【ソッカー女子】第6節 圧勝も、昇格に向けて見えた課題 栃木SCレディース戦

 第21回関東女子サッカー二部リーグ 第6

終始、慶大が圧倒的に攻め込む展開になったこの試合。前半は決定機を生かし4得点も、後半は攻め疲れたのか1得点にとどまった。トータルで5-0というスコアだが、チームに満足する様子は一切見られない。「もっと強い相手を想定して戦っている。」(岩崎監督)と語るように目指す高みに向けて進化し続ける。

 

2015/5/24(日)14:30KO@慶應義塾下田グラウンド

慶應義塾大学5-0栃木SCレディース

 

【得点者(アシスト者)

[慶] 13二宮早紀 18赤羽紗里(二宮早紀) 23堀井美月(二宮早紀) 43傍田捷子(堀井美月)  90二宮早紀

[栃] 該当者なし  

 

◇慶大出場選手

GK野村智美(総2・作陽高)
DF遠藤未来(環4・村田女子高)→58分鈴村萌花(総1・村田女子高)
DF松本朋子(総4・十文字高)
DF下山田志帆(環3・十文字高)
DF田中康子(総3・常盤木学園高)
MF梅原那奈(環4・常葉学園橘高)
MF赤羽紗里(総4・スフィーダ世田谷)→45分志鎌奈津美(環1・常盤木学園高)→67分宮川渚(理3・成城高)→84分高見澤るり(政2・慶應女子高)
MF栃木栞(環3・十文字高)
MF二宮早紀(環4・常盤木学園高)
FW堀井美月(環3・常盤木学園高)
FW傍田捷子(総4・スパルターク)
 

この日2得点と活躍した二宮

体格、技術、スピードどれをとっても圧倒的に上回る慶大がキックオフ直後から攻勢に出る。ファーストシュートは2分。堀井美月(環3・常盤木学園高)がドリブルで切れ込み、中央にいた二宮早紀(環4・常盤木学園高)へラストパスを送りシュートを放つもこれはポストに嫌われる。6分に栃木SCにミドルシュートを放たれるもこの試合でゴールを脅かされたのはこのシーンだけ。ここから慶大が攻め続ける。11分、堀井が個人技で交わし、ミドルシュートを打つがこれは栃木SCのGKに阻まれ、先制点とはならない。毎試合、多くのチャンスを作りながらも決め切れない展開が多い慶大。それを避けたい今節は13分に待望の先制点が生まれる。ロングボールのこぼれ球を拾った二宮が放ったGKをあざ笑うかのようなループシュートが慶大にリードと落ち着きをもたらす。

攻撃を活性化させた傍田

勢いに乗った慶大は18分に二宮のCKから赤羽紗里(総4・スフィーダ世田谷)が頭で合わせ、追加点。23分にも縦パスを二宮がヒールで落とし、堀井がドリブルで持ち込む。キレのあるキックフェイントで勝負あり。ゴール右隅に突き刺し、3-0とする。防戦一方の栃木SCもボールに食いつく姿勢は見せるものの、慶大の奥行きと幅を使った多彩な攻めに翻弄される。36分には遠藤未来(環4・村田女子高)のクロスから傍田捷子(総4・スパルターク)に決定機。しかし、ここは栃木SCがなんとか耐えしのぐ。徐々に色んな選手が攻撃に絡み、厚みも増していく。40分、二宮の直接FKはクロスバーに当たる不運も、43分にペナルティエリア左からの堀井のクロスから傍田のヘッド。4-0で前半を折り返す。   後半開始時に慶大は赤羽を下げ、志鎌奈津美(環1・常盤木学園高)を投入。「とにかく刺激を与えたかった」(岩崎監督)と話すように、試合中にも選手間のポジションチェンジや選手交代が多く行われた。展開としては前半と同じく慶大による決定機の嵐。しかし、違ったのは「取れる所で取り切れない場面がすごく多い」と主将の松本朋子(総4・十文字高)が語ったように決定力の部分だった。   52分に早速左サイドを縦に突破した下山田志帆(環3・十文字高)からのクロスに田中康子(総3・常盤木学園高)が走り込み、ニアサイドめがけてシュート。しかし、これはゴールラインを割るか割らないかというところでかき出される。その4分後には二宮のCKに志鎌がヘッドもクロスバー直撃。67分にはその志鎌にアクシデント。相手のキックが頭に当たり、脳震盪の可能性もあるとして交代を余儀なくされる。代わって宮川渚(理3・成城高)がピッチに送り込まれる。しかし、「三年生で今出ないと後がない」(岩崎監督)宮川は期待に応えることが出来ず、悔しい途中出場途中交代。高見澤るり(政2・慶應女子高)が投入された。前半とうって変わって無得点の展開が続いたが、90分に二宮が裏に抜け出し、なんとか1点を奪い5-0。ここで、試合終了のホイッスルが響いた。

チームの守備をけん引した松本主将

チーム全体の認識として、取り切ることができなかった決定機をいかにモノにしていくか。これらひとつひとつのチャンスで試合、いや昇格が決まるかもしれないことを考えれば、非常に重要な課題だ。また、二宮と堀井の二人に頼りがちな攻撃もまだまだ改善する必要がある。しかし、岩崎監督がこの試合でチームに与え続けた刺激が彼女たちをさらに強い集団へと変える可能性は充分にある。今後も慶應女子ソッカー部から目が離せない。 (記事 森本凜太郎)  

 

試合後コメント

 

岩崎陸監督

(今日の試合を振り返って)後半もっと点を取りに行きたかったですけど、一人ひとりの判断が遅くて、チャンスは作っていたけどそれを決め切れない中でじれちゃってみんなでイメージを共有してゴール前に入っていくことができなかったですね。それが大きな反省点です。(試合中に複数の選手がポジションチェンジをしていたが)とにかく刺激を与えないと、というのがあった。CB二枚がずっと後ろにいてほとんど攻められる状況はなかったので、ボランチの選手の判断が悪くなったら変えてということをしました。志鎌は頭を打ったのでそれで交代させました。色々活性化させようと思ったんですけど、結果的には点を取れなかったから選手交代も含めて課題かなと思いました。(いつも出場機会がない選手の起用もあったが、それも刺激を与えるためか)宮川を途中で出したが、彼女は3年生で今出ないと後がない状況の中で、やはり責任もったプレーができなかったという点が気になった。それだったら、若い選手を使った方が良いという判断でした。宮川には堪えたと思うけど、とにかく、試合に出てる時に一試合一試合大事にして欲しかったということでこういう結論を出しました。高見澤は攻守の切り替えも激しく、勢いも与えてくれたと思います。(次節への意気込み)圧倒的に支配してる試合が多くて、そういう試合ができるようになっているというのは収穫として受け止めたいと思いますが、点を取るためにどういう準備をしていくかこだわって一週間やっていきたいです。相手もノッてきてる相手なので。しっかり戦いたいです。

 

松本朋子(総4・十文字高)

(今日の試合を振り返って)取れる所で取り切れない場面がすごく多く、そういった意味ではすごく苦しい試合になりましたし、そういうところを今後決め切れるようにならないと1部の舞台では厳しいかなと思います。(フレッシュなメンバーが増えてきたが)1年生も徐々に調子を上げてきて、最近は試合に出ていたりもするんですけど、もっと上級生が引っ張ってチームにフィットさせて早く新戦力となってもらえるように引っ張っていきたいと思います。(後半のポジションチェンジについて)後ろのパス回しからなかなか前に行けないというのもあって交代したというのもあると思うんですけど、結果的にはどっちにしろあまりうまくいっていない部分もあったので、反省が残った試合だと思います。(次節に向けて)次節が関東リーグの最後の試合なので、前期の締めくくりとしていい準備をしていきたいと思います。

 

下山田志帆(環3・十文字高)

(大勝となった今日の試合を振り返って)今日の試合は、前半4-0で点を取ることができて、その後も今リーグの中でそんなに順位が高いほうじゃないので、後半も点を決めて得失点差でより1位2位の上位の相手に近づきたいと思っていたんですけど、後半攻め切れなかったのが反省点だなと思っています。(4-0で後半を迎えるにあたって、どのようなゲーム運びをしていこうと考えていたのか)後半は4-0以上に点を決めたいとチーム全員で話していて、だからこそ、ボールを持つ時間は長かったんですけど、もっとゴールに向かって全員でボールを繋いで攻めて上がっていくというのを意識してやっていこうとしたので、ボールは持てたんですけど、点を決められなかったなと思っています。(この暑さの中で、体力的には厳しくなかったか)もう1か月くらい前から大分暑くなってきていて、その面はそんなに問題視していないです。(次に試合に向けて意気込みを)やっぱりもうここで負けたら関東リーグでは上位に食い込めなくなってくると思うので、1試合1試合が本当にもう最後の試合だと思って臨みたいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました