日体大健志台米本記念体育館 で行われた春季関東リーグ第8戦。1つでも上の順位を目指すために負けられない慶大は粘る国士大を振り切り、チーム一丸となって今季初のストレート勝ちを収めた。
5月19日(土)春季関東大学1部リーグ 慶大×国士大 @日本体育大学健志台米本記念体育館
得点 | ||
慶大 | セット | 国士大 |
25 | 1 | 23 |
25 | 2 | 21 |
25 | 3 | 23 |
サイド | 柳田将洋(環2・東洋高) |
セッター | 野口剛志郎(環2・東福岡高) |
センター | 星谷健太朗(理3・渋谷幕張高) |
サイド | 岡田拓巳(商3・熊谷高) |
サイド | 間宮秀太(政4・慶應高) |
センター | 山本悠登(環4・東亜学園高) |
リベロ | 前田優介(環4・日向学院高) |
リベロ | 野瀬将平(環1・東福岡高) |
途中出場 | 川村昌平(環4・春日部共栄高) |
七條真理(環3・日向学院高) | |
棚橋真之(経3・慶應志木高) | |
稲田聡典(環2・日向学院高) |
第1セット、慶大の最初の得点は山本(環4)の鮮やかなクイックから。「控えになってもちゃんと準備をしてくれて、期待通りにやってくれるありがたい選手」(宗雲監督)と評される山本は2試合連続のスタメン出場となり、この試合も存在感を放つこととなる。要所で山本とセッター野口(環2)とのコンビが冴え、多彩な攻撃で相手ブロッカーに的を絞らせない。さらに星谷(理3)を中心としたブロッカー陣がプレッシャーを与え続け、相手に思うようなバレーを展開させず、17-10と大量リードを奪う。しかし、国士大もここから猛烈な粘りを見せる。辛抱強いディグを続ける国士大相手に慶大は徐々にペースを握られ始め、ついに22-22の同点に追いつかれてしまう。1セットも落とすものかという気迫が両者から伝わってくる、熱戦。その第1セットに終止符を打ったのは、調子を上げてきた慶大のエース・岡田(商3)であった。ここぞという場面でのスパイクが決まり、これぞエースという活躍。最後も岡田のスパイクで締め、このセットを25-23で奪う。
第2セット、慶大の初得点は間宮(政4)のスパイクから。「本当に気持ちを切らさずに、頑張って良くやってくれている」(宗雲監督)という主将・間宮のサイドアタックがここぞという場面で決まり、チームを勢いづける。中盤、慶大のキャッチに乱れが生じ一進一退の攻防となるが、21-21の場面から相手のミスにつけ込み3連続得点。山本のダイレクトスパイクでセットポイントを取り、25-21でこのセットをものにする。
ストレート勝ちのかかった第3セット。このセットにかける思いは慶大が上回っていた。まだ2年生とは思えない、今や頼れるエースとなった柳田(環2)の切れ味抜群のスパイクはこの試合も健在。岡田・柳田の両エースが次々とスパイクを決めていく。しかし、国士大も粘りのディグで、またしても接戦に。サイドアウトを奪い合う展開を打開したのは、野口のツーアタックだった。カットが乱れ、やや長くなったところで機転を利かし、相手の意表を見事に突いた。この後、柳田のサービスエースや岡田の豪快なスパイクで25-23と国士大を振り切った。
優勝争いから脱落した中、いつ気持ちが切れてもおかしくないような状態は続いていたかもしれない。しかし、「一丸となってやれている」(山本)というように、間宮を中心とする上級生がしっかりとチームをまとめて今季初のストレート勝ちを収めることができたのは、今季の慶大の好調さを表している。この勝利は、上位進出のためには欠かせないものだった。次戦はリーグ最終戦である早大戦。一つでも上の順位へ向け、「集中してきっちり勝ちたい」(間宮)。
(文・古尾谷 拓真)
宗雲監督(初のストレート勝ちですね)そうですね、選手は意識していたみたいですね。(勝因は)見ての通り、それぞれが調子悪くて、野瀬も調子悪いし、(野口)剛志郎も序盤レフトへのトスがばらついたりとかしていたので、少しずつひずみが出ていたのですが、でも、今日は岡田がわりと元気だったのが大崩れしなかった要因ですね。(間宮主将もチームをプレーで引っ張っていますよね)間宮は本当にキャプテンとして、練習の時もメンタル的につらいと思うんですよ。でも本当に気持ちを切らさずに、頑張って良くやってくれていますね。(山本選手は2試合連続でスタメンでした)そうですね、センタークイックを多めに使いたかったので、(山本)悠登の方がクイックは上で待っているので剛志郎も上げやすいかなと思いました。もうちょっと打数が欲しかったですね。(山本選手は好調を維持していますね)悠登も稲田もそうなのですけど、控えになってもちゃんと準備をしてくれているので、本当に助かります。監督の立場からすると、本当にいい選手、期待通りにやってくれるありがたい選手ですね。(明日がリーグ最終戦です)早慶定期戦は6月にありますけど、この他大学のお客さんがたくさんいる会場で、早慶のプライドのぶつかり合う良い試合をして、ぜひ勝ちたいと思います。
間宮秀太主将
(今日の試合を振り返って)相手の力ってのは下で、ミスが多かったんですけど、勝てたのは良かったと思います。出来には満足していないですけど、結果には満足です。(初のストレート勝ちでしたが)自分たちのミスがとても多くて、安定した戦いがこれまでできていなかったので、今日ストレート勝ち出来て良かったと思っています。ただ、これまでの戦いの中でも、ストレート勝ちできる場面っていうのもあったので、これが初になってしまったというのは課題かなと思います。(自身のスパイクが良く決まっていたが)これまであまり自分で決めることができていなくて、今日も満足はしていないんですけど、これからもっと自分で決めていかなければと思います。(第一サーブでしたが)今日はサーブが調子が悪かったですね。ネットにかかることが多かったので、今後の課題だと思います。(相手の国士館大の印象)ディフェンスがとても良かったですね。粘り強くて、流れを持って行かれた時もあったので。でも、最終的に勝てて良かったと思います。(最終戦、早稲田戦に向けて)最後の試合なので、早稲田戦とか関係なく、上位もかかった試合なので、集中してきっちり勝ちたいです。
山本悠登
(今日の試合を振り返って)優勝はなくなりましたけど、国士舘もいいチームですし、うちにとってはやりにくいチームだと思ったので、一生懸命やろうと思っていました。(やりにくいというのは具体的には)背はあまり大きくないですけど、巧いバレーをしてくるという印象がありました。昨日のミーティングでも言っていたんですけど、型にはまったようなチームではなくて、状況によって変えてくるチームなので、うちにとっては少しやりにくい相手でした。(そんな相手にもストレート勝ちだったが勝因は)20点ぐらいまでは競っていたんですけど、そこからの5点をどう取るかということで、みんなで声を掛けてやっていましたし、そこでもう一回突き放すことが出来たのが良かったと思います。(自身の出来は)いつもそうなんですけど入りが硬くなってしまって、最初はあんまり足が動かなかったんですけど、その中でも野口が要所でトスを上げてくれて、それに対応出来たというのは良かったかなと思います。(リーグを通しての手応え)レギュラーではない選手達も出番が来ればしっかりと仕事が出来ているという意味で、チームとして層が厚くなっていると思います。僕が出ない時も稲田がしっかりとやっていますし、棚橋とかもすごくいい仕事をしてくれています。今まではレギュラーだけでやっている感じがあったんですけど、今はチーム一丸となってやれていると思います。(最終戦に向けて)早稲田は負けられない相手ですし、順位とかは関係なく、全力でぶつかって勝ちたいと思います。
岡田拓巳
(今季初のストレート勝ちだったが)そうですね。国士舘は2部から上がってきたチームなので、僕らがしっかり力を示さないといけないというのもありましたし、今日はしっかりストレートで勝って最後の早慶戦につながればと思ったので、3-0という結果はかなり良かったかなと思います。(特に前半は岡田選手の活躍が目立った)このシーズン通して、あんまり安定してなくて良くなかったので、最後の2戦はしっかり自分が役割を果たせるようにしたいと思って気持ち的に1セット目うまく入れたのでこれを明日も続けていきたいと思います。(調子は上がってきたか)先週、先々週で自分のダメなところは全部出し切ったので、それを意識したことでうまくいったのかなと思います。(上位進出も確実になったが)そうですね。タイトルを目標にしていたので、その点では今回の春リーグはちょっとダメだったんですけど、やっぱりこうやって勝ち越せて去年や一昨年より(順位も)一つ一つ上がっていけているというのは、確実に伸びてきているなという部分なのでそれは良かったです。(最終戦は早大だが)個人的にも負けたくないというのもありますし、早慶は昔から争っていて、春リーグ最後の試合というのもありますし、今シーズンは早慶定期戦でまた早稲田とやるので、春リーグで一回自分たちの方が強いということを相手に示せればなと思います。
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