常に昨日の自分を超えるっていうことをモチベーションに頑張れた1年
―まず昨シーズンを振り返っていかがでしたか
昨シーズンは挑戦できるシーズンでした。一昨年は学生日本一というずっと慶應が成し遂げたかった目標を達成できて、昨シーズンはそれを超えるという意味で『超慶應』・2連覇を目指すという目標を掲げることが出来たので、毎日が挑戦で、常に昨日の自分を超えるっていうことをモチベーションに頑張れた1年でした。
―全勝優勝で終えた一昨年ですが、昨シーズンはリーグ戦で立教大に敗れてしまいました。そのときから心境や意識の変化はありましたか
’12チームは11戦11勝して優勝したので、1年半くらい負けというものをチームとして経験していなかった状況でした。立教戦に負けたことによって、負けというものを怖がっていたということが一番の落とし穴だったんだなと気がつかせてくれました。立教戦も負けちゃいけないっていう恐怖から、自分たちでゲーム展開を悪くしてしまったんですけど、負けたことによってその後の試合では、展開が悪くなったとしても、自分たちのやっているラクロスをやり通す力を身につけられたと思います。
―今シーズンは主将として迎えられますが、実感は湧いてきましたか
実感は湧いてきましたね。でもチームとしても主将が一人で引っ張るというよりも、学年全体がサポートしてくれていて、同学年だけじゃなく下級生も一緒にチームを作るという意識がとても強いチームだと思うので、みんなに支えられながらも自分で引っ張っていけるところは頑張りたいと思います。
―理想の主将像のようなものはありますか
うーん、難しい(笑)歴代の主将のみなさんは本当に尊敬できるところばかりで、それになれるものならなりたいですけど、自分は自分なので、自分というのを1年間ぶらさずに主将としてみんなを巻き込んでいけるようになることが理想です
―大久保HCから何か声をかけられたことは
特にはないんですけど(笑)、ラクロス部はいい意味で規制がないチームなので、好きなようにやっていいよっていうスタンスで私を迎えてくれているのでそれに応えられるように頑張りたいと思います
―同じくチームの柱となる副将の飯豊(経4)選手と福井(商3)選手はどんな選手に映っていますか
飯豊は高校からずっと一緒にラクロスをやっていて、多分チームで一番メンタルが強くて『やってやるぞ』という気持ちが、見かけでは見えないんですけど秘めているものがたくさんある子なので、2人で支えあいながらやっていけるいいパートナーだと思っています。福井に関しては、最初の頃は下級生として遠慮している部分があったんですが、今年になってから自信がついたのか、自分たちが引っ張っていくぞっていう気持ちがプレーとして出ていて、とても頼もしいです。
(ラクロス部は)自分たちで考える力というのを身につけさせるような部
―今シーズンはスローガンを『BLAST OFF』と掲げましたが、これはどういう意味ですか
昨年と一昨年に学生日本一を達成することが出来て、先輩方が積み上げてこられた慶應ラクロスの歴史を今年はいい意味で踏み台にできたらいいなと思っていて、だからこそ『BLAST OFF』というのはロケット発射という意味なんですけど、新境地に向けて出発できるという意味でこのスローガンを掲げました。
―その慶應ラクロスが積み上げてきたことで、他大と違う点というのはありますか
正解というのをすぐに与えないで、自分たちで考える力というのを身につけさせるような部だなと思っていて、一人ひとりが正解にたどり着くアプローチというのをしっかりとやっているなと思います。私たちがそこの部分を怠ってしまったら周りとも差がつかないと思っているので、練習中でも常に意志があるプレーをして考えるというのを絶えず追求していることが強みだと思います。
―現在行われている六大学対抗戦の位置づけは
春練期間の今は基礎技術を強化しています。六大戦では、去年からプレーしている部員が多いのですが、しっかりと基礎技術を固めて、それを実践でどれだけ発揮できるのか、それからどれだけゲームをコントロールできるのかを訓練する場として臨んでいます
―六大戦にはバックアップのメンバーにも出場機会が与えられていますが、チーム内での競争は感じますか
今年はサブチームの勢いがありまして、それをもっともっと勢いづけたいなと思っていています。サブチームの勢いが上がれば上がるほど、チームの活力も上がりますしね。この大会で出場機会も多くなると思うので、恐れずに自分のもてる最大限のプレーを発揮してもらいたいと思います。
真の日本一というのもそうなんですけど、もっと自分たちには出来ることがあるんじゃないかとも考えていたんです
―そんな様々なメンバーを束ねる廣野さん自身の長所は
え~長所~?イジワルな質問・・・それは人としてですか?ラクロスですか?(笑)
―どちらからでも!
「待って、それ就活!(笑) えっと・・・長所・・・長所・・・。
―では現在のプレーの調子を伺いましょうか(笑)
ありがとう(笑) 今年は最後の年で、中心メンバーとしてみんなを引っ張っていかないという気持ちがあるので、自分を含めたトップチームのレベルの限界がチームのレベルの限界を決めてしまうと思うので、それをできるだけ引き上げられるように、最後1年なんですけど、基礎技術からこだわるようにしたいと思います。
―昨年はU-21選抜にも選出され、海外遠征などにも参加されましたが、吸収したことはありましたか
いろんなチームの選手たちとプレーすることが出来たり、普段教わらないコーチからラクロスを学ぶことが出来たりして、自分のラクロス感を広げることが出来ました。そして客観的に慶應のラクロスを見直すいい機会になったので、その経験は自分の中で財産になりました。今年もあるので頑張ります!
―オフ期間はどんなことをして過ごされましたか
他大学の練習とかに参加できるのがこの期間しかないので、早稲田の練習とか普段いけないところに行ってプレーして、他大学からも吸収することはあります。私だけじゃなくて、チーム全体でも練習に混ぜてもらうことで、固定観念にとらわれないラクロスに触れられたのは良かったです
―他大との交流というお話が出ましたが、今年からクリニック活動(第1回は東海大学、第2回は宮城学院女子大学、仙台育英高校を対象に開催)というのを行っているということですが、この活動について教えてください
繰り返しになっちゃうんですが、一昨年から結果を残すことができていて、今年慶應として何を目指すのかを考えたときに、(社会人チームを倒しての)真の日本一というのもそうなんですけど、もっと自分たちには出来ることがあるんじゃないかとも考えていたんです。そこで強いチームの使命と責任のためにも、ラクロス界に何か還元したいという気持ちからクリニック活動というものを行いました。このクリニック活動は慈善活動ではなくて、自分たちに帰ってくるものが凄く大きくて、自分たちの強みの部分、伝えられる部分は何かというのを部員全員が理解して、それを他大学に教えるわけではなく伝えていくことで自分たちの理解も深まるので、そういう面からも慶應ラクロスを強化して日本一を取りたいと思います
―今後もそういう活動を継続するのですね
今年1年はちゃんと続けていきたいと思いますし、この活動も新たな伝統として残っていけばいいなと感じています。だからそこが私たちが目指す“新境地”なんですよ!ここ強調して書いてください(笑)
―では最後に今シーズンへの意気込みをお願いします
本当に今シーズンは楽しみながらラクロスをやりたいなという気持ちで臨んでいて、日本一を取って、一人残らず後悔のないシーズンにしたいと思っているので、応援の程よろしくお願いします!
―お忙しい中ありがとうございました!
(取材:荒川智史)
廣野マキ
私立慶應義塾女子高校を経て現在法学部政治学科4年。ポジションはMT。1年次より不動のレギュラーとして活躍し、攻撃を組み立ててきた。オフにやっていたことは「就活」。
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