1年時から慶大を支え、現在大学バスケットボール界において1、2を争うほどの実力を持つポイントガードの二ノ宮康平選手(環4)。「再び日本一に」と秘めたる闘志を抱きつつも穏やかな口調で昨季や今季のことについて語ってもらった。
―まず昨年を振り返っていかがですか
土壇場での強さが足りなくて、リーグ戦にしても、インカレにしてもあと一歩の所で勝つことが出来なかったです。そういうのは気持ちでもカバー出来たと思うんですけど、そこが弱かったと個人的にもチーム的にも思っています。
―逆に昨シーズンで良かった点は
やっぱり一昨年のインカレで優勝した経験がいい意味では強みにもなっていたんですけど、それが悪い意味では油断にもなっていました。
―では今シーズンについて、まずスローガンをお願いします
スローガンは“One or None” です。まず”One”の中には色んな意味が込められていて、日本一になることだったり、チームとして一つにまとまること、後は土壇場でのあと一勝を掴み取ることを言葉に込めています。そして、今年はチームの目標に「結果としての勝利」と「理念の徹底」という二本柱を据えていて、その両方を達成して初めて本物の勝利を掴めると考えています。”One or None”というのは結果としての勝利である”One”を成し遂げたとしても、規律などのチーム理念が徹底されていなかったら”None”になる、つまりダメだということ。もちろん単に勝利が意味を持たないということではないんですけど、それくらい今年は理念の徹底を大事にしていきたいと考えています。今年は結果としての勝利と理念の徹底の両方を成し遂げた”One or None”というスローガンにしました。
―二ノ宮選手が主将になった経緯と理由を教えてください
新4年生でのミーティングを重ねて決まったんですけど、僕自身自分が先頭に立ってチームを日本一に導きたいという思いが強かったので立候補しました。僕と酒井(祐典)が立候補して、お互いチームのベストを出すにはどうすればいいかを色々考えたり、ミーティングを重ねたりしました。そしてやっぱり自分がチームの先頭に立ちたいという思いが強かったし、あと去年はチーム全体が同じ目標に向かってはいたが所々でベクトルがずれていた部分があったと思っていて、選手が本来持つべき向上心をチーム全員に持たせたいという僕なりの考えを皆に話したら納得してもらえたので僕が主将になりました。酒井には僕には足りないもの、例えば「厳しさ」を出せるのでそういう部分で引っ張っていってもらいたいです。僕たちがメンバー一人一人の個性を見極めて、チームをまとめていきたいです。
―主将を務めることへのプレッシャーはありますか
よく主将はプレッシャーを受けてプレーしづらいと聞くが、キャプテンになったからといってプレーの内容が変わるわけではないし、僕自身そういうのは全く感じてません。確かに去年よりチームのためにプレーするという意識は増すんですけど、プレイヤーとしてやることは変わらないのでプレッシャーというのは感じていないです。
―主将としてどのようなチームを作りたいですか
チームのベクトルが十分に揃っていなかったという去年の反省から、今年はチーム全体に選手としての理念を徹底させていきたいです。試合に出る人はモチベーションも上がり、やることも明確化するんですけど、試合に出れない人は何をすればいいのか分からなくなる状態もあると思います。そういう時に目標を見失わないように普段から選手としてあるべき意識、試合に出たいという向上心を持ってほしいので、僕が主将として一人一人にアドバイスだったり、課題を与えることによって、試合に出れない人も常に主将である僕に見られていると思わせるような環境を作りたいです。
―現在のチームの雰囲気はどうですか
新4年生で厳しい環境を作ろうと皆言っています。やはり去年の4年生である田上さんや小林さんが抜けて現実的に戦力が落ちるので、本当に厳しくやらなければ日本一という目標も達成できない事を後輩達に分からせたいので厳しい雰囲気作りをしています。今はまだ後輩達の目標に対する意識が低いのでもっと4年生が徹底して高めさせたいと思っています。
―去年の4年生(田上・小林)が抜けた穴をどう埋めたいですか
まず前から試合に出ている僕と酒井と岩下はこれまで以上にチームを引っ張っていかないといけないと思います。それから後輩も育てていく必要があって、そのために先ほど言ったような厳しい環境の中で向上心を持たせたいと思います。後輩達が今までの意識だと試合で活躍するのも難しいので全面的に意識の改善というか、高い目標を持てるような環境作りを僕らがしていきたいです。
―新4年+家治に続くスタメンとして期待したい選手はいますか
4番ポジションがキーになってくると思うので、4年生でいったら澤谷、3年生でいったら春本、2年生だったら桂、清水だったりチーム内では身長が大きい選手がもっと高い意識を持ってプレーしてほしい。それから新入生もそこそこ力があるので、頼ってはいけないが上手くチームに浸透させたいとは思っています。
―同じ新4年である酒井・岩下にはどのようなことを期待したいですか
まず酒井にはもっと得点を取りにいってほしいと思っていて、やっぱり去年までは大祐さん(小林)がいたから酒井には陰で支えるイメージがあったと思うんですけど、今年はどうしても得点を取りに行ってもらわないと困るので、酒井には今までの動きプラス得点力を期待したいですね。岩下に関しても、やっぱりチームの大黒柱なのでもっと存在感を出してほしいし、常に20点、20リバウンドくらいは取ってもらいたいですね。僕自身も得点を伸ばしていくつもりなんですけど、やっぱり3人が去年と同じままだったら絶対に勝てないのでまずは僕ら3人が頑張って、それで後輩がついてきてもらえるようにしたいですね。
―二ノ宮選手自身はどのようなプレーをしたいですか
得点力がチーム的に下がるので、僕が得点を狙う場面が増えると思うんですけど、それプラス経験が少ない人たちも試合に出るので一人一人の個性を生かせるようにどういうプレーをしたいかを全て把握したい。ガードとして全員を上手く生かす意識していきたいです。
―去年の結果を踏まえて今年はどのように戦いたいと思いますか
去年は土壇場での最後の一勝が出来なかった。目標が今年も日本一で、去年のメンバーでさえ日本一になれないくらい道は険しいので、目の前の1試合1試合を大切にしてどんどんレベルアップして最終的に日本一になりたいです。
―個人的にライバルだと思うチーム・選手はいますか
どこのチームも強いけどやっぱり青山学院大が飛びぬけていると思います。ライバルというのはあまり考えないんですけど、1部のチームにはどこも良いガードがいるのでどの試合でも負けないようにしたいです。
―二ノ宮選手自身が今年一番見てほしいプレーはありますか
ガードとしてゲームをコントロールしていると思われるように心がけたいです。ゲームを動かせるプレーを見てほしいと思います。
―最後に意気込みをお願いします
やっぱり目標は日本一なので、目の前の試合を勝って日々成長していって、去年達成出来なかった日本一を勝ち取りたいと思います。
特集取材・筬島茂久 梶ヶ野翔太
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