【バスケ】京王電鉄杯開幕!1部リーグの手厳しい洗礼vs拓大・青学大

 

冷静で正確なプレーで定評のある西戸。小柄ながら、ゴール下でも貢献する。

冷静で正確なプレーで定評のある西戸。小柄ながら、ゴール下でも貢献する。

京王電鉄杯初日の相手は拓殖大学と青山学院大学。両校共に、昨年のインカレ、1部の秋リーグ戦において相当の実績を持つ強豪校だ。昨年昇格を果たした慶大にとって、今年のリーグ戦を占う上で、遜色のない相手である。六大学リーグでの優勝、そして慶関定期戦での好調を維持できるか、また昨年の新人戦での大敗の借りを返すことができるかに注目が集まった。序盤はまずまずの立ち上がりとなったが、その後は終始強豪校との差を見せつけられ終わってみれば大差での敗戦となってしまった。だが、結果の如何に関わらず、多くの課題を発見できた試合であったともいえるだろう。  

2014/5/4(日)@早稲田大学記念会堂
第30回 京王電鉄杯 1日目第1試合 vs拓殖大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 18 21 15 25 79
拓大 19 22 29 21 91
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG ♯4 伊藤良太主将(環4・洛南高)
SG ♯10 大元孝文(環3・洛南高)
SF ♯14 真木達(環3・國學院久我山高)
PF ♯6 権田隆人(政4・慶應高)
♯7 黒木亮(環3・延岡学園高)
1Q序盤、相手に主導権を握られ連続得点を許す一方で、慶大はなかなかゴールが決まらず得点の機会を逃し、苦しい立ち上がりを見せる。しかし中盤から主将である伊藤(環4・洛南高)がこのQだけで9得点を挙げる反撃を見せると、持ち前の激しいディフェンスで相手のミスを誘うことに成功し、その隙を見逃さずに着実に得点を重ねることで点差を縮め18⁻19で1Qを終えた。

巻き返しを狙う2Qでは拮抗した試合展開の中、強みであるチームプレイが機能し始めた慶大はインサイドから権田(政4・慶應高)、アウトサイドからは大元(環3・洛南高)が活躍を見せコンスタントに得点を決める。拓大も譲らず、試合の流れは拮抗したまま39-41で後半に挑むこととなった。

3Qではパスミスなどのターンオーバーが目立ちシュートがなかなか決まらず、ディフェンス面においても相手の高さとフィジカルを活かしたポストプレーに対処することが出来ずにファールがかさみ、相手に多くのフリースローを与えてしまう。反撃の糸口が見つからないまま、終盤には逆に相手のアウトサイドからの得点で差を大きく広げられ、54⁻70で3Qを終えた。

16点差を追う最終Qでは前半は互いに得点を許さない緊迫した展開だったものの、前がかりなディフェンスの裏を冷静に相手に攻められ、これに対し伊藤や権田が奮闘するも流れを変えるには至らず。シュートの確度で勝る拓大に79-91と最終的には大差をつけられ、新体制に移行してから初の黒星を喫した。

 

(記事・藤井 祐未)

 
2014/5/4(日)@早稲田大学記念会堂
第30回 京王電鉄杯 1日目第2試合 vs青山学院大
  1Q 2Q 3Q 4Q 合計
慶大 17 13 10 15 55
青学大 15 35 28 20 98
◆慶大スターティングメンバー
  選手名(♯背番号・学部・学年・出身校)
PG ♯4 伊藤良太主将(環4・洛南高)
SG ♯10 大元孝文(環3・洛南高)
SF ♯14 真木達(環3・國學院久我山高)
PF ♯6 権田隆人(法4・慶應高)
♯7 黒木亮(環3・延岡学園高)
 

「ボールを持てない場面が続いた」と青学戦後に振り返った大元。今後強豪校と戦う際に、キーパーソンとなるに違いない。

「ボールを持てない場面が続いた」と青学戦後に振り返った大元。今後強豪校と戦う際に、キーパーソンとなるに違いない。

阪口HCが今シーズン初めて大元、真木(環3・國學院久我山高)をスタメンで起用。真木はケガで欠場の福元(環3・福大大濠高)に代わってポイントガードとしての出場となった。迎えた第1Q、先に主導権を握ったのは慶大だった。大元のアシストから黒木がゴール下で得点を決め先制すると、またも大元がスティールからレイアップを沈め序盤は8-1とリードを奪った。しかしここから慶大は青学のディフェンスに苦しめられ、約5分間もの間得点が止まってしまう。青学のシュート成功率も決して高いとは言えないものの、じわじわとインサイドを攻め込み、点差を縮められてしまう。それでも終了間際に、西戸(総2・洛南高)が一対一からドライブを決め慶大は何とか2点をリードでこのQを終えた。

第2Q、慶大は引き続き青学のディフェンスに苦しめられた。フィジカルを生かしたスクリーンアウトの前に、容易にオフェンスリバウンドを奪うこともできない。その一方で青学のシュート成功率は第1Qに比べてかなり上がっていった。このQの中盤5分間に青学に24-4のスコアリングランを許してしまい、一気に点差が広がってしまう。「チームプレイが抑えられていた」(大元)「得点が欲しいときに個人に任せてしまうというシチュエーションが何度かあった」(西戸)と二人が語るように、チームオフェンスを上手く展開できず、単発なシュートが目立ってしまうシーンも見られた。終わってみれば20点の大差で前半を折り返すことになる。

何としても流れを変えたい第3Q、まずは相手よりも先に点数を奪いたいところであったが、逆にQのはじまりから12点連続して青学に決められてしまい、リズムを掴むきっかけすらなかなか掴めなかった。慶大はオフェンスが止められる一方、「ディフェンスも思うように機能していなかった」(黒木)。さらに、中外バランスよくパスを展開し得点を奪う青学に対し、ファウルがかさんでしまう。真木は3Q中盤で4つ目のファウルを犯してしまい、慶大にとって苦しい展開が終始続いた。伊藤がバスケットカウントを含む連続得点で気を吐く場面もあったが、このQだけでさらに18点もリードを広げられてしまった。

最終Qに入っても青学へ傾いた流れは変わらない。オースコートディフェンスからスティールを奪い速攻という慶大のバスケットを展開することは叶わなかった。むしろ攻め手を欠く慶大のターンオーバーにつけこまれ相手に速攻を奪われてしまう。「一つ一つのスクリーンやスピードが違う」と伊藤が語るように、さまざまな面で地力の差を見せつけられてしまった。最終スコアは98-55。今シーズン最大点差での悔しい惨敗を喫した。

 

(記事・岩田 亮)

 攻守両面で歯がゆい場面が続き、ある意味で1部の強烈な洗礼を受けた慶大。しかし、「個人としてもチームとしても足りないことが明確になったということが良かったなという風に思っている」(伊藤)「1部が相手ということでその試合はいい経験」(阪口HC)とあるように、この敗戦から得られた収穫は、選手・コーチ陣共にあったようだ。突き付けられた多くの課題に対し、今後慶大がどのような答えをだしていくのか。また「秋に向けての青写真」(阪口HC)がどのように体現されていくのか。これから期待していきたい。

◆試合後コメント◆

阪口裕昭HC

1部が相手ということでその試合はいい経験だよね。 (1年生の起用はいつごろになるのか)部内の事情があって、バスケットボールが上手いだけではだめだし、横の平等性というのを意識しているんだけど、電鉄杯が終わってトーナメントでは力を借りるかもしれないし、早慶戦には確実にやってくれるようにお願いしているんだけど、万が一間に合わなかったら無理に使うことはないです。 (2試合とも苦しい戦いだったが)世間的にメンバーがだいぶ違うので、入り口が違うというかね、ただそこに勝とうとしているんだよね、大真面目に。頭を使ってバスケットの作戦で秋には同じ舞台に乗っけようと思っていて、それにはまだ時間がかかるのでね、楽しみにしていてください。 (明日の試合に向けて)選手にも言ったんだけどとにかく無駄にしないように、秋に向かって青写真をいっぱい見せているので、その秋に向けての1ステップになるように、していきたいですね。

[SG]伊藤良太(環4・洛南高)

1部の相手と当たり、結果的には2敗で青学相手には50点差くらいで負けてしまいましたが、僕たちの春の目標は早慶戦完全優勝なので、今日できなかったことも多かったのですが、個人としてもチームとしても足りないことが明確になり良かったなと思っています。大差で敗北してしまいましたが下を向いていても仕方がないので、前向きにとらえて明日の試合は勝ちたいなというところです。 (試合の中で見つかった課題)青学戦では一つ一つのスクリーンやスピードが違って、そういった部分を僕たちもやっていかなくてはいけないなと思いました。あそこまで徹底されているという点は同じ身長の低いチームとして見習うべき点で、1部で勝ちあがっていくにはああいったチームを越えていかなければならないので、もっともっとどこまで詰めることが出来るかなと、今後が結構楽しみです。 (自分のプレイを振り返って)今は去年と違って僕自身も変わっていかなくてはいけないなと感じていて、東海戦で全くできなかったプレイであったり、今坂口先生から求められていることは、ドリブルからプレイするばかりではなく、ほかの選手が僕を生かすプレイや僕がドライブを打つことで周りの選手を生かすといったことを意識しているので、勝ち負けももちろんこだわりたいですが、今は我慢するところは我慢して周りの選手を信頼するようなプレイを心掛けています。 (明日の試合に向けて)明日も1部のチームと当たりますし、今後も1部でやっていくにあたって負けてはいけない相手だと思うので、チームとして早慶戦完全優勝のために少しでも成長できるよう、明日の試合も頑張っていきたいなと思います。

[G] 大元孝文(環3・洛南高)

スペースの取り方だったり、最後の抜く瞬間のテクニックだったりとかが、やはり2部ではなかった感覚だったので、そういうところをもう少し、拓殖大や2戦目の青学から盗んでいけたらいいなと感じましたね。こういう強い相手とやる機会はあまりないので、この3日間充実感をもってできればいいなという思いで試合に臨みました。 (スタメンでの出場で意識したこと)練習中のゲームでも、自分が点を取るつもりでやっていて、結果今日はスタメンでしたが、なかなかうちの強みであったチームプレイが抑えられていたので、そのせいでボールが持てない場面が続いたというのは苦しかったです。そういう場面で打開していく力というのが今はないので、これから突き詰めていけたらなと思います。 (新チームになって初黒星となったが見つかった課題)フィジカルだったり一つ一つのプレイの精度だったりが流石1部だなという感じで、そういった細かい部分だと思います。 (明日の試合に向けて)ここで2敗してしまうと最終日にチームがよりレベルアップできるような相手との試合は見込めないので、明日は勝って少しでも強い相手と試合ができるように頑張りたいです。

[CF] 黒木亮(環3・延岡学園高)

今回普段戦うことのない強豪チームと試合をする機会を得て、本当に学ぶことが多いというか、もちろんやるからには自分たちが勝ちに行くっていうスタンスで持って行ってるんですが、そこから一部の体の強さだとか技術的なことを学ぼうと思っていたのですが、結果としては悔しいものがありますね。 (一部のチームと戦って) 1試合目は高校のときの同期も試合に出ていて個人的に燃える部分もあったので、まだまだオフェンスの部分でも決められるシュートがあったりだとか、リバウンドに行けるのに行けてなかったとかそういうところが反省点としてあって、逆に青学戦は本当に僕個人としてもチームとしてもディフェンスが機能していませんでしたし、本当にそこは早慶戦であったりだとかリーグ戦に向けて学ぶべきことが多い試合だったと思いますね。 (アウトサイドからのシュートについて)今シーズン中だけじゃやっていけないので、外のプレイを少し意識しながらやっていこうと思っていて、こういう強いチームとやっていく中で僕個人としても勉強になりますし、その中で僕がプレイで何か一つドライブなどをしたりして、引きつけることができれば、伊藤さんであったり大元だったりのアウトサイドが生きてくると思うので、そういう部分も少しは意識しながらやっていってます。 (青学戦で見えた課題)もちろん体の強さだとかは一部と二部で全然違うし、青学なんかはトップですし、その部分は僕だけじゃなくチームの全員が今日で学べたと思いますし、もちろん去年出てなかったメンバーも今シーズンから出ているので、そういったメンバーにいい刺激になったと感じがします。逆に詳しいプレイのことを言うと、ディフェンスのディナイとかを(青学は)意識していて、1対1で守るディフェンスの一つ一つを頑張っていたので、そこは見習うべきだと思いました。 (明日の試合に向けて)明日は日大と専修大で、どちらも今日戦った拓大や青学よりはチャンスがあると思います。この京王電鉄杯ではまだ勝ち負けというよりも内容にこだわってやっているので、もちろん勝ちは狙って行きますが、早慶戦やリーグ戦に向けてのステップだと思い、個人個人が充実した中で全員が頑張れればいいなと思っています。

[PG] 西戸良(総2・洛南高)

一部との試合で、最初から今日のような展開になることは大体予想できていたので、そこで自分たちが今まで練習してきたものを出すことが出来れば、と思ってプレイしました。ディフェンス面では上手くいったところもあったのですが、練習中から出来ていなかったことはやはり試合でも出来ず、相手に点を入れられるというシーンもあったので、そこは今後の練習で改善すべきだと思います。 (反省点)チーム的には、得点が欲しいときに個人に任せてしまうというシチュエーションが何度かあった点は改善すべきだと思います。チームの動きとして意識してはいるのですがまだ完成していないので、繰り返し練習していきたいです。個人的には、途中から出る者としてチームの流れを変えなければいけないのですが、今日は自分のことで精一杯になってしまったので、やはりもっと周りを見てプレイ出来るようになりたいです。 (一試合目後半のディフェンスについて)相手にポストにボールを繋がれ、ファールからフリースローになってしまうというシチュエーションが多かったのですが、こちらのメンバーは身長が低いので、そこはローテーションでうまくカバーするしかないと思います。自分も含めて、身長が高い方の選手3人がもっとうまくカバー出来ればと思います。 (1on1から得点を決めるシーンが増えたが)坂口先生からも言われていたのですが、去年はボールを持ったら他の人に任せるというシーンが多かったのを、今年は自分から点数を取りに行ってみることも成長につながると思い、積極的に狙っていきました。 (明日の試合に向けて)今日できたところは継続して、出来なかったところは試合前にもう一度確認して、出来るようにする。今日は自分自身は悪かったという感じはしていないので、これをモチベーションにして試合に臨みたいです。  

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