環卒、25年度主将)

結果が出ない時は、「このままでいいのかな」「自分たちのやっていることは本当に正しいのかな」って、不安になることもあると思います。頑張っているからこそ苦しいし、結果が出ないほど自分たちを信じられなくなる瞬間もあるよね。私も、その苦しさやもどかしさを何度も経験してきました。

でも、そんな時こそ大事なのは、自分たちがここまで積み重ねてきたものを信じること。苦しいからといって目指すものを変えるのではなく、仲間と積み重ねてきた慶應らしいサッカーを最後まで貫いてほしいです。

勝ちたい気持ちが強いほど、どうしても結果ばかりに目が向いてしまうけど、本当に大切なのは目の前の一つひとつのプレーに全力を注ぐこと。試合が終わった時、「やれることは全部やった」「この仲間と最後まで戦い切った」と胸を張って言える90分にしてほしいです。その姿勢はきっと仲間にも、応援してくれている人たちにも伝わります。そして、その積み重ねの先に結果はついてくると信じています。

今の苦しい時間も、決して無駄にはなりません。この経験があるからこそ見える景色があって、この経験を乗り越えた先には、今よりもっと強いチームになったみんながいるはずです。

仲間を信じて、自分を信じて、最後まで慶應らしく。みんなが笑顔でシーズンを終えられることを願っています。心から応援しています。

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