対抗戦初戦で筑波大に勝利し最高のスタートを切った慶大。2戦目のこの日は日体大と対戦した。前半はなかなか自分たちのペースに持ち込めず、リードしながらも苦しい展開。それでも後半からは流れをつかみ得点を重ねていく。後半に6トライを奪い56-12で勝利。開幕2連勝となった。
関東大学対抗戦A VS日体大
2013/9/29(日)15:00K.O.@熊谷ラグビー場
得点 | ||||
慶大 | 筑波大 | |||
前半 | 後半 | 前半 | 後半 | |
3 | 6 | T | 1 | 1 |
0 | 4 | G | 1 | 0 |
1 | 0 | PG | 0 | 0 |
0 | 0 | DG | 0 | 0 |
18 | 38 | 小計 | 7 | 5 |
56 | 合計 | 12 |
T=大石2、関東2、濱田、佐藤、白子、小山田、眞鍋
G=佐藤、中村3
PG=佐藤
慶大出場メンバー | ||
ポジション | ||
1,PR | 青木周大(商3・慶應) | →16眞鍋泰明(経3・慶應) |
2.HO | 中尾廣太朗(環4・長崎北) | |
3.PR | 秋田智樹(総4・川越) | |
4.LO | 小山田潤平(経3・慶應) | →18野田一宇(商3・修猷館) |
5.LO | 白子雄太郎(商3・慶應) | |
6.FL | 濱田大輝(総4.桐蔭学園) | |
7.FL | 木原健裕(総3・本郷) | →20山城慎平(商4・慶應志木) |
8.No.8 | 森川翼(環3・桐蔭学園) | →19川原健太朗(環3・小倉) |
9.SH | 南篤志(総2・清真学園) | →21猪狩有智(経4・慶應志木) |
10.SO | 佐藤龍羽(環4・茗溪学園) | |
11.WTB | 関東申峻(総3・宮古) | |
12.CTB | 石橋拓也(環3・小倉) | →22矢川智基(環2・清真学園) |
13.CTB | 大石陽介(環4・修猷館) | |
14.WTB | 下川桂嗣(商3・修猷館) | |
15.FB | 児玉健太郎(環4・小倉) | →23中村敬介(経2・慶應) |
「入りで受けてしまった」(FL濱田副将)というように、前半の慶大は自分たちの力を発揮することができない。ミスやペナルティーもありなかなかペースをつかめずにいた。それでも8分、WTB関東やFB児玉がナイスランを見せ大きくゲインすると、最後はHO中尾のパスがCTB大石へと渡りトライ。苦しみながらも先制に成功する。さらに15分にもSO佐藤のアシストで関東がトライを奪う。その後攻め込まれる場面もあったが、なんとかしのいだ慶大はラインアウトを獲得。そこからモールを形成し、押し込んでいき濱田がトライを挙げる。これで15‐0と点差を広げるが、その後は相手ディフェンスの前に攻めきることができない。すると反対にパスをインターセプトされピンチを招いてしまう。ここから攻め込まれるとトライを奪われ、15‐7と点差を縮められる。直後にSH南のゲインなどでゴールライン直前まで攻め込むが、最後にミスが出てトライには至らない。終了間際に佐藤がPGを決めたところで前半は終了。18‐7とリードして試合を折り返したものの、「サポートが遅れてブレイクダウンでプレッシャーをかけられ上手くリズムに乗れなかった」(LO白子)前半であった。
後半に入ると、慶大は前半のうっぷんを晴らすかのような攻撃を見せる。開始直後に佐藤が相手をうまくかわしトライ。次の日体大のキックオフのボールを慶大が取ると白子がキックでタッチライン際にボールを転がしていきそのままインゴールへ。それを白子自らグラウンディングし、30‐7とする。そこからはペナルティーでチャンスを活かせない時間が続くが、21分には敵陣でのスクラムから大石がトライ。さらに自陣でターンオーバーすると関東が長い距離を走りきりトライを奪う。この間、攻められる場面もあったが慶大は持ち前のタックルで相手にチャンスを与えない。32分にも白子や関東のゲインで前進すると、SO矢川から最後はLO小山田に渡りトライ。だが39分、慶大はペナルティーを重ねると、日体大にディフェンスの隙を突かれ失点する。それでも、その直後にまたも関東のゲインがあり、ボールを受けた途中出場のPR眞鍋がトライを決めノーサイド。56‐12で勝利を収めた。
「今日の試合で対抗戦デビューしたメンバーもいたので収穫が多かった」(和田監督)。けが人の影響でこれまであまり出場機会のなかった選手が出場。特に対抗戦初スタメンの関東は2トライを奪うなど活躍を見せた。また、この試合前半はブレイクダウンで受けに回り苦しんだ慶大だったが、「そこをハーフタイムで話して後半は改善、徹底したので後半からはいい流れでできた」(濱田副将)と、すぐに立て直した姿を見せた。次の試合は2週間後の青学大戦。新たに出た課題を修正し、今後も勝利を積み重ねてくれることだろう。
【ケイスポ的MOM】フィジカルの強さとスピードを併せ持つ LO白子雄太郎
今季、慶大のLOとして定着している白子。春から強化してきたというフィジカルの強さでこの試合でもFwdをけん引した。さらに元WTBの走力を見せビッグゲインでのトライも決めた。自身では「ラッキーなトライ」と語ったが、様々なポジションを経験してきた白子だからこそ奪えたトライだろう。今後もそのフィジカルとスピードを生かした活躍が期待される。
(記事・吉山祐未)
コメント
和田監督
(今日の試合を振り返って)大きな怪我がなく試合に勝てたことが良かったです。また、今日の試合で対抗戦デビューしたメンバーもいたので収穫が多かったです。(今日の試合で意識したこと)筑波大戦のラインアウトの獲得率の低さは課題でしたから意識しました。またコンバージョンも課題で、みんなに練習させたんですが、今日もダメでした。(前半苦しんだが)前半は特に元気なので、特に気にはしなかったです。しかし、自分たちのミスから失点してしまったのは余計でした。(ペナルティーの多さについて)ほとんどがラインオフサイドで、勝っているときは特にそういった反則が取られやすいので気をつけたいですね。(青学大戦に向けて)今の一番の目標は青学大に勝つことなので、後のことは考えずにまずは一戦必勝で青学大に勝っていきたいです。
FL濱田大輝副将
筑波戦からいい流れできましたが、筑波戦の勝利は別に置いといて、次の週からは日体大戦に向けて気持ちを切り替えて一戦一戦やっていこうと言ってきました。今日は気持ちの切り替えはできていたと思いますが、入りがあまりよくなかったので、入りで受けてしまったところを今週来週で改善して青学大戦を迎えたいと思います。アタックで相手がゲインしてくる場面が多かった。ブレイクダウンにすぐ寄ってオーバーするのが慶應のスタイルですが、それに行かずに全員が待ってボールを受ける形をとっていたがためにブレイクダウンの枚数が少なくてテンポを出せませんでした。そこをハーフタイムで話して後半は改善、徹底したので後半からはいい流れでできたと思います。(筑波大戦に比べターンオーバーが少なかった)そこまで意識していなかったのもありますが、今日は二人目がアタックもブレイクダウンも遅かったのが原因で、ターンオーバーするところまで行ききれなかったというのがあります。(早大は日体大相手に69得点だったが、目標にしていた得点数はあったか)目標にしていた点数は特にありませんが、自分たちがやってきたラグビーをやりたいというのが一つありました。春からやってきた1対1やブレイクダウン、ブレイクダウンは課題が残りましたが、前半もそれができていればもっと点数も重なっていたと思うので、前半乗り切れなかったことが課題です。(濱田選手のナイスタックルが多かった)前半から流れがよくなかったのでディフェンス、自分の持ち味であるタックルから相手にプレッシャーを与えてこっちに流れがくればいいなと思って一本一本集中してやっていました。(今後の青学大戦、成蹊大戦について)慶應も決して上にいるわけではないので、自分たちがチャレンジャーであるという気持ちを忘れるとあまりいいゲームはできません。おごることなく一戦一戦目の前の試合に向けてやっていくだけなので、毎週切り替えていければと思います。
LO小山田潤平
(筑波大戦の後意識してきたことは)筑波大戦の勝因としてブレイクダウンがよかったというのがあったので、それにもっと磨きをかけようということと、ラインアウトについては修正しようということで挑みました。(試合をしてみて)ブレイクダウンはあまり良くなかったので改善しないといけないんですけど、ラインアウトについては反省を生かしてできたとこはできたので良かったです。(自身のトライシーンを振り返って)あれは関東がいい形でゲインきってくれたのに乗っかっただけなので僕個人の力というよりみんなでうまくとったトライだと思います。(セットプレーについて)ラインアウトに関してなんですけどアタックではやろうとしたことはできたんですが、いらないミスもあったので修正していきます。ディフェンスについてはまだ全然機能できてないので、ディフェンスのシステムをしっかり整備して次の試合に臨みたいと思います。(次の試合に向けて)今日出たブレイクダウンの反省とかを次に生かして、一試合一試合強くなれるように頑張っていきたいと思いま
す。
LO白子雄太郎
(試合を振り返って)ディフェンスであまり点を取られてはいけなかったと思います。取られ方も逆サイドを突かれた感じであまりよくなかったので、そこをもっと締めないと強敵相手では勝てないと思います。(ご自身のビッグゲインでのトライがありました)最初蹴ったときはタッチラインを割ったと思いましたが、たまたまボールが残ってくれたのでラッキーなトライでした。(ラインアウトについて)ラインアウトは筑波大戦での成功率が11分の4と一番の課題でしたが、今回は2本のミスだけだったので修正が効いているのかなと思います。まだまだ詰めるところもあるので引き続きやっていきます。(フィジカル強化の手応えは)フィジカルでは負けてないと思いましたが、変にゲインできてしまってサポートが遅れてブレイクダウンでプレッシャーをかけられ上手くリズムに乗れなかった部分もありました。(今後の青学大戦、成蹊大戦に向けて)青学大戦、成蹊大戦も大事な対抗戦の一戦なので落とさないように、しっかり体調を整えて勝ち星を取りたいです。明治大戦はビッグゲームになりますが、まだそれまでに強くなれるチャンスがあるので、個人のトレーニングで体を鍛えて、けがのないようにやっていきたいと思います。
FL木原健裕
(試合を振り返って)試合の入りで僕たちが受けちゃってやりたいことができなくて、特にブレイクダウンの部分で受けてしまったので入りはあまり良くなかったです。後半はやりたいことができたのでよかったんですけど、それを最初からできたんじゃないかと思うので、出た課題を修正していきます。(筑波大戦ではラインアウトがよくなかったが今日は)だいぶ修正できた部分はあるんですけど、まだ基礎の部分でミスがあるのでもっと詰めていって次に向けて修正したいと思います。(ブレイクダウンについて)今まで1人目のキャリアが行って2枚目がしっかり相手をはがすということを意識してきたんですけど、最初受けてみんな前に行く意識がなかったのでよくなかったです。(自身の出来は)今日僕は何もやってないです。結構気持ち入れていったつもりだったんですけど、チーム自体入りで相手にのまれちゃったかなという感じで出来としては60点くらいですかね。(青学大戦に向けて)2週間あるのでここでもう一回改善すべき所を修正してハードワークして次を迎えたいと思います。
SO佐藤龍羽
(今日の試合を振り返って)今日はいつも意識している縦のアタックが前半出来てなかったですが、後半チームで修正して大量点を取れたので良かったです。(自身のプレーを振り返って)良いことはあまりありませんでした。周りとのコミュニケーションが上手くとれませんでした。(キックについて)全然良くなかったです。練習します。(今後に向けて)まだシーズンが始まったばかりなので、これからも勝てるように練習します。
WTB関東 申峻
(今日を振り返って)日体大の激しいディフェンスを前にして、前半は自分たちのラグビーができませんでした。後半は先制できたので、これからは、前半から自分たちのラグビーができるように頑張っていきたいと思います。(筑波大戦を踏まえ、意識してきたこと)筑波大戦は良い入りができていたので、今回もその流れで行きたいと思っていましたが、押されてしまったので、次の青学戦は入りから意識していきたいと思います。(対抗戦初スタメンだったが)せっかく回ってきたチャンスをしっかり活かせるように、今日は必死に頑張ったので、次も出られるチャンスがあれば、しっかり自分のプレーをして、トライの数を増やせるようにしていきたいです。(トライを二回決めたが)ただ貰ったボールを決めただけです。他にもトライを取り切れるシーンはあったので、次の試合はトライチャンスをすべて取ってきたいです。(今後の目標)対抗戦優勝に向けて一試合一試合が大切なので、まずは次の青学戦に向けて、今日でた課題をしっかり修正して練習していきたいと思います。
CTB大石陽介
(試合をふりかえって)基本プレーをしっかりしていつも通りやろうとしたんですがブレイクダウンで日体大の激しいチェイスがあったり自分達のミスがあって良くなかったんですが、後半からは最初からブレイクダウンをうまくできたのでよかったと思います。(どんなことを意識して練習していたか)怪我人が増えてメンバーが変わったので、やることは変わらず基本プレーをしっかりやることを意識していました。(トライシーンをふりかえって)うまくたてにはいれたんですが、これから強いチームとやるときに自分がたてにはいることが要求されてくると思うのでしっかりやりたいです。(自身の課題は)Bksのフロントスリーとして今日一本抜かれてしまったので、もっとコミュニケーションとることと、簡単なミスが多いので、もっとたてに入って引き付けながら外に回したいなと思います。(青学大戦にむけて)次の試合も同じように基本プレーをしっかりしてたてに強くしっかり貢献したいと思います。
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