高3時に全日本ジュニアで結果を残し、期待を背負い入学してきた逸﨑凱人(環1・大阪産業大学付属高)。大学1年目の昨季、春関ベスト8で衝撃のデビューを果たすと、春の早慶戦から単複に出場。大学トップクラスの正確無比の「バックハンド」と強気なプレーを武器に、1年目から慶大の主力として数々の勝利に貢献した。そんな「怒涛の1年」過ごした逸﨑に昨季の振り返り、今後の目標や日本一への思いを伺った。
「自分のテニスと向き合えた1年だった」
――大学1年目からインカレベスト16など好成績を残されましたが、1年目を振り返っていかがですか
インカレまでも、最初の春関から始まって、そこでベスト8、早慶戦でシングルスで勝って、ダブルスも5セットの接戦で、本当にすごくイベントがたくさんあって、怒涛の1年間でした。その中でも、結果もそうですし、自分のテニスとしっかり向き合えた1年間だったと思います。
――昨季、特にダブルスは接戦で落としてしまう試合が多かったと感じます
王座のファイナルセットは、慶應としても大きな1セットで、あそこを取れるのが早稲田の強さというか、そこが早稲田の壁だなと感じて、それを越えるためには慶應らしくひたむきに1年間練習して、部員一人一人が頭を使っていけば、今年こそ日本一になれると思います。
――慶應チャレンジャーでは、単複どちらも大学生とはかけ離れたビッグサーバーとの試合でしたが、どう感じましたか
シングルスに関しては相手が2メートルを超えてて、あんな選手とやったのは初めてだったんですけど、自分も攻撃的にプレーするタイプで、攻撃するときの雰囲気だったりとか、あんなに早い球を打てるかはわからないんですけど、勉強になった試合でした。ダブルスも自分たちのリターンがこんなに返らないかというくらいサーブが早くて、ダブルスでサーブというのは重要だと思うので、あの基準を忘れずに1年間やって次の慶應チャレンジャーでは勝ちたいですね。
――インカレインドアでは初戦敗退となってしまいましたが、振り返っていかがですか
インカレインドアは正直優勝を狙っていて、ダブルスは上杉さんのアクシデントでしょうがなかったんですけど、シングルスはあまりうまくいかなくて、その中でも接戦をものにできる力というものがまだまだだなと感じました。インカレとかは1週間という長い期間試合があって、うまくいかないときもあると思うので、そこは課題です。
――大学という新しいカテゴリーに来て、通用すると感じた部分と、まだまだだなと感じた部分をそれぞれ教えてください
自分はバックハンドがすごく得意なんですけど、そこは通用していると感じています。大学生のほうが一枚上手だなと思った部分は、みんなミスが少なくて、粘って粘ってプレーする人が多いので、自分もそういうところを見習えたらなと思います。
――昨季最も印象に残った試合を教えてください
春の早慶戦のダブルスの試合ですね。5セットマッチのファイナルまでいって、初めての5セットマッチで、ギャラリーもすごく多くて、その中で長い試合ができたんですが、あそこが今年の一つの分岐点というかターニングポイントになったと思っています。
――5セットはつらかったですか
いや、ダブルスだったので体力的にはそんなにつらくはなかったんですけど、5セットも集中力を持続させることが、精神的にしんどい部分はありましたね。でも、それ以上に楽しかったです。
――畠山さんとのダブルスは見ているほうにも二人の楽しそうな雰囲気が伝わってきます
元気を出すことと、前にどんどん出ていくことは決めていて、それができたときは結果にもつながっているので、その2つだけを意識して試合に臨んでいます。
――畠山さんと組むと楽しいですか
ぼちぼちです(笑)
――すでにチームの中心選手ですが、今後チームの中でどんな選手になっていきたいですか
試合に出ていた4年生が3人いなくなって、戦力的には落ちたかなと思われるかもしれないですけど、層が薄いといった部分を、これから冬の期間に練習量でカバーして、今年は王座優勝に貢献できる選手になりたいと思います。
――慶應庭球部に入る前と今で何か庭球部のイメージで変わったことはありますか
慶應のイメージは、ルールであったりとか、挨拶であったり、基本のところを大事にしていて、入る前からそれはわかっていたんですけど、1年間やってきてもそこのイメージが強くて、他の大学と比べてもそこは慶應が誇れる部分かなと思います。
個人戦はインカレで日本一を目指すことはもちろんなんですけど、こないだの慶應チャレンジャーでダブルス本戦に出場させてもらって、2セットともタイブレークで取られて負けてしまったんですけど、あの試合でチャレンジャー大会に出場している選手にも通用する部分はあるなと感じて、3月にフューチャーズ大会がいくつかあるんですけど、そこでしっかり結果を出して、学生大会だけでなくそういう大会でも結果を出したいです。
――学生王者を目指す上でチームに越えなければいけない壁があると思うのですが、そこについて教えてください
上杉さんとは、地元も同じ大阪でいつかは越えなきゃ自分が日本一になれないと思っていて、言っちゃ悪いんですけど、上杉さんが今出られない間に、行けるところまで上に行って、この間に抜くもの悪くないなと思っています(笑)
――最後に今季の意気込みと日本一への思いを聞かせてください
今季の意気込みとしては、学生大会だけではなく、フューチャーズ大会などに出場して一つでも多くプロの選手にも勝てるようにしていきたいと思います。また、チームとして王座で優勝できるように、自分としてもチームとしても、切磋琢磨し合って成長していければと思います。
(企画・取材:太田悠貴)