【ソッカー女子】大学リーグ第3節 「もったいない」。悔しさ残るスコアレスドロー 国士大戦

連戦で迎えた第29回関東大学女子サッカーリーグの第3節、慶大は国士大を相手に初勝利を目指した。前半は守備に回る時間が長くなるも、一転して後半は攻め続ける展開に。だが、ポストに嫌われるなど運にも恵まれず、ノーゴールで終了。またしても勝ち点3を得ることはできなかった。

第29回関東大学女子サッカーリーグ戦 第3節

 2015/9/6(日)17:00KO@国士舘大学町田キャンパスグラウンド

慶應義塾大学0-0国士館大学

 

◇慶大出場選手

GK野村智美(総2・作陽高)

DF松本朋子(総4・十文字高)

DF田中康子(総3・常盤木学園高)

DF宮田あずさ(環3・文京学院大学女子高)

DF志鎌奈津美(環1・常盤木学園高)

MF下山田志帆(環3・十文字高)

MF栃木栞(環3・十文字高)

MF中島菜々子(総1・十文字高)

MF井原美和(薬1・大和高) →46分遠藤未来(環4・村田女子高)

FW二宮早紀(環4・常盤木学園高)

FW堀井美月(環3・常盤木学園高)

 

8月末に開幕したばかりの第29回関東大学女子サッカーリーグも、今節で早くも3戦目。連敗スタートとなった慶大は、前節からスタメンを変えずに試合に臨んだ。

 

慶大は序盤からサイドに起点を作られるも、球際に人数を掛けることで応戦。相手の攻撃のスピードを遅らせながら、次々とピンチの芽を摘んでいく。すると4分には反撃。堀井美月(環3・常盤木学園高)がドリブルで前線に運び、スペースに走る井原美和(薬1・大和高)を狙ってパスを出す。しかし呼吸が合わず、最後はDFに対応されてしまう。このシーンに代表されるように、前半の慶大はボールを奪うと速攻を試みるも、シュートまで結び付かない場面が目立った。

それでも、26分にはこの日初めての大きなチャンスが訪れる。栃木栞(環3・十文字高)が左サイドを駆け上がる下山田志帆(環3・十文字高)へ絶妙なスルーパス。下山田はファーサイドに低いクロスを入れ、これに二宮早紀(環4・常盤木学園高)が倒れこみながら合わせたが、惜しくもGKにセーブされてしまった。

その後も安定したディフェンスを披露したものの、逆に決定機も生まれず。静かな展開のまま前半を折り返した。

 

雨足が強くなった後半。「シンプルにボールを蹴ってくる相手に付き合っていた部分があったので、自分たちで落ち着かせてサイドから攻めていこう」(岩崎監督)と指示を受け、積極的な入りを見せる。

 まずは50分。志鎌奈津美(環1・常盤木学園高)が左サイドからペナルティエリア内に進入し、左足を振り抜く。これで得たCKで、堀井のキックから最後は田中康子(総3・常盤木学園高)がヘディング。さらに60分には、堀井が左から中央に切れ込んでシュート。セットプレーも交えながら立て続けに相手ゴールを脅かしたが、ネットを揺らすことができない。

それでも、敵陣でゲームを進める慶大は81分。自陣から素早いカウンターを仕掛ける。堀井のスルーパスに抜け出した志鎌が左足でゴールを狙うが、無情にもポストを直撃し、控えの選手までもが思わず頭を抱えた。アディショナルタイムにも、ディフェンスラインの裏でボールを受けた二宮がGKをかわし、ゴールネットを揺らす。しかし、オフサイドの判定となり、得点は認められず。結局最後まで1点が遠く、またしても初勝利を逃す結果となった。

 

 

試合直後には涙を流す選手も見られた。第29回関東大学女子サッカーリーグは全9節の短期決戦。インカレ出場を勝ち取るため。そして今節を正念場と位置付けていたために、悔しさが込み上げてきたのだろう。ただ、主導権を握り続けた後半に手ごたえをつかんだことも事実。すぐに切り替え、前を見据えている。

 今季昇格を果たした1部の舞台で何が通用するか。試合中もコミュニケーションを取り続け、組織化されている守備。また速攻とセットプレーを中心とした攻撃。結果として表れていなくとも、収穫は多い。あとはゴールだ。「細部を突き詰めることでパワーアップしたい」(岩崎監督)。次節こそ、選手たちに笑顔は見られるか。

 (記事 木下彰)

 

試合後コメント

岩崎陸監督

(今の気持ちを)次につながる勝ち点1にするために、「今日の試合はしょうがない」と切り替えようとしています。大学リーグでは勝ったことのなかった国士大に対して攻めに出て、修正しながら戦えたことが良かったと思っています。(具体的にどのような修正を行ったか)シンプルにボールを蹴ってくる相手に付き合っていた部分があったので、一回自分たちで落ち着かせてサイドから攻めていこうとしました。後半はそれが上手くできたので、シュートに至る場面が多くできたのだと思います。(今年は国士大と既に二度対戦していたが)蹴ってくる相手は慶大が一番苦手とするタイプだったんですよね。フィジカル勝負に持ち込まれて、サイドに速い選手がいて。ただ今日はこれだけの戦いができたので、一つ自信にして次節に生かしていこうと思っています。(3連戦で得た一番の収穫は)自分たちがやってきたことを出せれば勝機が見えてくるなと。早大戦も日体大戦も五分五分とまではいかないですけど、要所は通用するな、と。国士大に対してもシュート数で大きく上回りましたし、皆が手ごたえを感じることができたことが、一番の収穫だと思います。(次節まで期間が空くが)どのように相手を崩して、どのようにゴール前に入っていくかなど、点を取るために細部を突き詰めていきたいと考えています。次節の武蔵短大戦も、さらにパワーアップして臨めるようにしたいと思います。

 

松本朋子(総4・十文字高)主将

(今日の試合を振り返って)前半に自分たちのやりたいことが特に攻撃の部分でできなかったというのが45分間もったいなかったです。最初からそれ(後半の攻撃)ができていたら、という試合だったと思います。(後半は前半より攻撃的にいったことについて)前半は相手に押し込まれることが多くて、そこに対してシンプルにシンプルに、という対応になってしまったところを1つ1つ繋いで相手のサイドを突いていこうというところを改善しました。(今年2回対戦した時と比べてどうだったか)前回の方がゆっくり落ち着いてボールを回せた時間があったように思えて、そういう意味では「大学リーグ」という圧力もありましたし、そういうところで自分たちのサッカーが出せなかったところもあります。(最後のあいさつの時に悔しそうだったが、試合を終えた時の気持ちは)これだけの雨でも、これだけ遠いところでも、国士大以上の人が来てくれている、というのを感じる瞬間なので、その人たちに勝ち点3を届けたかったという気持ちがあったので、次節は必ず勝ち点3を取れるように練習していきたいと思います。(最後に一言)OGも含めて誰もが1部で勝つ瞬間を望んでいると思うので、なるべく早く1つ勝って、チームとしても落ち着けるように空いている期間に取り組んでいきたいと思います。

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