【テニス(女子)】1997年以来の快挙も王手からの悪夢の4連敗/第94回早慶対抗庭球試合

 先に行われた関東大会でシングルス、ダブルスともに慶大の選手が制し、満を持して臨んだ今回の早慶戦。1997年以来ダブルス2-0ターンの快挙を成し遂げるも、シングルスで4連敗を喫し、早大を倒すことはできず。しかし、1年生が慶大勢シングルス唯一の勝利を挙げるなど、この先につながる試合であった。

第94回早慶対抗庭球試合  2015/6/13、14 @早稲田大学東伏見三神記念テニスコート  

 

慶大

スコア

早大

D1

池田玲・西本恵

2{6-3、6-4}0

細沼・大矢

D2

安形玲耶・村瀬早香

2{7-6(2)、1-6、6-3}1

吉冨・上

S1

西本恵

0{2-6、2-6}2

吉冨

S2

村瀬早香

1{6-1、3-6、2-6}2

宮地

S3

江代純菜

0{1-6、4-6}2

細沼

S4

小林夏美

1{1-6、6-3、2-6}2

S5

押野紗穂

2{6-3、6-1}0

合計

この大一番でも、絶対的ペア池田玲(環4・富士見丘高)・西本恵(環4・岡山学芸館高)組の強さは盤石だった。第1セット、序盤にブレークするとそのままキープを続け確実にセットを奪取。第2セット、最初のゲームをブレークするも、第8ゲームでブレークバックを許す。しかし、二人はこれに全く動じず、直後のゲームを奪い、そのままストレート勝ち。貫録のプレーで慶大に1勝をもたらした。

絶対的な強さを誇る池田(写真・左)・西本組

絶対的な強さを誇る池田(写真・左)・西本組

D2は、春関制覇など今季ここまで絶好調の安形玲耶(環2・城南学園高)・村瀬早香(環2・京都外大西高)が出場した。第1セット、お互い譲らず、キープが続きタイブレークに。安形のバックのリターンエースが決まり、2-0とリードすると、安形のサーブから村瀬のボレーの得意の展開も見られ、7-2でタイブレークを制し、このセットを奪った。第2セットは、最初のゲームでこの試合初めてのブレークに成功するも、早大のエース、吉冨を擁するペアに押され1-6でダウン。運命の第3セット、4-3で迎えた第8ゲーム、必死に拾い続けたことが実りついにブレークに成功する。そして、最後はしっかりとキープし、ダブルス連勝発進を決めた。

積極的に前に出る安形

積極的に前に出る安形

5戦中2戦の勝利で早慶戦制覇という状況となった2日目のシングルス。S4に関東チャンピオンの小林を置き、必勝の体制で臨んだ。 S5には、1年生の押野紗穂(環1・つくば国際大学東風高)が抜擢された。「団体独特の空気でとても緊張した」という押野は、序盤固さを見せ先手を許す展開となる。しかし、第6ゲームでブレークバックすると、その後は「自分のスタイルでプレーできた」。積極的に攻め6-3でこのセットを奪うと、第2セットも勝負所での力強いショットや粘って相手のミスを誘い、全く相手を寄せ付けず6-1で制し、ストレート勝ちを収めた。この結果3-0となり、慶大が悲願の早慶戦制覇へ王手をかけた。

エースを決めガッツポーズする押野

エースを決めガッツポーズする押野

S4で起用され確実に勝利をしたかった小林夏美(環3・秀明八千代高)。結果的に「小林の試合が流れを変えてしまった」(坂井監督)。小林の課題である試合の入りの悪さが出てしまい、1-6で第1セットを落とす。第2セットは一転、小林の良さである積極的な攻めが出て、3つのブレークなど、6-3で奪う。しかし、小林は最後までいまひとつ調子が上がらなかった。第3セットもミスが多く、2-6で落とし、無念の敗戦となった。坂井監督は、「関東チャンピオンになって初めて迎えた団体戦でプレッシャーがあったと思うんですけど、ここを乗り越えることが次の課題だと思います。」と振り返った。

無念の敗戦となった小林

無念の敗戦となった小林

S3の江代純菜(総2・九州文化学園高)は、第1セットを1-6で落とすも、第2セットでは持ち味の気迫と、粘り強いラリーを見せる。しかし、あと一歩及ばず4-6。ストレート負けを喫した。

持ち味を出した江代

持ち味を出した江代

S2は、昨日ダブルスをとった村瀬が務めた。春関準優勝の早大、宮地主将。第1セットは、村瀬の積極性が実り6-1で奪う。しかし、格上である早大の主将を倒すことは容易ではなかった。第2セットを3-6で奪い返されると、第3セットも2-6。ギアを上げてきた相手にやりたいプレーをさせてもらえず、惜しくも敗れた。この結果、早慶戦の勝敗はエース対決にゆだねられた。

2年生ながらS2を任せれた村瀬

2年生ながらS2を任せれた村瀬

S1の西本、吉冨のライバル対決は、接戦が予想されたが、予想外の展開となった。西本は、最後まで吉冨に反撃の糸口を見いだせず、2-6、2-6で完敗。エースの完敗で慶大が手中に収めたかに思われたが、3-4で早慶戦勝利を果たすことはできなかった。

エース西本はインカレでの活躍に期待だ

エース西本はインカレでの活躍に期待だ

3連勝で王手をかけてからの悪夢の4連敗。悲願は目の前だった。「この悔しさをバネにして日々の練習に取り組みたい」(今橋真優主将・環4・東海大学付属相模高)。早大の差は縮まっているのではなく、もう「ない」に等しいのではないか。ダブルスで2-0を取ることが、特に5本の王座では、大きくなってくる。早大を倒し、慶大が日本一に立つ。早大の壁を壊すときは来たのかもしれない。

(記事:太田悠貴)

 

【監督・選手コメント】

坂井利彰監督

(女子ダブルスについて)狙い通りでしたね。1997年に早大を倒してから初めて2ー0にできた、確実にあれが流れを引き寄せたと思います。(女子シングルスについて)No.1対決に負けたのは力不足だし練習するしかないと思います。小林の試合が流れを変えてしまったと思います。彼女は関東チャンピオンになって初めて迎えた団体戦でプレッシャーがあったと思うんですけど、ここを乗り越えることが次の課題だと思いますね。限りなく早大との差はなくなっていますし、収穫は大きかったんじゃないかなと思います。(インカレ、リーグ戦に向けて)ケイスポさんに取材をお願いしたいということと、しぶといチーム、部員全員の力で日本一をとりたいと思っているので期待していてください。

今橋真優主将(環4・東海大学付属相模高)

(今回の早慶戦を振り返って)勝つべき年だったなと。S5の一年生が踏ん張って3-1まで持っていって、あと一本になったところで、勝ちきれなかったのは、今まで積み重ねてきたものの甘さであったり、まだまだ勝負強さの足りない面を感じました。(部員のみなさんにはどのように声をかけましたか)最後勝ちたい場面でこれだけやってきたと自信になるほど積み上げてきたものが甘かったし、練習中にとことん自分のできていないところとむきあって、徹底的に追い込んでやることを。またこの悔しさを忘れずに夏で結果を取り戻すために、これをバネにしてやっていこうと話しました。(今後に向けて意気込みを)確実に差は縮まってきていると感じるので、この壁を壊すために、追い込んで最後勝つためにやっていきたいと思います。

押野紗穂(環1・つくば国際大学東風高)

(今回の早慶戦を振り返って)チームで優勝できなかったのが悔しいです。自分は高校時代、団体に出場したことがなくて、団体独特の空気でとても緊張したのですが、自分は絶対一本とるという強い気持ちをもってプレーできたので、最初は緊張もあり守りに入ってしまいましたが、その後は自分のスタイルでできたかなと。やはり応援してくれるOB,コーチの方々、先輩やベンチに入ってくれる方々の力を受けて勝つことができたので、チームの結果は受け止めて、絶対に 日本一になれるように練習に励んでいきたいです。(今後に向けて意気込みを)チームでは日本一になること、個人ではインカレなどで優勝することを目指していきたいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました