Jr.選手権3連覇を逃し4位に終わった昨年、今年こそはと意気込む慶大に昨年の覇者、帝京大が立ちはだかった。さすがチャンピオンチームといわんばかりの猛攻で慶大を前半から追い詰めていく。前半4トライを含む31得点で折り返すと、後半も勢いは止まらず、結果19-64。慶大はブレイクダウンでのミスが響き、王者相手に屈辱的な敗北を喫した。
Jr.選手権第一戦VS帝京大
2013/9/21(土)13:30K.O.@帝京大グラウンド
得点 |
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慶大 |
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帝京大 |
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前半 |
後半 |
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前半 |
後半 |
1 |
2 |
T |
4 |
5 |
0 |
2 |
G |
4 |
4 |
0 |
0 |
PG |
1 |
0 |
0 |
0 |
DG |
0 |
0 |
5 |
14 |
小計 |
31 |
33 |
19 |
合計 |
64 |
得点者(慶大のみ)
T=川原2、楠本
G=矢川2
慶大出場メンバー |
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ポジション |
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1,PR |
眞鍋泰明(経3・慶應) |
→16堀切厚輝(1・国学院久我山) |
2.HO |
神谷哲平(総3・桐蔭学園) |
→17松岡大介(1・小倉) |
3.PR |
増山優司(経4・慶應) |
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4.LO |
野田一宇(商3・修猷館) |
→19本行拓実(商4・慶應) |
5.LO |
川原健太朗(環3・小倉) |
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6.FL |
山城慎平(商4.慶應志木) |
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7.FL |
村井大観(商2・慶應) |
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8.No.8 |
市橋佑樹(経4・熊本) |
→23定兼輝尚(経4・慶應) |
9.SH |
宮澤尚人(法3・慶應) |
→20猪狩有智(経4・慶應志木) |
10.SO |
矢川智基(環2・清真学園) |
→21武谷泰(商4・国学院久我山) |
11.WTB |
関東申峻(総3・宮古) |
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12.CTB |
清水周大(法3・慶應) |
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13.CTB |
名頭薗泰輝(商3・慶應) |
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14.WTB |
吉迫雅俊(経1・慶應志木) |
→22中村敬介(経2・慶應) |
15.FB |
楠本遼(経1・慶應) |
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序盤から帝京大はエンジン全開、慶大ゴールを幾度となく脅かす。前半6分、慶大はパスミスからターンオーバーされピンチを招くと、ブレイクダウンでも押し切れず先制のトライを献上してしまう。キックも決まり0-7とされると、続く11分にはまたもターンオーバーからリズムを崩しペナルティゴールを与えてしまう。ここから攻勢に転じたい慶大は敵陣に攻め込むも帝京大Fwdの強いプレッシャーでハンドリングエラーを誘われる。ここまでほぼ自陣での戦い。何とかしたい慶大だったが、自らのミスも響き、敵陣に入れない。ピンチは続き16分、帝京大スクラムから左サイドに展開されトライをまたも決められる。ディフェンスが中央に寄ったことでサイドが手薄になっていたところをうまく決められた。その後は、敵陣に攻め込む機会も増えたが、SO矢川(環2)が放つ鋭いパスも相手に読まれ、つぶされる。22分にもトライを与え0-24。打つ手なしの状況を打開したのはそのトライの直後だった。SO矢川が中央を抜け出すと一気に敵陣へ。ここでインゴール目前で帝京大がノットロールアウェイをおかし、絶好のポジションでラインアウトの権利を手にする。モールで押し込むかと思われたが、そこからLO川原(環3)が密集をこじ開けついにグラウンディング。「ディフェンスはタックルが一人一人そんなに強くなかったのでいけるかなと思い」(川原)、思い切り飛び込んだ。今日初めての得点に会場は沸き立つ。しかしここで崩れないのがチャンピオンチームだ。帝京大はその後も勢いを保ち、攻め続ける。結果5-31、慶大ビハインドで後半へと望みをつなぐ。
慶大は持ち前のスピード感のあるラグビーを取り戻しつつあったが、前半同様、出だしにリズムに乗り切れない。5分、帝京大はモールでエリアを広げるといきなりトライを決める。また畳みかけるように後半10分、ブレイクダウンの集散の悪さからディフェンスが手薄になった大外に長いパスを振られ、またもトライ。慶大は帝京大のFwdの圧力でうまくいかなかったパス主体からキック主体に転換を図るが、「苦し紛れに蹴っていたので、そのあとのディフェンスがうまくいかなくて相手のトライにつながってしまう」(FL山城・商4)悪循環に陥ってしまう始末。その後もトライを許し、5-50と一向に点差は縮まらない。WTB関東(総3)のナイスタックル、SH猪狩(経4)とHO神谷(総3)の好ブレイクも見られたが大きな決定機にはつながらず時間だけが過ぎていく。なにより帝京大のブレイクダウンの寄りが早く、ターンオーバーが多すぎた。後半も終わりに差し掛かりここまでかと思ったが、ここで慶大が最後の意地を見せた。35分、猪狩からのパスを受けた川原が中央を軽々と突破しそのまま独走、今日2本目のトライを決める。その直後、帝京大のパスの軌道を読みとり、走り込んだFB楠本(1)がインターセプト。そのまま走り切りあっという間に川原に続く連続トライを奪った。「開き直って全員でアタック、ディフェンス、前にでていくことができた」(山城)ことが得点を生み出した。しかし反撃もここまで。王者相手に屈辱的大敗を喫してしまった。
夏の練習試合で帝京大相手にAからDチームまで全敗した苦い経験があっただけに、今日の試合は非常に大事なものだった。選手たちがそろって「力負け」と口にしたこと、喫緊の課題は、やはりブレイクダウンの修正であろう。そのほかにも課題は山積している。しかし今日の試合で得たものは決して無ではない。Bチームの中でまだ実戦経験の少ない1年生、そして2年生が活躍したことは収穫であろう。スタメンにはWTB吉迫、FB楠本が名を連ね、そのほかにも途中出場ではあったがPR堀切、HO松岡がピッチに立った。FL村井、SO中村などの2年生にも注目だ。帝京大というトップレベルの相手との対戦経験は彼らの糧になるはずだ。そうはいってもこの結果は真摯に受け止めまた生かさなければいけない。開幕戦を落とした慶大だがまだ優勝のチャンスは十分ある。そのためには次戦の明大戦、絶対に落とせない。
【ケイスポ的MOM】慶大屈指の大きなトライゲッター LO川原健太朗
今日2トライと絶大な存在感を発揮したのが川原健太郎。昨年まではCTBなどBksを務めたが、恵まれた大きな体で今年はLOとして活躍。この日も攻撃的Fwdとして積極的にゲインを試み、数少ないチャンスを創出した。先週の対抗戦筑波大戦でもリザーブとして名を連ねた。慶大の課題であるラインアウト、ブレイクダウン、彼の力がきっと生かされる。
(記事・宮本 大)
以下コメント
FL山城慎平
(今日の試合をふりかえって)完全に力負けしました。ブレイクダウンが相手は本当に強かったので接点でプレッシャーを感じてしまって後手に回った感じでした。(ゲームプランはどのようなものだったのか)帝京の強さが接点の強さだったので、そこを避けてなるべくキックを使ってエリアを稼いで相手のエリアで戦おうということを心がけてやっていました。(キックは実際うまくいったか)キックを蹴るんですが、苦し紛れに蹴っていたので、そのあとのディフェンスがうまくいかなくて相手のトライにつながってしまうという悪循環におちいってしまい、プラン通りには進められなかったです。(インサイドブレイクなども多かったが)今週の練習はずっとそこを意識してやっていましたが、まだ意識が足りなかったのかなと思います。疲れてくると意識が足りなくなるのでまた練習から気をつけてなおしていきたいとおもいます。(収穫はあったか)最後、点差が開いたときに開き直って全員でアタック、ディフェンス、前にでてくことができたし、それでリズムがだんだんよくなってきたので点差ほどの力の差はないのではないかという自信につながったのは良かったです。(明治大戦に向けて)帝京というチャンピオンチームとやってこういう結果になりましたが、ここが出発点だと思って、帝京より強いチームはいないというプラス思考で絶対勝ちたいです。
LO川原健太朗
(今日の試合を振り返って)一言でいえば帝京が強かったということと自分達がやってきたラグビーがそんなにできなかったということです。強いチームと対戦できて良かったです。監督も強いチームと対戦できて良かったと言っていました。(トライシーンを振り返って)ブレイクダウンとアタックがすごく強かったが、ディフェンスはタックルが一人一人そんなに強くなかったのでいけるかなと思いました。結果としてトライとなりました。(どんなことを意識してプレーしたか)私は元Bksなので今日はもっと前に前に出ようと思い、ディフェンスでも特にブレイクダウンを意識しました。(苦しい中でも意識していたことは)もっと自分達が前にでてやろうとチームとして意識していて、ブレイクダウンもだいぶ改善されましたが、帝京に思いっきりやられたので、まだまだかなと思いました。(課題は)筑波大に勝って安心していたので、課題がはっきりしましたね。ブレイクダウンなりバックスとのディフェンスとの連携、モールなど一つ一つのプレーをしっかり大事にして、基本プレーを大事にしてこれから毎日練習していきたいと思います。(次の明大戦に向けて)明治は宿敵の相手で、帝京大のFwdと同様に強いので、来週もきついと思いますが、負けられない戦いなので勝ちたいと思います。
SH猪狩有智
(今日の試合を振り返って)力負けしました。(今日の試合に向けて)夏の菅平で負けている相手なので、チャレンジの気持ちを持って一つ一つのプレーを正確にやることかテーマでしたが、帝京大の強さの前に自分たちのやってきたことが出せませんでした。(自身のプレーを振り返って)後半から出る以上は流れを変えるプレーをしたくて、ランからゲイン出来たのは良かったです。一方80分通してのゲームメイクは課題です。(自身がAチームのスタメンになるために必要なくこと)正確なパスで80分通して試合をコントロールすることです。(明大戦に向けて)ホームでの試合なので、勝利にこだわっていきたいです。
SO矢川智基
(今日の試合を振り返って)完敗の一言です。(今日の試合に向けてやってきたこと)ブレイクダウンを中心にやってきましたが、帝京大の圧力にやられてしまいました。(自身のプレーを振り返って)テリトリーの管理が上手くいかず、そこで帝京大と差がついたのかなと思います。また、ディフェンス面はいつもよりはできましたが、まだまだAチームにはほど遠いと痛感しました。(試合の組み立てについて)帝京大のFwdが強いので、敵陣でプレーをするよう心がけましたが、上手くいきませんでした。(明大戦に向けて)今日の反省をして、ホームで勝ちにいきます。
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