秋リーグ戦も2巡目を迎え、先日の試合では苦しみながらも明大相手に2勝目を収めた慶大。今日の対戦相手は同じく1巡目で勝利している白鴎大。なんとしても2勝目を掴み取りたい相手である。そんな負けられない戦いは、明大戦と同じ布陣でスタートした。1Qで26点を奪われ10点ビハインドの立ち上がりとなるも、粘りのディフェンスから流れに乗り、じわじわと詰め寄る。伊藤が復調の兆しとなる3ポイントシュートを決める場面も目立ち、4Qで逆転を果たした。結果を手に入れるべくして臨んだこの一戦、慶大は67-63で貴重な勝利を収めた。
2014/10/4(土) @つくばカピオ | |||||
第90回関東大学バスケットボールリーグ戦 第11日目 vs白鴎大 | |||||
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | 合計 | |
慶大 | 16 | 15 | 17 | 19 | 67 |
白大 | 26 | 10 | 15 | 12 | 63 |
◆スターティングメンバー | |||||
PG | #4 伊藤良太(環4・洛南高) | ||||
SG | #5 吉川治瑛(環4・世田谷学園高) | ||||
SF | #13 福元直人(環3・福大大濠高) | ||||
PF | #6 権田隆人(政4・慶應高) | ||||
C | #22 トカチョフ サワ(環1・國學院久我山高) | ||||
◆主要選手スタッツ(背番号/選手名/成績)◆ | |||||
#4 伊藤良太:19得点、#6 権田隆人:15得点、#22 トカチョフ サワ:11リバウンド |
2試合連続となる伊藤、吉川、権田、福元、サワの5人のスターティングメンバーで白鴎大を迎え撃つ慶大。1Q序盤はシーソーゲームが繰り広げられる。開始10秒で得点されるが、権田が1対1のドライブを沈める。伊藤が3ポイントシュートを決めると、相手も3ポイントで応酬。サワのシュートを権田が連続でアシストし、伊藤は激しいディフェンスでチームを鼓舞する。しかし、開始5分を過ぎると相手にゴール下から得点を量産されてしまう。慶大も積極的に3ポイントを狙うが得点にすることができず、一方でバスケットカウントを与えるなど苦戦を強いられる。1Qは16-26と10点のビハインドで終了した。
2Q、福元がスティールから速攻を決め幸先良いスタートとなる。慶大は序盤から権田のブロックなど力強いディフェンスを見せ、相手のオフェンス機会を奪う。なかなか得点を決めることができない中、二桁得点差を縮めるべく大元を投入。その大元が起用に応えミドルシュートを決めると、このシュートが口火となり、オフェンスが機能し始める。伊藤がゴールネットを揺らせば、大元のアシストから権田がゴール下を決める。そして、この場面で誰よりも会場を沸かせたのが西戸だった。スティールからの速攻、さらにこのプレーでバスケットカウントを獲得する活躍。勢いそのままに一挙11得点を奪った慶大は、残り2分のところで1点差にまで詰め寄る。その後得点を許すも、5点差の31-36で前半を終えた。
迎えた3Q、「ディフェンスをしっかりやりさえすれば勝てると思っていた」という伊藤の言葉の通り、ディフェンスリバウンドを積極的に取り、ロースコアの展開ながら流れを相手に渡すことはなかった。開始3分、伊藤が1Qに続きこの試合3本目となる3ポイントを決めてみせると、権田のシュートも決まり連続得点を奪う。5分を過ぎたところで、西戸のアシストからコートに入ったばかりの木村(環1・東山高)がゴール下を沈め、ルーキーの得点にベンチは盛り上がりを見せた。その木村が強烈なブロックで勢いをつけ、サワ、西戸が立て続けに得点を決める。終盤に相手に3ポイントを決められるが48-51とその差を3点にまで縮め、最終Qへと望みをつないだ。
最終Q序盤、相手の3ポイントで点差を6点に広げられてしまう。しかし、すぐさま伊藤も3ポイントで反撃。権田、西戸が好ディフェンスで相手のターンオーバーを誘い、チームを奮い立たせ1点差に詰め寄る。この勢いで逆転したい慶大は、ここ数試合シュートの確度に悩まされていた伊藤の3ポイントでついに逆転に成功。白鴎大もたまらずタイムアウトを要求する。そのまま引き離したい大事な場面で、権田がまさに値千金の3ポイントを決めると、続くプレーではその権田のスティールから大元が速攻でレイアップを決め、7点リードと一気に流れを引き寄せる。残り時間2分を切ったところで、相手はファウルゲームを仕掛けるが、大元が手にしたフリースローで着実に得点。67-63で見事勝利を収めた。
「何が何でも勝ちたい」(伊藤)試合で掴み取った一勝は、チーム、選手にとって非常に大きいものとなったに違いない。「勝てた理由の一つはディフェンス」と権田が振り返ったように、チーム全体にディフェンスへの意識が見られたこの試合、要所での果敢なディフェンスがチームを救った場面が目立った。今後も「自信がついてきた」(阪口HC)ディフェンスで、粘り強いバスケットを展開してほしい。また、試合からうかがえた伊藤の復調は慶大にとって心強い朗報だろう。次の対戦相手は1部リーグで圧倒的な強さを誇る東海大だが、ベストを尽くし、実りのある試合になることを期待する。
(記事:近藤侑未)
阪口HCまあ勝てばなんでもいいんだよ、本当に(笑)(調子は上向いてきたか)要するに全員でやれるようになってきたってことだよね、スタメンだけじゃなくて。伊藤も迷ってはいるんだけどね、いい方向にはいっているんじゃないかな。(1Qに離されたが)まあ相手が色んな作戦を使ってきたんだけど、うちも準備はしているのでね、対応はできたかな。(勝ち切れた要因は)やっぱり守りだね。守りに自信がついてきたかな。それが大きいね。残留も少し近づいたかな。(東海戦に向けて)まあ王者だからね、何か今後につながる、いい試合にしたいです。
[PG]伊藤良太(環4・洛南高)
今日の試合は本当に何が何でも勝ちたいという気持ちでこの一週間取り組んできて、特にディフェンスリバウンドとオフェンスリバウンドと、外シュートばかりに頼ってしまっていたのでドライブをしていこうという目標を持って挑みました。一試合通してその目標を達成できたわけではないのですが、ディフェンスを粘って勝利を掴みとれたというのはチームにとってとても大きかったと思います。(前半激しいディフェンスをしかけていたが)僕の中ではディフェンスをしっかりやりさえすれば勝てると思っていたので、その分前半にオフェンスがあまり良くなくても気持ちの上では余裕を持っていて、特に自分は困った時に点を入れて、あとは皆にのびのびとプレーさせるという気持ち取り組んでいたので、ディフェンスだけに集中していました。(シュート確度が良かったが)今まで良かったり悪かったりの繰り返しで、今日は割といいところで決められましたが、本当にシュートって無心で何も考えずに打つことが一番大事だと思っていて、今日はそういった気持ちの部分がいい形で入れていたと思います。自分のシュートタイミングは去年と比べると今年は違うと思っていて、そういうタイミングを掴めてきたというのも一つありますし、あとは本当に練習をしっかりとやって、練習量が多ければシュートは入ると思うので、今週は今まで入らなかった分シュートを練習してきたので、こういう形で成果が出てよかったです。(僅差を追う形で入った3Qは)点差が開いてしまうとチームとして沈んでしまうので、そこは僕が主将としてディフェンスを頑張れば勝てるということをチームに言い聞かせてきました。その結果チームが下を向かずに前を向き続けて、絶対チャンスは来るということを信じてディフェンスを粘ることが出来たので、逆転することが出来たと思っています。(逆転した時の意識)逆転した時こそ気を緩めちゃうとダメだというのは、勝った後に気を緩めちゃいけないというのと同じだと考えていて、逆転した時こそ強気のプレーを忘れずにという声掛けをずっと繰り返すことが出来たので、チームとしてそういった部分は浸透できて良かったです。やはり点差が離れたときや追い越したときの声掛けというのをガードとしてもそうですし、主将としても意識していこうと思っています。(明日の東海大戦に向けて)明日の東海大は一部リーグの中でも飛びぬけて強い相手で、勿論勝ちたいという気持ちはありますが、チームとして目標を持って、このリーグ戦を通して成長できるようにしていくことが大事だと思っているので、自分たちの何が東海に通用するかというのを一つ一つ試合前にみんなで意思統一して確認して、慶大としてベストを尽くした試合をできるよう頑張っていきたいです。(一巡目の東海戦とは違うということか)前回の試合はチームとしてバラバラになってしまい、本当に勿体ない試合だったと思っているので、今回は明確な目標を持って、全力でベストを尽くすということを意識して明日取り組んでいきたいです。同じ学生なのですし、不可能はないと思うので、本当に全力で勝ちに行きたいと思います。
[PF]権田隆人(政4・慶應高)
絶対に勝たなきゃいけない試合で、厳しかったですけど、先週に引き続き勝つことができて、非常に良かったです。(白鴎大への対策はあったか)オフェンスのパターンが決まっているチームではあって、スクリーンとかのプレーもコピーチームの人が頑張ってくれて対策できましたし、あとはセネガル人がいるのでリバウンドを頑張ろうということを試合前から話していました。(相手はゾーンも絡めてきたが)ちょこちょこはまってしまっている部分もありましたし、そこは反省点ですね。もっと厳しいゾーンをする相手もいるので、たくさん練習してコミュニケーションをとりながらやっていけたらいいなと思っています。(1Q以降はインサイドのディフェンスは機能していたように見えたが)やはりそこで取られ続けるのはよくないよねという話はベンチでもありました。裏パスを通されたり、カバーが遅れたりというシンプルな問題だったんですけど、そこの問題を一つずつ潰していくことで、60点は取られちゃったんですけど、ある程度うちがやりたいロースコアの展開にに持っていくことができたのかなと。(やはり勝因はディフェンスだったか)現状オフェンス力がそれほどないと言わざるを得ない状況にあるので、ただディフェンスで通用する部分があるというのは確信していますし、やっぱり3ピリまでビハインドでも勝てた理由の一つはディフェンスだと思います。(4Qのスリーポイントを振り返って)あれはマグレですね(笑)ただ試合に出てないメンバーからも権田さん前があいてるので攻めた方がいいですよとは言われていたので、それを実践した結果、完璧ではないですけど、決めることができたので、そういう指摘をくれたみんなに感謝したいです。(東海戦に向けての意気込み)非常に厳しい戦いになるのは予想されるんですけど、ただ僕らのディフェンスがどこまで通用するのかということを、学生王者に試すことができる数少ないチャンスなので、全力で頑張りたいです。
[SG]西戸良(総2・洛南高)
みんな意気込んでいたので、僕自身ベンチからスタートするという立場で、先輩たちが意気込んでいる中、どういう試合展開になるかを、冷静に判断しながら自分のプレーに入ることができたので、その辺りは自分としてもチームとしても良い流れを持って来られたので良かったと思います。(ベンチスタートということで具体的に意識したことは)6人目や7人目として出て行く選手というのはチームの流れが悪いときに出ることが多いので、どう自分が流れを変えるかというのを見ながら判断するようにしています。(2Qのスティールからのバスカンが流れを変えた一因だったと思うが)あのプレーは確かタイムアウトの後だったと思うのですが、先生にお前寝てるんじゃないのかと言われて、そこで気持ちを入れてがんばろうと思ったときに、予測していたような動きを相手がしてくれたので、自分の狙い通りスティールすることができてうまく行きました。(後半点差が縮まってきて流れを掴めた要因)チームルールとしてディフェンスを一番念頭に入れてがんばっていて、そこがうまく回ったときにオフェンスも流れを持って来れていたので、やはり一番大事なのはディフェンスで、それを今日はできたので流れが来たのだと思います。(次戦に向けて)明日はまだ一敗もしていない相手ということなので、自分たちが一周目のときに東海相手にできなかったことを二周目でできるように、チャレンジ精神を持って、最後まで諦めることなくがんばりたいと思います。
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